― 一階、エントランス―……夜桜さんは、誰を見て、誰を見ていないのでしょう。さつき様は、聞いてはおられませんか?[窓の外へ眼を遣る。花蘇芳が咲いていた。]……誰を、[未だ持ったままの刀を握り締め]……。[血文字を思い出す。後に残るは翠、さつき、夜桜、雲井、枚坂、望月、仁科、来海、江原―――]