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【Immortality, Inc.】
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[その社屋に掲げられた名称は、数世紀前では只の冗談としか捉えられなかっただろう。重厚なマホガニーの机に頬杖を突き、彼女は夢想する。
死が絶対の終焉であり、人生がただ一回きりのものだった時代。今でも世界のどこかには、そういった生活を営んでいる人々が居るとは知っている。だが、彼女にはその実感が沸かない。生まれる以前からあり続け、そしてこれからも当然のように歩んでいく組織――『不死販売株式会社』の中枢たる、彼女には]