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[『私』はまだ『ギルバート』と呼ばれる男や『ハーヴェイ』が持つ『何か』をまだ知らなかった。
筋の違う回答が飛ぶ。]
だって、いつだって私は非力だもの…私だって、たまには腕力や体力に憧れる時だってあるわ…
何も…? 何か…? 何…?
[何だろう。私はいつも言葉に詰まると外連味だらけだ。
だが2、3、思い当たる節はあるのだ。明確なものは何もないけれど。]
[浴室を出たソフィーは、生乾きの髪をピンで高く留め、薄手のバスローブを羽織った姿で、片手に水の入った銅製のポットを携えイアンの部屋へとやって来ていた。
サイドテーブルの上の観葉植物の葉を指の腹で撫でる。
肉厚で、縁に棘のような突起を持ったその植物は、コミカルな姿を面白がった母が名前をつけて可愛がっていたものだった。]
聞いて、アロエリーナ。
私のお父さんが居なくなってしまったの。
ねぇ、何処に消えてしまったんだと思う──?
[細い注ぎ口から水を注ぎながら、問う。
母がかつてそうしていたように。]
………。
[当たり前だが、返事はない。
しかし何故かふっと、張り詰めていた気持ちが緩んだ。
口の端に笑みが浮かぶ。]
あっ――
[何かが途切れた。
私は今、剥き出しの感情だった。たったこれだけでも、これほど攻撃的になった覚えはなかった。私にも、内側に何かを秘めているのかも知れない。
状況は変わっていない。]
冒険家 ナサニエルは、酒場の看板娘 ローズマリー を投票先に選びました。
そうよ。歯を食いしばってでも何とかしないと駄目。
食いしばってでも。
[と言いつつも食いしばる事に「馬鹿らしいわ」とも思った。]
[少し眠ろうと思った。
疲れているのだ、今は。
一人では冗談を言うゆとりも無いほどに。
薬は飲んだが、未だだるさと微熱は消えない。
家を飛び出した処で探す当ても無い。
これでは到底いい結果など望むべくもない。
心を決めたソフィーは、毎日シーツを取り替えている清潔なベッドに、そっとその身を横たえ、瞳を閉じた。
朝になったら焼きたてのトーストにポーチドエッグを乗せ、ホットミルクと一緒に食べよう。
そして体力を回復したら、*改めて父を探しに──*。]
[本来彼女――ネリーはヘイヴンに生まれ、ヘイヴンに育ってきた。
多分に漏れず、人狼の能力を開花させる者、あるいは人狼を残す者としての因子をふんだんに蓄えていた。
しかし彼女は成長する過程でノーマンの拷問により、歯を全損してしまった。
そのショックなのか。或いは人狼の象徴を失ったからなのか。「先祖帰り」の特徴が未だ中途半端にしか発揮されない。
今の歯はデボラが誂えた仮初めに過ぎない。
人狼を残す能力はまだまだ有していても、本人はギルバートやハーヴェイの持つ力までに至らなかった可能性があるのだ。無論、本人の意思をよそに。]
[私はひとりごちていた。]
望み…力…どうしてだろう。こんなに欲した事は初めてだわ…
力は欲しい。でも…力よりも大切なものがある。
それはなんだろう。人としてのプライドとか、清楚とか、協力とか、うわべっつらを並べたものじゃない…
どう言えばいいのだろう…それは自由?いえ少し違う…
流れ者 ギルバートは、見習い看護婦 ニーナ を能力(襲う)の対象に選びました。
ヘイヴンの人々が本能おもむくままに、心の底からクラリとする極上の麻薬に酔いながら、成したい事を成す――そして掟を伝えていく――
それがヘイヴンの教えを守ること――ではないかしら。
[私は歩きながら思考を続けていた。]
…あぁ、消したい…
お前は俺に約束するといった…
…せいぜい…楽しみにさせてもらう…
[ギルバートの思念を受ければ受けるだけ、フィルタを失った理性は崩れていく。ピアスが紅の光を維持するに、もう太陽は殆ど必要としなくなっていた。]
――――――――――――――――
《ナサニエル・オリバー・メラーズの手記より》
【ニーナ・オルステッド】
197X/XX/XX
彼女を見ていると、私は人間における或るひとつの「無防備な本能」を悟る。
彼女の依頼は、「亡くした兄の代償」――かつて肉体関係を持っていたという兄――を演じるというものだ。
普段は不器用で、おおよそ愛想が良いとは言い切れぬ彼女は、その中に眠る「本能」を押さえ切れなくなった時、私の元を訪ねてはその欲求を満たしてゆく。
「兄」の前で、彼女はその表層からはおおよそ想像もできぬ生身の感情と欲望をさらけ出す。兄に対する純粋なる思慕。それを満たす為の性的行為と快楽。彼女の言動のベクトルは全て「兄」へと向かっているのが、手にとるように分かる(いや、事実「手にとって」いるのだが)。
しかし同時に、私は彼女に対して、「無防備であることの恐ろしさ」をも感じている。
彼女は、自分の胎内に兄の精液を流し込むことを赦していたという(私が「兄」を演じる上で、唯一本物の「兄」とは異なる点である)。子宮に精液が侵入することは、彼女の子宮に兄の子を宿す危険性を(文字通り)孕んでいるというわけだ。なんという無責任な性行為だろう。――否、それを超える程、彼らの「欲望」(決して「愛情」とは同義ではない)は深いものであると、私は思う。
『人間は、近親者同士での性行為はしない』というルールは、実はそれほど堅固な理ではないのだろう、と実感する。目の前に居る相手に欲情したら最後、ひたすらに相手を求め、やがて手に入れる――人間は、そのような類いの努力だけは怠らぬ。(そして、人間はそのような相手を、驚くほど最短距離で探そうとするのだ。なんと怠惰なことだろう。)
人間は、等しく「獣」だ。
無邪気に、無防備に――後先などまるで構わず、「欲しいものを狩る」という目標に向かって、愚直なまでに突き進んでゆく。
――――――
眩いばかりの陽光が世界を澄明な色彩で浮かび上がらせる夏の日に。まっすぐ伸びる道路を真っ白なロメッシュが風のように疾走する。
鮮やかな碧空は天頂に向かう程に色味を増し、誘い込まれるように深かった。道の片側には広壮とした皙い砂浜が広がり、白磁の欠片を鏤めたように陽光を照り返す。
今より少しあどけなさを帯びたシャーロットの唇が綻び、歌声を口ずさんでいた。私は肩でリズムをとりながら、耳を傾けていた。
夏のケープコッドへのバケーション。彼女は十四だった。
空冷軽量スポーツカーのその車は、一つ一つの操作に息吹を感じるような確実な手応えをかえしてくれた。アクセルをゆっくり踏みこんでゆき、エンジンの回転数が上がったのを確認してギアをシフトさせる。エンジンの回転音が変化し、伸びやかな加速が私たちを彼方へと導く。
シャーロットは歓声を上げた。
「綺麗な海――」
広漠とした砂浜の彼方から青々とした滄海が迫った。陽射しを照り返し、瑠璃を鏤めたようにキラキラと光る。
「最高だ」 私も浮かれていた。
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