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メイド セリア に 1人が投票した。
自警団長 アーヴァイン に 15人が投票した。
自警団長 アーヴァイン は村人達の手により処刑された。
今日は犠牲者がいないようだ。人狼は襲撃に失敗したのだろうか。
現在の生存者は、流れ者 ギルバート、新米記者 ソフィー、のんだくれ ケネス、踊り子 キャロル、酒場の看板娘 ローズマリー、村長の娘 シャーロット、隠者 モーガン、異国人 マンジロー、文学少女 セシリア、子爵 ウィリアム、学生 メイ、見習い看護婦 ニーナ、医師 ヴィンセント、書生 ハーヴェイ、メイド セリア の 15 名。
【吊り・襲撃先宣言】
貴様らにはこれから地獄を味あわせてやろう・・・・・・
投票数12票、未投票1票だ。
未投票者に対しては事前の連絡不備があった可能性も否定出来ないが、この1票を待たずに確定した。非常に残念だ。
【3日目の犠牲者は、ライダーチームだ】
【吊り投票は、本日もセリア委任とする。宣言を頼む】
【襲撃対象はウィリアムとする。セット後狼リーダーへのセット完了報告をしておけ】
では、さらばだ雑魚共。
【吊り・襲撃先宣言終了】
【システムメッセージ】
は〜い★というわけで今日も頑張って下さい!
○現在は「days3 朝」です★
○コミットしてね!メモでの宣言よろしく♪
○”4日目の”投票を受付開始します!
○サーヴァントのみんなは、まとめサイトに今日中に「宝具」を記入してね♪
※すいません、GMがまとめはぐってましたorz
あ〜弾の数多すぎ。まじふぁっく。
【システムメッセージ終了】
【システムメッセージ追記】
※重要:墓下後の投票について
吊り襲撃投票は、墓下からの投票が可能です。
リアル事情により投票が困難な場合もあると思いますので強制ではないですが、最後までよろしくお願いします★
ふぁ〜〜〜〜っく!!
[セリアちゃんはファックと言いたいお年頃]
【システムメッセージ追記終了】
[その人は笑っていた。目の前の少女を安心させるために、最期まで。
音も、声も、温度もない。まるで、スローモーションのように、映像が流れている。
けれど。
最後は闇]
[目を覚ます。何かを見たような気がしたが、思い出せず、次第に見たことすらも記憶から薄れていく]
今日は……お昼に駅前まで行かないと。
出かける準備も今日はしていこう。
[ゆっくり立ち上がり、軽く朝食を取ると、地下へと*降りていった*]
薄闇の中、ぼんやりとした光りが道に沿って連なっている。あれはおそらく街灯の光だ。
ふと脇を見ると、自分の手を引く小さな影。
これはそう……
(誰だ?)
……僕の娘だ……
明日から始まる海外出張の前に、家族で夕食をと提案したのは妻だった。
(妻……?)
しばらく離れるのは寂しいが、でもすぐに……
すぐ……すぐ……
― 西ブロック・マンション内 ―
[目覚めたケネスは、自分の目に涙が伝ってるのを見て驚愕した。
夢の中の全く記憶にない光景、それが徐々にはっきりしてきている。
始めは何だか解らなかった影も、家族だと解り始めている。]
滝田真が目覚め始めている……。
[5年前に魔術の師、オードリ―によって封じられた者が、じわじわと這い上がって来るのを感じ、ケネスはかすかに身震いをした。]
目覚めたらどうなる……?
[それはもう以前から予測はついている。
おそらく、ケネス・グランドは消えるのだ。
5年間の記憶と共に。]
[ケネスは身を起こし、ひしゃげたマルボロの箱から曲がった煙草を取り出した。]
捨てられねぇってのが貧乏性だよな……
まあ、味には変わりねぇか。
[火をつけて窓の外を見る。日はまだ昇ったばかりのようだ。
見回すとふと鏡が目にとまった。]
……なあ滝田、いいじゃねぇか。
お前は30年間生きたんだ。
残りの30年、俺にくれや……
[そうつぶやくと、*ゆっくりと立ち上がった。*]
ー自宅・地下ー
[手漉きの和紙を短冊形にしたものを数十枚、水に浸していく。
水は薄く桜色が着いており、和紙もその色へと染まる。
和紙には文字が書かれていて、、水に触れた部分から、文字が滲んでいく]
[十分に水を含んだ紙片を取り出し、指で触れていく。水は乾くことなく、紙片を濡らしたまま]
お爺様の札、使わせていただきます。
[書物を一冊取り出し、そこに書かれている呪を唱えていく。水で濡れた紙片は、わずかに発光し、やがてただの紙片へと変わる。
すべての紙片に対して同じ事を繰り返し、終わった頃には体内の魔力が大部削られていた]
さすがに、一度にこれだけはきつかったかな。
でも、実戦になれば体内の魔力だけでは心許ないし。
―ソフィーの屋敷・朝―
[いつものように神に祈る。祈りの言葉は"世界平和"。その為に自分は、召還された"筈"なのだから。
日中はキャスターと情報交換を行った。話を総合すればリチャードはアーチャーで武器は銃だと判る。それを含め、得た情報でランサーとアーチャーの正体調査を、豊富な書庫を持つソフィーへ引き続き依頼した。
キャスターには、バーサーカーの拠点を見つけた事と、小柄なサーヴァントと男性のチームと接触した事、教会付近でサーヴァントを見失った事等を報告した。
……そして、己のマスターから聞いた、新たな同盟の話。
意外な展開にシャルロットは驚愕した。]
……うちのマスターが軟派された?
もしや、彼らはバイだったのですね!
[何と罪深い……と、シャルロットは天を仰いで十字を切った。]
[同盟の話に唸った。
現在、キャスターチームと同盟を組んでいる。自分以外にサーヴァントは6騎。そのうち2つのチームと同盟を組めば敵は4騎。
確かに、その4騎を共闘で倒してから同盟を解除すれば自分は2つのチームだけを敵に回せばいいだけだ。
しかし、その、同盟を解除するタイミングが問題だった。
三竦みで同盟を組むのならフェアだと思う。しかし、こちらだけ、夫々2チームと同盟を組むというのは、信頼関係を途中で壊しかねないのではないか……。
およそアサシンらしくない考えが脳裏に浮かぶが、彼女は生前よりそういう一本気で真っ直ぐな性格だった。]
共闘出来るのは願っても居ない事。
でも、それが後々自分の首を絞めるのは、困りますわね……。
神よ……
再び、私は約束通り、あの料理を作る男性マスターと会うだろう。
そして、人類の罪を、食材を、血で購うがいい……(誤変換にあらず)
キャスターは、セイバーには手を出すなと言ったけれど……。
[教会で紅茶を淹れてくれた男の淡々とした語り口が思い出される。]
そんなに強大なサーヴァントなのなら、そのマスターを殺してしまうのが、一番の近道ではないのかしら。
マスターも懸念していた男……沖田敬一郎。
[しかし、セイバーとの戦いをどこか喜んでいたキャスターの表情を思い出し、口を噤む。]
いえ、今はまだ、静観の時なのかもしれませんわね。
−『魔女の館』・朝−
[目をさますと体が重かった。
昨夜は彼への文句を考えているうちにいつの間にか
気絶するように眠っていたらしい。
今も魔力が吸い取られていっているのが分かる。
おそらくけがをしているのだろう。
重い体を引きずるように身支度を整え、部屋を出る。
彼の部屋を数度ノックしたが返事がない。
いるのかいないのかもわからなかった。]
……帰ってきてないのか寝てるのかな。
あとで顔を見たら文句言うことにしましょう。
[ドアを開けようとしてやめ、
台所に行き朝食を作ってから洗濯をした。
裏庭にある物干しに洗濯物をかけていく。
朝の静謐な空気と洗剤の香りを吸い、力が巡るのを感じる。]
お父さまの服、か……。
[リチャードが先日着ていた服。
懐かしさがこみ上げてくる。
ずっと昔に忘れていた記憶が。
「全てに最善の結果を出さなくてもいい。期待されているところまでできなくても、結果が0でなければ母さんたちは認めてくれる」
露葉にとって救いとなった言葉。
無理をしなければ責められることはないのだと。
そう教えてくれた優しい声。
涙がにじみそうになる。]
でもお父さま……。
今はそれではいけないようなの。
わたしは……どうしたら……。
[はためく服を見つめ、記憶の残像に問いかけようとする。
だが、答えなど得られるわけもなく続きを口にできなかった。]
[袖でにじんだ涙を拭うと
懐かしさを思い出させた『彼』への不満がわいてきた。]
それにしても……あのバカ。
けがを治療中みたいだけど。
せっかくアーチャーなんだから少しはけがしないように戦えばいいのに。
あんなに人の魔力使ってくれた上に
回復でここまで使い続けられたら、
休んでも回復しきらないじゃない。
ほんとに、もう……。
[ぱんぱんと半ば八つ当たりのようにしわを伸ばすために叩き、
全てを干し終えると店に入り開店準備を*始めた。*]
さーて、向こうはどう出てくるかね。
[ケネスは窓際で煙草をふかしながら、アサシンのマスターの事を思う。]
使えそうにない奴って事で、切られるかねぇ
[昨日の出会いを思い出すと、全く笑えない。]
まあこっちとしちゃ、情報交換だけでも良し、1日2日限定の短期同盟でも御の字ってとこか。
[そう言うと*コーヒーを入れ始めた。*]
君が救うこの世界は、絶対的な侵略という過ちに気がつかず愚かな歴史をつむぎ続ける混沌界だ。
どんなに正義を行使しようとも。
どんなに悔い改めようとも。
人は生きているその事だけでこの世にとって有害でしかない。
今こそ新生の時。全ての罪人に別れを。それこそがこの星の意思。
私は神と契約したわ。
……世界の秩序と平和を守るため"悪"を成敗するためにのみ、私は召還されると。
私が戦うべき相手は、禍々しい"悪"という概念、では、なかったの?
――頭が痛い
その、悪こそが、人類だとでも?
――割れそうに、痛い
[波間に漂う泡がつぷつぷと呟くように、声が遠く聞こえる。或いは、幾重に広がる水の波紋のように。
サーヴァントは夢を見ない。
思い出すのは過去の記憶。
眠るラーマの閉じた左目から、涙が一筋流れ出す。]
殺したくなんか…ない……。
[だがそれでも。心を閉じ込めて、星の御心に従うのが、彼の全て。カリ・ユガ、暗黒の時代。人の時代を完全に終わらせるが、使命。]
…アド・エドム。
以前のきみの声は聞こえていた。
……ライダーを殺すのだった、な。
[己ではなく、マスターが交わした約束と言えど、一度交わした約束を破る事は出来ない。先ずは、彼らに同盟の破棄を願い出ねば*ならない。*]
‐days3 朝 自室‐
んー…なんとか全快に近いって所か。
[睡眠から目覚めたキャスターは己の中の魔力量を調べる。
戦闘には支障はないと思うが、それでも全快とまではいかなかった。]
これも昨日の戦闘が原因だよなー…だりぃ。
[キャスターの見立てでは、今日には完全に回復している予定だったのだ。
それが予定外の戦闘とどこかのボケのせいで万全どころか令呪を一個失ってしまっている。
ある程度の相手ならそれでもいいだろうが、紙一重の相手との勝負となるとこの差は大きすぎる。]
あのボケ、ほんと頭沸いてるんじゃねぇか…。
[考えるだけで頭が痛い。
なるようにしかならないのは解ってはいるのだが、やはり納得がいかないのも事実だった。]
−Date:3 早朝・教会付近−
[まだ暁闇濃い早朝、吐き出す息の白さは英霊の纏うマフラーよりも、形容される花の色よりも淡い白。
それが濃い茜色を帯びた闇の中に解けては消えていく。
先日、何れかの英霊に尾行を受けた際、撒いたこちら側はそのまま主を迎えに行く様子もなくエリアの探索を行った。
主がどうだったのかは知らないが、話を聞く限り特に目立ったことは内容におもわれた。
そして、今頃布団の中でぬくぬくとしている主を置いて白いコートに白いマフラー、肩から提げるふわふわウサギポーチも真っ白。
薄くグレイがかった細身のパンツに淡い緑のデッキシューズというほぼ白で染まる服装の英霊は先日の記憶を頼りに道を行く。
地図に目ぼしい地点をいくつか、己の利となりうる場所を選びあげ、その中で最も色濃く効果を得られた場所へと向かう。
教会には、聖杯戦争の管理者が住んでいる。
しかし、聖堂の奥へは進まずその足は闇に花のように浮かび上がる白い石の群れの中へと]
−Date:3 教会>教会墓地−
……Veuillez me pardonner qui derange votre sommeil.
