――二階/階段――[傍らの少女に命じると、云い淀んだ夜桜を階段へと引っ張り、さつきは彼女の瞳をじっと見詰める。ぬばたまの瞳が逃げるように惑い、揺れた]何事か、仁科さんに云われたのですか?隠し立てなどせず、云ってお仕舞いなさいな。私で助けられる事であれば、力に成りますけれど。[さつきが水を向けても夜桜は暫くの内躊躇いを示したものの、やがて仁科から聞かされたという怪事>>117をつかえつかえに話し出した――]