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嗚呼、有塵様。
わたくしは所詮、日蔭の身。
好いた惚れた御相手が居られる方を、影で泣き泣き、言葉を放たず、密やかに愛するのが常……。ましてや、女人には決して敵いませぬ……
――くつくつ、くつくつ。
いいえ、冗談はともかく。
こちらの皆々様は、わたくし達を忌み嫌うような視線を向けて居りますねぇ……。
昨晩、林檎飴屋の御主人が殺されましてね、其の嫌疑がわたくし達に掛けられている様子。
嗚呼、人も妖しも、其の暗い疑念の目が畏ろしい……。
手厳しいねぇ。
綺麗なもん愛でるのは世の常さぁ。
碧が居りゃぁ嬉しいがねえ。
[相変わらずの調子で謂い、なぜと問う有塵に]
気づいてないのかいお前ほどのヤツが。
酔っ払いもほどほどになぁ。
[笑い流し見百鬼夜行]
ヒトの姿となっちまってる俺たちが狩る者じゃねぇかと
疑ってかかってやがるのさあ。
殺された…?去んだのか。そうか…
あやかしを狩る人間の仕業なのだな。それで人型の吾らが怪しいと…そういう事か。
[目を伏せ、悼む風情を見せるが、憂いや恐れはそこには無い。]
[何処と無く夢中に漂う気色の侭。]
それ故、わたくし達はヒトの姿の呪いは解けず、更にはこれ以上狩られぬよう、わたくし達の中から狩人を捜し出さねばなりませぬ……。
命を掛けた『鬼ごっこ』。
わたくし達はそれに巻き込まれたのですよ、有塵様。
遥月が日陰なんざ、罪な世の中もあったもんだなあ。
[笑みを浮かべて頷いて]
そうさあ、鬼ごっこだなぁ。
十一人の中にヒト二人。
主様は供物に魂を御所望なのさ。
喰え刺せ捧げろ。
やれ殺せ、やれ狩り立てろ。
[祭りの囃子を歌うかのよう、響く声で緋色が謳う]
おれは、物の怪には興味がない…なかったからな。
元よりあまり注意を払わぬ。
こやつらの方でも、おれの気紛れで散々な目に負うているから、普段は近寄りもせぬ。
[くく、と苦笑が浮かぶ。]
とは言え、酔うておるのも確かよ。
『鬼ごっこ』のう……。
殺すか、喰うか。壊すか、千切るか。
[血に浮かれたような喰児に、酔いに潤んだ流し目をくれ、]
おまえの好きそうな趣向だ。
[眼下の黒を覗き込み]
まあそうだなあ。
酷い花の嵐で吹き飛ばされたヤツも多いだろうさあ。
危うきには近寄らずってな。
酔ってるのは見りゃわかるさ。
櫻色になってるからなあ。
[からかい笑みで眦指して]
[囃立て、声を響かす喰児を見てカラカラ笑う。]
嗚呼、いやですねぇ、喰児様。
ほうら、益々皆様が殺気立っていらっしゃる。まだ陽の高いうちに緋色の雨を降らせるのは、お止しになって下さいませね?
あらあら、有塵様まで。
いけませんよ、酔いに任せて殺しては。
[口許は、紬でそっと隠したまま。]
[ゆらゆらと紅差した若衆の、艶めく白面を見遣りて]
そう言うて、おまえも存外好きそうだ。
のう…?
貪りとうて堪らぬ気色が見ゆる。
[薄く色づく笑みを浮かべる。]
[ほんのりと紅差す闇桜の男へと、くすりと笑って首を傾げた。]
ふふふ……さあ、如何でしょうねぇ……。わたくしは血肉は欲しませぬが。
しかしヒトも妖しも『生』を求むる時の『精』が最も甘美な味がします故、殺して食らえと言うのなら、喜んでその『精』を戴きましょう……。
おれは……面倒臭い。
どうせ散る桜の命に憂き世の塵は無縁……
と言いたいところだが。
散るを待てぬは無粋の極み。せめて春の終わりまでは。
日が高いうちは駄目ってか。
夜になったら降らせてやろうかい?
同じ名の月も紅く染まるだろうなあ。
[血潮と同じ色した髪が櫻の風に弄られる]
咲いた櫻が散るまでは
有塵もこの喧騒無視できねぇだろう。
綺麗な花が咲きそうだ。
[顎に手を当てくつくつ笑う]
[有塵の言葉に、コクリと頷いた。]
ええ、ええ。
殺すと言って死ぬと言う方はまず居りますまい。
だからこその、命を掛けた『鬼ごっこ』……。
愉しいか否か、感じる暇は無さそうですねぇ……。
[喰児を見ながら、ふぅと溜息。]
嗚呼、喰児様。
わたくしを紅く染めるのは、わたくしの血ではなく、貴方様の熱でお願い致しますね。
[屈託の無い笑み。子どもの様にニコリ。]
ふん…さして惜しい命でもない。
もうあまり時が……
[と、そこから先は言葉にせず。]
ただ、咲いた桜を半ばで散らす、無粋は手向かうだけのこと。
彼のおとことの契りの時が過ぎるまで。
ええ。その通りですよ喰児様。
[屈託の無い笑顔のまま、喰児の腰へと掌を。]
貴方様が欲しないならば話は別ですが。嗚呼、呉れ呉れも、常盤様にはご内密にお願い致しますね?
[瓢からまた一啜り、]
[これ見よがしに墨染めの衣の襟をはたいて扇ぐ真似。]
[いや、薄紅に染まる胸を見れば、本当に熱くなっているのだろうが、]
おお、おお。暑い暑い。見せ付けてくれるな。
常磐の女君には見せられぬ。
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