[触れて良いのだろうか。また怯えさせてしまわないだろうか。悩むあまりに行動も、声さえも出なくて。ただ、僅かに速まった心音が伝わってしまいそうで][ぽつりぽつりと言の葉が落ちて。やがて離れていくのに、さら、と頬を髪が掠める。名残惜しさを感じるも、片手は未だ触れたまま]…なら、少しずつ、だな。[紅い薔薇はポケットに挿して。掴まれた腕は振り払わないままで手を軽く上げる]俺からやらない方がいいだろ。触れていいトコに触らせてくれるか?[自身の手を彼に導かせる。そういう手段に]