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喰児も隅に置けないネェ。
[金色覗き] [双眸は弧を描く]
[近付けば薫る赤と黒] [常葉に落ちる唇]
嗚呼、喰児は喰いでがありそうだネェ。
残さず喰うなァ大変そうさァ。
全部残さず喰ろうてお呉れかえ?
血肉に成るなァどっちかネェ。
[囁く声] [甘く] [薫り] [すぃと身を引き]
[紅い髪ひと房] [そぅと持ち上げ] [薔薇色の唇に寄せ]
楽しみにしておくヨゥ。
[上目遣いに覗き] [身を離し][番傘くるうり]
[踵を返し] [しゃなしゃなり] [下駄の向く侭] [*気の向く侭*]
[弔いの祈りを終え、遥月は立ち上がって辺りを見回した。一陣の風が舞い、遥月は思わず目を細める。]
……司棋様……。
[夜斗に守られ静かに眠る司棋に歩み寄り、傍らに座った。遥月は心配そうに司棋の顔を見つめ、その頭を撫でた。]
嗚呼……司棋様。
貴方様には、この光景は畏ろしゅう御座いましたか……。
わたくしの呪いは、異形の中でも揶揄され石を投げられるもの……。まして誰かに抱かれるのが初めての貴方様にとっては……
[ふるりと首を横に振り、いたわるように司棋の掌に己の掌を添えた。]
司棋様……温かい……。
嗚呼、生きている……!
[傷ついた司棋の右手をそっと手に取り、優しく口づけた――*]
[宴のない社は不気味なくらい静かで――]
[否、毎夜騒々しい方が恐らくは異質なことなれど]
[妖しも酒もない場所では]
[些細な音も僅かな香りも] [風が運んできてしまう]
墨の香り――青司か?
[顔をあげれば涙を拭い]
[近くにいるのかと歩を進め]
[香りが少し濃いような]
[この血の香りは誰のものか]
[其れも深くは考えず]
からかうなぃ。
[肩を竦めて碧を見遣り、
続く言葉にふふりと笑んで]
俺を喰いきるのは大変だろうなあ。
腹ぁ一杯になるだろうがねえ。
碧を残しちまうなんざぁ勿体ねぇ。
さあ、鬼ごっこ次第さ。
[緋色の髪に口付けた
薔薇の唇弧を描く]
ああ、俺も楽しみにしてるさあ。
[もういいかい、
もういいよう。
節をつけて口ずさむ。
櫻の木の幹凭れては、相棒に手向けの酒注ぐ]
[カラリコロリと下駄は響いて]
[薄い笑みたたえて桜の下に赤を見つける]
喰児か――墨の香りがした気がしたのじゃが、
どこぞに青司は――……
[詰まる言葉]
[倒れ伏す藍色を暫し見つめて]
[現実を拒むかのように]
[震える声で言葉を紡ぐ]
――……なんじゃ、青司。
飲みすぎで、つぶれたか……
嗚呼、万次郎の持ってきた酒でも、飲んだかの……
[そうでないことは一目で知れて]
[それでもそうとしか声はかけられず]
[手にした杯小さく掲げ、
杯乾して伏し目がち]
白水かあ。
相棒は其処さあ。
[藍の男は倒れたままで、
墨の香りを漂わせ
櫻の花びら散り積もる]
[笑うておれ――]
[最近聞いた言葉のはずが、酷く遠い昔のようで]
汝れが、殺したのか。
[精一杯に涙をこらえた声]
[泣いてはならぬ][泣いてはならぬ]
[青司の前では笑うておると言うたではないか――]
[噛み締めた唇には朱がひかれ]
[ただひたすらに泣かぬことだけ]
[体を抱き上げ、やわらかだった藍の髪を抱きしめて]
[魂すらも見当たらなくて視線は辺りを探すけれど]
そうさあ。
どちらが死ぬかの死合いの結果。
俺達ぁ約束を果たしたのさ。
[眼を細めて様子を眺め、
墨が絡まりずたずたの腕を隠す風もなく]
[ない]
[どこにもない]
[感じない]
[見えない]
常盤か――