(眠りし汝ら魂、揺り起こす吾が罪をどうか赦し給え)
[墓地の中、ゆっくりと進んでいく。
その中に暗殺者の主の両親の墓があることは知らない。
土の上、踏めばさくりと音がする]
[ショートコートの腰のベンツから手を入れる。
細身の懐剣の重みは、吊り下げたベルトの重みも加わって少しだけずしりとした。
手にしくりと馴染むその剣の柄に手をかけ、引き抜く。
暁闇の空気、茜黒の光の中でその懐剣は白く輝く。
まるで滴り落ちるしずくのような光は季節はずれの蛍が飛ぶように白く白く]
…。
[フルール・ド・リスの刻まれた細い刀身の切っ先を、やはり白い手袋から抜いて冷えた指先へと滑らせる。
すでに、その指先は故国よりは温かくともそれでもなお冷えによって感覚はほぼなく]
…。
[ぱたり、ぱたり。
まるで花濡らす雨のように赤く暖かい流れは指を伝って地に落ちる。
ぱたり、ぱたり]
―朝・自宅寝室―
[美貴は考えていた。あの口煩い老人をどうやって懲らしめてやろうか、と。]
もう一度令呪を使って……しまったら、さすがにまずいわよね。
……うーん、相手は英霊、しかも魔法使いだから、アタシの魔術なんて通じないだろうし……。
――そうだっ!魔力の供給をストップさせちゃえば、お爺ちゃん干からびちゃうんじゃないかしら!?
これよ!これしかないわ!!そうと決まればさっそく………………。
[キャスターと繋がる線を意識して、その流れを堰き止めるイメージ。
しかし魔力の流れは止まらない。]
難しいわね……、うーん……っ!
[さらに堰き止めるイメージを強く。同時に息も止まっている事にも気付かないほど強く。]
……………………っぷはぁ!はぁっ、はぁっ、ダメだわ……お爺ちゃん、やるじゃない。
[次の手を考え中。]
[土の上に潦を作ることもなく、その雫は落ちて、染み込んで、見えなくなる。
茶色の上に落ちた赤のなんとわかりにくいことだろう。
剣は鞘に収め、英霊は何気ないしぐさで指先濡らす赤をなめとる。
桃色の舌は柔らかく、暖かい。
それは英霊に自らの生を思い起こさせた。
肉体はとうにない。
けれど、吾は──自分は。俺は、確かにここに存在しているのだ、と]
……Dum veneris judicáre saeculum per ignem.
(主が来たもう時 世を裁くため 火をもって)
[静かな、掠れたアルトが夜の空気を揺らす。
じわりと、英霊の血を吸い込んだ土が燃え上がる。
青く燃える炎は東洋で言う鬼火にも似ていた。
炎は風を吸い込み、酸素を吸い込んで大きく燃える。
硬玉の瞳は、その中に何かを見出そうと視線をじっとそこへ注ぐ]
[じわりと、揺らめく炎]
────。
[炎の揺らめきの中、見出した影に、吸い込んだ空気。
喉が引き攣れ、ひゅう、と細く細く啼いた]
…馬鹿、な……。
[青く燃える炎。
炎の中に揺らめく陽炎────人の姿をした、闇の影]
[もともとしようとしていたことは]
[自らを助けてくれる魂たちの力を借りようと]
[そのために、しずくを魂眠る地へ]
…馬鹿な。
[助けてくれる魂は、本当に見える人影が闇を纏ったと伝える。
けれど、英霊にはそれが信じられなかった]
[青く燃える炎]
[ゆらゆら] [燃えて] [熔けて]
[目覚めた陽の光に消える]
−自宅・地下・days3朝−
[魔力の補充を終え、本棚へと手をかける。調べるのは「銃を使うサーヴァントについて」。しかし、近代兵器についてはあまり揃っておらず、目的の人物が見つけられないでいた]
銃、といっても、色々とあるからな。
ランサーにしても、アーチャーにしても、情報が少ない、か。といっても、情報が入っても倒せるとは限らないのだけど。
[銃火器について書かれた本を手に取り、*読み始めた*]
[ランサーと同じ願いを持つという男の意図、その願い…いくら考えてもわからなかった。
わかるはずがない、あまりにも情報が足りなすぎるのだ。
情報が足りない…当然だ。
わざと知らないようにしているのだから…目の前にそれを知るであろう男がいるのに、問いただすこともせず。
どこか懐かしい感覚、居心地がよかった、このままでいたかった、だから認めたくなかった、何かが明らかに変わっていることを。
でも彼女の本質のうちの片方は、いくら辛くて目をそむけようとしても、あるがままにいずれはそれを彼女の中に取り込ませる。
それが自分の存在を許さないならば、もう片方の本質によってそれに抗うために。]
− 公園 テント前 −
ランサー、話しがあるんだ。
その服をなんとかしたら、噴水のところに来て。
[ランサーに服を買うお金を渡すため
久子はランサーに向かって一歩踏み出す]
……。
[ランサーは久子を振り返った。召喚された時と同じく、容姿には翳りないものの。]
話。
ヒサコ、此処ではいけないのか。
噴水でもかまいはしないが……。
[「服を」と言われて、胸に穴が開き、焦げた白いセーターを触った。]
おぇっ。
[気持ち悪い。
疲労と痛みでどうにかなりそうだ。
汗が止め処なく流れ落ちる。
麻酔を生成すればいいのだが、麻酔をかけてしまうと左腕の神経がちゃんと繋がったかどうか、判断することができない。]
あぁクソッ。
なんでこんな、サーヴァントなんてものになってまで、こんな目にあわなきゃならねぇんだ。
[悪態をつきながら、応急処置で済ませていた脇腹と背中の処理を丁寧に施していく。
既に夜も明けていた。]
あーもう。
眠いッ。
[ランサーは久子と別れると、どうにかこうにか、綺麗なお姉さんに手伝ってもらいながら、商店街の一店で黒いセーターを購入した。お姉さんにお礼を述べ、着替えてから、久子が待つ噴水へと歩いていった。噴水の前に、一人の人影。]
……噴水に行きたいと言ったのは、時間が欲しかったからなのかい。心の準備を整えるため。
今、きみが話したいと思っている事は聞きがたい事、――そうではないのか。
[ランサーは久子に近づいてゆく。噴水近くで、地を歩いていた鳩がバササと空へ舞った。ランサーは、自由に舞う後姿を見上げ、久子を真正面から見た。]
はぁ。はぁ。
ふんっ。
[魔力を込める。
治癒を早める術式。
断続的にかけ続け、ようやく人の体をなしてきた気がする。]
あー。
マスターが怒りそうだな。
[強がるように、にひっと笑う。
不自然ではあるが…。]
よし。
[全身に軽く麻酔を行き渡らせる。
もう、大丈夫だろう。
あとは完治まで…安静にしていたいなぁ。]
そう言えば、ぼく達は今まで、互いに自分の「願い」すら口にして来なかったね。
[噴水が、虹を作っているのが視界に入った。]
[手には、今までに作ってきた赤丸の記された地図。ゆっくりと扉を開けて地下室に入り、本を捲っては何かを書き止めている様子のソフィーに静かに声をかけた。]
マスター。夕べの同盟の件ですが……マスターは、どう考えておりますの?
−『魔女の館』−
[店を開けてはいるもののやはり体は重く動きは鈍い。
ランチのパスタ用にバジルとオレガノ入りトマトソースをつくり、
ローレルとケッパーとオレンジのサーモンマリネを浸け、
アニスとシナモン入りバナナプディングを焼く。
一段落したところでカウンターの中に座って
エルダーフラワー・リンデン・アンゼリカ・エキナセアを入れたお茶を飲みながら昨日の途中になったままだった籠を編み出した。]
よっと。
[立ち上がり、周囲に張った傷口に異物が入らないようにするために張った薄い魔力の膜を取り払う。
少しの違和感。
鈍い痛み。
だが、多少動いても問題ない程度。]
さて、帰るか…。
[マスターに何を言われるかと思うと、少し憂鬱だ。]
しかし、夜の間、他のサーヴァントに見付からなかったのは、幸運だったなぁ…。
[と呟いたところで、また服がボロボロになっていることに気付いた。]
…。
[やってきたシャルロットに顔を上げる]
……同盟を組むとしても、そうでないとしても、キャスターと美貴さんに話してみたらどうだろう、と思うのです。
罠を貼るような人物には見えませんでしたが、今同盟を組んでいる彼らに何も言わない、というのも、だめな気がして。
[右手に、針と糸を生成する。]
…。
別にいいじゃないか。
どうせこんな黒ずくめで歩いてたら怪しいんだからさぁ。
[とぼやくが、後で「彼」に機嫌を悪くされるのも面倒だった。
ちくちく。
服を縫う。]
[噴水前に佇み、考えていた。
介入という言葉、ライダーとの謎めいた会話、突然の無防備なマスターへの攻撃、我を忘れた戦闘、不自然の魔力の増加、傷を負いながらも劣ろえない戦闘力。
ランサーが近づいてくるのを見つめる。
その言葉に答えて本題を繰り出す。]
そう、願いに関すること。
知っていると思うけれど、昨日私のところに令呪をもった聖杯の管理者を名乗る男が尋ねてきた。
彼はあなたと自分が同じ願いを持つと言っていた。
そのことに何か心当たりはある?
[肯定の言葉を聞くと続ける]
彼は何者なの?
あなたの願いは何?
……判断をキャスターに任せるのでしょうか?
[穏やかだった表情が少し曇る。]
現在同盟中のキャスターにその事を告げるのは、フェアで良い、と私も思いますわ。
しかし、判断をするのは私たちでなければなりません。
マスターは、バーサーカーと同盟を組む、という事実に対しては正直なところどう、考えてますか。
……私も考えてみました。
私には、"魅了"のスキルがあります。対男性には洗脳レベルの、です。
例えば私たちが、キャスターとバーサーカーと、同盟を夫々組んだとします。私たちが彼らに"裏切られる"可能性はまず無いと言って良いでしょう。裏を返せば、私たちが裏切らなければ、そこでフェアな契約が結べるはずなのです。
そうですね。キャスター、そしてバーサーカーが了承するなら、三者同盟という形にしても良いでしょう。
但しその場合は、条件が必要になります。
[だらだらと、町を歩く。]
綺麗な町だよなー。
[右手の中指で、眼鏡をつり上げる。
疲労で少し、目が霞む。]
科学の進歩ってすごいよなー。
ごみなんかが転がってないのはモラルなんだろうけど。
…平和ってのは、いいよ。
うん。
[撃つ必要の、ない世界。]
彼…
[ああ、と暫くの間思案した。]
多くは答えられない。
一つ目の問い。
彼は「沖田敬一郎」、「教会」の人間であるということは事実だが。それ以上は、ぼくの口から答えない方がいいだろう。
[首を振る。]
二つ目。
ぼくが、聖杯に「願いたい」ことを言う前に、
ヒサコの「願い」を教えてくれないか。
その後、ぼくも、その問いに答えよう。
相談、という形を取って。
彼らは恐らく、情報を得たいのでしょう。あのバーサーカーを見ていると、そんな気がしてきました。
こちらの状況を話して、情報のやり取りだけをするのも手かもしれません。
[本に目を落とし、昨日の二人のことを思い返す。
シャルロットの疑問には首を振った]
同盟を持ちかけられたのは私たちです。その判断をキャスターたちに押し付けることは出来ません。
方法は3つ、バーサーカーのマスターの申し出を断る。
もしくは、キャスターたちを含めて同盟を結ぶ、そして、――キャスターたちとの同盟を解消し、新たにバーサーカーたちと同盟を結ぶ。
ただし、最後の選択はほとんど考えておりません。
そういえば多分けがしたままよね……。
[ふと思いついて籠編みをやめ、
マジョラム・サフラワー・マリーゴールド・ペパーミントと
次々ポットに入れていく。
熱湯を注ぎ、香りが立ち上がるのを待ってから
カップに注ぎ、お茶に手をかざし呪文を唱えた。]
"癒しの力を分けて"
……サーヴァントに効くかどうかわからないけど
治癒能力を高める効果のあるお茶だから
気休めにはなるでしょう。
[お茶を作り終えると再び籠を編んでいく。]
三者同盟は、そのトライアングルが崩れた時、速やかに解除されなければならない。
その解除のタイミングで、もし三者内で戦闘が発生した場合には、残る一組はその戦いに"介入しない事"
この条件が護られる限り、裏切り行為となる状況は発生しないでしょう。
マスター。私の魅了について、重ねて説明をしておきますが……。
この"魅了"は、相手の理性を奪い心深くを揺さぶり惹き付けることは出来ます。しかし"本能"を覆す事は出来ません。
つまり、戦闘が発生し、私を"倒さねばならない敵"と相手が認識した状態では、幾ら魅了していようが私は殺されます。
例え、相手がどんなに苦悩し心を痛めていようとも。
うーん。
[喫茶店、「魔女の館」。
その店構えを、目の前にする。]
いやぁ、怒りそうだよな、あの人。
やめてほしいんだけどなぁ。
[「彼」、機嫌悪くなるし。
…しかし、まぁ。
僕がここにいるうちに、情報を整理しておければいい。
役に立たない可能性は、大だが。
背伸びをし、店の様子を伺う。
客はいないようだ。]
ただいまー、っと…。
[戸を開け、中に入る。]
あら、帰ってきたの。
おかえりなさい。
……やっぱりけがしてるのね。
[籠を編む手を止めて、ため息をつき、
仁王立ちになってにらみつけた。]
あのね、彼のせいで昨日は仕事にならなかったの。
お皿も割っちゃったのよ。
もう少しこっちのことを考えて
戦闘に入ったり銃を撃ったりできないのかな?
