人狼物語

37 Monster in the Carnival


書生 ハーヴェイ

―林の奥にて―

[はだけた結城紬、其の襟からは蝶の翅。仮初の契りを結んだ後の、虚しく気怠い時が流るる。]

嗚呼……貴方……また、いつか。

[自身の身体から流れる、白い液の糸。指先に取りて独り遊び。]

………ふふっ。

[其の糸を、懐に入れた草紙にぺとり。娘子が好んで読むような、色香に欠ける春画の草紙――]

嗚呼、面白し。
人も妖しも、情慾には克てず……ふふっ。ふふふふ……

[草紙を見やり、紅が頬まで乱暴に延ばされた唇を動かす。]

『あ い し て お り ま す』

[――刹那にして、草紙は黒く腐れ落ちた。]

(20) 2007/03/27(Tue) 02:18:19

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