汝れは肉を好む者――魂食らうとしたら、
この状況では常盤しかおらぬ。
[黒く染まり始める衣]
[胸の蝶まで染みぬうちに躯離して]
――これまで消すわけにはいかぬな。
約束果たした――か。
ならば去んでも本望じゃろう。
[俯いた顔][その表情はうかがえず]
[涙声もいつしか消えて][冷たい声が響くのみ]
そうだなあ。
魂は碧にやったさ。
[ゆらゆら酷く苦しげに
揺れるように見える白い顔。
墨はじわじわ広がった。
赤鬼腕組み立ったまま。
―――去んでも本望だろう。
それは窺い知れることではないが]
相棒のやつぁ、佳い笑顔だったさあ。
[それだけ確かな事実があった。]
笑顔だったか。
青司らしいの――
[頬に伸びる墨]
[染まった衣]
[首元に咲いた赤に手を這わせ]
わらわは約束果たせそうにないのぅ。
――青司の前では笑うておると言うたのに。
先ほどまでこらえていたはずだのに涙すら出ん。
約束も守れなければ、泣いてやることも出来んわ。
――否、泣くなと言うておったから、これでいいんかの。
[緋色はくすみ][その表情も人形のようで]
寂しゅうてたまらんはずじゃのに。
泣けぬのも難儀じゃ。
ああ、相棒らしいさぁ。
[泣けぬ、泣けぬと緋色が軋む。
斑に染まった白黒滲み]
誰だったかなあ。
いつか会った人間が謂ってたさあ。
悲しすぎると
泪もでねぇ。
泣くこともできやしねぇ。
難儀だねえ。
ああ、難儀さ。
[虚ろな瞳は赤鬼とらえ]
か な し す ぎ て ?
関わった者が死ねば寂しい。
汝れが死んでもわらわは寂しい。
寂しいがゆえに泣く。
[ゆるり首ふり]
青司と皆……何が違う。
わからぬ、わからぬ、わからぬよ。
[空ろな硝子のような眼を
金の瞳で真っ直ぐ見据え]
お前にわからねぇもんが
俺に分かる筈もねぇさ。
[寂しい、寂しい、泣けない女。]
白水、
お前自身の中にしか答えはねぇよ。
[木にもたれるように背を当てて] [膝に藍の頭を抱き]
[片目無きを合わせた両の瞼に手を当てて]
[落ちた手拾って握りこんだら]
[ただただやさしく血の気の失せた頬撫ぜる]
――わらわの中か。
まったくもって難儀なことよ。
[答える声もどこか遠く]
[中身のないまぶたにひとつ]
[触れるだけの口づけ落とし]
咲かぬは陽
咲くは灯
散るは緋――
――……ほんに難儀よ。
[呪文のような例え唄]
[迷子の緋色を*そっと伏す*]
[伏せられたのは緋の瞳、
藍と白のそのまわり、
白い花びら散り積もる。]
……
[緋色の鬼は背を向けて
薄墨櫻に目配せしそのまま林へ歩みだす。
既に空は明けの色。
*鳥が奏でる鎮魂歌。*]
[藍の骸を掻き抱く、白の女のその姿、]
[静かな眸を半眼に、じっと眺むる]
[緋の鬼の促しに、林の方へと歩み出すが、]
[一度だけ、振り返りて足止める。]
[その時は、声には出さず暫くの後、]
[緋の鬼に並びて歩き寄る道すがら、]
想う相手に死に別れるのと、
生きていながら逢えぬのと、
果たして何方がより辛いのか。
……それを訊くおれは愚かか、喰児。
[ぽつり、呟く。]
──夢とこそ
言ふべかりけれ世の中に
うつつあるものと思ひけるかな
……添うていたのが夢なのか。
それとも、この世は全て夢なのか。
[しののめの明けゆく光に染む花の色。]
[冷たく硬い面はそのままに、目伏して思いに耽っていたが、]
[突如歩む足が、]
[がくり、]
[力抜けたように膝折りて、]
[咄嗟に喰児の血に染んだ袖に縋る。]
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