[下方に円弧を描いた透明な唾液のラインに羞恥心を覚えた。]…あ。ネリーは、何を。[何を知ってしまったの。地倉庫に閉じ込められても平気なの──。と、言いかけた言葉は舌に登り切らず止まる。]……怖いわ。ううん、それよりも着替えの続きを。[慈しむように人差し指を口唇で拭うネリーから目を背け、もう一度クローゼットへ向かう。]