今日だって起きても疲れが取れてないし。
それってそれだけ大きなけがしたってことでしょう?
けがを減らすように動くくらいしてほしいところだわ。
私としては、情報のやり取りだけが目当ての同盟には賛成しかねます。
……言い難いのですが私は直接戦闘向きのサーヴァントではありません。クラス補正で尚、その傾向は大きくなってます。云わば情報収集が私のクラスの要。
その、要のみを相手に渡すのは得策ではありません。
本気で同盟を結ぶのであれば、共闘出来るという条件でなければ……こちらには何のメリットもありませんわ。
[言うだけいうとすっきりした。]
……はい、これ。
効果は保証しないけど治癒能力を高めるお茶。
飲んでおいて。
[作っておいたお茶を差し出す。]
……それで、あなたたちは誰と戦ってきたの?
[頷く。
自分の願い、ひとこと莫大な財産。と答えるのは簡単だった。
しかし彼には正しく自分のことをしってほしかった。
考えるがうまい説明が思い浮かばない。
…思いつくままに話し出す…]
ママが生きていた頃は、あなたのようにママは私は守ってくれたわ。
…ママはね、私よりすごい霊能力をもっていて、その能力を組織に所属して諜報活動に使っていた。よせばいいのに。やつらは私達のことなんかただの道具くらいにしかみてないっていうのに。
最後に所属していた組織は聖堂教会。
ママは任務で知った聖遺物の情報を狙われた時に、聖遺物の保護を優先されて始末されたわ。ママが所属して貢献してきたはず聖堂教会自身にね。
…
[一息ついて話し続ける。]
…。
むぅ。
[案の定機嫌が悪いようだ。
確かにその通りなのだが、戦争やってるんだから正直目を瞑ってほしいところだ、と思う。
それに、銃を撃っているのは僕ではなく「彼」だ。
戦闘をしたのも怪我をしたのも「彼」であって、僕ではない。
「彼」は、僕の支配下にあるものではないのだから、僕に言われても困る。
大体、自分で呼んだのだから自分で責任を取ってほしい。
…と思うが、火にどうせ平行線をたどった挙句「彼」が機嫌を悪くするだけだろうと思って、黙っていた。
本当に「彼」に直接言われても、余計困る。]
……。
[ランサーは、久子の話に黙って耳を傾けている。その様子は真剣で、久子の話が、とても大事な話と分かりながら聞いているようだった。]
[シャルロットの言葉を聞き、再び顔を伏せ]
……相手が、シャルロットに対し戦闘を仕掛けてくる、というのは聖杯戦争に参加する以上、避けられないことと思います。
最後の一組にならなければ、聖杯への願いは聞き遂げられないのですから。
ですから、「魅了」については仕方ないことと思います。シャルロットが勝てるよう、私もバックアップいたします。
条件については、三者で結ぶ場合、その条件も提示しなければいけませんね。
ただ、この同盟に関しては、三者で結ぶというのはキャスターたちにとっても悪い事ではないと思うのです。
もし、バーサーカーたちが他と同盟を結んだ場合、即座に敵対関係となるわけですし。
私たちがだめとなれば、他に話を持ちかけるかもしれませんから。
もちろん、情報のやり取りだけをする場合、デメリットになるようなことは渡さないほうがよいでしょうね。
もっとも、「情報のやり取りのみをする」というのはシャルロットの特性如何に関わらず、あまり現実的でないのは確かです。
[ソフィーの言葉を聞き、安心したように微笑んだ。]
では、私たちの方針は、三者同盟を希望するという形でよろしいのでしょうか。
まずは、キャスターに話をしてみるのが筋でしょうね。
その後、私たちだけでバーサーカーの所へ結論を伝えにいく、という形では如何でしょうか。
お、ありがたいねー。
[露葉の差し出した茶に口をつける。]
あちっ。
ふー。ふぅー。
[ず、とすする。]
誰と戦ったかって…やっぱ、サーヴァントなんだろうなぁ。
[どんな奴だったか。]
えーと、槍持ってた。
ランサーとかライダーとかなんじゃないかな。
あ、バーサーカーかもしれないよなぁ。
[マスターはまだ部屋にいるようだ。
まぁ、特に一緒に外へ出るというのも現時点では嫌になるため声はかけない。
本当にこの戦争が命すら危険なものという自覚はあるのか…いや無いのかもしれない。]
"なんで相手がお前に攻撃してこなかったか…何か理由があったのかもしれないが、
それはあくまで運が良かっただけで、死んでいた可能性の方が高いって事をキッチリ考えておけ!
とにかく、大人しく家に居ろ!"
[とりあえず念のため書置きをして家を出る。
あれだけ言った後にこれを読んで、まだ理解できないなら手に負えない。
正直、聖杯戦争の間行動不能にした方が令呪のメリットと天秤で考えてもまだ楽かもしれない。]
はぁ…まぁ行くか。
引きこもっていてもどうしようもないしな。
[キャスターは溜息をついて川原へと向かった。]
そう、ですね。
キャスターたちとの同盟がまず最初にありますから。
バーサーカーたちとの約束はお昼ですから、それまでにキャスターたちに会えるといいのですが。
[天井付近にある小さな光取り用の窓を眺める]
ママは自分の運命が予測できていて、自分と同じ末路を私が辿らないようにって思っていたのだと思う。
生きている間、私に一人で生き伸びるためのさまざまな技術を教えてくれたわ。
…私の名前は、歳をとっておばあちゃんになるまで生きのびるようにって願ってつけたっていってたっけ。
ママが死んでから、教会は私を保護しようとしたけど私は教会を信用できなかった。
それから、私は私の力を利用するような奴らとやりあいながら私は一人で生きてきた。
[まだ話は続くようだ。]
−教会・days3朝ー
[昨晩の久子との交渉を思い出し、彼女の苦悩を思う。
今頃ランサーへ問答を繰り返しているに違いないだろう。
そろそろ自身も動くべきだろう。そう考え教会を静かに*後にする*]
― 西ブロック・マンション内 ―
[ケネスはちらりと時計を見る。]
まだ時間にゃ早いが、外に出て適当にぶらついてみるか?
どうする?宗冬。
[美貴は考えた。考えたあげく、一つの答えを見出した。]
お爺ちゃんはマリアちゃんに夢中。
なら、マリアちゃん達にお爺ちゃんの凶行を教えて、マリアちゃん達からお爺ちゃんに注意してもらえば!
これよ!これしかないわ!!
ああん、でも、マリアちゃん達の連絡先がわからないわ……。
[がっくりとうなだれる。]
……サーヴァント相手じゃなきゃ
いくらあの人でもそこまでけがしないんじゃないの?
役に立たないわね。
もう少しちゃんと見た目の情報はないの?
背が小さかったとか。白いセーター着てたとか。
インド人ぽかったとか。
あと額がなんか赤かったとか。
[以前に会った剣をもったサーヴァントは除外していいだろう、
もしもマリアだったらリチャードはそういうはずだ。
残る知っているサーヴァントである
チャンドラの様子を思い出しながら特徴を挙げていった。]
では、キャスターに会いに行きましょう。
キャスターの拠点は残念ながら不明ですが、川原へ行けば会える可能性が高いと思いますわ。
……マスター、同行されますか?
[立ち上がり、地上への階段を上がろうと歩きながら己のマスターに視線を送る。]
本気で行くのであるか真殿。
あの女は危険であろうぞ。あの目を見たであろう!
いや、待て、つまり騙まし討たれる前にこちらが騙し討つというわけでござるか。
今日、情報を搾り取った上で殺すと!!
[今日も宗冬は映画を観ながら酒である。]
[出て行こうとするシャルロットに頷く]
もちろんです。この話は私が聞いてきたのですから、私が行くのは当然だと思います。
[上着の内ポケットに作っておいた和紙の紙片を数枚入れ、シャルロットの後を追った]
ママは自分と同じ私の体質を心配してくれていたけど、せっかくもって生まれた能力だもん。使わなきゃ損じゃない。私は好き。
けっこう、大変だったけど楽しいこともあったわ。
大きくなってからは、いけ好かない奴らに一泡ふかせられるようになったし。
悪いやつもいるけど、いい人もいて。私はこの世界が好き。
自分以外の誰かの勝手で殺されないように、私は誰にも頼らず、ずっと生きていたいの。
私みたいな子供が誰の力も借りずに生きて行くために必要な力、それが私が持って生まれた能力と
…お金なのよ。
[気が済んだようだ。ランサーに微笑みかける。]
ごめん、変な話で答えになってないかもしれないけど。
聞いてくれてありがとう。
今度はあなたが話す番。
[ランサーの瞳を見つめる]
−Date:3 朝方・教会付近公道−
[小さな影は、ふわふわウサギちゃんポーチが腰ではねるのも視界に入らない様子でぼんやりと薄明るくなっていく街の中、レンガヨリモずっと細かく滑らかに整えられた道上を歩く。
両の手には白い手袋、先ほどの傷はすでに塞がっているのか白い手袋に赤い滲みは何もない。
足を止めて教会を振り返ると、クロスガ朝焼けで滲んでそれはとても美しく]
…神、か。
[ポツリ呟く]
―川原・午前中―
[マスターと並んで優雅に歩いている様子は、散歩をしている女友達同士といった風体だった。
程なくして川原に到着し、昨日と同じ場所でのんびり散歩をしているヴァイナを姿を見つけた。]
それではマスターからお話を。
[ソフィーの半歩後ろに下がり、促すように立ち止まる。]
誰がいつそんな事言ったんだよ!
てめえ、勝手に暴れるんじゃねぇぞ!
というか、朝から飲んでるんじゃねぇ。
何で重要な会談前に飲んでるんだお前は!
[ケネスは宗冬の酒を取り上げる。]
[話が後半になるにつれて、久子の顔が、内側から光っているように見えてくる。今を生きるという、生命の、輝き。
久子に真っ直ぐに見つめられ、頷く。]
二つ目の問いに明瞭に答えよう。
いや、だってさぁ。
戦ってるのは、僕じゃないんだよ。
「彼」が見た状況しか、情報としては残らないんだから。
えーっと、そう、楽しそうだったな。
戦っていて。
「彼」よりは、冷静な戦い方をしていたと思う。
そう…体は小さかったな。
だけど、まるで紙のように軽々と槍を扱っていた。
騎乗や、それに類する行為は行う気配がなかった。
それであれだけ強いんだから、ライダーの線は捨てていいかもね。
…ちょっと、待ってくれよ。
それは、君が同盟を持ちかけられたっていうサーヴァントの特徴?
…。
うーん。
[思い出せ、思い出せ。]
[キャスターを見つけ、シャルロットが後ろに下がる。一拍置いて口を開いた]
キャスター、おはようございます。ご機嫌はいかがですか。
あまり良い様に見えないのは気のせいでしょうか。
[キャスターが気づくのを待って、微笑む]
ぼくの「願い」は……
[言葉を続ける前に、奥歯を噛み締める。]
・ ・ ・ 「人類の滅び」 ・ ・ ・
[少しだけ、ランサーは微笑んだ。哀しみを含んだ双眸は一瞬、…直ぐに色をなくす。]
僕は、それを、…聖杯に願いたい。
聖杯に…願いたい、こと、は、それだけだ。
[「使命」は「願い」を遥かに凌駕する。一個人の願いなど、ここでは意味がないものだ。]
[あれこれと考えながら自宅内をうろついているうちに、キャスターの書き置きを見つける。
書き置きに目を通して、溜息をついた。]
ふぅーん。
お爺ちゃんって、……絶対女の子にもてないタイプだわね。
女心は……、理屈じゃないのよ。
[くす、と笑って自宅を後にする。]
そうよ。
もしも彼だったとしたらランサーだと思うわ。
彼はライダーではないし、
話をした感じではまともだったから
バーサーカーもないでしょう。
[ちょうど出来上がったバナナプディングに
生クリームを添えて差し出しかけ、]
受けるつもりでも破棄するつもりでも
同盟持ちかけてきた相手と戦ってしまった、
ってことになったのはまずいでしょうね。
……早く外見の特徴思い出してくれる?
