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ハーヴェイの兄ってのは自殺した双子の兄貴か。
アンタ、そいつとも契約してたのか。
ハーヴェイがブッ倒れたのは運が良かったな。でなきゃアンタ確実にオダブツだ。
[それがあの殺意か…と独りごちた。]
[ギルバートとの「会話」の最中、ヒューバート達は既にバンクロフト邸についていただろう。
ソフィーとニーナは恐らくヒューバートから家の説明を受けるなりなんなりとしていた筈。
危険だから、と集まった筈なのに、着いて早々ニーナは兄を探しに行きたいのだといったのだろう。
ヒューバートやソフィーは一人は危険だから、と止めた筈だった。落ち着かせ、ネグリジェのままの彼女を部屋に連れて行ったことだろう
しかしニーナは部屋に引き取った後、こっそりと外に出て行ってしまっていたようだった。
そう予想がついたのはバンクロフト邸に向かおうとする俺とばったり出会ってしまったから]
[俺は近道をしようと、人通りの少ない道を歩いていた。
危険?そんな訳ない。なぜなら町の惨状の一端を担っていたのは自覚はなかったとはいえ俺なのだから。
ネグリジェのまま、俺を見つめるニーナはいつもと違い酷く幼く見えた。
「…ニーナ…さん」
俺は一言搾り出すので精一杯だった。酷く混乱していた上に先程の雑貨屋での衝動がまた鎌首もたげていたから。
それを知らないニーナはきょとんとして俺を見つめ、兄を知らないか、と問いかけてくる。
あの気丈なニーナとは思えないその様子。
とても幼かった頃─まだ家族と俺に隔たりがなかった頃─両親からはぐれ泣いて兄を探していた自分に重なった。
見たくないモノが再び蘇った]
ま、ユーインも「契約」相手の一人だったけど……
[ギルバートの言葉に、小さく眉をしかめた。]
………って、「確実にオダブツ」?
あのひ弱そうなヤツに、俺が……殺される?
[一瞬の出来事だった。
抉るような動きで手が伸びた。
ニーナの喉に向かって──
ニーナの喉に向かって凶手を振りかざした俺の顔は恐らく相当獣じみていたことだろう。
ギルバートからあんな説明を受けた後だったし、そんな感じがした。
ニーナの喉から鮮血が飛び散った。
あぁ、この手ごたえでは首は少し千切れただろうか。
首から血を噴出してのた打ち回るニーナ。
その表情と悲鳴は見ていて…心地よかった。
手についた血をベロリとなめてみた。
シャーロットと同じ味がした]
で、ハーヴェイの兄とどんな契約してたんだ。
いや、そもそもその兄貴ってどんなヤツだったんだ。
[胸ポケットから封を切ったばかりのマールボロを取り出すと、一本口に咥えた。]
[目の前で痛みに転がりまわり、少しでも俺から逃げようとする半死半生の少女。その惨めな姿とネグリジェの間から見える白い肉に喉が鳴った。
俺ははいつくばって逃げようとする少女の髪を掴み、仰向かせて真赤な首に唇を寄せた。
そしてもう片方の手は脇腹へと伸び…腹を抉った。
生きながらゆっくりと腹を抉られ、それこそ恐怖と苦痛に絶叫が響いた。
兄を食ったときもこんな感じだったろうか…
ユーインは死んでいたから喰われても痛くなかったろうけども
ぐちゃり、と音を立てて肉を食んだ。
若い肉は柔らかく─そして美味かった──
胸から下の内臓を喰い散らかし、気が済むまで弄んだ後、もう用はないといわんばかりに死体を放置し、何事もなかったかのようにバンクロフト邸への道を歩いた。
あぁ勿論途中手と顔の血を落とすのは忘れずに─*]
ハーヴェイの兄……ユーインか。
あいつは、外ヅラは優秀だの何だのって評判だったけれど、中身は完全にセックスマシーン。自分の身体も他人の身体も、あいつにとっては「玩具」に過ぎねぇよ。
なにせ、「身体を使って俺と遊んで」って「契約」結んでたくらいだからなァ……。
[再びベッドの上に座り、頭を掻く。]
……だから、あいつが自殺した時には、「ああ、こいつまた『身体で遊んだ』んだな」……としか思えなかった。
──ありがとよ。
アンタのお陰でだいぶ欠けたパズルのピースが嵌まったよ。
で。
何でアンタがこうなったのか知りたいんだっけな。
説明してやるけど、今から話すことは他の人間には絶対に他言無用だ。
アンタが喋ったと分かったら、俺はアンタを殺す。
いいな?
