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[周囲を赤いペンキで塗りたくった景色もそうだったが、ハーヴェイがこっちを向いて笑っているような気がした。なんて満足げな表情なのだろう、と。
忘れていた疲労も思い出し、私は膝や腰が*砕けそうになった*]
[[バンクロフト家の客室の卓上、1枚のメモがおいてある。
─ヒューバート先生─
─これを先生が読む頃、俺は多分、この世に居ないかもしれない。長くは書けないけども、もしこのメモを読むことがあったらどうか俺の頼みを聞いてください。
俺の家の部屋の引き出しの中、一冊の日記帳があります。
それをどうか俺と一緒に埋めてもらいたいのです。
俺の…幸せだった記憶。大事にしていたいものだから。
先生、俺はいつまでも先生を尊敬しています。
どうか、お元気で
ハーヴェイ・ドナヒュー
メモと一緒に形見のように置かれていたピアス。
アレキサンドライトのそれ。
悲しそうな青緑色の光を放っていた──]
[煙草を拾い、ナサニエルは息を整える。]
ひィ……はは、は……
ああ、そう。それそれ。
ヒューバート・バンクロフト氏。
俺とは違って、超大金持ちで売れっ子の芸術家サンってヤツさ。
なァんかハーヴェイとは親しげだったし?まァ話聞けば分かるだろうってな。
[煙草についた泥を払い、ポケットにしまった。]
―安置所・内部―
[私自身も服を身に纏い、ようやく荒い息と亢奮が静まった頃。
シャーロットの横たわる台座の枕側の縁に、一つずつファロス―リモコン式のディルド――を並べていった。]
――――
Luther Lang
Rick Brander
Bob Dancsok
Irvine
Horace Wiseman
Owen Pengelly
Dusty Whatman
Baldwin Bancroft
Hubert Bancroft
Martin Gallacher
――
[ディルドの台座の裏側には金色でその名が刻印され、台座の目に付くところにはイニシャルだけが刻まれている。
死者に対しては半ば供養の気持ちで拵えたそれらは、冥界の闇の中で墓標のように――あるいは女神の神殿を囲繞する柱廊の周柱のように並び立っていた。]
ここに置いていく。
いずれ、ロティが家に帰る時に、一緒に持って帰るよ。
増えるかどうかは……わからないけど。
またなにか作ったら見せに来る。
[そう言い残すと、しばしの別れに口吻を交わす。
彼女を愛惜する唇は離れ際に下唇を含み、名残を残すように僅かに吸った。唾液が銀糸となって暗中に残像を引いた。
私はガラスの感触を踏みしめながら、ゆっくりと扉へ向かう。扉の前で、この場所を訪れた時にいつも感じる身を裂くような惜陰の思いを振り切り、やがて外へ滑るように出て行った]
―安置所・外―
[外に出ると、黒々とした木々の鬱然とした連なりの隙間から仄かに差す月明かりが目に入った。]
Il Mostro - 怪物 - ……
[呟きが漏れる。
わずかに首を擡げ、目を細めながら薄い光に躰を洗う。
未だ火照るように躰を包む淫欲の残滓が夜気に溶け、私の中の獣が静穏な眠りにつくのを待つ。]
身も魂も灼き尽くさずにはいられぬこの想いは――
――怪物のそれか――?
