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──自宅・浴室(帰宅直後)──
[荷物を運び込む際に、今度はシャーロットがヒューバートに傘を差しかけた。玄関までのわずかの距離で二人ともびしょぬれになってしまった事に驚く。帰宅までのわずかな時間に雨は暴力的な横殴りに変化していたようだ。
窓の外に小さな稲光が見える。わずかに天井のライトが揺れた。シャーロットは今、アトリエの二階の浴室で湯に浸かり終えほっと息を付いたところだった。]
…あ。
ママがまだ帰って来てないのに。
後で、養鶏所に電話かけてみようかな。
[手足が十分暖まったところで、バスタブ(冷え性のエリザとモデルで緊張した後のシャーロットが身をほぐす事が出来るようにと、特別に注文した深く大きなバスタブだ。大人が二人で入る事も出来るだろう。)の湯を抜き、シャーロットは冷水のシャワーのコックを捻った。上気した肌を落ちつけるために。
そして、タオルで軽く身体を拭き、鏡の前に置いた椅子に腰掛ける。]
……ん。
[ぱちりと、瞳を瞬かせる。
目の前が軽く霞んで、しっかりとした像が結ばれないが、
どうやら自宅ではないらしい事が理解出来た。]
──…っう…。
[一先ず起き上がろうと上体を起こすと、
ズキリとこめかみに鈍い痛みが走った。]
さぁ、お父様。お食事の時間ですよ?
[わたしは手近に有ったテーブルにトレイを置いて、お父様に声を掛けた。
と、その瞬間うめき声のような物が聞こえ、わたしは瞬時に振り返る。
そこには上体を起こして身を屈めるソフィーの姿があった。]
っ…大丈夫?ソフィー!あなた、熱があるのでしょう?
[思わず立ち上がり彼女に駆け寄る。]
[床に脱ぎ捨てた服を着込み、銀色の腕時計をはめる。ひんやりとした感覚が、左側の手首に伝わってきた。]
ニーナ……。
雨の中を走ってきた、ニーナ……。
「俺」に逢いに来てくれた………
[肌を晒して眠る“妹”の姿を見つめ、“兄”は悲しげな溜息をつく。]
……ごめんね、ニーナ。
君とずっと一緒にいてあげることができなくて……
[聞き覚えのある声に痛みを堪えて顔を上げる。]
……ぁ…、ステラ、さん…?
[見覚えのある、シックなモノトーンの服装に気が緩んだ。
助け起こしてくれる片腕に、存在を確かめるように手を乗せた。]
何故、あなたが……。
──…ここは?
[更に視点を変えると、酒場の主ローズマリーの姿もあった。]
[わずかなに歌を口ずさみながら、ローションを手に取り肌になじませる。
最初は腕、次は脚。剃刀をゆっくりと脚の先から上方へかけて滑らせて行く。凹凸の有る膝も丁寧に反り上げ──…太腿のあたりでピタリと手が止まる。]
……どうしよう。
今度のパパの作品ってどうなるのかしら。
何処まで処理していいのかわからないわ…。
聞いておけばよかったかも。
[鏡の前で困ったように微笑と瞬き。]
それにしても…。
リック、本当に2、3日で背が伸びたんじゃないかしら。
以前、冗談で「鍛えてるらしいじゃない」って言って、腹筋を触らせてもらったけど、なんだかこれからはそんな事言えない気がしてきたわ。男の子って……。
[脇腹から腰にかけてローションがついたままの指を滑らせ、]
……私は、太らないようにしなきゃね。
ママにスパッツだけで自転車に乗っちゃ行けませんって言われたけど、確かに。
…ん。
[目を閉じる。指先は、そのままシャーロットの内股に軽く触れる。]
…全部、剃っちゃおうか。
ううん、水着が着れるくらいがきっと無難ね。
──シャーロット自室(現在)──
[ヒューバートが扉をノックする音に「はい」と言って扉を開く。
バカンスで着るようなVネックのペパーミントグリーンのサマーワンピース。次にモデルになる日に備えて、下着を身に付けていない事が目立たない服装だ。]
…パパ?
