「どっちにしろ――狼の母親の言う事じゃアねェか。」[波立つ中、1人の若者がセシリアとジェーンへ、冷たい憎悪を向けた。その声は、冬の湖のようだった。]「俺の兄貴は自警団に入っていた。そしてあの女に殺されかけた。――オイ皆!こんな話を信じるのかよォ!?」[ヒュンと空を切る音。セシリアの腕に鋭い何かの煌きが一直線に吸い込まれていく。]