[...は、誰にともなく、歌うように語りだす]
人生はまるで本のよう。
楽しいことも、悲しいことも、全部入った一冊の本。
辛いこともあるけれど、ずっとそのままなんてことはない。
ページをめくれば、いつかは楽しいお話になる。
今日のあたし、昨日のあたし。
どちらも同じ『セシリア』だけど、どこかで何かが違ってる。
1か月前のあたし、1年前のあたし。
どちらも同じ『セシリア』だけど、同じだなんて思えない。
あたしが知ってる『セリアさん』も、長い物語の1ページにすぎない。
ちょうどこうして、しおりの挟まった1ページ…。
[...は、真っ白な本に銀のしおりを挿し、ぱらり、とそのページを開いた]