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[私は同様に、女神の指先が聳え立たせるファロスを忠実に拵えていった。
今日刈り取られたボブ・ダンソックのせめてもの供養として。
或いは、一年半ほど前にモデルとなってくれたリックの。
友達から見せられたアーヴァインと思しき写真の。
死者の分を作り終えると、今のところ誰のものを作り得るか考え、粘土を捏ねる。
父の、私の、子供の頃風呂に入れてくれたマーティンの。この場所を訪れ、像のモデルとなったシャーロットに会いたいと執心を見せた学友ホレス。オーウェン・ペンゲリーにダスティ・ワットマン。
そうして、ひとまず十本のファロスの原型ができあがった。それを元に、型を作成した。]
[一つ一つの型に、人間の肌の感触に極めて近いポリウレタン系の樹脂を流し込んでゆく。気泡を抜き、あとは硬化し完成するのを待つのみだった。
人目につかないよう、地下作業場に*保管した*]
─酒場「アンゼリカ─
ローズ。俺だ、ギルバートだ。開けてくれ。
[酒場に戻ったギルバートは、ローズマリーに開けてもらおうと店の扉を叩いて──違和感に気付いた。
何処か何かがおかしい。
試しにドアノブを回して扉を開けてみようとした……ドアはすんなりと開いた。]
まさか!
[店の中に飛び込む。
店の中は綺麗に片付いていて荒らされた様子も無く、しんと静まりかえっていた。
ローズマリーの姿は無く、気配も無い。ただぼんやりと、その気配の残滓が漂っているのみだ。
ローズの名を呼びつつ、警戒しながらゆっくりと店内に歩を進める。]
―ナサニエルの寝室―
[グレーで少しフリルのついたタンクトップ、淡い緑色の膝丈タックフレアスカートにエプロンと言った服装だったが、白い下着のみを残して剥ぎ取られ、太股を舐められる。]
…駄目です、こんなの…我慢できません。
[右も左も勿論、目隠しをされて首輪に引っ張られて来たので部屋の構造も碌に知らない。
だがこのままでは主のなすがままなのは明白だ。
ネリーは扉とおぼしき方向へ這ったまま*逃げようとした*]
[彼女は自分の言うことを聞かずに、外へ出たのだろうか?
だが、それならば扉に鍵が掛かっていないのはどう考えてもおかしい。
考えうる最悪の事態を思い、警戒感を強める。]
[その時彼は、馴染み深いひとつの匂いを嗅ぎ取った。]
[──酸化しつつある、血の香り。]
[だが匂いはほんの微かだ。何処から漂ってきたのかも分からない。
彼は匂いを捉えようとより一層感覚を研ぎ澄まして、足音を忍ばせ、2階へ続く階段の前、キッチンから地下倉庫へと順番にめぐっていく。]
[地下へと続く階段の途中にも同じ血の匂いを感じる。それは、店内のものよりは幾分か強かった。
ワインセラーの扉を開けて、はっきりと分かった。
開けた途端に鼻腔に強烈に存在を訴えかけてくる血臭よりも、石壁を鮮やかに彩る緋の飛沫と床に残った大量の血痕が、ここで何があったかを能弁に語ってくれた。]
[しかし、血溜りにはそれを中から溢れ出させた筈の肉体は転がっていない。
そこから奥へ何かを引きずっていったような跡が、太い線となって床に残っていた。]
[線の示す先には更に扉がある。
その中の、小さな埃っぽい部屋のベッドの上で、ローズマリーは眠っていた。
──胸を切り開かれ、心臓を奪われた姿で。
優美な白い首にもざっくりと開いた傷口が見える。衣服は鮮赤に染まっていた。]
……ローズ。
[ギルバートは深い溜息と共にその名を吐き出した。]
[私の身体が何か変質しようとしているのは確かだと思った。
手の先から足の指先まで全身の神経を隈無く走る気持ちの悪い電流をどうにか逃がそうと、私はガラスの柩に横たわったまま身を捩る。
足の指を硬く閉じては開き、反らせた足の甲をガラスに押し付けてみたり。首や腿の付け根にあるリンパ節をさすってみたり。傷口をわざと手のひらで押さえ付けてみたり。
流れるのは悲しみでは無く、生理的な苦痛の涙。
少しでも呼吸を楽にしたくて、ブラウスの釦をはずし、喉元を反らす。]
[天窓から、フワリフワリと。
サファイアのように青い──ふたつの光が、まるで安置所に引寄せられるようにやってきた。
私は今、ヘイヴンで何が起きていて、誰が死んだのかなんて当然のように知らない。…知らないのだけれども。]
…ニーナ?