[微笑んで皿を引っ込めた。]
[家を出た後、やはり足が向くのは川原だった。
それは当然といえる、現在のキャスターの力を完全に発揮する場所と言えばココしかないのだから。
欲を言えば、対峙するサーヴァントとの戦闘の場は全てココにおびき寄せたいのだ。]
【んな都合よくいかねーよな。】
[自分の甘い思考につい笑ってしまう。
そんな時、少し離れた場所からサーヴァントの気配を感じた。]
お、マリアちゃん達か。
いやー、もう…本当にあのボケが…。
[発見した相手の姿に微笑むが、その後の言葉に溜息をつくと、昨日の説教の事を説明した。]
魔力を源である酒をサーヴァントから取り上げるとはなんたるマスターであろうか!
しかし、真殿、狂化は私の意志に関係なく発動しますからなぁ。暴れるも暴れないはわかりませぬ。アサシンがいれば私は……。
[そう、確かに。]
そんな特徴は、あったかもね…。
体が小さかったのは、確実だ。
後は、相手も動きがすごく速かったから不確実だけど、確かに欧米やこのあたりのような人の雰囲気とは違ったかもしれない。
あちゃー。
こりゃ、同盟はなしだな。
怒ってるかもしれないなぁ
ほとんど奇襲だったしな…。
いや、まぁ。
どっちにしろ、同盟なんて、「彼」は無視するだろうけど。
しかし、バーサーカーって線はあるかもしれないよ。
笑っていたからね、あのサーヴァントも…。
[理解しがたい。]
[キャスターの愚痴を苦笑しながら聞き、時折相槌を入れる]
きっと、美貴さんは「人」が好きなのでしょう。魔術師としての立場だとか、聖杯戦争での行動のあり方、それらに頓着していないのかもしれません。
それは、考えようによってはいい事だとおもいます。キャスターにとっては、胃の痛くなるところでしょうが。
キャスターも文句を言いながら、それほど気を悪くしてるようには見えないですよ。
困ったわね。
あの子すごい怖いわよ。
同盟をどうするにしてもちゃんと返答してっていったのに。
人の話聞いてないんだから。
[ため息をつきつつ引っ込めたケーキをリチャードの前におく。]
……ガトリングも戦いの間楽しそうだし
あの剣もってた前に戦ったサーヴァントも楽しそうだったわよ。
サーヴァントはみんなそんなものじゃないの?
そう…それがあなたの願いなんだね。
[ランサーの言葉は予期できない突拍子にないものだったはずだったが彼女は驚かなかった。]
怖かったんだ。ランサーとこれまでみたいにいられなくなることが。
私を絶対守るって言ってくれた。ずっと私はランサーに守られていたかった。
やめて!!なぜ!なぜそんなことを望むの?
[嘘だと言ってほしかった。
でもわかる、彼の瞳が嘘をついていないものであることを。]
いやもう、胃が痛いどころか穴が開きそうだよ…。
まぁ、これが聖杯戦争中じゃなけりゃ笑い話で済むんだろうけどな。
[危機感が決定的に無いんだよ…と再び溜息。]
それで、今日は何かあったのか?
いつもはマリアちゃんだけなのに一緒にくるなんて。
[笑みとともに言葉にする。そして、間をおいてから、本題を切り出した]
キャスターに、お願い、というか、提案があります。
これは、断ったとしても、私たちの関係にひびを入れるものでないことを約束します。
昨日、バーサーカーのマスターから手を組まないか、という提案を受けました。
私は一人でしたし、貴方たちと既に協力関係にありましたから、話を一旦保留にして、今日また改めて話をしに行くつもりなのですが……。
[言葉を切り、キャスターの顔色を窺う]
…主よ。俺は貴方がわからなくなった。
貴方は、なんなのだろう。
何のために、俺たちを生み出した?
[細く遠く、馬の嘶くような空気の震え、首を捻ればそこには車がエンジンをかけてどこかへ向かうところだった。
足を止めて太陽上るほうへ走り出した車見つめた後、そのまま街の中をふらふらとしはじめる。
それは、街の配置確認という名の当てのない小さな旅]
……めんどくさい奴だなあ……
とりあえず、駅に着いたら刀は預かっとくぞ。
あと少し俺から離れていろ、どの道お前は、真面目な話はできないだろうしな。
まあ、向こうも日中の人通りの多い駅前なんかで、暗殺とかしやしないだろう。
[木の鈴の音にドアの方を見る。]
美貴さん、いらっしゃいませ。
[にこやかに美貴に挨拶をしてから
リチャードのほうを向き]
お客様が来たから部屋に戻って。
休んでちょうだい。
[しっしっと追い立てた。]
それが、世界の意思だから。
星が望んでいるんだ。
ぼくら英霊に。人類の滅亡を拒むことは、反対に地球を滅ぼす事に繋がるんだよ、ヒサコ。
この、星が。
朽ちてしまうんだ。
だから今、人々を滅ぼすしかない。
[ランサーは、久子の肩に手をおこうとした。]
――― その令は、何よりも尊く、重い。
[ランサーの黒曜石の眸は、鏡のように、久子の顔を映していた。]
三者で同盟を結ぶのは如何かと。
もちろん、これには条件があります。
条件には「共闘」も当然含まれます、が
「三者同盟は、そのトライアングルが崩れた時、速やかに解除されなければならない。
その解除のタイミングで、もし三者内で戦闘が発生した場合には、残る一組はその戦いに"介入しない事"」
[シャルロットの出した条件をそのままに伝える]
ただ、三者同盟についてはバーサーカーのマスターは知らないことです。
彼らは私たちとの交渉が決裂すれば、他に話の通りやすそうな所へと話を持っていくかもしれません。
「聖杯戦争」の仕組みを考えれば、この同盟そのものも一時的なものでしかありませんが、後でお互いが戦うことになったとしても、この同盟はそれぞれに有利に働くとおもうのですが、いかがでしょうか。
[そこまで言い切った後で、キャスターの問いににっこりと微笑んで答える]
バーサーカーは残念ながら男性です。マスターもそうですが、マリアの見立てでは二人は「出来ている」そうですので、キャスターのライバルには成りえませんよ。
[愛想良く迎えてくれる店主に微笑みを返す。]
こんにちは、覚えていてくれて嬉しいわ。
[男性が鬱陶しそうに追い立てられる様子に、苦笑いした。]
あ、えっと。
アタシは普通のお客じゃないから、別にいいのよ。
……。
貴女、マスターなんでしょ?
人通りが多いからこそ暗殺なのです。分かっておりませぬな。木を隠すには森の中、人込みに紛れての逃走。
この柳生宗冬も幾多の暗殺をこなしてきたから分かるのです。
ちなみに世界で最も美しいといわれている暗殺はバス停で行われたのですぞ。傘から放たれた礫には毒が!!
からくり傘ですな。これは私も作らねばあるまいか!
いや、そうではござらん!真殿は剣術家の命である刀を奪おうというのであるか!!それだけは応じることは出来ぬと!!
[美貴の言葉に頷く。]
お気づきでしたか。
令呪が反応しますものね。
えぇ、わたしはマスターです。
香野露葉と申します。
できましたら店で戦うのはご遠慮いただきたいんですけれど。
お茶を飲みにいらしていただけるのなら歓迎いたしますわ。
それに、バーサーカー達が三者ではだめ、というのなら、その話はそこまでです。
交渉は決裂、ひょっとしたらバーサーカーが血気盛んであればその場で戦闘になるかもしれませんが……マスターがしっかりした方のようでしたので、その心配はないでしょう。
[付け加えてキャスターの返事を待つ]
うわ、ますますめんどくせー。
つか、暗殺狙うなら「アサシン」て言うわけねーんだよ、昨日も言ったけど。
クラス隠して、サーヴァントよこせば済む話だろうが。
[そう思い、ケネスはふと令呪に目を映す。]
あーこんな事で令呪使いたくねー……。
なんか良い方法無いのか?万が一でも俺はお前に暴れてほしか無いんだが。
−Date:3 朝/久仁彦の部屋−
[しばらくして、マンションへ戻ってくると主は機嫌悪そうに食事を作っていた。
たまにはいいかとおもい、英霊は珍しく謝りの言葉を口にし、朝食の席に着く。
バターの香りが鼻をくすぐる。
自分の生きた時代には考え付かなかった食べ物や乗り物、建物、世界。
窓の外を眺めれば、空の彼方飛ぶ飛行機。
小さく、ため息をひとつ。そして朝食、開始]
−→Date:3 午前−
[令呪の反応には全く気付いていなかった。
昨日まではただのお気に入りのお店だった。
しかしそれを吐露するのも悔しいので知った顔をする。]
え、ええ……、アタシもこのお店を気に入ってるから、ここで騒ぐつもりはないわ。
むしろ、これまで貴女がアタシをどうにもしなかった事に感謝してるの。
これって、貴女からアタシへの友好の証と考えていいのかしら?
[にこ、と微笑む。]
[自分の肩に手をかけようとするランサーの手を払いのける。]
そんなの関係ない!!
誰のためであろうと私は滅びろといわれて「はい、滅びます。」なんて思ったりしない!
相手が神でも悪魔でも私達を生んだこの星自身でも!!
ランサー、私たなたは今日から敵同士だね。
[ランサーの目を正面から見据えて言い放ち、教会に向かうために歩きだす。]
出来ている…って男と男で…?
…。
……。
それはそれで近くにいるのヤだなオイ。
[想像した後にゲッソリとした顔で返答するキャスター。]
っと、まぁ冗談はこの位にしておくか。
いや、結構真剣なポイントでもあったんだけど。
[真剣な顔に戻り、2人の顔を見る。]
俺の考えを言わせて貰うな。
まだ何ともいえないんだが…賛成はし辛い。
まず一つ、そもそも"狂戦士"に"共闘"は可能なんだろうか?
バーサーカーのクラスの特色ともいえる"狂化"。
そのスキルのランクにもよるだろうけど、これによって味方まで攻撃してくる可能性は否定できない。
……全部は駄目だ、一杯だけな。
[ケネスはしばし考え、コップに酒を少し注ぎ、渡してやる。]
……全く、何でこんなところで、こんなくだらない交渉しなくちゃならないんだ……
更にもう一つ…向こうがどのようなカードを持っているか。
俺達が同盟を組んだ時と明らかに状況が違うんだ。
俺達の時は、双方ともお互いにカードが無かった。
つまり"ゼロから一緒にカードを集めていく"という状況での同盟成立。
だけど今度は違う…俺達は既に2組で集めた"カード"がそろっている。
単身の倍の効率で集めたカードを提供してまで、手を組むメリットがあるのか…。
もちろん"戦闘能力"というカードも重要だし、それによっては一考の余地もあるだろうけどな。
とまぁ、長々と語ってみたけど…。
会って判断するしかないんだよな、結局は。
[「彼」、刀の男、そして昨日の槍使い…。
確かに、そうだ。
そんなものなのだろうか。]
うーん、いや、なんか、正義の情熱に燃えるサーヴァントとかもいてもいいんじゃないかなーと思うんだけど。
僕は…。
[そこで、マリアについての「彼」の感想を思い返す。
そして、自分はただただ笑っていたが、実際には露葉がマスターだと気付いていた、目の前の客を見やる。
…ま、まぁ。
確かに、自分が何を言っても、自分でも信用できんな。]
美貴さんは気持ちの良い方ですし
タロちゃんもかわいらしかったです。
そうですね……友好、ととっていただいてもいいかもしれません。
……ただし、この店の中でだけ、ですけど。
ここの外で友好を結べるかどうかはわたしにはお答えできません。
[軽々しく肯定する言葉はいえなかった。
戦闘時にガトリングがこちらの気持ちを斟酌するとは思えない。
見境なく撃つだろう。
自分も相手が敵であればそれを止める気はない。]
お店を気に入ってただけたことは嬉しく思います。
またタロちゃんといっしょに来てくださいませ。
[再び己の手に戻ってきた酒を一気に身体に流し込むと、宗冬は勢いよく白い布を取り出し目隠しとして頭につけた。]
見れば斬る。なれば見ねば良いだけのこと。されど見ずして斬るのが柳生盲人剣なり。
[宗冬はそう唱えると真の手にある酒瓶を突き穿つ。零れいずる酒をグラスで受け、宗冬はまた飲み始めた。]
兄十兵衛は隻眼だった。しかし私は両目を封じ戦う。
[キャスターの言葉を黙って聴いていたが]
そうです、ね。
さすがに、同盟を組む前にカードだけ見せろ、といわれて向こうが見せるとは考えにくい。
ですので後者は今はおいておきましょう。
「共闘できるか」については、バーサーカーのマスターにかけるしかないようです。
見た感じでは、聖杯戦争に関係する者に対しては、敵対心を感じるようですが、それ以外の方については、どちらかといえば友好的なように思えました。
もしマスターがバーサーカーを抑えられない場合、手段としてはバーサーカーが気づかないところで援護をする、もしくはあちらのマスターに援護をしてもらう、の形になるのでしょうか。
その「共闘」が有効かどうかは疑問ですが。
会って見なければわからない、というのも同感です。
私も先日少しお会いしただけですので、どうこう言える立場にありませんから。
[露葉の返答から“拒絶”の意思を汲み取った。]
……そう、わかったわ。
[老人への仕返しを考えていた美貴に取っては誤算だった。
しかし、それを口にすることはできない。
交渉が決裂した以上、本心を悟られないようにするしかなかった。]
全てが終わってお互いが無事であったなら……。
また寄らせてもらうわね。
[露葉とサーヴァントと思しき男性に別れを告げて魔女の館を後にした。]
いやお前それ、見えないだろうが!
