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[もう燃えてない狐は紅く血に染まり]
[碧と金の眼は静かに其れを見詰めて]
[ひとつ息を吐きすぃと視線を移すか]
やれ、髪飾りが燃えちまったネェ。
[結界の解ける気配に長い睫毛は瞬き]
[両手で髑髏胸に抱きぐるり周囲を見]
[牡丹へ手を伸ばす司棋へ視線移して]
御免ヨゥ、大事にするって謂ったばかりだたのにさァ。
[眩く白い光の中、遥月は引き裂かれんばかりの痛みに襲われている。]
ぐっ………あああああああ!!
[地獄の炎に焼かれるよりも苦しいのか――遥月の皮膚は、ジリジリと音を立てて焼き尽くされてゆく。]
うっ………ぐ………ああっ……
[光の向こうに、遥月はある影を見る――]
司……棋………
嗚呼……
せめて、貴方に………!
[唇が動く。しかし、其の続きが紡がれることは無く……]
[ヒラリハラリ、虚空に舞うは一羽の蝶。黒と紫を纏う蝶は、社に向かって飛んでゆく――]
いえ…ご無事なら、何よりです。
結界…消えてる…?それじゃ…
遥月…!?
[咄嗟に口にした去った人の名、彼のいうこと正しければ、今頃呪いが解けている筈]
嗚呼、アタシァそう簡単にやられないさァ。
漸く結界も消えたネェ。
[司棋の口から紡がれる名に瞬き]
遥月の兄さんならきっと来るさァ。
[社に迷い込む一羽の蝶。
その蝶に遥月の気配感じ、そうっと掌に収め。
あの刺青と、同じ色、ふいに涙が浮び]
遥月…?
どういうこと…?
[一羽の蝶は、ヒラリ翅を畳み、司棋の声に身体を動かす。]
[ヒラリハラリ、ヒラヒラヒラ。
司棋の手の中で、軽やかに遊ぶ。]
[そして―――]
『ありがとう、司棋……』
[ひとつ言葉を残して、遥かなる月へと舞い飛んだ――]
[ひらり舞い込む黒と紫の蝶に互い違いの双眸眇め]
[司棋の蝶にかける言葉に納得しゆるり長い睫毛瞬き]
嗚呼、遥月の兄さんは蝶だったンかえ?
[ひらりひらりはらり]
[司棋の手で遊ぶ蝶]
[黒い影と成り視界から消える蝶]
[泣き崩れる司棋の傍らで見送り]
[髑髏を胸に抱いたまま小首傾げ]
遥月の兄さんも本懐遂げたンかえ?
[ガサリ――藪から音がする。]
「橘」様………
[見上げる月に、蝶は溶けて――遥月は、その影を見失った。]
司棋……
常盤様……
蝶を……
「橘」様が生きた証の蝶を……
見ませんでしたか……?
[社に現れたのは、蝶を胸に抱いていた男。]
アタシァ約束なンざァ直ぐ忘れちまうけど、遥月の兄さんはそう謂うたまでも無さそうだったンだけどネェ。
其ンなら如何仕様も無い理由でもおありなンじゃないかえ?
礼を言われたンなら司棋の兄さんが何もしてないと思っても遥月の兄さんは司棋の兄さんから受け取ってたンだろうさァ。
[ただ、涙だけが止まらずに。
彼と同じ名の月だけを、見つめている]
本…懐?
…昔の、大事な人の所に…帰ったの…かなぁ…
だったら…無事に…帰れたら…
[後はもう、声にもならず]
[気配に視線を映すと蝶を胸に抱いていた男]
やれ、人騒がせな兄さんだネェ。
司棋の兄さんは遥月の兄さんが消えちまったと思ってへたっちまったヨゥ。
蝶ならさっきそっから来て其ん内に消えて往っちまったさァ。
司棋の兄さんのお迎えも来た事だしアタシァそろそろお暇するヨゥ。
[藪の音と人の声、振り向けば…]
遥月…!
[傷ついた体の痛みなど、感じもせずに、ただ、その胸元へ]
遥月、遥月…!
[子供のように、泣きじゃくり]
本……懐?
嗚呼、そうかもしれませんね……。
あの方の「罪の意識」と、「生きた証」……
赦され、月へと帰ったのでしょうかねぇ……
[まさか自分が消えたと思われているとは思いも寄らず……遥月はぽつりと呟いた。]
還れたンなら好かったじゃないかィ。
司棋の兄さんにゃ世話ンなったネェ。
遥月の兄さんは司棋の兄さんの事ァ宜しく頼むヨゥ。
縁があればまたネェ。
[遥月と司棋の様子に肩を竦め]
[其れ以上言葉をかける事無く]
[髑髏を抱いてふらりと何処かへ]
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