[地面には、喰児が撒き散らした緋色と、遥月が作り上げた黒の海が広がっている。ざわめく妖しの渦の直中で、精を吸い取った遥月の肌は、いつもより艶やかな白い色をしていた。]ふっ……ふふふ……いけませんよ、皆様……これでは修羅場か宴か分かりませぬ。[着物をはだけ、上半身を露にした遥月は、くつくつと笑った。胸にこびりついた、誰のものとも分からぬ精を指先で掬い、紅が延び拡げられた唇でぺろりと舐める。]