[漸く息苦しさから解放されて、息を吐く。]
はぁ―――、はぁ、は……ぁっ……。
[体をくの字に曲げようとすると、今度は喉に触手が巻きついた。漂う臭いに、とろりと、瞳から光が堕ちかけるも、届く声に正気が戻る。]
どのような気分も、……っ、
なにも、ないっ……!
私にとっての絶望は――くっ
[手首を締められ、続いて焼けた臭いがした。滅するには注入した気力が足りないらしい。浮かび上がる梵字もどこか薄かった。手は伸ばせない。代わりに、睨みつけることで返事をした。]
要らん。
どうせ、それは――、
[手段を奪われたにも関わらず、かすかに女は笑ったように見えた。そして次の瞬間、刀ではなく女自身の体が発光した。]
人間爆弾!
[どっかーん!]