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[目指すは物の怪の群たる辺り。]
[音も無く、桜の風纏て舞い降りる。]
[ざざっと退き、遠巻きに息を呑んで見詰める化物どもの只中で、]
酒をくれ。
[常の冷たく硬い面が、朧な笑み浮かべ]
[張り詰めた気と漂う敵意も気付かぬ様に。]
[帯に指を引っ掛けて 腰に手を当て振り返る。
幽玄無限黒櫻。]
よぉ。有塵じゃあねえかい。
それに遥月も居るようだぁなあ。
[ひらひら振る手、緋色の雫。]
これはこれは、喰児様。
其の赤い雫は、如何為されましたか?嗚呼。畏ろしき血のにおい……
[白い指先で己の粘膜を塞いだまま、紅の視線を喰児へ向けた。]
嗚呼、有塵様もおいでですか。
では、この桜色の空は貴方様の仕業ですね。
[掛けられた声に頭を廻らし]
……喰児か。
酒をくれ。今は酔いたい心持ちなのだ。
[ふぅらりと衣揺らし、無造作に歩を進める。]
なぁに、命知らずどもが礫を放ったんで
見せ付けてやっただけさあ。
[口には常の笑み浮かべ、傷口既に塞がり始め]
忌わしいたぁな、
遥月は喰いたかねぇのかい?
[低く笑って有塵見遣り]
へえ、お前がそんなに呑みてぇなんてなあ。
自分の花に酔ったかい?
まあ見事な花だったがよ。
夢見心地だな、有塵。
[瓢箪差出しくつくつと]
……あらあら。
いけませんよ、有塵様。まだ陽の高いうちから御酒など……
[平時より陰鬱な色を帯びた有塵の視線が、遥月の目に飛び込んでくる。其の色に囚われ眩暈を覚えた遥月は、ふぅと小さく溜息をついた。]
ええ。承知致しましたよ。
只今お持ち致します故、少々お待ち下さいませね。
[にこりと笑い、どこぞの店から瓢箪をひとつ買って来た。]
[瓢箪を持ったまま、喰児の言葉に首かしげ。白い首筋には、昨晩の逢瀬の傷跡ひとつ……其れを隠すことなく、遥月は喰児を見つめる。]
ええ……。
わたくしは血のにおいよりも、身体から湧き上がる『香』を好みます故。わたくしが食らうは其の『泉』。生きとし生けるものが持つ『精』に御座います。
人も妖しも、その身はあまりに生臭そうて、わたくしの舌は好みませぬ。
そういう意味合いでは、わたくしと喰児様の嗜好は違うのやもしれませんね。
[喰児にふっと微笑みを見せた。]
確かに嗜好が違わぁな。
[笑みに笑みを返して見せて]
俺ぁ裂くのも愉しきゃ千切るのも面白れぇ。
臓腑を引きずり出すのも好きさあ。
喰らうだけじゃねぇ、そういうのも好むのさ。
[白い首筋赤い痕、無骨な指でなぞってはなれ]
ヤってんのが愉しいのと同じかもしれねぇさあ。
[咥え煙草でくくくと笑い、
捨て置く吸殻鬼火に消えた]
[差し出された瓢を受け取ると、]
[蒼白い喉晒し、くい、と仰のいて呑む。]
[喉を鳴らしてごくごくと、酒を身体に取り入れれて、]
[ふう、と熱くなった息をつく。]
おう、いい呑みっぷりだねえ。
櫻も紅く色付くかあ?
