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[コーネリアスの口唇が震えるのを映し、紫苑の瞳は微か揺れ、彼の頬を伝う涙に緩やかに瞬く]
解った。
[駆け去っていくコーネリアスの背を見届け、踵を返し食堂へ戻ると冷めたスープとスプーンを厨房に置き、話し込む三人のもとへ歩み寄り、ハーヴェイへと顔を向け]
少し、二人で話せる?
[常と変わらぬ様子で緩やかに首を傾けた]
――食堂――
…僕はお前に不快な思いを
させているかもしれんが、…
〔頭上へ伸べられるナサニエルの手を目で追って、言葉を途切れさせる。他者に対し撫で癖を持つ男なのは知っていたが、自分がそうされたのは初めてか――〕
……Nathaniel Regel.
いよいよ煙草が切れたようだな、お前。
〔彼の手首を取って、如何にもらしく脈を測る真似事。〕
〔稀な戯れを返した後は、素知らぬ態。ナサニエルに傲慢を呼ばわられると、僅かだが容れる笑みが過ぎり――何か答えようと口を開きかける。〕
……。死神とお前は、――
〔言いかけた言葉は、ギルバートが食器を手に戻り来ることで途切れる。やがて声をかけられて席を立ち〕
ああ。
医務室で構わないか?
〔残るラッセルとナサニエルへ目配せめく目礼を馳せると、白衣の裾を捌いてギルバートと*連れ立っていき*〕
[残るラッセルとナサニエルへ緩やかな瞬き一つ挨拶に代え、ハーヴェイと共に通路を進む歩調も常と同じ夢遊病者の如き其れで、通された医務室をぐるりと見回し扉の閉まる音を聴く]
俺の両眼球を傷つけず摘出して貰える?
麻酔は必要ないけど、保存状態で欲しい。
[常と変わらぬ口調で淡々と希望を告げ、其れが可能か如何かを確かめる様にゆっくりと首を傾け、ハーヴェイを見詰めて緩やかに瞬く]
其れと、タブレットが余っていたら譲って貰える?
―回想/食堂―
[去り際にラッセルに呼び止められ振り返ると、其の手に差し出されているのはタブレットで、不思議そうに瞬き彼を見詰め]
貰えるなら、貰うけど――…
[食事が摂れたとは云え其の場限りの栄養補給、帰還の目処が立たない現状では其れも貴重な栄養源に変わり無く、緩やかに首を傾け]
ラッセルは、要らないの?
〔此方とは僅かにも重ならない、ギルバートの特徴ある足音。紫苑の瞳と彼の足元とへゆるりと視線を往復させ――何を問うでもなく医務室へと。彼の求めを聴くまで動かなかった眉が、不機嫌そうに寄せられて〕
……お前な。
〔あれこれと悪態は浮かぶものの、口をつかず…
鼻の頭に浅く皺を寄せてギルバートを睨みつける〕
タブレットは余っていない――
Cornellius Northanlightsに渡す分なら持っている。
あれに生き延びる気構えがあればだが。
―現在/医務室―
[ハーヴェイの表情が変わるのも緩やかに瞬くのみで、鋭い視線も紫苑の双眸はただ静かに受け止め]
コーネリアスは、肉は食べないと云った。
如何見積もってもそう長くもたないけれど、補給船が何時見つかるかも解らないなら、少しでも永らえさせて助かる可能性を増やす。
コーネリアスの前に――…
[変わらぬ口調と何の感情も浮かばぬ貌]
俺を喰えば好い。
―回想/食堂―
[ラッセルの言葉に緩やかに瞬き、手渡されたタブレットとラッセルの貌を交互に見詰め、手の中の其れを握り潰さない程度に拳をつくり]
――…有難う。
[タブレットを胸ポケットに仕舞い、暫くラッセルを見詰めてふと微か目元を和らげ]
大切な人の裏側はきっと――…
[醜くても大切、と何時かの問いへの私見を小さく囁き、ハーヴェイと共に食堂を後にした]
…それを抉るのか。
〔互いに確かめるように呟いて、長く深い溜息。
沈黙は長くは続かず…白衣を脱いで椅子へと投げ〕
お前とあれの友誼に口を差し挟む気はない。
座して死を待つ者を更に待つ気もないが――
〔険しい目つきのまま、踵を返して手術着を取る。
部屋の奥へと続く手術室への扉を視線で示し――
感慨を捨てず抱えたまま忙しなく用意をはじめ〕
お前が僕に頼る形がこれだと言うなら、
…それもいいだろう。
〔黙って聴いていた、食堂でのラッセルと彼の会話を思い起こしつつ低く押し殺した声を漏らす〕
―回想/通路―
[――それを知っても大切で居られる?]
[発達し過ぎた聴覚には微かラッセルの声も届き、夢遊病者の如く歩みながらも思案気に瞬く]
人の心は、移ろい易い。
其れでも――…
[刹那タブレットの入ったポケットへ意識を向け]
変わらないものもある。
[頷く代わり緩やかに瞬き――其れももう直ぐ出来なくなるけれど――一つを返し、ハーヴェイの動向を見守り、示される手術室へと向かい歩き始め、扉に手をかけゆっくりと彼を振り返る]
其の時は思う通りにすれば好い。
だから、此処に居る。
俺は俺のやり方で、足掻くだけ。
[準備を始めるハーヴェイを見詰め、紫苑の眼差しは伽羅色の煌きを零し、緩やかに被りを振る]
ただとは云わない。
俺の血肉を生で喰えば当分の間、感染症の類は危惧する必要がなくなる。
[手術台に大人しく収まり渡されるメスを握り、ハーヴェイと鋭い刃をもつ其れを交互に見遣り、手順を問う如くゆっくりと首を傾げた]
[ハーヴェイの言葉に一度は不思議そうに瞬き、次いで口唇はゆっくりと朧な三日月を浮かべて、暫くは小刻みに肩を震わせる間もあり]
――…足掻いてるよ。
[メスを見詰めぽつりと呟く]
ハーヴェイには、そう見えなくても。
闇と光で目が眩む中でずっと――…
[足掻いてる、と口唇だけが音も無く繰り返す]
…了解した。
お前の遣り方とやらは、この船が記録するだろう。
〔手術室へ据付の記録用カメラを示して口にする。眩しいほどの白色光の下、紫苑の瞳へ兆す異なる色合いに目を細め――遣り切れないといった態で被りを振る〕
それは…魅力的な見返りがついたものだ。
Nicholas Gilbert――お前は何を背負う?
〔畑違いも甚だしいとは言え、治療の為の施術ではなく摘出のみであれば問題はない筈で。程なく用意が整うと、ギルバートの瞼周りへ手早く塗布式の局部麻酔を施し〕
――……
これは嫌がらせだからな。
〔マスク越しのくぐもった声。〕
〔声が返る前に、彼の瞼は見開いた状態で周りの皮膚へと縫いつけられていき――〕
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