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――――
Day-o, day-o
朝だ! 朝だぜ
Daylight come and me wann' go home
朝日が射すと帰りてえ
――朝が来るまでバナナを積むんだ
計数員さんよ、俺のバナナを数えてくれ――
――6フィート、7フィート、8フィートも積んだバナナの山
A beautiful bunch of ripe banana
熟れたバナナの見事な山さ
Hide the deadly black tarantula
ヤベえ黒蜘蛛は隠してくれな
――
[時折手拍子を拍ちながらレコードの声に併せて唄い、屹立の群れの波に寄り添うように踊る。
吹き抜けの遥か上方で電話の子機がコールを鳴らした。母屋で誰かが取ったのだろう。すぐに静寂が訪れ、カリブの陽気なリズムだけがその場を支配した。]
デェーオ♪
[私はしばしの間の狂騒に身を委ねていた。遠い電話の向こうに横たわる感情の深淵を知ることもなく。]
―自宅2階・書斎―
[長い長い、まどろみ。
先ほどのまぐわいでその身に溜まった疲労感からか、男は少女を――否、“兄”は“妹”を腕に抱き締めたまましばし眠っていた。]
………………。
[ベッドからゆるりと起き上がり、“兄”は電気スタンドに手を伸ばした。]
――カチリ、カチリ。
――カチリ、カチリ。
[何度スイッチを入れても、部屋は明かりで照らされない。]
………………ん?
[“兄”は眉をしかめながら、ズボンのポケットからライターを取り出し、部屋を照らした。窓の外では、先ほどよりもさらに激しく雨が降っている。
火をつけたついでに、“兄”は甘いチェリーの香りがするリトルシガー――ニーナの兄が生前好んで吸っていたという――に火をつけた。]
>>583は結構強引だと思いますわ。
あの騒動のなか、どのタイミングで?と思いますもの。
ヒューバートがいれば、ステラを頼らなかったかもしれませんわ。
[窓の外を眺める。
激しい雷鳴と、大地を叩き付けるような大雨。]
こりゃあ………
[と言い掛けた男は、唇を歪め表情を変える。]
これは……まいったな。停電かも……。それに、凄い大雨だし。
どうやって、ニーナを「現実」へと返してあげればいいんだろう……?
[肌を晒した姿のまま、男は首を左右に振った。]
──回想 - 7年前──
───…はぁ、はぁ…。
[目覚めたソフィーは、嫌な予感に突き動かされ、
然して広くない家中を父の姿を求めて走り回った。]
何処…お父さん?
[バスルームにも、ガレージにも、貯蔵庫にも父の姿はない。
母屋にいない事を悟ると、ソフィーは家の外に飛び出した。]
『工房に明かり…。こんな時に仕事……?』
[隣接する建物の窓から薄ぼんやりとした光が漏れている。
予感はいよいよ大きくなった。]
[工房に入ると、捜し求めた父の姿がそこに在った。
父は工房に一体だけの女性用ボディに着せられた、
白いサマードレスの裾に縋って泣いていた。
何故かその姿は、少女の瞳に、赦しを乞う罪人の如くに映った。]
お父さん──。
[脅かさぬよう静かに声を掛けるが、父は振り返らない。
声を押し殺すように泣いている父の姿が痛ましくて、その悲しみを少しでも和らげようと、ソフィーは一歩ずつ父に近づいて行った。]
お父さ──…、
[ほんの少し手を伸ばせば父に触れられる距離まで近づいた所で、ようやく父が何か呟いているのが聞こえて来た。]
「済まない──。済まない、ソフィア…。」
「あの時の…は、俺じゃ……──。」
「我慢……きなかっ……だ──、
……を、喰う……りなんか無…っ……!!」
[意味を量りかねたソフィーが黙っていると
嗚咽交じりの涙声は更に続いた。]
「赦してくれ──ソフィア。」
「なぁ、ソフィ…──、待って…く……。」
「 《 俺も、今から、そっちへ行くから 》 」
[最後の一言が聞こえた時、ソフィーの身体は既に動いていた。
父に飛び掛ると、その手に握られた刃渡り15cm程もある裁ち鋏の刃を両手で掴んで取り上げようとしたが、父はしっかりと握り締めた柄を離そうとはしなかった。]
やめてお父さん、しっかりして!
お願い──、
私を見て…!!