[白い肌が色付いて匂う櫻を思わせる]
それにしたってやつら殺気立ってんねえ。
さっきからじろじろ見られてらぁ。
[愉しそうに見回した。]
[首筋に、喰児の武骨な指……ヌルリと生温かい感触が走る。なぞられた悦と、忌み嫌う血のにおいに、目を閉じ眉をひそめて溜息をつく。]
嗚呼、嗚呼。
お止しに下さいませね、喰児様。
[濡れた瞳と紅の視線を、隠すことなく喰児に送る。]
今のわたくしは、どうにも感覚が冴えて困って居りまして。御酒の力を借りずとも、貴方様のひと撫でで酔い痴れてしまいそうで……畏ろしゅう御座います。貴方様との逢瀬は、さぞや野性的で愉しゅう御座いましょうねぇ……
ふふっ……
常盤様に叱られてしまいそうで。嗚呼、こわいこわい。
――くつくつ、くつくつ。
[紬の袖は口許隠し、紅の視線は鬼火へ流れる。]
[やっと人心地付いたのか、ほんのりと目許を朱に染めて]
[喰児と遥月を未だ夢に漂う眸で見詰め]
またまた喰児の色好みか。常磐の女君はどうした。
如何に色めく稚児とても、二股は感心せぬな。
うん…?
[今更に気が付いたと言う風情で辺りを見回し]
……そう言えば常はこの辺りは店立ち並び、やれ博打だの宴だの騒がしいというに。
何故こやつ等は群集いて殺気だって居る?
[零れる吐息に笑み浮かべ、悪戯に瞳覗き込む]
おやおや、冴えちまってるのかい。
そりゃあいけねえ、
遥かに遠くに揺れる月に吸い寄せられちまわあ。
[冗談交じりに軽く謂い]
別の意味で喰われちまいそうだなぁ。
怖い怖いはこっちの科白さぁ。
溺れるヤツが出ちまうわけだ。
[常盤と謂われて目を細め]
碧かあ。叱るか拗ねるか、どうだろうなぁ。
おっと、こいつぁ思い上がりかねぇ。
[体を離してにいと笑う]
嗚呼、有塵様。
わたくしは所詮、日蔭の身。
好いた惚れた御相手が居られる方を、影で泣き泣き、言葉を放たず、密やかに愛するのが常……。ましてや、女人には決して敵いませぬ……
――くつくつ、くつくつ。
いいえ、冗談はともかく。
こちらの皆々様は、わたくし達を忌み嫌うような視線を向けて居りますねぇ……。
昨晩、林檎飴屋の御主人が殺されましてね、其の嫌疑がわたくし達に掛けられている様子。
嗚呼、人も妖しも、其の暗い疑念の目が畏ろしい……。
手厳しいねぇ。
綺麗なもん愛でるのは世の常さぁ。
碧が居りゃぁ嬉しいがねえ。
[相変わらずの調子で謂い、なぜと問う有塵に]
気づいてないのかいお前ほどのヤツが。
酔っ払いもほどほどになぁ。
[笑い流し見百鬼夜行]
ヒトの姿となっちまってる俺たちが狩る者じゃねぇかと
疑ってかかってやがるのさあ。
殺された…?去んだのか。そうか…
あやかしを狩る人間の仕業なのだな。それで人型の吾らが怪しいと…そういう事か。
[目を伏せ、悼む風情を見せるが、憂いや恐れはそこには無い。]
[何処と無く夢中に漂う気色の侭。]
それ故、わたくし達はヒトの姿の呪いは解けず、更にはこれ以上狩られぬよう、わたくし達の中から狩人を捜し出さねばなりませぬ……。
命を掛けた『鬼ごっこ』。
わたくし達はそれに巻き込まれたのですよ、有塵様。
遥月が日陰なんざ、罪な世の中もあったもんだなあ。
[笑みを浮かべて頷いて]
そうさあ、鬼ごっこだなぁ。
十一人の中にヒト二人。
主様は供物に魂を御所望なのさ。
喰え刺せ捧げろ。
やれ殺せ、やれ狩り立てろ。
[祭りの囃子を歌うかのよう、響く声で緋色が謳う]
おれは、物の怪には興味がない…なかったからな。
元よりあまり注意を払わぬ。
こやつらの方でも、おれの気紛れで散々な目に負うているから、普段は近寄りもせぬ。
[くく、と苦笑が浮かぶ。]
とは言え、酔うておるのも確かよ。
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