−回想−
[ソフィーを送り届けた後、真っ直ぐに自宅へと戻る。
去り際にこちらを見るソフィーが不思議だったが、自分が考えていた事は恐らく彼女が思っていることとは正反対だろう。
両親に毎夜罵られ、殴られ、一人震え泣いている所に優越感すら漂わせ無理矢理覆いかぶさってくるもう一人の自分。
その時、その顔は酷く醜く見えていたことを覚えている。
あれが自分の顔なのかと思えば、自分の容姿を見たくないもう一つの理由となった。
誰かに触れられるのもまっぴらだった。
大学入学後、言い寄ってくる女性はいたが殆どをつっぱねた。
人との付き合い方をしらなかったし何より誰にも関わりたくなかった。
押しに負け付き合った数少ない女性も身体を重ねたのはほんの数回程度。
前戯はこなしても挿入前の、自分を求める顔にどうしようもない嫌悪感を感じ、大体はそこで終ってしまうからだった]