[ローズマリーは簡単なスープをつくりロールパンを用意すると二階へと階段を上がる。
時折ふと電気が暗くなるのは雷のせいだろうか]
ロウソクを用意しておいた方がいいわね、きっと。
[自室の小さなダイニングに鍋とロールパンの入った籠を起き]
まずはお父様の食事ね。
[トレイに一人分のスープとロールパンを準備すると自室の扉を叩いた]
[ソフィーの悲痛な叫びも届かぬように、イアンは力を緩める事無く、掴んだ柄を縦横に振って鋏を取り返そうともがいた。
鋏を取り合って揉み合ううちに刃先が掠めたのか、ソフィーの首筋に鋭い痛みが走り、衝撃でソフィーは後ろ向きに床に倒れた。]
[パタタッ──。]
[レッドパインの白い床材に紅い鮮血の花びらが散った。
幸い深い傷ではなかったが、血の匂いは一瞬で周囲に満ち──]
「離せ!離してくれ!」
「ソフィアの所に行かせてくれ!」
「離ッ……」
[鋏を握って叫び続けていたイアンの動きが──、止まった。]
──…お父さん?
[不思議に思って顔を上げると、父は持っていた鋏を床に落とし、床を這うようにソフィーの元に近づいて来る所だった。]
……正気に、戻ったの?
[安心して力の抜けた娘を助け起こすように首筋に回された右腕。
それに甘えるように体重を乗せ、震える声で尋ねた時、熱く脈打つ傷口を、生暖かくぬらりとした感触がなぞるのを感じた。]
……ッ!!
おと……さん…?
[何が起きたのかわからず混乱するソフィーの耳元で、
ぴちゃりぴちゃりと音を立てて、イアンは娘の血を啜っていた。]
[その時不意に、先ほど父が呟いていた言葉を思い出した。]
《我慢出来なかったんだ》
《お前を喰うつもりなんか無かった》
『あぁ──……。』
[そういう、事だったんだ。
ソフィーにはそれがどんな病気なのか迄はわからなかった。
しかし、父が何らかの病によって母を喰い殺したのだと。
そう、理解した。]
おと、お父さ……、やめて…やめ……。
いや──…、お父さん……。
[恐怖に震える声で懇願するソフィーに構わず、
父の舌はぴちゃり、ぴちゃりと滲む血を舐めている。]
『やっぱり私の声は、お父さんには届かない。』
[絶望で目の前が真っ暗になった時、
ソフィーの脳裏にある一つのアイデアが天啓のように閃いた。
ソフィーは無心に血を啜る父の頭を抱き締め]
”イアン”──。
[と。母がいつも父を呼ぶ時と同じように、呼びかけた。
出来る限り母の仕草に似せて、優しく優しく、髪を梳く。
そうして自ら、獣のように口の周りを紅く染めた父の唇に、
──深く、唇を重ねた。]
―雑貨屋―
[リックに言われていた事を思い出す。シャーロットやウェンディと同じ年齢だ。
あの父をしてこのような子がうまれるとは、社会と言うものはつくづく分からないな、とネリーは思った。]
――二階 ローズマリーの部屋――
[ぼんやりと過去と現実へと想いを燻らせていると、ふいに部屋のドアがノックされた。
その音にあわせて、部屋の照明が揺らぐ。電力の供給は不安定ならしい。]
はい、ローズ?
待ってて、今開けるから。
[わたしはソフィーの許から立ち上がり、入り口のドアノブに手を掛けた。]
―作業場―
[ひとしきり踊り終えるとスイッチを切った。テーブルの天板に貼り付けられたディルドを一つ一つ外し、元のダンボール箱の中に押し込める。
これらを用いた制作のイメージは以前より鮮明になっていた。
創作への渇望が高まるのを感じる。
波が満ちるように、その時は次第に近づいているのだという感触があった。
私は地下作業場に保管していた粘土を台車で運び込み、練り始めた。]
[ローズマリーはトレイを手にドアの前。
ステラの手でドアがあけられる]
ステラ、お昼の準備ができたわ。
お父様に食べさせてあげることってできるのかしら?
[ローズマリーはステラにトレーを手渡そうとした]
ソフィーの様子はどう? まだ寝ているの?
[開け放ったドアからローズが顔を覗かせる。手にしたトレイを受け取りながら]
えぇ、食事介助は大丈夫よ。
ソフィーは…まだ眠っているみたい。
[ちらりと後ろに視線を送り、ローズに小さく笑んで見せた。]
──酒場2階 - ローズマリーの部屋──
[遠い昔の夢を見ていた。
初めて父と身体を重ねた夜の事を。
未だにあれが、自分が生きる為だけの行為なのか、
父への愛情故の行為だったのかさえ、判然としない。
ただ、母の名を呼びながら自分を抱き父の腕に、
ひと欠片の嫌悪すら抱かなかった事だけは確かだ。]
──…。
[熱のせいか、熱い吐息が漏れる。
目を開けると、目の前に見知らぬ天井があった。]
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