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喰児。もう花も盛りだなあ。
後は散るばかりか。
[手を借りずに立ち上がり、]
[ふわり、墨染めの衣揺らして、]
[己の宿る木へと*戻ってゆく。*]
[己の宿る薄墨の桜樹の幹、寄り掛かり、]
[酒の満ちたる瓢をば、そこらにごろごろ転がして。]
[夢現の境を異とせず、酒を喰らいて微睡みぬ。]
[光長閑き春の日にしず心なく散る桜、]
[はらりはらはら、*降り乱る。*]
[右腕の傷の熱で意識が戻り。
傍らの夜斗は犬に戻っているがその右前足も傷ついて]
血…。
万次郎……
あいつは…どこに…
[また光を宿さない目でゆうるりと頭を巡らすと、木の根元、弔う形で刺された刀、「万次郎」との刻印が]
あぁ、あの刀、万次郎…。
あれでは流石に喰らえない…
[けらけらとまた笑うもつかの間。
傍らにたたずむ姿は遥月。途端に脳裏が白く焼け]
───!!
[脳裏に浮ぶのはあの夜の幻影、抵抗できずにされるがままに抱かれたあの時、くらりとする頭を抑え、思い切り遥月の目に向け手を振り下ろし。
寸前ではずれ、頬に紅い線を引くのみと終わったが]
やだ…、来るな…僕に、触るな…!
[よろりと後ずさり、夜斗に支えられ。やはり前足を引きずる夜斗だったが、主人を乗せると風のようにその場から消え]
[司棋の傍らに佇み、いくばくかの時が過ぎた頃……]
………司棋様。
ああ…ご無事で……!
[目を覚ます司棋に微笑み、遥月はそっと手を延ばす。しかし……]
『やだ…、来るな…僕に、触るな…!』
[遥月の頬に、うっすらと血の赤が一筋。呆然と司棋を見つめる遥月は、無意識のうちに頬に手をやる。]
………………。
[司棋はよろりと後ずさり、ほどなくして夜斗に乗り何処へと消えていく。遥月は、その姿を黙って見送ることしかできずにいた……]
[夜斗が運ぶは祭りの場。やはり今も多くの人が。
汚れた着物、痣だらけの体に腕から血を流し、精神を病んだような、どろりと濁る目でふらつく様はすれ違う人も不気味がり、遠巻きに]
…あぁ、あの林檎飴…美味しかったのに…
ねぇ、夜斗…もう一度、林檎飴、食べたい…
[ふぅらり、すれ違う人々。背後でまた、大きな悲鳴が上がったけれども眉すら動かさず。それからどこともなく、心もとなく歩みを進め。その手には、いつの間にかいつぞやと同じ、血を滴らせる心臓が。
あの夜、己の頭の中、ぱりん、と何かが*割れていた*]
―泉にて―
[泉のほとり、はらりと着物が地に落ちて、遥月はそっと皆もに足を沈める。波紋はゆるりと広がって――やがて大きなものとなる。]
………「触れるな」。
[泉に佇み、ついと目をやる。
寄り添い泳ぐは、夫婦金魚。]
嗚呼……わたくしの手は貴方様を欲し……深く、傷つける。わたくしの思いがつのるほど、貴方様はわたくしから遠ざかる……
[水を両手で一掬い、顔にパンと弾かせ、紅を落とす。]
………嗚呼。
恋うる想いは届かずに、ただひたすらに胸焦がす……
[また一掬い、水を浴び。
男の顔から、紅は消え去る。]
……引き裂かれよ、と。
この身引き裂かれよ、と。
わたくしに祈るはどなたの声……?
[震える唇キュッと噛み締め、現るは凛とした男の目。]
『……嗚呼。これが……
「僕に」架せられた罰……
愛しき女(ひと)を地獄に追いやりし男を殺した「僕」に……
その「僕」に手を貸し、共に罪に墜ちて下さった「はづき」さんを「僕」から奪うだけでなく、この「僕」に逢瀬と愛そのものを赦さぬことが……
「僕」の……罪。』
[胸に刻まれた蝶に手をやり、遥月は笑む。]
嗚呼。どうかお泣きにならないで、「橘」様とやら……。わたくしが成りし身は、貴方様の罪の証……どうか、どうか悲観為さらず。
……「橘」様。
わたくしの罪は、わたくしのもの。
貴方様のものでは御座いませぬ。
壊した欠片拾い集めて、元に戻すはわたくしの勤め……
……だからお泣きにならないで。
[胸の蝶に手を当てて、遥月はそっと目を閉じた……*]
[唄う声]
[あの夜唄ったヒトの唄]
[桜が踊り笛が響き鈴が鳴り]
[代わりの芸をほめられて]
[くしゃりと触れた大きな手]
[独りで唄うヒトの唄]
[舞いも笛も消えうせて]
[鈴の音遠く聞こえずに]
[時は少々遡る。
夜明け前、林の中を歩いてゆけば、
薄墨桜が問うて来た。]
愚かたぁ思わねえよ。
だが答えも持ち合わせちゃいねぇ。
[どちらが夢か、全てが夢か。
夢の中の住人は、夢に気づくことは無い。
朝露踏みしめ歩めば不意に、
腕掴まれる感触が]
っおい!?