[深く吸った煙を、軽く開いた唇から細く吐き出して、]
アンタが見たのは「幻覚」じゃなくて多分「事実」だな。
俺と寝たことでアンタの感覚は、以前とは比べ物にならないくらい鋭くなった。
お陰で、普通の人間には見えないモンまで見えるようになった……
まあそんなとこだ。
じ、じつ……?
アレがか?
……にしちゃあ、随分とファンタジックな……。
[ギルバートの唇の動きを見つめ、その言葉を捕らえようとしている。]
なんでそんな妙ちくりんな夢になったのは俺も知らん。
だが、その能力は恐らく前からアンタにあったモンだ。これまでは表に出なかっただけでな。
ところが俺とヤったせいで、それが急激に高まった。俺にはそういう相手の血に潜むものを引き出す……能力?がある。
──これで納得したか?
前から、俺に、あった……もの。
お前が、それを、引き出す……
[ギルバートの瞳孔に、自分の焦点を当てて呟く。]
お前………何者だ………?
俺が何者かって?
それ訊いていいのか?ナサニエル。
それこそ、取り返しがつかなくなるぜ……?
[ニィと唇の両端が吊り上がり、歪んだ嗤いを形作った。
琥珀の瞳の奥には──金色の光が瞬いている。]
………………。
構わねぇよ。
今さら、それ「だけ」お預けにする必要は無いからな。
[ナサニエルの唇が、微かに動く。]
『そう――
お前は俺の"クスリ"――』
――――――――――――――――――
《ナサニエル・オリバー・メラーズの手記より》
そう――それが全ての「おわりで、全てのはじまり」だったのだ。
売れない三流小説家だった私が、「人間の醜聞、恥部、或いは『欲望』」の類を、「実験」によって暴いてやろうとした試み――それを具現化したものが「契約」だった。
私が何も無い、真っ白な――"innocent"な状態で現れた時、人はそこにどの様な『欲望』を描くのか。私は単純に、それが知りたかった。
人の「欲望」はそれぞれだった。どれもこれも薄汚く、野蛮で、身勝手で――そして、極めて純粋なる思慕によってドライブされ、熱烈な衝動をもって私の目の前に現れたのだった(その詳細については、個別の事例をもって、別章に記載する)。
そして、私は或るひとつの結論に達する。
――人間は皆、等しく「獣」である――
己の欲望に極めて忠実な、「思慕」の奴隷。
それが人間の本質なのではないかと、私は考えるのだ。
そして私の元にもまた、「獣」――「思慕」の奴隷であると、思い知らされる時が来たのだった。
「かれ」は、私の住んで居る町に偶然やってきた旅人だった(否、もしかしたらそれも偶然では無かったのかもしれない。或いは、私がそれを「偶然」だと思いたくなかっただけかもしれない)。
程なくして、私は「かれ」と、いつものように「契約」を結んだ。
「かれ」との関係は、筆舌に尽くしがたいものだった。五感のありとあらゆる感覚が狂い、細胞がふつふつと沸き立ち(嘘だと思われるかもしれないが、本当に「ひとつひとつの細胞の動きが分かる」という体験をしたのだ!)――この世で起こっている「出来事」が怒濤のように押し寄せ、私の頭の中で新たな形となって立ち現れるのだ。
――これは「幻覚」の類ではない。
――これは「現実」である。
そう私に告げたのは、「かれ」だった。
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