[特にアテもなく走り続けた。ペットの犬を助手席に載せて。
最近では、ネリー以外の者が助手席に乗るのは、
人間以外でも久しぶりのことであった。]
ハァハァハァ……なんだってんだよまったく。
[無性に不機嫌であった。意味はわからない。
独りでいることが、不安で仕方がなかった。
こういうとき、ネリーがいないのが残念であった。
どれくらいの時間走っていたかわからない。
ボブのアルファロメオは、酒場の前に止まった。
急いで、戸口の前にやってくる。]
オーイ!誰かいねえか?
─酒場2階・ローズマリーの部屋─
[ソフィーの父を運び込んだ後も、追い出されないのを良いことに、何となくそこに留まり続けた。
まだそれ程の年齢ではないと見えるのに、この男はまるで何もかも喪った老人のような雰囲気が感じられる。
ローズマリーが用意した食事をステラが男に与えようとする様を見ながら立っていた。]
[支えるように手を差し伸べると、重ねられた手から体温が伝わる。
――熱い…]
ここは…ローズの部屋よ。あなた、熱を出して倒れたのですってね。それに…。
雨も酷くなっているから、あなたには無断でお父様もここに避難して頂いたわ。この身体ではお父様の面倒を見るのも辛いでしょう?
[状況を把握し切れていないソフィーに、わたしは優しく微笑みかけ、あやすように髪を梳いた。]
[状況を理解しようと2〜3度瞳を瞬かせていると、
キィ、キィ、と軋む何かの物音が聞こえて来た。
その聞きなれた音に、ベッドの足元に目をやる。]
──!!
お父さん──!?
[自宅に居る筈の父の姿を前に、軽い混乱がソフィーを襲う。]
『何故父が──?
私の助け無しには家を出る事も侭なら無い筈なのに……。』
[ステラの腕に縋り、慌ててベッドから立ち上がろうとすると、掛けられていた布団とバスタオルが滑り落ち、血管の透ける白い肌と、上向きの乳房が外気に晒された。]
[ネリーはリックの父――ノーマンの元で3年、あるいは4年ほど住み込みとして働き続けていた。
ヘイヴン育ちのネリーであったが、社会、特に裏に潜む社会にとっては無知に近かった。ノーマンはそこに目をつけた。
ノーマンは家族、特に子供達の前では特に、ネリーが見える部分ではネリーへの対する仕打ちというものは見せなかった。
だが隠れてネリーに人として許されざる事、踏みにじる行為を続けていたのだ。]
―シャーロット自室―
[私は、制作への昂ぶりに僅かな緊張を感じながら、シャーロットの自室の扉をノックした]
シャーロット、いるかい?
[扉を開けた彼女に、微笑みかけながら問う。]
今から、モデルになって欲しいんだが、大丈夫かな。
時間はそれほど長くはかからないと思うんだが。
[ステラの説明が耳に入るのが一瞬遅れたソフィーは、
急な移動に軽い貧血を起こし、腕で身体を隠すように蹲った。]
そう、ですか。
ローズさんの──。
すみません、ご迷惑をお掛けして……。
[眠っていた女性の目が覚め、ローズマリーとステラは彼女にかかりきりになった。
階下の店入り口で聞こえるドアの開閉の音には気付かないようだ。
続いて、不機嫌な男の声が聞こえてきた。]
[ネリーは生き抜く為に真実を隠し続けた。
そうする事でしか、生きる術がなかったのだ。
もし真実が公になれば、州をあげての大問題になるであろうな程、虐待、蹂躙はエスカレートしていた。
そして遂に――ネリーの感情が暴発したのだ。]
[突然立ち上がったソフィーに、わたしは一瞬だけ戸惑うがすぐに毛布で体を包んで]
落ち着いて…落ち着いてソフィー…。
お父様は大丈夫よ。それよりあなた…まだこんなに身体が熱いじゃない…。大人しく寝ていなさい。お父様の前にあなたがどうかしちゃうわよ?
[少しきつい口調で彼女を制する。普段はこんなきつい声なんて、出した事はない。少なくてもこの町の人の前では。]
いるのか…いねえのか…どっちだ。
[そう呟いて、ピアノの前に座る。
話し相手がいなければ、無性にピアノが弾きたい気分。
誰かいれば、その音で現れるかもしれないと思った。]
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