情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 8日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
シャロ…
[こちらを呼び掛けるシャロの声で自分の姿は見えていないのだと知る。聞こえなくてもいい。生前と同じ優しい声色で呼び掛けた]
[少し奇妙な間が開いた。]
さあ。味には煩くないんでね。
[湯気の立つカップをネリーから受け取る、その横顔は何とはなしに素っ気無く感じる。]
[まだ分化を始めない僕の耳に、声が聞こえてきた。ハーヴェイの名を呼ぶ声]
……シャーロット。
[声の位置は、すぐ傍ではなかった。僕を取り囲んだ暗くて狭い場所。全周囲を伝わって、彼女の声が聞こえてきていた]
[見えない。けれど見える。
僕が居るのはそう、きっと――]
『魂は血が受け継ぐ』
[聞こえてきた“彼”の声。ならば僕は]
これから――生まれようとしているんだ。
[ニーナの柩の傍で聞こえる声。
溶けて変化する光。
それは──懐かしい…ニーナの、]
──…ママ。
ううん。
[エリザでは無いと言う事は勿論分かっていた。
母親と言うものに私が感じるもの。
もう戻れない場所に居た、その存在──。
あたたかい。
郷愁に涙がこぼれる。
私はパパともう戻れないところまで来てしまった。
彼女が私を見て悲しげな顔をしている理由が私には分かった。そして、私には──その光が眩し過ぎてもう見えなくなってしまった。]
………ん、そっか。
ま、俺も煙草吸ってるから、味覚は半分くらい狂ってるんだけど。
[同じくネリーからコーヒーを受け取り、それを口に運んだ。]
まぁ、「目覚めた」なんてこんなモンだろ……。
[ぽつりと呟いた。]
[タプリ、と下腹にまだ残存する液体が私の中で揺れる。
その行為をハーヴに見られてしまうかもしれない、と思ったけれど。
私はそれをそのまま保っていてはいけない気がして──。
こっそりと後ろ手にスカートを捲り、
パパが施したその栓を抜いて床に捨てた。
──…内腿を生暖かい液体が滴って行く。]
ハーヴ。
[私は淫らな匂いが室内に広がる事を感じながら、もう一度彼の名を呼んだ。]
[確か彼女はヒューバートが死んだと言っていた。
自分も確かに死んだはず。なのにどうして自分が見えないのだろうか?
そっと手を伸ばし、その頬に触れようとしても透けてしまう。
しかし確かに自分の名を呼ぶその少女に、もう一度だけ呼び掛ける]
シャロ。
俺はここにいるよ。
[コーヒーポットを持って、物問いたげにこちらを見ているネリーを、じっと見詰め返す。]
──で?
何か訊きたそうだな、ネリー。こないだ教えただけじゃあ足りないか?
[ナサニエルの顔にもちらりと視線を走らせ、]
……この際ついでだから、アンタも聞きたきゃ聞けよ。
何が知りたいんだ。
[涙が溢れる。
私は彼が、ハーヴが好きだった──…本当に。
それがとても遠い、遥か昔の出来事に思える。]
…ハーヴ。
私、ずっと此処に来てから。
一度、死んだ瞬間の記憶がなかったわ。
あなたのことも、何故か分からない。
ずっと忘れて居たの。
[でも、と私は言いかけて言葉を失う。
ハーヴの事が記憶から抜け落ちていた理由に、今気付いてしまった。]
ん?ああ……
[テーブルに置いてあったダークチェリーの缶詰を弄りながら、ナサニエルはギルバートの言葉に頷いた。]
……お前のやってること。
「同族」の血を「目覚めさせる」理由と、意味。
一体、何の為にやってんだ?
……いや、散々聞かれて耳にタコできてる話だろうけどさ。
…泣かないで、可愛いシャーリィ。
貴方が泣いていると、ニナを泣かせてしまったのをおもいだすから。
[透明に透き通る指先が少女の涙をぬぐおうとしたけれどそれは結局徒労に終わる。
ちらりと、蓋をこじ開けられた棺を見てから]
…あの子は、まだ、魂として生まれるには時間がかかる。
だから、もう少しだけ待ってほしい。
それだけ。
[叔母さんのわがままだけど、と少し困ったように微笑む。
その微笑みは既に過去の色になったはずのもので]
…もしわがままを聞いてくれるなら、おばさん、嬉しいな。
[ぽんぽん、とすっかり透明になった手のひらが少女の髪をなでて。
そして女は消えてゆく。
貴方が少しでも幸せになりますように、と]
[薄い苦笑を浮かべ、コーヒーを一口啜った。]
確かに。耳にタコが出来過ぎて、聞こえなくなるくらいには。
──血を絶やさない為だ。同族の。
ごめんね、シャロ……
俺は…君と先生には……
[涙を浮かべる少女へ、見えなくとも慰めるように微笑みかけ。どうしたら彼女に自分は見えるのだろうか。人狼の血でも魂は同じなのだろう。肝心な所で役に立たないなと肩をすくめる]
…謝らなくていいよ。
君は俺のことは忘れるべきだ。いや、忘れて欲しい。
きっとそれが君の幸せだからね。
[今自分が幸せを願うとしたら恩師と恩師の愛したこの少女。もし彼女が生きていても死んでいても、二人に安らぎを願っただろう]
―ナサニエル宅前・車中―
ん……
ぁあ……今、何時だ?
[彼の家の玄関が見える少し離れた木立の中に目立たぬよう停車した車の中。一杯に倒したシートの上で、私は身を震わせ浅い眠りから目を醒ました。
安置所脇で、しかも悪夢に魘されての睡眠は浅かったのだろう。疲れが抜けきる筈もなく、ナサニエルを待っている間に休憩をしていた私はそのまま眠りに落ちていたのだ。]
この状況で、不用心にもほどがあるな……
ナッシュとすれ違いになったか?
いや……むしろ、ナッシュはあの家に帰ってきているのか?
[しかし、眠りを破ったのは、微かに響くエンジン音だった。
今はシャーロットの形見となってしまった、小さな双眼鏡を目に当て覗き込んだ。]
[ナサニエルの愛車から降りたギルバートとネリーが、先に家の中へ入っていく。ナサニエルは、なぜか少し外で時間を潰しているようだった。]
ギルバート……
[黄金色の瞳の光を思い出す。彼がなぜここに?
「団体行動ってイマイチ得意じゃない」
ナサニエルはそう云っていたが、雑貨店で会った時にもそういえば彼やローズと行動を共にしていたことを思い出した。彼が云うように、あまり友人と一緒になにかをしているところは目にしたことがない]
古い友達なんだろうか……
[彼がヘイヴンを離れていた時期は十年ほどにもなる。その間のことはほとんど何一つ知らずにいた。
ナサニエルはやがて、トランクからなにかを出して二人を追うように家の中へ入っていった。]
どうすっかなあ……
[こういう時、煙草を吸う習慣があったならと思った。
ギルバートとネリーの二人はただ家の中に寄った、というわけではないようですぐには出てくる気配がない。
私は、車の中でしばらく待ち続けた]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 8日目 エピローグ 終了 / 最新