あーなんなんだよ、もうー……
目隠しするなら、とりあえず駅についてからしろ。それでいいだろ?
キャスターも隣で、とは言いませんが、近くまで見に行かれてみますか?
キャスターなら、少しくらい離れていても、会話は聞き取れると思いますし。
そうだな…それで、これから会う約束とかあるの?
[ソフィーの言葉に頷き、質問を投げる。]
バーサーカーとなると正面からの力任せ的な戦法の可能性が高い。
万が一の事を考えるなら、俺も着いて行ったほうが良いと言うのもあるし…。
"戦力"としての相手のカードを計れるかもしれない。
またのお越しをお待ちしてます。
[去っていく美貴に深く頭を下げる。]
情報引き出した方がよかったのかもしれないけど
わたしには今のが限界よ。
こういうの、あまり気分のいいものじゃないわね。
[深く息をついていすに座る。
そしてリチャードのほうを向いた。]
リチャード、他に戦闘の情報はある?
なければそろそろランチの時間だし、
上にいって休んできた方がいいわよ。
早くけがを治してくれないとわたしもつらいから。
[居場所がない。
が、この状況ですごすごと二階に上がっていくというのも、どうかという思いがふつふつと湧いてくる。]
うーん。
[とりあえず、茶とケーキを堪能することにする。
聞き耳を立てる。
…まぁ。
「彼」は、邪魔さえしなければ、特にマスターを狙うということはないだろう。
敵であれば、サーヴァントとマスターを区別することは別にしないだろうし、マスターが戦いをサーヴァントに任せ傍観するなら、マスターを撃つには抑止が働くはずだ。
それを強引に破って撃つくらいなら、マスターよりはサーヴァントの方が、彼にとっては撃ち甲斐のある相手、ということになるはずだ。
…また、撃ち甲斐なんて言葉が思い浮かぶな。
「彼」に影響を受けるなんてのは、避けたいところだ。]
…。
美味い。
見えないものを見ろというのは、剣の教えにも妖術の教えにもありましょう。
目隠しによりアサシンを襲わないという他にも剣の修行になるという!なんという一石二鳥!
なによりかっこいいではござらぬか!!
[黙ってマスターとキャスターの会話を聞いていたが、ふと、小さな声で話し始めた。]
……カードに関しては、当然フェアに公開し合うのが良いと思いますわ。つまり、出す情報量はフィフティ。
これは、先ほども話しましたが情報交換が同盟のメインになれば、私には全くメリットの無い話ですから。
それよりも、当面の敵を減らす事が、私の求める最大のメリットなのですわ。
相手がバーサーカーである点については、ヴァイナさんの懸念は最もですわね。私はバーサーカーよりも素早く動けますし、気配遮断で彼の攻撃を避ける事も可能でしょうけれど……キャスターとバーサーカーでは、共闘の相性は確かに良くないのかもしれませんわ。
……ヴァイナさん、三者同盟は止めておきますか?
その場合、私とバーサーカーの所が同盟を組むとすれば、その条件に"キャスターに当面手出しはしない事"を付け加える事も、可能ですが。
[烈火の如く怒り出し、久子は去っていった。弾かれた手をそのままに、噴水の前で立ち尽くす。]
……その考えこそが。
[ランサーの声は、噴水の音に紛れ、消えた。……単独行動スキルのないランサーが、自身のマスターへ刃を向ける事はない。]
では、駅前につく頃にはちょうどいい時間になってるでしょうから、行きましょうか。
[シャルロットとキャスターへ視線を投げると、歩き出した]
んー…本音を言えば組む相手としては不安材料のほうが多いのは確かだなぁ。
[マリアの言葉に、頬を掻きながら応える。]
ただ…共同戦線じゃなく停戦協定ならばアリかな…?
条件によっては向こうが情報を欲しがっているなら多少与えるのもアリだと俺は思うよ。
たとえば…此方を攻撃しようとした場合"令呪"を使用する…って条件とかな。
[そう言って、キャスターは2人とともに歩き始めた。]
……ねぇ、ところで、
あなたは聖杯を手に入れたら何を願うの?
わたしの願いは今はないって教えたけど
あなたの願いは聞いてなかったから。
……与えられる「実り」に何か願う気持ちはどんなものなの。
教えて。
[リチャードを真剣に*見つめた。*]
[二人の言葉を聴きながら、駅前へと歩き出す。確かに、相手の素性もわからない以上、簡単に同盟を結べるのか疑問は残る。素性がわからない、というのならそれはキャスターたちに対しても同じで、けれど結果結んだ同盟に関してはその判断は正しかったと自負する]
停戦協定、ですか。
私もその事については少し考えました。
ただ、どうするにしても、相手次第ですね。
[しばらく歩くと、人通りが多くなってきて、駅が近くなってきたことを窺わせた]
……。
[全サーヴァントを聖杯に捧げる事。
久子が仮に、全令呪を使用してしまえば、ランサーは現界出来なくなってしまう。…否、久子は、それよりも令呪を使用し、滅びを止めようとするだろうか?サーヴァントをサーヴァント(奴隷)として使うだろうか。
的確な令呪であれば、自身の行動を強制されてしまう。
久子がこの先取る行動。他のマスターと何らかの策をとろうとするだろうか?
どの方法をとるにしろ、久子が次に行動を起こすまで―――]
[ケネスは宗冬の言葉を無視して、無言で目隠しを取ろうとしたが、見えないはずなのに素早く反応してそれを取らせない。]
なんという、無駄な情熱……
あーもういいよ!行くぞ!
あちこちぶつかれば、そんな馬鹿なことすぐ止めるだろ!
[そう思っていたが、意外と器用に宝具を杖代わりにして、ゆっくりではあるが駅までたどり着く事が出来た。]
……もしかして、何かそう言う才能があるのかね……奴には。
[激しく無駄ではあるが、少し感心した。]
−駅前−
[ようやく駅が見える辺りまで来ると、辺りを見回し、ケネスと柳生の姿を探す]
……早く、来てしまったのでしょうか。
[よく見れば、人ごみにまぎれて、二人の男が並んで建っていた。目隠しをしていることには疑問符を浮かべ]
あちらにいるようです。
キャスターはどうしますか? こちらに留まるなら、それでも。
[振り返り、キャスターを見る]
戦闘の情報に僕の聖杯を求める理由か…。
あぐあぐ。
ずずっ。
[食べながら、喋る。
この人も、少しは色々と興味を持ってくれるようになった…ということなのかもしれない。
うん。
一歩前進。
…と考えておこう。]
マスター。先方が、何故私たちと同盟を組みたいのか、それを私は知りたい。
[駅前に着くと、ソフィーがケネスに話しかける前にそう、耳打ちをした。]
そうだなー、少し離れて見守る事にするか。
突然2人のサーヴァントが現れちゃ話せるものも話せなくなるかもしれないし。
[キャスターはそう言ってその場で立ち止まった。]
[教会に向かう途中でサーヴァントの魔力を感じる。
まだ成すことは見えない、でも、一人でも多くの者に自分の知っている事実を伝えなければと感じていた。
魔力の放出を抑えることなく真っ直ぐに気配に接近していく。]
ランサーも私を失うのは困るはず。いざとなったら令呪もある…
この気配はキャスター…
[視界にキャスターらしき影が入ると叫ぶ。]
戦闘する気はないわ!!情報を提供しにきたの!!
[腕の令呪が反応し、マスターがいることを知らせる。振り向くと、はじめて見る少女だったが、マスターであることがわかった]
キャスター、彼女のほうをお願いします。貴方に向かって話しかけているようですから。
[そう伝えて、自分はケネスのほうへと向かった]
[ソフィー達にそう伝えその場から少し離れた時、後ろから声をかけられる。
聞き覚えのある声、振り返るとそこにいたのはランサーのマスターだった。]
いや、俺も別に女に攻撃する気はないけど。
[軽くい調子で答えようとするが、相手の尋常じゃない様子に真剣な表情に戻る。]
…どうかしたのか?
― 南ブロック・噴水→商店街方面 ―
[駅前、そして噴水のある中央ブロックから移動をし、歩いている。ウィンドウに映るランサーの姿は、上は黒いセーター、スラックス、革靴、と黒一色だ。
ショートボアコートは、久子のテントに置いてきている。丁度、背中に銃弾が貫通した穴があったからだ。洗いはしたものの、薄っすらと血のにじみは残ってしまっていた。]
[静かに、ソフィーの傍を離れないようバーサーカー達の居る場所まで歩いていった。
気配遮断は行っていない。
宗冬からは、彼女がサーヴァントである事がすぐに判るだろう。]
[ケネスのほうへと歩み寄り、軽く会釈をする]
遅れました。立ち話もなんですので、お茶でもいかがでしょうか。
[言って、近くのカフェテラスを指した。キャスターのいる場所からも見え、また人目に着くので戦闘も避けやすい場所に思えた]
−商店街−
[強い魔力が駅前のほうに集中している。
興味を持ち移動を考えたが、その視界に飛び込んできたのは独り歩くランサーの姿だった。
ランサーに背中越しに声をかける]
ランサー、マスターはどうした。
おう、わざわざすまねぇな。そうしようか。
[ソフィーの隣に目をやり]
あんたは……
まあ、願ってもねぇ事だ。
後ろの目隠しは気にしないでくれ、まあ、戦意は無いって事さ。
[そう言うとカフェテラスに向かった。]
――「沖田敬一郎」
……否。
[ぴたりと足が止まる。背後に気配を感じながら]
彼女は、受け入れられなかった。
[ランサーの視界、目の前の道に後ろに居る男の影が映る。]
[近づいてから気づく、相手が沖田敬一郎というあの男に組するサーヴァントである可能性に気づく。
どこまで話すべきか…
相手の様子を伺いながら切り出す。]
あなた聖杯の管理者を名乗る沖田敬一郎という男を知っている?
[特に反応におかしなところはなようだ…]
彼は管理者なのに令呪を持ち…世界の滅亡を望んでいる…
信じる信じないはあなたの自由、とにかく彼には気をつけなさい。
[考えなしに飛び込んだ自分の行動に後悔しながら*その場を後にした*]
ごきげんよう、その節は、どうも。
[柔らかな微笑をケネスへと向けた。今日は新聞は手にしていない。
その後ろに控えるサーヴァントの様子を見、なるほど……と小さく呟いた。
そのまま、ソフィーの後へ続いて*テラスへ*]
答えろ、ランサー。
お前のマスター、久子は何処にいる?
[マスターまで懐柔するのが目的だったのだが、この状況を見ると仲違いしたのかもしれない。薄々そう考えていた]
ハァ…?
[相手の突然の言葉にそんな声が漏れる。]
世界の滅亡?
なんだそりゃ……っておい!?
[詳しく聞こうとした途端、走り去っていくランサーのマスター。
追いかけようとも思うが、アサシン達の事もあって動きが止まる。
その間に、既にランサーのマスターの姿は見えなくなっていた。]
なんだっていうんだ…一体。
[宗冬は席に座るとすぐさま店員を呼びつけ、酒を注文した。店員の何かいいそうな気配を察知すると鞘から刀の刃を見せ黙らせる。宗冬は置いてあった新聞を読む振りを*始めた。*]
[カフェテラスへと入り、飲み物を注文してキャスターから見えやすい場所を選んで腰を下ろす。確かに、目隠しをしたままの柳生のことは気になったが、意識外に押しやると、ケネスのほうを見た]
まず、本題に入る前に、どうして協力体制を私たちに持ちかけたのか、お話願えないでしょうか。
バーサーカーはその特性上、共闘しづらいサーヴァントかと思います。情報が少ない、と焦るお気持ちはわかるつもりです。
けれど、「協力体制を持ちかける」というのは同時に自分たちの手の内を見せるようなものだと思うのですが……。
それとも、ケネスさんとすれば、マスターならどなたでも良かったのでしょうか?
