[後ずさる司棋に詰め寄り、じぃと顔を見つめる。]
『……………?
あの……冗談が過ぎますよ、「はづき」さん。「はづき」は貴方の名前ではありませんか。
僕は「橘陽之助」、英国名は「ハーヴェイ・タチバナ」。茶道家の端くれをしている僕に、いろいろ手助けしてくださったではありませんか。』
[じぃと見つめた男は、視線をちらりと下にやる。]
『……あれ?
「はづき」さんは、犬がお好きでしたでしょうか…?初耳…といいますか、犬を連れていらっしゃるお姿は、初めてお見受けしたような……。
あの、それと、誠に申し上げにくいのですが……。
「はづき」さん、背が縮みました……か?』