[ユーインの死体が見つかったのは冬のある日だった。
その後、自室から遺書も見つかって、自殺と処理された。
町が小さいせいか、人々は小さなニュースでも飛びつき、どんどん尾ひれはひれをつけていく。
この場合、そこまで誇張ともいえなかったが。
ユーインは確かに自殺だった。
遺書もユーインの筆跡と確認されている。
死因は刃物で腹部を刺したからと『推測』された。
凶器も見つかり、調査もそれで済んでいた。
何故彼は自殺したのだっけ。
『確か…あれは…そう、俺が…いや…違う…』
浅い夢は物語のように次々と情景を見せる。
起きれば忘れてしまうのに、いつも間際に悪臭のするヘドロのような足跡を俺の記憶に残した]