情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
………有塵様。
[紅を引いた唇が、微かに動く。紬の袖で唇の震えを隠し、有塵へと近付いてゆく。]
先ほどあちらの林にて、山吹の着物を着た娘子の亡骸を見つけました。おそらくは、蘇芳様のものかと存じ上げます……。
[袖の奥で、溜息をつく。]
嗚呼、おぞましき血のにおい……。
鬼ごっこが始まったのですね……。
―回想―
[頬を伝った水の感触][まずいと思い霧をもて]
[叫んだ青鬼聞こえれど][ただ求むるは泉の気]
汝れを責めたいわけではないのだ――
[はらはら][はらり] [雫は落ちて]
少し――寂しく思うただけよ。
[袖を目元に当てながら]
[泉のほとりで膝ついて]
……いいえ。
社に血の痕と、その傍らには御酒の瓢箪。宴の最中に血肉を食らった跡が御座います故……
狩人の仕業か、はたまた妖しの仕業か、断定はできませぬが、おそらくは……。
[暫く間を置き、沈んだ声音で誰にともなく呟く。]
あの女童は可哀相なことをした。
見た目は歳若けれど、器物の怪にてまことの齢は分からぬが……笛吹くだけの怪なれば何の咎もなかろうに。
狩人だけでも厄介だと申しますに……。
嗚呼、常盤様のおっしゃる通り、いよいよもって「鬼ごっこ」の時がやってまいりましたね。いつ何時、わたくしの身が妖しに喰われてしまうか分かりませぬ……嗚呼、畏ろしい。
「狩られる前に狩り、喰われる前に喰え」……
妖し達の同士討ちなど愚かだ、なんて悠長なことを言っている場合では無くなったようで御座いますねぇ……。
己が喰わねば、喰われて散るのみ。怯めば、死あるのみ……。そういうことでございましょう……?
―現在―
[一晩過ぎて][夕べを思い返し――]
[青司の中に居たのは誰か][笛の叫びはいつか聞こえた童女のもので]
蘇芳――――。
汝れはまことの九十九神じゃったのにのぅ。
やはり魂の揺らぎは嘘をつかん――難儀じゃ。
汝れがたとえ狩る者であったとしてもわらわは泣いたであろうが。
[減る怪しは最小限に]
[狩る者狩って][また涙して][この関わりを終わらさん]
――万次郎を半分は信じようか。
[手に持った瓢の酒を更に呷り、]
殺らねば死ぬるか。
はは、ますます以って呑まねば居られぬわ。
[目許朱に染め直して、空しさ含んだ笑いに唇歪めた。]
[今を盛りの薄墨桜、]
[己の宿るその樹を振り向いて見上げ、]
春の終わりを待たず散る、か。
否。
それとも命汚く散り終わるまで生きるか。
おれは。
[はらはらと花の雪積もる。]
尤も……
このような惨劇は、狩人が紛れ込まねば起こらなかったこと。嗚呼、早う狩人の魂を主に捧げ、この惨劇を終わりにしとう御座います。
……喰ろうて、狩って。その繰り返し。
嗚呼、わたくしも今暫くは、修羅に成らねばなりますまいて……
[遥月は物憂げに*溜息をついた*]
おれには誰がまことの怪か分からぬ。それを知る術も無い。
誰を疑いたくも無いが、誰も彼もが信じられぬ。
今更に惜しい身では無いが、花の終わるを見たい。
せめて、桜に霞む山が見たい。
その願いすら叶わぬのなら……
[カラリ][コロリ] [歩みを進め]
[ふらり][ふらり] [あてもなく]
死さば判らぬ妾など、居ても何の意味もなさそうじゃ――。
[歩みを進めてみれば、遥月と有塵が見えようか。
遥月の様子に目を細め、傍の有塵に問いかける]
何ぞあったか。
[いつの間にやら][笑みはいつもの通りで]
[袖は口元より少しばかり上に当てて]
ああ…。
[変わらぬ白水の笑みを見て]
山吹の女童が去んだ……喰われたと。遥月がおれに教えてくれたのだ。
[酔いに潤んだ眸には、憂いの気色。]
――蘇芳か。
それを知ったということは、肉体も付近にあるのじゃな。
[酔いに潤む有塵の憂い]
[さらりと頭を撫でようか]
関わりを持った者が去んでしまうはやはり寂しいのぅ。
―――たとえそれが狩る者であったとしても、同じこと。
[手は離れて]
蘇芳は紛れも無く怪しじゃがな。
[笑みは消さず]
見つけて終わらせれば必要以上には減るまいよ。
[有塵の問いには目を細め]
[暫し思案] [口ひらく]
妾は途中で退席したゆえ、顛末までは知らぬ。
居る間は、蘇芳が居ないを遥月や常葉と訝しんでおった。
――赤鬼青鬼の姿が見えず、帰りを待たず妾は帰った。
途中で青鬼に出会うたが、赤鬼とは少し前に別れたと謂う。
赤鬼は恐らく碧鬼の所へ戻ったであろう。
――それだけじゃ。
[さらり頭撫でられ、一瞬驚くが、]
[白き女の笑みに、仕方無しとやや諦める。]
[が、言葉の意味を受け取りかねて戸惑う。]
肉体……骸は林にあるとそうだが。
よう分からぬが、白水は既に女童の死を知っていたのか。
喰児たちから聞いたのか。
喰児は己が喰ったのが怪と知って何ぞ言っておらなんだか。
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新