[運ばれてきたアイスティーを口に運びながら、ケネスの返事を*待った*]
・・・・・・大分予定が狂ったな。
マスターが同意して戦闘を続けなければ、いずれ令呪で地名的な場面を迎えるとは思うが・・・・・・ 仕方ない。
そろそろ仕掛けるぞ、ランサー。
お前から見て、どのクラスと接触がし易い?
多勢無勢は好きじゃない。各個撃破で行く。
― 朝 自宅 ―
う…。
[ 布団の中で、苦しげに声を挙げる。寝汗がひどい。無意識に身をよじる。が、未だ夢から覚めはしない。]
………も、、、。
[ 息が荒い。歯を食いしばる。幾度かの寝返りの後、飛び起きるようにして――。]
モンテスキュー?!
[ 目を、覚ます。]
…なんだ、夢か。
――アド・エデムよ。
もう決めているのだろう?
[振り返らず、ランサーは言葉を紡ぐ。]
ぼくから、"約束"という同盟を破棄は出来ないが。
――狙うはライダー。少女騎兵だ。
[声は、冷たい焔。]
って、ライダーいない?!
[ 気配は感じられなかった。寝ているからかとも思ったが、部屋を覗いてみれば空っぽだった。]
ああもう、今日は昨日の放送の成果を確認しに行くといったのにいったいどこに!
なんだ、なんであんなにも愚かなんだ?
[ 思い返せば「好きにしろ」としかいわれていないのだが、護衛として連れて行く気満々だった久仁彦からすればあまりの展開。憤りをあらわにしながらも、とにかく出掛ける準備をはじめた。]
・・・・・・ 分かった。そうしよう。
ただ一つ注意すべき点は、マスターだ。
ランサーとライダーが戦闘を開始した後に、マスターに令呪を使われてランサーの行動が束縛されると一気に形勢が逆転しかねない。
俺がサポートする。
あとは、ランサー単独のほうが動き易いだろう。戦闘になったら駆けつける。
ああもういいよ。独りで行ってくるから!
そうだよ僕がやってこればいいんだろう。馬鹿にして馬鹿にして馬鹿にして。どっちが馬鹿だどっちが愚かだ。マスターを蔑ろにするサーヴァントなんて前代未聞だろう。どういうことだよ誰が責任をとるんだ。
[ 悪態をつきまくりながら、車に乗り込みキーをひねる。ブレーキとクラッチから足を離せばベタ踏みのアクセルが猛烈な勢いでタイヤを回転させた。
ギュキャキャキャキャキャキャキャ…
激しいスリップ音を発しながら、アルファスパイダーは久仁彦を乗せて駐車場を*飛び出していった*]
・・・・・・
[未だに問題は残っているが、それ程の弊害も無いだろう。
どうやら他のクラスは先ほどの気配からするに同盟話で固まっているようだし、ライダーが単独で行動しているなら始末するには都合が良い。
その同盟が、一体誰に対してなのか。相手はこのランサーとセイバーなのだと理解しての事だろうか。
その思考をめぐらせ苦笑した。既に同盟を組んだとしても遅い。残るは絶望のみだというのに]
では、後は頼んだぞ。
[勝負の主導権をランサーに托し、*街の状況確認に戻った*]
[それは] [滅びを] [肯定する] [英霊の笑み]
セイバー。心配せず往くがいい。
[カウンターガーディアン] [救いであり] [滅亡の使者]
[遠ざかる姿] [空を仰ぎ] [彼は一筋*涙*する]
― 午前 公園 ―
なんだあれちょっと待てよおかしくないか。木の配置とか変わってないか僕の見間違いなのかなんなんだ?
[ なにやら公園の様子に違和感を覚えながら茂みをがさがさ。なんだか自分がビデオカメラを設置した場所が判らない。これはぜんたいどういうことだ。]
おっかしいなあ。なんだよなんで公園まで僕を馬鹿にしているのか?
それとも公園在住のいたいけな一般パンピーが拾っていったとでもいうのかよどうなんだ。
[ ぶつくさ文句を言い続け、半ば諦め気味に公園広場脇のゴミ箱を見れば。]
ああああああああっ?!
[ 何かの流れ弾でボロボロに砕け散った姿で捨てられている複数の*ビデオカメラが*]
(なるほどねぇ……生真面目なタイプだな。)
[言葉を切ったソフィーを見てケネスは感心する。ちらりと脇を見て、このマスターにしてこのサーヴァントありか?と思った。]
そうだなー……情報が無くて焦る気持もあったんだが、状況ってのもあったかもな。
例えば昨日ああ言う状況ではなくて、教会の前でなく、人通りも無かったなら、俺はどうしてたか解らない。
そして、たぶんあの状況であんたをどうにかしようとしても、自分で言ってる通り、逃げ仰せる事もできただろう?
そうなるとまた、何も無い状態に逆戻りって訳だ。
少なくとも俺はそれをせず、あんたのクラスを知り、サーヴァントを見ることが出来た。
それだけで既に進展さ。
声をかけた時は、あんたが何のマスターでも良かった。
[そう言ってから手を前に出し]
ああ、いや、勘違いしないでくれ。
声をかけた時はそんな思いだったが、あんたがアサシンと知ってから、少なくとも俺はこの話に乗り気だ。
うちのサーヴァントの特性上、セイバーやランサーだとちょっとな、という感じだしな。
相手を油断させ、一撃離脱のアサシンとなら戦闘のスタイルがかぶってなくて、共闘は成り立つと考えている。
俺も、初めから何もかも考えているわけじゃないのさ。
ただそちらとは違い、かなり出たとこ勝負の男だ。
もっと言うとリスクに対する怖れが薄い。
だから、サーヴァント臭プンプンの部屋に住んでるし、家に来たサーヴァントの後をつけたりもする。
[そう言ってちらりとシャルロットの顔を見る。
反応から察するに気づいていた様子だ。
ぶっ殺されなくて良かった、とケネスは心の底から思った。]
……まあ、危険は覚悟だが、今の俺が明日在るとも限らねぇんだしな。
あんたらは俺の見たとこ、正反対な性格だと思うんだが、違うかい?
[ケネスの言葉を聞き、しばらく考え込んでいる。そして顔を上げた]
わかりました。確かに、アサシンとバーサーカーならば共闘はうまくいくでしょう。
……お聞きしたいのですが。
バーサーカーはその特性上、戦闘に入れば回りが見えなくなるように思います。
それを、ケネスさんの方でコントロール可能ですか?
アサシンならば気配を立つことが可能ですから、避けることは出来るでしょう。
ですが、私はそうはいきません。
ある程度の運動能力は持っていますが、さすがに英霊と比べられれは赤子のような動きかと思います。。
[ケネスがチラリと視線を送るたび、シャルロットは穏やかな微笑を湛えてその場のやり取りを眺めていた。]
お話し振りからは、共闘を視野に入れたお話しという事が判りましたわ。戦闘スタイルについては、連携を取れば充分効率の良い戦闘も可能と私も思ってます。
……ただ、マスターが幾ら乗り気だとしても、当のサーヴァントがその様子では。
あの。
不躾ですが、貴方が女性と積極的に接触している事に、妬かれているのではないですか。
[目隠しをして、いじいじとしている宗冬をじっと眺めた。]
[ソフィーの言葉に]
基本的にこいつはサーヴァントの気配を追う。
その場に俺がいれば止められる。
アサシンがいるなら、あんたを守って逃げられるだろう。
と、なると問題は、あんたとうちのサーヴァントが2人きりという状況の場合か。
この場合だけは、責任はもてないと言うしかない。
だから、共闘はこの状態だけは避けると言う物になるだろう。
まあ、元より共闘と言うのはそう言う状態はあまり想定していないんだよな。
俺達は「鉄砲玉」でいいのよ。
あんた達が、その用心深さやリスク考慮から行けないような場所に打ち込んでもらう弾って奴。
そこにサーヴァントとマスターがいれば良い。
どんな奴か、詳しく知れてりゃなお良いさ。
まあ、俺のリスク考慮の甘さにも限度って者があるから、あまり過大な要求は考えさせてもらうけどな。
[それから、シャルロットの方を見て]
な、なんだそりゃ?!俺たちそんな風に見られてたの?!
なんで女ってこう、そう言うのが好きなんだろうねー
[ケネスは嘆息する。]
俺だって、サーヴァントじゃなきゃこんな奴と暮らしたかねぇよ!!
何?あんたらは百合なの?違うだろ?
そう言う事さ。
[魔女の館を出る。
なんとかして老人をぎゃふんと言わせたかった。
そのために連絡先のわかる協力者が欲しかったが、それも叶わなかった。]
うーん、どうしましょう……。
[考えながら歩いていると、いつの間にか足は勤務先へと向かっていた。]
……鉄砲玉。
[ソフィーと相手マスターとの会話を聞きながら、目を丸くする。
この男は、己の呼んだサーヴァントの特性を理解し過ぎるほど理解している。だが、その余りの捨て身振りには目を見張るものがあり過ぎる。ソフィーが目の前の男を"ケネス"と呼んで居るのに倣った。]
ケネスさん。腹芸は止めて単刀直入にお伺いしますが。
私たちを試していらっしゃいますか?
[そして、そのまま目を隠したままの宗冬に視線を戻し]
バーサーカー。貴方はこの同盟話に本当に乗り気なのですか?
―Date:3 午前・樹那病院付近―
[ふわふわウサギポーチは腰で跳ねるのに、表情は酷く暗い]
……。
[とぼとぼ、という表現がふさわしい足取りは地図を手に界隈を歩き病院方面へ来ている。
広い敷地を探して。
しかし予想外にその人口密度は高く、戦いには向かぬと諦めて。
エントランスにクレープのワゴンを見つけ、ふらふらとそちらへ。
甘いかおりに引き寄せられるように]
[病院の前まで来ると、地図を持ってとぼとぼと歩く少年が目に付く。
気になって声をかけるために近付いた。]
ぼうや、どうしたの?迷子?
[少年の視線の先にあるワゴンに気付く。]
……お腹がすいてるの?
試しているのは果たしてどちらか。
刀を抜いたのは何の為か。
目隠しをしては新聞は見えないが、目隠しをしても外にサーヴァントが居るのは見える。
さっき一緒に居たろう。これは何の真似だろうな。
鉄砲玉、ですか。
ケネスさんの意思はわかりました。
[ちらり、と柳生の方に視線を移し]
アサシンと同じように、私も疑問なのですが、彼は、バーサーカーはどう思ってらっしゃるのでしょう?
…。
[ワゴンのメニュー表はきらきらとしていて、きれいで、かわいらしくて、どれも美味しそうで。
迷って、それから少しだけ淋しくなった。
ぼうや、と声を駆けられると声の主のほうを見て、それから少しだけむっとして]
…ぼうやじゃない。迷子でもない。
[しかしどう見ても迷子のぼうやだ]
…いや、気になったから覗いてみた、だけで。
[確かに食べようとは何となくおもっていたけれど、と何故そんなことを聞くのかとばかりに首をかしげた]
[ケネスはシャルロットの目を見て感情を理解する。]
「理解できない」って顔だな。そりゃ。
試してる気持なんて毛頭無いつもりなんだが……まあ、正反対だからそんな弊害も出ちまうか。
俺には俺の都合と考え方ってのがあるのさ。
あるいはサーヴァントがバーサーカーでなければ、違う立ち回りもあったんだろうがな……。
[そこで宗冬の言葉を聞き]
外にサーヴァントか……他に組んでる奴がいるって事かな?
[ケネスは2人にそう問う。]
[同性愛説を盛大否定したケネスの様子に、再び驚いたが、まあこちらも百合かと問われれば成る程、言いたい事は判るような気がしないでもなくない。
やっと口を開いた宗冬の言葉を聞いて、フ、と吐息を零す。]
……バーサーカー。貴方の真意を教えて下さい。貴方はマスターと同じように思っておいでですか?
鉄砲玉として使え、と言われておいそれとそれを信用出来ると思いますか?
