情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
[帯で締め上げ、動きを封じて。遥月は、白水の浴衣の胸元を見た。]
……………!?
何でしょうか、この……胸元の、墨が滲んだような色は……。
[はだけた胸元から見えるのは……]
……………蝶?
それにしては、歪な……
半分溶けて、もう形が分かりませぬが……
[歯軋りひとつ、儚い笑み浮かびかけて]
[駆ける飛ぶ、月の姿]
――やめよ月!
[ざわり、漣]
遥月!!!
[上がる水飛沫に声もかき消されるか]
[ゆらり、魂。墨の色。藍は黒く揺らいで]
[藍の目、ぎょろりと睨みて、牙を剥く]
―――――殺すぞ
[低い呻き、下駄の音]
[あまりに重い喪失感]
[帯の力ゆるむも目や口ほどく前に]
[逃れた腕はただ胸元を掴み]
[女に既に戦意なく、ただただ震えて身を抱く]
[突然術が解け、夜斗は大きく跳ねながらも息を吹き返し。自身も突如自由になった呼吸に大きく咽せ。遠くに見える、二人の姿。とりわけ戦意消失したかのような白水の姿]
げほっ…ごふ…っ
遥月…白水…様…?
[視界の中に、苦しみ倒れた司棋の姿が飛び込んできた。]
……………ッ!
司棋様!夜斗様!!
[帯を手にして、白水を背にして泉の中をザバザバと歩く。着物は重く、その動きを遅くする。]
司棋様ぁぁぁッ!!
[無様なほどにもがきながら、遥月は泉からなんとか逃れて上がり、司棋の元へと駆け寄った。]
俺が決めることじゃねぇと思うがねえ。
まあ。
鬼であるお前より、
清々しく笑った花の方が綺麗だったさあ。
[覗き込んだそのままに]
消えちまうのを見るのが辛いんなら
[金の眼細めて言の葉を]
俺がお前を散らすって方法も
ありはするがねえ。
[そんな事を、*囁いた*]
[親指と人差し指の間を食い千切り、
流れる墨色、泉の上を低く駆け出す下駄の音]
[白を縛り上げる月の首へし折る勢い隻腕振るい]
[空を切っては散るは墨だけ]
[散る墨に目も呉れず、腕を伸ばしてはすり抜けて]
[まるでひとり気が触れ遊ぶよう]
白…
[はらり、帯ゆるみ去る月]
[震える白に腕伸ばして、肩に触れ]
[するり]
[抜ける]
[墨濡れの隻腕]
しろ……
[カラコロリ、ふらりと寄る足さえもすり抜けて]
[周囲の音など耳には届かず]
[遥月が去れば顔の帯もはらりと落ちる]
[消えた]
[溶けた]
[滲んだ蝶は]
[形を保てず]
[着物に染みたわずかな墨色]
嗚呼――……嗚呼、消えないで、溶けないで……!
[願届かずはかなく消ゆる]
[瞳の色は迷子を映す――]
[遥月はずぶ濡れの姿で司棋に寄り添い…]
ご無事ですか、司棋様……!
嗚呼……良かった……!
[たまらず司棋を抱き締め、その息を頬で感じた。
そして、泉の方へと振り返る。]
白水様、その墨は………?
[目を見開いて、白水を見る。]
[ずぶぬれの姿で抱きしめられて、自分も濡れることはいとわずにまだ力入らぬ腕をゆるく背に回し]
ん…大丈夫…。
貴方も…無事でよかった…
白水様…は?
[くたり、と体を預けながら]
[カラコロリ、すり抜けた体、二、三歩んで]
[届く声]
ああ…ああ……
[踵を返し、傍に膝折り]
[解けた蝶]
[冷たい緋色が揺れて揺れて]
己は此処におる、此処に居るぞ。
――笑え、笑うと云うたであろう……なぁ、白よ。
[困ったような笑み浮かべ、
頬に伸ばす手、すり抜ける指先、幾度となく]
え………?
青司……様……?
消え……た……?
いったい、どういうことです……?
もしや、青司様はもう………?
[白水の言葉に、信じられぬという表情を浮かべて呟いた。]
[指先は、ゆっくりとけれど固く握られて。
毀れる青墨、ぽたりと落ちても漣一つ立たぬ水面の上]
[俯く顔に掛かる藍の髪。さらりと揺れて]
……己は散った、散ったのじゃ。
[ぽつり、月の言葉へか呟いて]
散ったのならば、何故だ。
何故此処にいよう…!
[遥月の腕の中、青司の名に少し顔を曇らせて]
青司様…昨日、会った…。
よくは覚えてないけれど、今日は気配を感じない…
[青司と白水、寄り添う姿を思い描き。
青司に遥月を想い重ね、心なしか強く遥月の着物を握る]
つめたい、もううごかない、
蝶だけが、生きてたのに……
のう遥月――何なのじゃこれは……
今まで幾人もの死を見つめ、
全てに恋うてきたというのに。
寂しいのは、同じなのに――
[ばらばらな言葉]
[読み取るは困難か]
全てに……恋う……。
[視線を落として、呟く。]
……亡くした命は……
きっと………
[司棋の手が、己の着物をぎゅっと握る。その微かな動きを感じながら、遥月は唇を開いた。]
……同じでは、ありませぬ……
貴女様が涙を流す程に欲して、求め、手を伸ばし――亡くしたことに気付いてもなお、狂おしい程に求める命は……
「同じく恋うる」命では、ありませぬ……
[元はといえば己が迷い込まねば起こらぬことばかり。
妖も己も、触れる温かさ知ってしまったからこそ。
互いに顔さえ合わさねばこのようなこと、終ぞなかったものを
白水の痛々しい顔見るに耐え切れず、思わず口つく言葉は狩る者には相応しからぬものであり]
…ごめんなさい…ごめん…な…さい…
[誰に対してでもなく。ただ、その言葉だけを知るように呟き、涙で濡れる目を*閉じた*]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新