[膝折りふらつく有塵は酒を呷って息を吐く]
酒が切れただけってお前、
それじゃあまるで中毒だなぁ。
万次郎は――子猫の敵を討てたのじゃろうか……
司棋は未だ、生きておるのか――
遥月が見えぬがどこかに居るかのぅ……
誰が居て、誰が居らぬ……
[手の中にいる男は居ない]
終わらせよう、終わらせようか。
[全てを殺して]
[誰とも関わることなく]
[長い永いながい]
[幾千年の孤独に震えて]
関わるは――毒ぞ――……
[瞳が僅かに揺れて]
[胸に覚える拭えぬ*違和感*]
[後は花は散るばかり。
黒い背見送り呟く言葉]
散り際の花ぁ綺麗だぜえ。
[仰ぎ見たのは暁の空]
喰って喰われて狩られて死んで。
宴も酣、
約束を果たさねぇとなあ。
[にやりと笑い歩き出す]
おや、白水の姐さんは居らぬかィ。
[白の少女の泉] [水を浴び] [紅差して] [水面覗く]
[夫婦金魚] [寄り添い] [離れて] [擦違い] [また寄り添う]
もゥ好いかえ?
もゥ好いヨゥ。
―――もゥ好いヨゥ。
[コロコロコロリ] [忍びやかな笑い] [出目金の尾] [水面に波紋広げ]
[ぱしゃり] [白の手は水面叩き] [あがる水飛沫] [綺羅綺羅と陽光弾く]
[白の肌] [包む] [沫絞り白の浴衣は赤黒く] [帯締め]
[常葉結い上げ] [木の枝に腰掛け] [煙管をくゆらせる]
嗚呼、良い、好いネェ。
[薄紅の花弁舞い] [春の風] [常葉攫い] [微か薫る桜] [白粉]
[はたり] [苺色の鼻緒揺らし] [双眸遠く見据え] [僅か弧を描く]
そろそろ満開だヨゥ。
[潤む碧] [闇孕む漆黒] [地に降り] [花弁捕える番傘] [くるうり]
[カラコロカラリ] [下駄の音響かせ] [*金色の眼の赤鬼探すか*]
[藍の髪を撫ぜながら]
[緋色に映る色なき色]
生きるに飽いたら喰ろうてくれると言うたくせに
先に逝くのはずるいのぅ――。
[凍るような冷たい目]
[桜を見上げ] [散るを思う]
さてはて……生きるにどうやら飽いたらしいが
汝れ以外にただでくれてやる命なぞない。
[さらり]
[頬なで]
[立ち上がり]
妾も鬼ごっこに行ってくるかのぅ――
[笑みも][柔らかさも][優しさも][あどけなさも]
[何一つ宿すことなく][ただただ冷たい緋色が光る]
[ふうらりふらり、桜の木の上、片手に心臓弄び
一口喰らってみるも途端に咽せ]
う…っ
げほ…、うぇ…っ
[好んでいた訳でなくとも食していたはず
それなのに
体はそれを受け付けず。
胃液まで吐き出して、暫く咳き込み]
…何で…
[ぐったりと木の幹よりかかり]
[今また目醒めて、瓢に口付ける。]
[果たしてどれ程酒を身体に収めたか、]
[けれども身体は冷えたまま、]
[朱に染むことも最早稀。]
寒いな……。
もうこれでは足りぬか。
[それでも眸はどこか夢醒め遣らぬまま。]
そうだ、開耶……。
[ふと散った同属の形見の扇預かったことを思い出す。]
やれるうちにやっておくか……。
[ふらり、蹌踉めきながらも立ち上がり、覚柄ぬ足取りで桜の生いたる林へと。]
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