――村の酒場――
[一通りいつもの仕事を終え、帰ろうとする...を、店の主人が柔らかい口調で引き止める。]
なんですか?マスター。まだ仕事があるのなら、私残っても良いですよ…っきゃっ…!
なんですか?この荷物…。
[振り返った...に、主人は大きな袋を手渡す。とっさに差し出した腕の中でバランスを崩した中身達が、弾みでカランとぶつかり合う音が聞こえる。
聞き覚えのある音。それは紛れもなく…]
もしかしてマスター。これ、お酒?
……えぇ、クインジーさんも確かに集会場にはいらっしゃいますけど…。はぁ、差し入れですか…。
えーっと…多分断っても無駄ですよね?
では、参加者の内どれ位の方がお酒を嗜まれるか判りませんが…。マスターのご好意は、有り難くいただいて行きますわ。ありがとうございます。
[腕に圧し掛かる重さに耐えられない故に、好意を素直に受け取り、礼を述べた...の姿を見ていた主人は、抵抗出来ない事を良いことに、ついでに...の掛けている眼鏡を外し、後ろに纏めていた髪をほどいた。]