今の交渉はいわばこちらに有利なだけの、捨て駒立候補なのですわ。幾ら情報を得ようとも、こちらの捨て駒にされては結果的に目指すものは掴めない。一番貴方方が得たい情報が、私には計りかねるのです。
隠すつもりもありませんのでお話しますと、私たちには既に同盟を汲んで居るサーヴァントが居ます。かといって、今共謀して貴方方を罠に嵌めようとしているので無い事は、理解しておいて下さい。
[むっとして答える少年に胸がときめく。]
か、可愛い……。
……いえ、ダメよ美貴、そっちに走っちゃダメ……。
[自制心を保つべく深呼吸をする。
――が、首を傾げる少年のしぐさにあっけなく敗れた。]
ああん、でも可愛いっ!!
[我慢できずに少年を抱きしめた。]
捨て駒立候補ねぇ……こっちとしちゃ一番自分がやり易い形を選んでるだけなんだがな。
「捨て駒にされたら」って結果論だろ?
「あんたをつけて捻り殺されたら」ってのと同じさ。
……俺にとって目指す者が掴めないってのはな!
今日と同じ明日、明日と同じ明後日が続く事なんだ!
それを避けるにはどうする?
それには情報が必要だろうが!
何だって良い!何だってだ!!
安全に生きてりゃ生が保障される、あんたらにはわからんだろうがな!!
[つい、声を荒げて立ち上がる。周りの客がこちらに目をやった。]
[声を荒げる真を見て冷静に宗冬は話す。]
そもそも情報など私は必要のないものよ。あって器用に戦えるクラスでもなし。
だが別に鉄砲玉でも構いはしない。アサシンに戦力としてなど期待してはいないってことよ。
それだけかそれだけか。後は真殿の好きになさるが良かろう。
[そう言うと宗冬は口を*接ぐんだ。*]
[なにやら怪しげな気配にどこかの英霊だろうかと首を捻るがそうこう判断して拒否する余裕は英霊にはなかった。
なぜなら女に抱擁という名の拘束を受けたからである]
……む?!
[離せとかそういうことを言う前にすでに自分の顔は女の豊かな胸に埋まり、呼吸は兎も角ものを言える状況になかった。
きっとそれは、男、たとえば老魔導師であればさぞかし私服のときであったに違いないけれど、今の英霊にとっては自分を瀕死に追いやる武器でしかない]
[いきなり立ち上がったケネスの剣幕に、そのまま彼を見上げた。
男が座ると、一呼吸おいて口を開く。]
ケネスさんのご意向は、よく伝わりました。
私としては、裏切られるというリスクを双方に背負わないというのが、第一条件です。それは飲めますか?
[そこまで言うと、宗冬の言葉を聞いて軽く溜息をつく]
第二条件は、サーヴァント同士の意思疎通です。バーサーカーが気に染まないのであれば共闘も成立しません。マスター同士の情報交換のみの条件は当然受け入れられませんから。
こちらが情報を与えた後、そちらのサーヴァントに力押しで私が殺されるリスクがあるうちは、同盟には気乗りがしないのは判って頂けますわね。
第三条件は、先ほども申し上げました、当方と同盟関係のサーヴァントとの兼ね合いです。三者間で同盟を組むか、それとも両者停戦協定に留めるのか、そのサーヴァントも交えて考えたいと思ってます。
それについての、そちらの考えをお聞かせ願えますか?
は、離せ、おい!
[もぐもぐと声がくぐもってしまうのは自分の責任ではない。
女が”ないすばでぃー”だからいけないのだ。
クレープではないけれどほんのり甘くてよい香りがするのは化粧品の香りだろうか?
そんなことを僅かに頭の端を掠めたがそれよりも今は彼女の拘束から逃げることに対して必死になるべきであった。
だから小さな英霊は必死に暴れた。
子犬がよく吠えるかのような必死さがあった]
おい、女!
お前、聞いてるのか?!
おい、いいかげんにしろ───!
[じたばた]
主。マンゴークレープを5個ほどもらおう。
[ライダーが、キャスターのマスターに抱きしめられ、あわや窒息死せんとなっている直ぐ傍で、ランサーはワゴンの店員に呼びかけた。]
…。
[久子から渡されたお金を勝手に使って良いのかと迷ったが、迷ったのだが、迷った末、ランサーはマンゴーに負けた。
簡単に出来た1個目を受け取る。]
ありがとうございます。
[口にしたマンゴークレープは名前に偽りありであった。煮詰めたソースは、芳醇な味わいが足りず、砂糖を遠慮なしに入れたような味わいであり、ランサーは注文を取り消した。]
すまないが、やはり後2個にして欲しい。
[口にクレープを運びながら、騒がしい女性2人を見た。]
[ようやく解放されたときは軽い酸欠ゆえにくらくらと感じるめまいに思わず足元が覚束なかったものの、幾許もなく英霊は女をにらみつけた]
…何のつもりだ、貴様────?
[僅かな表情の変化。
冬の窓硝子に触れたときのような気配を感じる。
ゆるりと女に流れ込む、冷たい水のような”力”の気配。
これは───]
(────こいつ、魔術師…?)
[じぃ、と視線を向ける。
その瞳、いまだ険しく]
安全とは、一体どのようなことなのでしょうね。
魔術師というものは、普通の方と比べて命を狙われやすい。だから、自分の住処にはそうと悟られないよう結界を張ります。
聖杯戦争ならなおのこと。
いつ、他のマスターやサーヴァントに命を狙われるのかわかりません。
私たちが、安全に身を置いていると思うなら、ケネスさんは本当に情報が足りないのでしょう。
安全ではないからこそ、私たちは情報を集め、生き抜くために少しでも有利に働くよう、行動している、それだけです。
私たちも、生など補償されてないのです。この世界に生きる以上。
最も。
[一拍置いて、無表情のまま口にする]
私は「生」きることを奪われたとしても、それはそれで受け入れるまでですが。
もちろん、死ねといわれて死ぬわけではありません。ただ、いつその時が来ようとも、回避できないのならば受け入れる、ということです。
[ふ、と気がつくと甘いを通り越し甘ったるい香り。
それは、先日槍兵の主が遣した変わった味のブラマンジェの上に載っていた果物に似ていて、視線が香りのほうへと向かう]
……なんで、ここに。
[先日とは違う装いの槍兵がなんともがっかりしたような表情でそこにいた。
手には、クレープ。思わず、凝視]
(やれやれ、まさか俺が興奮して宗冬が冷静に応対とはな……)
[顔を伏せたケネスは自重気味に唇を吊り上げる。
気を取り直すと、シャルロットに顔を上げ]
第一条件は問題ねぇよ。
第二条件はまあ、よく言っとく。ただ目隠しってのはこいつなりの押さえる努力らしいので、認めてやってくれ。
これでも、生活には不自由しないみたいだから、問題は無いと思う。
……まあ、「切られる危惧」は良く解るよ。
第三条件は……
[ケネスはそこまで言って考える。共闘者を多くして倒すべき敵が見つからなくなっても、また困るからだ。]
(だがまあ、まだ4人いるか……ここで蹴っても始まるまい。)
そちらの第3者の好きにしてもらって良いぜ。
― 樹那川 ―
、、、、、、。
[ 土手にごろりと寝そべり、久仁彦はぼうっと流れる雲を眺めていた。
時折、顔を上げては周りに誰かいないかを確認してみる。不思議と、誰も通らない。]
なんなんだろうね、本当に。
[ 人が通らないことを、なぜに残念がる自分が居るのか。公園で壊れたビデオカメラを見つけた後になにをしようか考えてみれば、不思議とこの川原に来たくなった。
しかしなぜここに来たかったのか、ここに来てなにをしたかったのか、そして、なぜ人が来るのをやたらと気にするのか。
久仁彦はその理由が判らなかった。昨日出会ったアサシンの魅了により深層心理の一部が支配されているのだが、久仁彦はそれに気付いていない。]
ま、いいか。とにかくライダーを捜さなきゃだね。
[ 立ち上がると、久仁彦は土手の上に停めていた車に戻っていった。]
ご、ごめんなさい、……あまりにも可愛いから、つい……。
[抱擁から解放して少年に頭を下げる。]
【……困ったわ。
あんまり可愛いからつい抱きしめちゃったけど、さすがに大人としてどうかと思うわよ。】
[頭を上げ、少年の視線に「うっ」と呻いたりしつつ思案する。
そして一つの手段を思いついた。]
そ、そうだ!
驚かせちゃったお詫びに、お姉さんがクレープを奢ってあげるわっ!!
さ、行きましょう!!!
[ワゴンを指差し、少年を誘った。
続けてワゴンの方を振り返る。]
……あ、あなたは……っ!?
[小麦粉で作った薄い皮を破ると、中からは生クリームとマンゴーソースが飛び出てくる。だが、双方共に甘いだけとは。互いを引き立て合うものではなく、砂糖地獄スパイラル。評価はD相当だ。]
(酸っぱいのが好みだ)
[どうやらランサーの好みはうるさいらしい。
ライダーの視線がおかしい事に気づく。
もぐり。もぐもぐ。ごっくん。]
……。
[ワゴンから追加の2個が渡された。そのうちの1個を、ライダーに差し出してみた。]
[宗冬を指差し]
こいつはバーサーカーとでも呼んで貰えればいいさ。
[そこでソフィーの言葉を聞き]
気に障ったかい?まあ、悪かったよ。
そりゃ、あんたらにはあんたらの努力って物があるよな。
しかし、その若さで随分と悟りきってるじゃないか。
まるで菩薩様みたいだぜ。
あんたが聖杯で願い事とか、あんまりピンと来ないよな。
まあ、大きなお世話か。
[そうつぶやくと紅茶を飲む。]
[ケネスの言葉を聞くと、ソフィーを見た。]
……どうしますかマスター。
私としては、バーサーカーが私たち及び同盟を組んで居るサーヴァントのチームを傷つけることがあったら、その時点で同盟の話は終り、という条件が追加出来るのなら、反対はしませんが。
[そう言うと、何気なく駅前の人通りを眺めた。]
…!
[知らない人から、食べ物をもらっていってもついていってはいけません。
幼稚園の子供でも知っている言葉、けれど今の騎兵にその言葉ほど意味のないものはないように思えた]
…そ、そういうことなら、奢ってもらわれてやってもいい。
[けれど、槍兵を凝視する瞳が差し出されたクレープに注がれる]
…?…何のつもりだ。
[条件をのむケネスに対し、微笑む。ぎこちない、笑み]
では、あちらのサーヴァントにお話を伺って参りましょうか。こちらに呼ぶ、事も考えましたが、あちらが顔を見られたくない、ということも考えられますので。
[そう言ってシャルロットへと目配せした。ケネスの呟きには特に気にした風もなく]
悟る、というのは違うと思います。そもそも私は人として欠陥がありますから。菩薩と言うよりも思考するロボット、なのでしょう。
[願いは未だ見つけられず、口にはしなかった]
[ランサーに微笑まれ、つられて微笑を返す。]
……お友達なの?
[無言でクレープを差し出す様子からそう推理して、二人を交互に見た。]
[シャルロットの言葉に頷き]
通常結ぶような同盟とは訳が違いますから、マリアの納得できる条件で構わないと思います。
私はそこまで条件を付けなお、反対を掲げるくらいならもとより話を持ち帰りはしません。
後は、彼でしょうね。
[ゆっくりキャスターがいる方向へと視線を向けた]
― 駅前 ―
うーん。帰ってきている様子はなさそうだな。
[ 迷惑にも、駅前ロータリーに車を停めたまま軽く歩き回る。付近にライダーらしき気配はない。]
どーこにいったのかね。
[ 心当たりが皆無というのは本当に厄介だ。苛立ちを隠そうと腕時計を見やる。
自分が起きた時間からでもそれなりに経っていた。ライダーが出掛けてどれだけの時間が過ぎたことだろうか?]
…今頃は腹でも空かせてんじゃないかね、あいつ。
クレープを欲しそうな顔で見つめていたので、食べたいのだと思ったのだが。
[そうか。と、ライダーに差し出したクレープを戻そうとする]
……マスター。
キャスターとの相談は任せます。失礼。
[ふと、駅前の雑踏に先日の男マスターの姿を見つける。
丁寧な動作で立ち上がり、バーサーカーとそのマスターに会釈をすると一瞬で気配を遮断しそのまま雑踏へと消えていった。]
…まぁ、それなりに。
[女の言葉を濁すようにしながら、クレープを引き戻そうとした手を見る]
…与えられるのならもらう。
貴方が食べるのなら、貴方が食べればいい。
…俺は、こちらが[といってちらりと女を見て]どうしても奢りたいというから奢らせてやるつもりなのだけど。
[バーサーカーの前でマスターを置き去りにしてもキャスターのバックアップがある。そう判断して、そのまま雑踏の中に佇む男に近寄った。]
ごきげんよう、約束通りまた会いましたね。
[シャルロットが雑踏に消えたのを見送り、ケネスの方を見た]
仕方がありませんね、私が彼と相談して参ります。少々、お待ち下さい。
[告げて立ち上がり、カフェテラスから出ていくと、キャスターの元へと向かった]
…否。友達ではない。
貴方には以前は失礼なことをしましたね。
[キャスターのマスターに柔らかに答える。ランサーの事を既に忘却してるかも?なんて気づきもせず、侘びを言った。]
今から奢られるところだったか。
分かった。このクレープはぼくが食べる。
[きっぱり言い切ると、お金を支払い、
ランサーは2人にワゴンへの道をあけた。]
今日は、貴方に話したい事があって来た。
[2個目のクレープを食べ始めながら、ライダーへ。]
…え?