もう一人は誰…かしら。
遺体が運ばれて来る前に、光だけが先に来てしまった…の?
[二つの青い光は重力をまったく感じさせない動きで、ゆっくりと安置所の闇の中へ降りて来る。
その光のひとつを私は何故、ニーナだと思ったのか。
理由はわからなかった。
ただ、自宅近くの私有道路でニーナと出会った時の安堵と、ぶっきらぼうなところのある従姉に対する親密なあたたかい感情が沸き上がって来た。]
──…ああ、そうだわ。
ニーナは、今の私のようになったりはしない。
新しい──出来れば新鮮な遺体が、此処に運び込まれて来る事を願ったり、ニーナはリックを食べたりなんてしないんだわ。
[ころん、と安置所の上からこぼれ落ちた青い光はぱしゃりと水のように床にはねて落ちる。
躍動し、そしてそこに現れたのは]
…ここ、どこ?
[あどけない、胸元までの髪をすとんとおとした少女。
白いネグリジェ、青いころんとした瞳。
それは10歳のニーナ・オルステッド]
[私の身体を駆け巡る気味の悪い電流。
それは止まる事は無く…──、私はみずからの胸に置いたままだった右手をぎゅっと左手で握りしめた。そして押さえ付けられて勝手に震える右手で、左の乳房を掴む。]
もうすぐ、遺体が運び込まれて来るのなら、柩の蓋を閉じていなくては…。
私がリックを食べた事が分かったら、どうなるか分からない。
[乳房を離した手で、私はガラスの柩の蓋を*閉じようとした*。]
……ニーナ。
[柩の蓋に手をかけたまま、私は静止する。
目の前で変化する光を私は不思議そうに眺める。
あたたかさを噛み締めるように従姉の名を呼ぶ──。
確かにニーナだと思う光が小さな少女に変化したことに驚き、あどけない彼女の姿をじっと見つめた。]
………ほう。
[扉の方へと這いずるネリー――否、「雌犬」を冷淡な視線で見下ろし、ナサニエルは唇の片端を上げた。]
逃げ出すつもりか?雌犬。
雌犬は雌犬らしく、小屋に繋がれてれろよ……!
[苛立つような声で雌犬にそう告げると、ナサニエルは雌犬が進む方向に先回りし、その首根っこを掴んだ。]
………首輪だけじゃァご主人様の言うことが聞けないようだなァ?雌犬が。テメェには身体に仕込んでやらねぇと、なァんにも理解できないってコトか。
[頬にひとつ軽い平手打ちを食らわせると、ナサニエルは手にして居た鎖の一端を首輪に繋げ、空いている片方をベッドの脚に繋げた。]
よしよし………
そうしておとなしくしてりゃァいい子なんだがなァ……
[ナサニエルは椅子に座り、素足の裏側で雌犬の頭を撫でている。ズボンのポケットから折れた煙草を1本取り出し、ライターで火をつける。]
あァ……そうだ。
この雌犬に尻尾をやらねぇとな。
ククッ………
[棚からローションを取り出し、それを指先で練る。粘液で濡れた指先を雌犬の肛門に捩じ込み、中をぐちゃぐちゃと掻き回す。]
お前……頭悪ィ代わりに、随分いいケツしてんな?
[小さく笑いながら、指で雌犬の孔の中を粘液で掻き混ぜ、何本も指を押し込み、広げる。]
………雌犬のくせに尻尾無いんじゃァ格好つかねぇもんな。
やるよ、雌犬。受け取りな。
[押し広げた孔の中に、フサフサとした尻尾のような毛束がついたアナルプラグを差し込んだ。]
[ナサニエルは立ち上がり、四つん這いにした雌犬の背後に立つと、喉を鳴らしてわらった。]
さァて……
こんなに良くしてやったンだ。
逃げ出した罰と、ご主人様への奉仕――
――できるよなァ?雌犬。
ククッ………
[ナサニエルが雌犬の首輪に繋がれた鎖を引っ張る拍子に、雌犬が小さく苦痛の声を上げた。その音の向こう側、雌犬の頭上で、ライターの火が点る微かな音がした――*]
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