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『そういえば──。
ステラさんは彼女と一緒に居たわけではなかったのね…。』
[ニーナの寝室に向かう途中、ステラの事を思い出した。
同時に、ステラとの情事から一日も経たぬうちにもう別の男と恋人のように振舞うローズマリーの事が信じられなかった。]
[人の気配に、悪夢からの目覚めをようやく許された意識は、煙が立ち上るようにゆらりゆらりと静かに浮上して、幽かにまつげを揺らす]
…。
[幾つかの足音に耳をすませながら、ゆっくり上半身を起こす]
見習い看護婦 ニーナは、酒場の看板娘 ローズマリー を投票先に選びました。
──ブランダーの店・ニーナの寝室──
ニーナさん、入りますね。
[コンコン。
声を掛けながらニーナの部屋の扉を軽くノックした時、後方からステラの声が聞こえて来たので、慌てて店の方へと戻った。
ニーナはまだ目を覚ましていないだろうと判断した。]
[暫くぼんやりしていたが、喉の渇きは止まらない。
水は先程全て飲んでしまったし、ぬるい水道水を沸かして飲むのも、それを冷やしてから飲むのも嫌だった]
…面倒くさい……
[車はまだバンクロフト宅に置きっぱなし。歩いていくのは面倒だったが仕方ない。どうせ買いにいかないといけないものだ。ぶつくさ言いながら腰をあげた]
─自宅→雑貨屋─
[雑貨屋へ歩いていく途中、また妙な頭痛に襲われる]
…ま…た…かよ…!
[近づくにつれ、段々と強くなる。雑貨屋の前に来た時は高熱を出したかのような頭痛が響いていた]
私に何が出来るかはわからないけれど。
旦那様の居場所や、わんちゃん小屋に放火した人、私にも…な事をした人が誰か確かめないと駄目。
[ネリーは慣れた道を行き、雑貨屋へ向かった。]
─自宅→雑貨屋─
……ステラさん!!
[店に戻ると、ステラはハンカチで口元を押さえて立っていた。
ソフィーは大柄な男性二人と奔放なローズマリーの間で居心地の悪さを感じていたせいか、ステラの楚々とした佇まいに安心し、すぐさま駆け寄って事情を話し、無事を喜んだ。]
[雑貨屋へと辿りつき、ドアを開けてみるが客はいれどもいつもの店員…リックやウェンディがいない。何故かソフィーとそしてその客も見覚えのある人]
あれ…ステラさん…と…ソフィーさん…
[名前を呟く顔は相変わらず不健康そうに青白い]
[ネリーは雑貨屋の入り口前までやってきた。
商品売り場、レジの近くで大きく声をあげる。]
誰かいるみたい……
誰かいませんかあ?
ソフィー…?
よかった、無事だったのね…。
[駆け寄ってくるソフィーにわたしは不謹慎と思いながらも破顔し、彼女の額に手を当てる。熱を測るためだ。]
熱も…下がったみたいね。とりあえずこんな状況下でいうのも有れだけど…あなたが無事でよかったわ。ソフィー…。
[彼女から事の顛末を聞き、ほっと胸を撫で下ろす。本当に彼女が無事でよかった。そう思いながら。
そして遅れて入ってきたハーヴェイという青白い顔をした男の姿に、わたしは振り返る。]
…ねぇ、あなた大丈夫なの?顔色…随分悪いみたいじゃない…
[心配そうに伺うも、距離はある程度保ったまま。表向きは男に不慣れな女を演じなければならないために]
なんか一杯になっちゃったわね。
どうしようかしら。
ソフィーのお父さんは見つかっていないようだし…。
リックとウェンディを探しに行くべきかしら?
[無意識のうちにステラの後ろに隠れるように移動する。]
どうしましょう……、
この人数で行ったらニーナさんを起こしてしまうかも…。
[そう言った処で、ハーヴェイとネリーの声が耳に届き]
………あれ、ハーヴェイさん…。
それに、ネリーさんまで……。
[驚きに、集まった面々の顔をぽかんと眺めてしまった。]
[ステラがこちらを振り向いた所を軽く会釈する。
確かヒューバートのホーンブックを作る際、彼女も同席して話し合っていた。
そのときの修道女のような黒い服と違う姿に少し目を細め]
どうも。アンゼリカでお会いしたきりでしたね。
顔色は…いつもこうなんですよ。ありがとうございます。
[やんわりと当たり障りのない返答を返す]
[後ろに隠れたソフィーを苦笑しながら眺めつつ、更にドアが相手入ってきたネリーに対しても淡い微笑を。]
あら、随分と集まってきたわねぇ。やっぱりあの噂は本当だったのかしら…。
[誰に言うわけでもなく呟き、わたしは辺りを見渡した。]
[ネリーは見慣れた顔や挨拶を交わす程度の顔など、たくさんの人がいる事に驚いた。ニーナがまだ体調が優れなさそうというのを小耳に挟み、どかどかと上がるのは少し気が引けた。]
[ステラやローズの表情を見るのは本当に久しぶりのような気がした。ローズとはついこの間アンゼリカでボブの荷物もちで行ったばかりなのに。]
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