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─アーヴァインの自宅─
[昨夜の豪雨、そして今も止まない雨にアーヴァインは不安を覚え、朝学校に電話をしてみることにした。今日一日休むつもりではあったが、場合によっては出勤せざるを得ないだろう。
時間を見計らって電話を掛けると、学校に泊まっている同僚が出た。彼の自宅は到底住める状態ではなく、親戚も皆似たり寄ったりの状態なので、家族ともども学校に泊り込んでいたのだ。
報告を受け、話し合った結果、こちらの支度が済み次第一度役場に出ることになった。
今からでは昼になるだろうな、と思いつつ、万一に備えて荷物を纏めておくことにした。]
──……
オ……ハ ダレ…?
ドコ… …ル
キコ……イ……ラ …ン…ヲ……──
[ノイズに混じった音が徐々に明確な形を*取り始める。*]
[まだ時間も早いのにさっさとベッドにもぐりこんでしまったが、どうしても頭痛と寒気が直らない。
アンゼリカ…いや、あのギルバートという男に近づくと酷い頭痛を覚える。
そしてまた、ノイズのような不気味な音]
ま…た…かよ…っ
何だ…何なんだよ…これ…
う…あぁああああっ…!
[前よりも長い、声の様なものがガンガンと頭に響く。
それでも息を切らせながら、必死に耐え続けた*]
─アーヴァインの自宅─
[数日の泊り込みに対応して予備の衣服を用意した後で、自分が居ない間に家が浸水した時のことを考えて、動かせる物は皆高所に動かした。風に備えて窓も厳重に閉め、或いは目張りをしておく。
一番大事なコレクションルームは2階にあるので恐らくは大丈夫と思い、普段と同じく厳重に鍵を掛けるだけにした。
しかし、もしも自分がいない間にあれが失われたら、と思うと落ち着かない。どれもこれももう二度と手に入らない貴重なものだ。
いや、万が一にもあれが人目に触れたら自分は一巻の終わりだ。この町には居られないだろう。
胃の締め付けられるような恐怖を感じたが、彼には写真を処分することなど出来よう筈もなかった。何故ならそれは、彼の魂そのものだったからだ。]
[アーヴァインは玄関を閉め、ガレージに向かった。
傘を差していても、レインコートを着ていないとずぶ濡れになるような雨だ。
膨れ上がった旅行鞄と共に、ピックアップトラックに乗り込む。
とりあえず学校へと車を走らせて、数分経った、ちょうどその時。
それが起こった。]
[恐ろしい鳴動。致命的な震動。
轟音は長く続いた。]
[そして。
アーヴァインは目の当たりにした。
行く手の先に、夥しい泥土が激流と化して雪崩れ込み、大通りとその脇の家を呑み込んでいくのを。]
――自宅――
[僅か数時間にしか満たない睡眠でも、薬の効果は絶大だった。わたしは先程まで悩ませていただるさが嘘のように引いていることに気付き、ゆっくりと起き上がって床に足を付く]
眩暈もしないし、熱っぽさも感じない…。しっかり下がったようね。
[何も身に着けない素肌から、重力に逆らえず毛布達がずるりと身体から離れていく。露になる裸体。細すぎはしないけど、やはり男を誘惑していた時と比べれば幾分肉が削げ落ちたような気がする。]
時の経過は残酷ね…。4年という歳月はもう貴方の知らない事ばかりをこの躰に蓄積させているわ…バート…。
[思わず呟いた言葉にわたしは驚きそして静かに笑う。未練がましいと思いながらも断ち切れない思い。それは裏切りとも思われる心情を突きつけられても拭い去る事はできない。それは全く同じ意味でローズにも言えること。]
[気が付けば彼らの思いを、心を手に入れたいと願ってしまう欲望。それは時に形振り構わずに貪りつくしたいという姿に変わりわたしに襲い掛かる。狂ってしまえたらどれ程楽だろうか。偽りの潔癖という服を剥いで町中を練り歩き人々の喫驚を買いたいものだと押し寄せる波のように願ってしまう一時がある。それがわたしに与えられる罰なら喜んで飲み干してしまいたいと。]
[しかしわたしはそこまで思い切れる人間ではなく。だからナサニエルに契約を申し込む。【娼婦】としての自分と、【背徳の聖女】としての自分の、欲望を宥めるために――]
雨は…まだ止みそうにも無いわ…。そう言えばソフィーとローズは…大丈夫なのかしら?二人とも女手しかないはずだし…。何か手伝える事があるのなら…。
[そう思ってわたしは手近なブランケットを身体に纏いで電話機に視線を向けた。
と、その時――]
[けたたましいまるで天地を裂くような光と音が、町中を包み込んでいった。]
[反射的に身を屈めて恐怖に耐えようとする。耳を裂くような轟音が窓を家中の壁を振動させる。
それがどれ位の被害を与えるものかは想像できなかったが、少なくてもようやく復旧した生活に、再び暗色の影を落とす事だけはわたしにも理解できた]
――…たいへん…ローズは?ソフィーは?
あの二人は大丈夫…なの?
[わたしは通り過ぎた振動から逃れるように上体を起こして。先程気に掛けていた二人の名前を呼ぶと引き摺るブランケットの裾をたくし上げ、電話機へと手を伸ばした。]
え…? やだ…もしかして…電話が――…通じ…ない?
