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――――
おばあちゃん お口がとっても 大きいわ
お前を食べる そのために
お前を食べる そのために
――
――祖母の歌声が谺し、
古い館の冥暗の中へと吸い込まれていった
[ネリーはボブの見様見真似でアルファロメオと同じようにナサニエルの車の洗車をしようと思ったがさすがにそれはやめた。]
あの名刺…どんな意味なのかしら。
[表の活動もともかく、深層にはもっと何かが潜んでいるように思えてならなかった。]
……………。
[目を閉じ、言葉を放つ。]
お前の話が正しいなら……俺は、ここ数日「死者の夢」を視ていることになる。俺は今、「死」の夢に支配されているのかもしれない。お前が与えた、「死」の夢に。
………多大なる「官能」を、伴って。
[目を開けて、ふと唇を歪めて笑う。]
けれど、今俺が言いたいことに確証が無いんだ。
だから、もし確証ができるようになったら……
……その時また、お前に話そう。
――その時、絹を切り裂くような悲鳴が大気を響動させた――
なんだ――!?
[屋敷の外からだ。何かが起きたに相違ない。
駆け出しかけ、ソフィーに視線を巡らせる。
ここに止め置くのと、私と共に来るのとではどちらが危ういだろうか。]
ソフィー、どうする?
[覗き込むヒューバートの怪訝そうな表情に]
──い…、……いいえ…。
いいえ…何、でも………。
[何でもない。
その一言を発する事さえ出来ずに。]
「お前を食べる そのために」
「お前を食べる そのために」
『───…!!!』
[掴まれた腕がビクリと跳ね。
蒼褪めた顔で、ガタンと椅子を鳴らして立ち上がった。]
[頭痛は一旦は収まったものの、今度は体中をきしむような痛みが襲ってくる。これも変化の過程によるものなのだろうか?
『変化する─』
ギルバートの言葉が去来した。
一瞬、酷い恐怖に襲われる。
何に怯えているのか分からない。
分からないから余計に恐怖に襲われる。
─自分は一体何をしている?─
兄との約束を忘れたいと願いながら兄を追い、過去を消したいと思いながら自分から過去をトレースしている。
分からない分からない分からない
俺は誰俺は誰俺は誰
ニーナの遺体を見下ろす目に、生気は宿っていなかった]
[老婆の声がわんわんと耳の奥で谺する。
屋敷に響く叫びも今のソフィーには届かぬようで。]
………。
[立ち上がったその場でふるふると首を振った。]
[女性を逃がした後、ニーナの遺体を見下ろし、そこにたたずむ。
動けなかった。
手足は愚か目や脳が伝達神経全て途切れてしまったように動かない。
ガクン、と膝を着き、ただただ、呆然としていた]
[見詰めていた瞳をニ三度ゆっくりと瞬かせた。
ふ、と唇を綻ばせる。]
──そうか。
じゃあアンタがその時が来たと思ったら話せばいい……
[短くなった煙草を灰皿に押し付けて揉み消した。]
さてと。俺はローズのところに帰るよ。
一応「側に居る」と言った手前、責任があるしな。
[安楽椅子から立ち上がった。]
[至近距離からのヒューバートの声にハッとした。]
───…あ…。
い、え……いいえ…、何でも、ありません。
[搾り出した声は上擦ってはいなかっただろうか。
言い聞かせるようなヒューバートの言葉に]
はい……はい…。
すみません、もう大丈夫です……。
[やっとそれだけ言うと、屋敷に残る事を端的に告げた。]
[安楽椅子に座るギルバートの唇に自分の唇を寄せ、囁く。]
だからその時まで、俺を殺すなよ?……なんてな。
っと。
これ以上書斎に閉じこもってたら、ネリーに何と思われるか分かったモンじゃねぇな……。そろそろ出るか。
[ギルバートの黄金いろの目をもう一度だけ見つめ、その身を離そうとした。]
別に誰に何と思われても構わないけどな。俺は。
俺は、殺さないさ。アンタが秘密を守る限りはな。
アンタは生かしといた方が面白そうだし。
[食卓の奥から、車椅子の父の重々しい聲が響いた]
「ソフィー。案じることはない。
信じることだ。血の流れを。我々の血族を。
そして、飼い慣らすのだ。獣を。
我々の魂は、グレイプニル。ゲルギャの鎖縛。
お前は同胞なのだろう?」
[父は「正しい交わり、正しい血脈」と口にした。ソフィーの表情を伺うように]
秘密ねぇ……
せっかくお前から面白いネタが戴けたんだ。厳重に鍵を掛けて、しまい込むことにするさ。
[小さく笑うと、書斎の内鍵を開け、ドアノブに手を掛けた。]
[ギィィ…──。
車椅子を軋ませ。
老紳士が地鳴りのような低い声を発した。
ソフィーは錆付いた歯車のようなぎこちない動きで
部屋の奥を振り返り──]
血族……。
獣……。
同…胞……?
[正しい交わり。
正しい血脈。
狼つき──。]
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