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[ふぅわり口許斑扇。
暫しの時は閉じぬまま]
…これで良いか、薄墨。
[春の盛りのこの御山。
引き離されしは遥か過去。
記憶も朧なれば不安も付き纏い]
[問うも恐らく薄墨は聞いていなかろう]
……そうか。
見えるならば良い。
[仰ぐ薄紅、はらはら散りて]
[常盤の零す音、遠く聞く]
[寄れば寄るほど香りは強く
薄紅色も濃くなった。]
よう。
見事だねえ。
[はらりはらはら散るいろに、
笑みを浮かべて片手上げ]
礼告げらることでも無し。
我は幻しか見せられぬ。
[ゆぅるり煽ぐ斑扇。
幻の内にはくれなゐ無く、唯々薄紅積もるのみ]
[現る赤隻眼、くれなゐ色。
つぃと琥珀を其方に遣りて]
やれ、赤隻眼か。
腹が満ちて今まで眠っておったか。
嗚呼。
[零れるは] [熱を孕む] [甘い甘い] [吐息ばかり]
[気配に] [すぃと移す] [濡れた眼差し] [赤鬼捉え]
嗚呼、本当に見事だネェ。
[枝の上] [腰掛けた侭] [くるうり] [赤の番傘回し]
[はたり] [苺色の鼻緒揺れ] [浮かぶ笑み] [桜に色めく]
[顔背け、袖で顔を擦る。]
[扇煽ぐ開耶へと、今度は向き直り、]
いや……おまえのしてくれた事は、おれにとりては幻以上の意味があったのだ。
これでもう、おれは。
[深々と頭を下げる。]
おう、有塵。
どうしたあ、眼に花びらでも入っちまったか?
[琥珀に薄墨、常盤色。
とりどりアヤカシ見遣っては]
花見酒さあ。
咲きかけもまた味があらぁ。
もうすぐここらも満開になるだろうからなあ。
[見事と笑う潤んだ碧、
にいと笑みを浮かべて見上げ]
ああ、
ちぃとお眼にかかれない華やかさだぜえ。
今宵の酒も旨そうだネェ。
[赤鬼に謂い] [周囲の声] [遠い侭] [幹に頭寄せ]
[また一つ] [吐息零し] [幻消える前] [*長い睫毛をおろす*]
[常盤の女に向かいては]
此処に社が立つ遥昔は、この杜はこの様な有様であった。
今は参道も出来、桜の数も幾らか減ったが。
桜の寿命は長くは無い故、樹の種類も前とは異にしておるし。
[ぱふり口許扇当て。
琥珀伏せてゆるり首振る]
幻は所詮幻にしか成れぬ。
刹那に消ゆる我ら(はな)と同じよ。
[赤隻眼の言に瞬き]
…疾うに咲き始めておったか。
……やれ、可笑しなことぞ。
[つぃと扇滑らせて。
触れられぬ花弁迎え遣り]
暫しこのままにしておこう。
香が消ゆるまでの幻夢(ゆめ)だがな。
[ぱちり扇閉じても香消えず。
幻香残して茶桜*去り往く*]
[気紛れに、下駄を鳴らしてカラリコロリと]
[番傘揺らして夕桜、]
[見惚れた様に常盤の女が辺りに彷徨い出でて。]
[碧の髪が遠ざかるのを見計らい、]
……喰児。
[思い詰めた面持ちで見詰める黒い眸。]
ああん?
[視線をついと地面に戻し、思い詰めた黒を見る。
笑いは常のもののまま]
飽きるほど喰らってきたからなあ。
分かるさあ。
[くつくつ笑い]
……それでは。
おまえはおれも人と疑っておるか。
おれも喰らいたいと……然様に思っているか。
[常と同じ笑い浮かべたその顔その目をじっと見据える。]
ああ?
[見据えられては眼を細め]
お前も知ってるだろ?
俺ぁ愉しけりゃぁそれでいいのさあ。
ヒトもアヤカシも関係ねぇ。
それに、お前を喰っちまったら
櫻が枯れちまうしお前と酒も呑めねぇじゃねぇか。
俺ぁそんなのぁ御免だねえ。
白水も……判る、と言うた。
死した者の魂が見えると。魂を視れば、人か怪かすぐに判ると、然様に言うた。
山吹の女童…蘇芳か、あれが正しく笛の付喪神(つくもがみ)と教えてくれた。
ほお、白水がねえ。
面白ぇ術じゃねぇか。
俺と違ってすっとしたやりかただがねえ。
[腕を組んで頷いた]
確かにあの嬢ちゃんはアヤカシさぁ。
おれは喰わぬと言うのなら、では他の者は……?
おまえは人だろうとあやかしだろうと、喰えればそれでいいのではないか……?
[顔を伏せれば、ざんばら髪が面を覆う。]
[黒髪に隠れて眼も顔色も窺えぬ。]
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