[何度確かめても、受話器からは発信音が聞こえてこない。それ所か電力の供給も…不安定な状態だった。]
[次第に現実を把握しながら、わたしは健気にも女手一つで店を守っている彼女達の安否がどうしても気になり始めて仕方が無くなっていた。
お父様の介護と仕立て屋の仕事で、多大なる心労を抱きながらもその微塵をも表には出そうとしない健気なソフィー。
そして奔放に男と渡り歩いているけど、それは空虚を埋めるためだとしか思えない脆さを感じさせる、愛しいローズ。
同性でもあるわたしが、彼女達に差し伸べられるものは男に比べたら極端にも少ないかもしれない。でも――]
行かなくちゃ…。わたしだって何か手伝える事が…あるかもしれないし。店の片付けや僅かな補強。そして必要ならば食事介助だって…。
[進んで奉仕してきた過去を振り返り、わたしは決意に一つ頷いて使い物にならない受話器を元に戻した]
――まさか…過去が今これほどにまでわたしを奮い立たせてくれるだなんて…。嗚呼今この時だけは、神の御心による導きを感謝します…。
[思わず天を仰ぎ十字を切る。そんな自分もまた滑稽だと可笑しくなるのだが。]
―自宅―
情が移った……ってヤツなのかねえ。
[世界のあらゆる事象には、反動概念が存在する。
彼の受けた抑圧には、支配欲が用意されていた。
法の下の平等に、何の意味があるのだろう。
音楽家として成功した彼。しかし、アメリカの同志は
未だに、白人の優越意識に晒されている者もいる。]
肌の色は白でも、連中のソウルの色は真っ黒…。
だが、肌の色が違うネリーとの生活が幸せに思える。
……私も、ステレオタイプに考えてたってことね。
[ネリーは娘のような存在。それは確固として自覚された。
しかし、やはりすべての白人種を許すことはできなかった。]
さて、そろそろ打ち合わせの電話があるはずなのだが…。
[1ヶ月後、比較的大規模なコンサートへの出演が
決まっており、その関係の電話が来るはずだった。
しかし、いつまで待ってもベルはならない。
電力供給も不安定のようだが、光という明確な形さえ
関係ない彼がそれに気づくのは、後になってからだった。]
……おかしいな。ウンともスンとも言わない。
[何度フックを押しても、何も聞こえない。]
機械のくせに、この私に逆らいやがって。DAMN!
[落ち着かなくなってきた。不満が湧き上がった。
それに任せて、車に乗り込んで*出かけることにした*。]
[決意をした後の行動は、自分でも驚くほど早かった。
チェストから下着を引っ張り出し身に着けて服を着込み、全身にタオルを巻いてその上から外套を羽織った。
引き摺りだした下着が、いつものコットン製ではなく原色の派手派手しい物だったのは、無意識かそれとも――]
まずは…ローズの店に行ってから…ね。
[身支度を整えたわたしは、声に出して行動の確認を取る。初めの行き先を彼女の所にしたのには、複数のそれなりの理由があったから。そう自分に言い聞かせてわたしはようやく電気が安定した家を後にして、酒場アンゼリカへと向かった。役に立つかと僅かな嗜好品を籠に入れて――]
――自宅→酒場・アンゼリカ――
[ギルバートに助けを頼まなかったのはどうしてだろうかと、片づけにででいく背中を見ながら考える。
ギルバートがソフィーを抱き上げる…。
そんな場面を想像しただけで心臓が締めつけられる。
執着には懲りているはずなのに。今度は自分がそれをしようとしているのかと…]
[ローズマリーはそんな考えを振り払うように頭を振った]
ソフィーはまだ目を覚まさないわね。
ステラに連絡をしてみようかしら。
[受話器をあげ、耳に押しつけると、聞こえてくるのは空虚な音だけ。
ローズマリーは受話器受けの突起を何度も何度も押してみた]
…だめだわ…。
――酒場 アンゼリカ――
[激しい雨の中、ようやく到着した店の前には見知らぬ男の姿があった。どうやら店の前で誰かが酒瓶を壊したらしい。その片付けに負われている姿は、何故かこの酒場に属しているような。そんな雰囲気を感じさせた]
新しい従業員でも…雇っていたのかしら?
でも人の行き来を極端に嫌う町に…新しい人…?
[彼の存在を不思議に思いながらも、また新しい慰め人なのだろうかと醜い想像が脳裏を駆け巡ったのも事実で。
わたしは眉を顰めながら横を通り過ぎ、いつものように店のドアを3回ノックした]
ローズ、居る?わたし…ステラよ。
─酒場前─
[店の入口に散らばったガラスの破片をダストパンに掻き集める。水に浸かった大き目の破片はブラシでは取り難く、素手で拾って放り込んだ。
またもや衣服が濡れたがさして気にならなかった。]
[彼の鋭い耳と感覚は既に異変を嗅ぎ取っていた。
が、この町の住民たちがそれに気付くまでは動くつもりはなかった。]
[ローズマリーはステラの声に気づき、受話器をもどし、店の扉に駆け寄り、扉をあけた]
ステラ、いいところにきてくれたわ!
[ローズマリーは安堵したこともあり、ステラを抱きしめた]
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