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く…ぁ、―――。
[ぐらり。口もと押さえ身を折り、地に膝ついて。
酒と共に呑みかけた蘇芳の魂吐き戻す。
ゆらゆら墨に捉えた魂逃げて往く。
強く握る水珠、手の中ぱちりと割れて肉焦がす]
…は、はは。此れは何ぞや。
夢から覚めてもなおも童は食えぬというのか。
それとも狐様のお怒りとでも云うのか。
ああ、ああ、畜生。それでも己は百鬼なのだ。
世迷い事なぞ、なんとなろう。
[くつり歪な笑み浮かべ
口元拭う、手の中残る花びら墨染まり
黒く青く染まり往くだけ]
おや、喰児は本気かえ?
アタシを喰う気にゃ見えないがネェ。
[光る金色] [眇める碧] [白の指] [唇に置いた侭]
次の土産は魂が好いヨゥ。
こンだけ旨けりゃ目も醒めようさァ。
[酒持つ様] [新たな瓢箪] [白の手伸ばし] [一口煽る]
嗚呼、佳い宵さァ。
[喰う気がないと謂われても、
鬼は眼を細めて見せるだけ]
俺ぁ優しいからねえ?
魂かぁ、そんなら次はそうするさ。
吃驚して眼が覚めちまうようなのを持って来てやるさ。
[傾く月を水面に映し
其れごと呷る春の宵]
だなあ。
佳い刹那さあ。
[細まる金色] [ニィと笑み]
気付いたら消えちまってても文句謂わぬ程に優しいと好いけどさァ。
目の醒める魂たァ大きく出たネェ。
嗚呼、楽しみだヨゥ。
刹那を楽しむにゃ未だ足りぬさァ。
そろそろ往くヨゥ。
[白い手] [そぅと紅い髪梳き] [遊螺り] [立ち上がり]
[紅い番傘] [くるうり] [山吹の月] [蜘蛛の巣綺羅リ]
そいつぁいけねえ。
其の前に捕まえちまうさあ。
[碧の描いた弧を見つめ]
ああ、楽しみにしてなぁ。
足りねぇかい。
刹那を満たすまでに
俺も消えちまわねぇようにするさあ。
往くかい。
また佳い夜にでも逢おうさ。
相棒はまだ散歩かねえ。
[蜘蛛の巣光る番傘と月と女と甘い声。
*瞳に宿るは何色か*]
鬼さん此方、手の鳴る方へってネェ。
[小さく手拍子] [コロコロコロリ] [軽やかな笑い声]
[ひらり舞う花弁] [蜘蛛の巣張った] [番傘に降り積もり]
満ちるも刹那、楽しも刹那、刹那紡いで遊ぶのさァ。
嗚呼、佳い宵にネェ。
[大きな赤鬼] [去り往く背中] [白い手ひらり] [踵を返し]
[カラコロカラリ] [下駄の向く侭] [気の向く侭] [*休憩に*]
[カラコロカラリ] [下駄の音響かせ] [向かう先] [林の奥]
[現れたる鬼火] [ゆらり] [ゆらり] [蒼い炎] [揺らめき] [嗤う]
水が使えねば火は消せぬとお思いかえ?
雑魚一匹如き、如何とでもなるンだヨゥ。
[ぱぁん] [番傘たたみ] [地を叩く] [舞い上がる土煙]
[鬼火飲み込み] [ぱぁん] [番傘開き] [体重かけ一突き]
[蜘蛛の巣張られた傘] [一瞬の炎では燃えず] [だん]
[急所を突かれ] [炎弱まるに] [傘引き抜き] [くるうり]
[ひゅうい] [糸引き] [木の枝乗り] [片膝立て]
[覗く白い太腿] [黒き蝶] [*静かに翅を休めて*]
―境内近く、林の中にて―
[男は微かに下駄鳴らし、しゃなりしゃなりと歩きゆく。何時ものように、林を抜けて――]
……おや?
[袖を口許に当て、眉をしかめる。おぞましい程の血肉のにおい。空気に触れて、其のにおいは赤から黒へと変わり行く時分というところか――]
これは………
[唇の紅がふるりと震える。足が竦み、黒い足袋が鼻緒にギリリと食い込んだ。白い肌はみるみる青ざめ、鼓動は囃子のように鳴る。]
嗚呼……厭なにおい。
恐ろしい……嗚呼……
[唇をギリリと噛み締め、赤黒いにおいの方向へと向かう。ほどなく彼が見たものは――…]
…………………っ!!
[山吹が赤黒く染められた、年端も行かぬ娘子の無残な姿――…]
[鼓動が悪夢を囃立て、男は林を駆け抜ける。]
(誰の仕業……?嗚呼。
これが常盤様のおっしゃる鬼ごっこ……。
わたくしは精を戴きますれど、血肉は嫌……。まして食われて血肉と化すなど……!)
[走り去る男が向かうは酒宴の社。ほっと胸を撫で下ろす……が、それも刹那のこと。点々と土の上に血の痕残り、その傍らには空の瓢箪。さすればその血、その跡は、]
………やはり、嗚呼。
[夫婦の如く寄り添った、赤碧鬼の食卓の跡。]
[男は、がくりと膝をつく。紅を纏う目は見開いて、いつぞや見えた清廉な光が覗く。]
『違います……殺したのは、僕じゃありません……
確かに僕は、許婚を犯し、めちゃくちゃにして、死に追いやった男を殺しました。
でも僕が殺したのは1人だけ。後は僕ではありません。信じて下さい!嗚呼……!
だいたい、どうして許婚の仇を討つのに、僕が関係の無い子どもを殺す必要があるのですか!?』
[唇を噛み、土を握り締める。]
『え……?「はづき」さん……。僕の犯行を隠すために、貴方が……殺した……?』
[紅の唇に血が滲み、男は天を仰ぐ。]
『……嗚呼、「はづき」さん……。
こんな罪深き僕を抱き締め、口づけしてくれた貴方は、何処へ……。本当に、貴方は僕を、愛してくれていたのですか……?』
[紅と血を舌で舐め取り、男はハッと「我」に返った。]
……いいえ。違う。
「はづき」は、わたくしの名……!
他の誰のものでも御座いませぬ……!
[男の瞳に、紅色の光が戻る。]
[蒼白い頬を、酒のではない薄朱に染めて、]
[頭を振りつつ、苦笑い。]
……想い通じれば、夢にてあい見んとは謂いながら、空夢もあるもの。
おれもいよいよか。
[くくく、と喉を鳴らして、]
とまれ、酒……。
[と辺りを探れば、酒満たした瓢箪二つ。]
[驚きの顔をするが、ややあってほろりと笑う。]
誰ぞ、おれの為に取っておいてくれたか……
有り難い事だ。
[一つを取りて、くい、と呷る。]
[酒が入ってやっと心身整ったか、]
[辺りを見回す余裕も出来て、]
[またもや夜の宴の跡と、鼻衝くあやかしの血臭。]
これはまた…怪どもの血か。性懲りも無い…。
此奴等も、それを良い事に愉しんでおるから始末が悪い。
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