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どういう意味だそれは。
まあ興味はあるさ。でなきゃ拾ってここまで連れて来ないだろ。
で? どんな話だ。
[テーブルの上の灰皿を引き寄せ、煙草をもみ消す。]
……不味いなこれ。自分の持ってくりゃ良かった。
…誰だった…?
[隣で顔を隠す少女。勿論隠す仕草など見えないが何故かやはり知った気配と分かる。そう感じるのは、恐らく現実でも近いからだろう。
しかしルーサーの死体は思いのほかダメージを与えてきたようだ。
この意識も、そう長くはもたない]
…本当に…俺の願い…叶えてくれるのか…?
[この感覚。そう、まるで素手でナイフのエッジを掴まされるような――
私は気配を消す事に必死に努めた。
しかし、消そうとしていると言うエネルギーは周囲を照らす程強いかもしれないのだった。]
他人の吸っておいて「不味い」はねぇだろ、おい……。
[不快そうにくしゃりと髪を掻き、窓際に寄り掛かる。]
ま、アレだ。あんたの言う「草臥れた堕天使」ってのは、案外言い得て妙かもしれねぇけど。俺は「相手の好きなように抱かれる」という使命を持った「天使」って寸法さ。
満たされない人間の元に現れては、そいつが満たされるように身体を捧げる。そいつの「失った相手」や「手に届かない相手」の変わりになってみせたり、或いは俺の中に「自分の理想」を投影するも好きにすればいいわけだ。そいつの欲求を満たすための「契約」を結んで、俺は相手の好きな通りに抱かれるなり抱くなりするわけだ。
俺が殺されたり身体切り取られたり改造されなけりゃ、何やっても文句も言わねえし、俺は相手が満たされるように「何者にだってなってみせる」。そういうモンだ。
勿論、金は要らねえよ。そこら辺のがめつい売春婦とは違うからな。天使は奉仕作業を常とするわけだ。……ま、金を払いたいってんなら話は別だけどな。
―車内→アンゼリカ―
ネリーはいい娘だなあ。うちにもネリーみたいなかわいくていい娘が手伝いに来てくれてたら助かるんだが、なにしろうちの家政婦ときたら……
[それなりの年数勤めてはいるものの、一向に物覚えのよくない我が家の家政婦を思い出して苦笑いした。
ネリーが離職した時に我が家で雇い入れたかったものの、ノーマンと我が家の縁戚関係を考えると角が立ちそうで遠慮した経緯を思い出す。今の主人がよい主人なら、それにこしたことはないのだが。
そこで、ニーナのボブへの先程の反応を思い出し僅かに表情が曇った。
ソフィーを運び入れやすいように、アンゼリカの玄関側に一時車を停める。その音は通常なら中にも聞こえたことだろう]
ギルは居るかな。
おーい、ローズ……
[ステップを上がり、扉から中を覗き込んだ]
[ステラの懇願にローズマリーは自分の下腹部が暑くなるのを覚えた。
ステラの胸の頂きをそっとつまんだり全体をやわやわ揉みしだいたりとステラに柔らかな刺激を与え続ける]
ステラ…ここじゃ…。
[店を覗き込んだヒューバートには二人の背中が見えただろうか]
そんな、やですよ。
誉められても軽い夕食ぐらいしか出ませんよ。
[ネリーはヒューバートやシャーロットと明るい会話を交わした。
ややもすればアンゼリカが見えてくる。ヒューバートが先に降り、ネリーは車から降りた所でアンゼリカの方を見た。]
それが「天使のお仕事」ってヤツか?
[椅子を引き寄せて座ると、ククク、と愉しそうな嗤い声を上げた。]
……奇遇だな。俺も似たような仕事をしてンのさ。
ただし俺は天使じゃないけどな……。
『なな、なななっ なんだーっ!?』
[ローズに向けかけた声は発せられる間もなく、尻つぼみに消えた。扉の中がチラリと見えた刹那、慌てて扉を閉める。
扉を背にしながら、そのまま中の人物に気づかれないよう、じりじりとカニ歩きで扉を離れようとする]
[『叶えてやる』
そのコトバがずしりと自分の心に落ちてきた。
今自分は何を願った?町を消す?ありえない。願える訳がない。
自分が生まれ育った町を、今の自分を作り上げた過去を消すとは。
しかし『あの』瞬間、自分の心は何かを失ってしまった。
それは恐らく『人』を形づくる何かだったのだろう。
代わりに受け入れたものは──]
…頼む……
[そのまま、再びこの場所での意識は途絶えた。
恐らく、表面へと浮上していったのだろう。
それが以前と同じ自分かどうかはわからないが──…]
少なくともそこの天使に願うよりは確実に。
[と目の前の男を見ながら付け加えた。
ただし、「会話」の相手にはそれは見えないし、何のことか分からないだろう。]
ふぅん……
ま、世の中には似たようなことを考えるヤツはごまんといるわけだ。
[紫煙を吐き出しながら、喉の奥から搾るような声を上げてわらう、琥珀色の男の目をじぃっと見つめた。]
[きっと怪訝な表情を向けているであろうそこの皆に、苦笑いした。なんと説明したものか。
(おとりこみ中だ)と唇は形作ったかもしれない]
『ステラとローズが……』
[それだけでも充分に衝撃だったが、ステラの体は私の知らぬ紋様で彩られていた。
ステラはあのように刺青を体に彫るような女性だっただろうか。
私は改めて、彼女のことを何も知らないのだと、悟った]
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