ロティ……
[鼓動が平常よりほんの僅かの高まりに落ち着いた頃、ひしひしと胸に迫るのはやり場のない哀しみだった]
――この想いはどこへも辿り着かないのではないか。
娘はやはり戻ってこないのではないか。
ただ、現実から目を背け、おぞましい獣欲のままに
娘を穢しているだけなのではないか。
たとえ戻ってきたとして――
シャーロットの私に向かう眼差しが
嫌悪で歪んでいたとしたら……
ああ……
[それだけは耐えられなかった。懊悩に髪を掻きむしりながら膝をつき、顔を覆った。]
――許してくれ
君なくしては生きてはいけない私を――
[誰の耳に届くこともない哀哭が、小さく漏れていた。
ボブ・ダンソックへの苛烈な瞋怒。
何者かの心臓を食したと思しきステラへの嫌悪。
だが、私自身も気がつけばいつしかおぞましい怪物に成り果ててしまった気がしてならなかった。]
[ややあって、感情の昂ぶりが治まった私は安置所の錠を下ろし、コードヴァンの靴底を穿って作った隠し場所に鍵を滑り込ませた。
安置所の扉が目に入る灌木の陰に隠れるように寝袋を敷くと、身を横たえる。
真夜中の墓所。そして、安置所。
おどろおどろしくも凄絶な古い記憶を嫌がおうにも思い出す。
あの時見た光景――]
ミッキー……
[鮮血を噴水のように迸らせる脂肪に鎧われたぶよぶよとした肉塊を――軽々と抱き上げていたのは――]
……ぁあ……ナッシュ……
教えて欲しいんだ……
あの時……
……俺た……ち……は……
[このような場所で眠りにつくなら、せめて悪夢は見ないように――
意識を別のものへと向ける努力も虚しく、私の意識は幽冥の奥底へと堕ちていった]
美術商 ヒューバートは、流れ者 ギルバート を投票先に選びました。
――――――
遠くでなにかの音楽が鳴っている。回転数をひどく遅く設定してあるレコードプレイヤーにかけられているかのように、どんよりとした唸りとして響いてくる。
「ぁん…… …ぃい…… …気持ちいい」
耳に絡みつくような嬌声と、ぬぷっ、ぐちゅっと粘り気のある水音が断続的に響く。平静な時は玲瓏とした佇まいもありながら、感情が入れば少し高く甘い響きを帯びるその声音はひどく聞き覚えがあった。
忘れるわけがない。それは――
「シャロ、素敵だよ。ほら、先生にもっと――」
聴かせてあげなよ、と語尾は笑い声に包まれた。
「ハァアアァアヴ!!!」
私は喉が裂けるほどに叫び、螺旋階段を滑り降りていた。
シャーロットの語尾の【et】の音が舌足らずに掻き消える特徴的な発音は、間違いなく彼の――友愛の情を信じて疑わなかった愛弟子のものだった。
階下の作業場に降り立った私の眼前には、信じられない光景があった。
透明アクリルの作業台の上で、ハーヴェイがシャーロットを後ろから抱きかかえた背面座位の姿勢で交わっている。
シャーロットの両足はハーヴェイによって抱え上げられ、シャーロットの陰部を開陳させるかのように曝け出させていた。綺麗にそり上げられ陰一つないヴィーナスの丘はハーヴェイのしなやかな屹立に蹂躙されている。
勢いよい彼の突き込みに儚い花片は歪むほどに押しこまれては引き出され、しとどに濡れそぼった秘唇はぬらぬらとハーヴェイのファロスに纏い付く。
「……あんっ! ああっ…」
シャーロットが怺えきれないように短い叫びを上げた。
作業台の下には業務用の大型の鏡が横たえられ、交わりのその様を真下からまざまざと見せつけていた。おぞましいほどに淫らな光景に、グラグラと視界が揺れた。
「やめろ! なにをしているんだ、二人とも――」
邪気のない表情が答える。
「俺、先生のこと、尊敬してるんです。恩師の“知ってること”はなんでも知っておきたいって思って――」
“知ってること”だって? 思わずその言葉に胃が収縮しヒリつく。
「これって、愛――ですかね」ハーヴェイはいつもするように、きょとんとしたような表情を作り――それはすぐに天使のような笑顔に綻んだ。
「知ってるんですよ。先生が時々、この台の上でシャロにポーズをとらせていること」
やめろ、やめろ!と叫びが囂々と頭蓋に反響する。
そしてこれも――とハーヴェイは腰を突き入れる。
「――先生のしてることですよね」
声にならない叫び声に、私は身を波打たせた。
「ロティ、何をしているんだ。やめないか!」
彼女はハーヴェイに抗うどころか瞳は夢を見るように彷徨い、半開きになった口元から雫を滴らせながら妖艶な笑みを浮かべていた。
「パパぁ、つらいでしょ? 苦しいでしょ?」
あたりまえだ、もうやめてくれ、と懇願の叫びが迸る。
「でも、パパはこの苦しみからこそいいものを作ってくれるわ。それがとっても――」
気持ちいいの、とその言葉を聞き終えるまでもなく私は台の上に飛び乗り、二人を引き倒していた。
――ああ……なぜこのようなことになったのだろう。
決して交わりを止めぬ二人に怒り狂った私は、シャーロットを後背位で犯すハーヴェイの薄い臀部を割り開き、怒張を突き入れていた。
「先生、きつ! ぁあぁ……っ」
激しい抽送を繰り返し、ハーヴェイの首筋に歯を立てる。彼の唇は戦慄に震え、熱い吐息が零れた。荒々しい呼吸音が周囲に響く。
奇妙なことに、シャーロットの姿は掻き消えていた。床に横たえられた鏡には、苦悶と快楽に眉を寄せ激しく身を波打たせているハーヴェイの姿がありありと映し出されていた。
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