あ、ああ。君は昨日の。
[ と、そこまで口にしたところで久仁彦は自分の顔にかあ、と血が昇ってくることに気がついた。
それは、試しにやった抵抗判定がピンゾロなほどに話し掛けてきた女性に目を奪われてしまったためか。]
あ、あれ。ええと… なにか用かい?
[ 必死に体裁を取り繕い、右手で顔を隠すようにしてようやくそれだけの言葉を口にした。]
[シャルロットの言葉に]
……まあ、別にかまわんぜ。そんな目にあったら信用も出来ないだろうからな。
[ケネスはソフィーの口から出た、マリアと言う名を認識する。
去り行くシャルロットとソフィーを見ながら「まあ、真名じゃ無いんだろうが……」と思いつつ、宗冬を見る。]
一瞬、フラれるかと思ったんだが、上手くまとまったな。
[そう言うと窓に映る自分の姿を見た。]
……ここでは少し、人目が気になります。
[通り行く若い男性達が、チラチラとこちらに視線を寄越している。]
良ければ、少し歩きながらお話ししませんか?
[このマスターたちの拠点が教会付近であるならば、なるべく遠ざかっておきたい。東に向かって歩き始める。]
単刀直入にお伺いします。
貴方、聖杯戦争に関係されてますね?
……。
[ちらりとクレープへ見せるのは未練。
けれど、自分に話があると聞けばその表情僅かに翳り、それから浮かび槍兵へと向けられるは毅然とした表情]
…何か。
あ、え、……どう、いたしまして……?
[忘れている。
道を譲られて、少年の手を取ってワゴンに向かった。]
さ、好きなのを選んでちょうだい。
2個でも3個でも、好きなだけ食べていいわよ。
…うん。
[ちらりと視線が槍兵のほうを向かったが、女に手を取られればクレープワゴンに引きずられる]
…じゃあ、これ。
[メニューを指差す。
生イチゴとホイップがたっぷりのスペシャルカスタード+チョコクレープ。
がっつり甘そう]
じゃあ、これとこれをくださいな。
[少年が指差したものとは別に梅納豆クレープも注文して、やがて両手に手渡されたクレープを少年に差し出した。
満面の笑顔。]
はい、どうぞ。
遠慮はいらないわよ。
[ケネスは手元の伝票を見ながら思う。]
……実は食い逃げされてるとか、ないよな?
何か状況が状況だけに、くだらない考えが……
[それでもどの道、呼び出した自分が持つはずだったので構わない。
とりあえずケネスはショートケーキを、*2つ頼む事にした。*]
[ 驚いた。
とにかく凄く驚いた。
女性不信であるはずの自分が思わずときめいてしまいほどの美人にデートに誘われた(超解釈)だけでも驚きだったのだが、歩き始めたところで切り出された言葉はあまりに意外なものだった。
浮かれかけていた自分が嫌になる。そうだよやはり僕に話し掛けてくる女はみんな裏があるに決まっているんだ。]
てことは、あんたもマスターってことかい?
[ 努めて平静を装い、質問に対して質問で答えた。]
…。
[じ、っとみているとやがて女は代金を受け渡し、クレープを受け取る。
明らかに英霊の瞳は真っ赤なイチゴと白いクリームのコントラストに釘付けだった]
…あ、ありがとう。
[もうひとつのほうからはなにやら不穏な気配を感じたため、礼とともに自分が頼んだほうのクレープを受け取った。
頂きます、と小さく呟いてかぷっと勢いよく一口]
…。
[唇が、へにゃんと笑みにゆがむ。
甘酸っぱいイチゴ、甘ぁいチョコレートとクリーム、こってりカスタード。
小麦独特の甘みも広がって、そして今日も鼻の頭にクリーム]
ええ、そうです。
私もこの戦争で、サーヴァントを召還したマスターですわ。
……でも、私の召還したサーヴァントは酷く弱くて、実は、困って居るのです。
[そこで立ち止まって言葉を切り、じっと久仁彦を見つめた。]
私はどうせ、この戦争を生き残れません。この絶望から早く逃れたい。
……ねえ、一思いに私を殺して下さらない?
[ランサーは3個目のクレープを食べながら、キャスターのマスターが差し出した、もう片方のクレープを凝視した。何故だろう。あのクレープは、この世に在ってはならないような気がしてならない。]
遠慮しなくていいのに……。
[一つしか取らない少年の奥ゆかしさにときめきつつ、梅納豆クレープをぱくり。
梅の酸味と納豆の芳醇な香りがホイップクリームの甘さと絡んで絶妙なハーモニーを奏でる。]
ん、おいしいねー。
[そう言って少年の方に振り返った。]
――――――ッ!
か、可愛いっ!!!
[衝動を抑えきれず、再び少年に抱き付いた。]
してない。
[むしろ、遠慮したい気配が自分が選ばなかったそのクレープから感じられて取らなかったのだが。
まさか槍兵まで同じ気配を感じていたなんてそんなことは知る由もない]
…うん、うま────!!
[クレープをぺろりと半分平らげたところで再び女の奇襲を食らい、騎兵、ピンチ。
暴れれば早いが、暴れると残り半分のクレープが手の中できちんと残っている保証がないからだ]
あ、アタシったらまた……。
[「ごめんねー」と言いながら解放して、取り出したハンカチで少年の顔についたクリームを拭き取る。]
それにしても、お持ち帰りしたくなる可愛さだわ……。
マリアちゃんとは違った魅力よね。
……あなた、変な大人に気をつけるのよ?
…その言葉、そっくりアンタだ。
[変な大人、とじとり睨む。
クリームをふき取るハンカチがくすぐったくて少しだけ不満そうな顔をしたあと、やっぱりぺろりと残りのクレープは胃に消えていった。
少し考えるような顔をしたあと、英霊は女に頭を下げた]
…ごちそうさま、でした。
[顔を上げると、ちらりと槍兵のほうへ視線を向ける]
……で?用件を聞こうか。
[ 予想外の展開です。
浮かれてしまった悲しみに涙ぐむ心を必死で抑え、目の前の人物がどう動くのかと油断なく身構えてみたらなんだって、いまこの女性はなんといった。
…殺して?]
いやいやいや待て待て待った待つんだ待ちたまえ。
なにがどうしてそうなったんだ一から十まで説明しなさい。
いやそれよりも戦意を喪失したのなら教会の管理者のところにいってその旨を伝えれば保護してもらえるはずだろう?
[ 混乱した頭のまま、一気にまくしたてたり。]
[――放物線を描いて、屑籠にくしゃりと丸めた包み紙が飛んでいく。]
同盟を破棄したい。
[軽快な音を立て、塵が捨てられた。]
[ピンクの可愛らしい包み紙が丸められ、綺麗な軌跡を描いて冬の冷たい空気とともにゴミ箱へと落ちていく]
……ふぅん。
…もともと、俺には関係のない話だ。
貴公の主と、うちの腰抜けの会話の中で決まったんだだろう?
俺と貴公は、もともと敵だったはずだ。
今更…破棄も何もあるまい。
[じゃり、と足元。
デッキシューズが礫を踏む音に混じってコートのベンツのあたりで揺れる懐剣の重みと僅かな音を確認する]
どういたしまして。
[にっこりと微笑む。
続く少年の視線の先には、先ほどのインド人。
友人関係を問うた際、片方は言葉を濁し、片方は否定した。
なにやら不穏な空気を感じる。
二人の間の景色が揺らいで見えた。
そんな二人のやり取りを眺めながら、梅納豆クレープをぱくり。]
[目の前で慌てふためく男。随分とお人よしなのだろうかと少し動揺したが、そのまま言葉を続けた。]
いえ、教会はダメですわ。
私は実は、由緒ある家柄を背負った魔術師なのです。ギブアップをしたなどとあっては末代までの恥。そんな事をすれば、お父様がどんなにお怒りになる事か……。ですから、私は討たれて死なねばならないのです。お判りになって。
女に手を掛けるのが躊躇われると言うのならば、正当防衛をなさればいいですわ!
[そう言うや、シャルロットの右手には水の揺らめきを纏った美麗なナイフが現れる。そのまま、目の前の男の首筋にナイフの刃を当てようと右手を伸ばす……。]
私のマスターが結んだ事とは言え、約束は約束だ。
あまり驚いてはいないようだな。
先に悟ったか。
[ランサーはぬばたまの髪をかきあげた。]
[アレから残された言葉の奥にあるものを考えつつも、アサシン達の会話を聞いていた。
まぁ、途中までは会話の方は聞き流していたようなものだったが…ある一言が聞こえてからは、キャスターは思いっきり不機嫌になっていた。
あまりの不機嫌オーラに周りの人たちが危機感を感じ取り心なしか避けられてさえいる。
そして、自分に近づいてきたソフィーに口を開いた。]
なぁ、アイツらココで倒してもいいか?
[キャスターの所までいくと、着くなり告げられた言葉にわずかに目を見開く]
何か、不都合でもありましたか?
彼らは彼らなりに必死なのだろうとは思いますが。
[宥める風でもなく問いかける]
悟る?
…いいや。知ったからだ。
貴公の纏う"世界の闇"の力を。
[きろりと。
硬質の光帯びた瞳が槍兵を睨む。
ちらり、と。
クレープを奢ってくれた女を見る]
…ご馳走様。美味しかった、ありがとう。
[その瞳は微かに訴える。
早く、できるだけ遠くへ逃げるように]
…だってあの野郎、マリアちゃんを戦力にならねぇとか言いやがった。
そんな奴、しかも男なんかと俺は仲良くできねーな。
[あの一言を聞いた瞬間、どれだけ水の刃を飛ばしてやろうと思ったか。]
そもそも、同盟相手を戦力と見ないなんて言う奴と手なんか組めるか?
[何かを訴えるような少年の視線。
大気の濃度が高まったような緊張感が周囲を覆う。]
なんだか取り込み中みたいね。
アタシ、お邪魔かしら……。
それじゃ、アタシは行くから。
またどこかで会えたらいいねー。
[少年達に手を振り、その場を後にした。
向かう先は中央ブロック。]
…否定はしない。
闇があるから光は輝き、光があるから闇は暗く沈む。
[白いマフラーが、ぶわり強く吹いた風に煽られ]
…何故。
何故、貴方なんだ。
……どうして…。
[白い手袋、手の内に握りこんで、強く強く]
……。
[雑踏のざわめきが遠く聞こえる中、ぱたぱたと足音が去ってゆく。双眸を開く。]
私はどう足掻いても、大いなるものの意志の代行者。
反対に問おう。
どうやって、知ったのかを。
[キャスターの言葉を聞き、なるほど、と相槌を打つ]
戦力、にも色々あります。バーサーカーの言葉は純粋に戦えるかどうか、背中を預けて戦えるかを指しているのかとも思いましたが。
マスターの考えは違うようですし、少しお静まり下さい。回りの方が引いていますから。
[今度は若干諭すように告げた]
…もし、あえたらな。
[去り行く女のこえ、微かに分かれ告げる声は小さく]
神に祈り捧げ、神を慕う者の声無き声によって。
……体無き声と、神が俺に授けた声によって。
[それは、スキル表記するならこう表現される。
───"霊視:A"]
[ 由緒ある家柄――。
そんな言葉が熱を帯びていた久仁彦の脳を一気に冷ました。冷ややかになる眼差しに、嘲笑うような色が映える。
そして首へと突き出された刃を右手で掴み。]
知らないよ、そんなユイショとかイエガラとかハジだなんてものは。
君の事情なんか僕には関係ない。死にたければどこかのサーヴァントに戦いを挑めばいい。
[ じわりと、右手から切っ先へと血が滲む。]
[男の表情の変化に狼狽した。
軟派をされていた時、助けに入った時、そして先ほどとは、明らかに目の色が変わっている。
こちらを、見下して来る射るような視線に、シャルロットの唇の端も上がった。]
私のようなか弱い女1人を殺す事も出来ないのですか……?
い く じ な し
[水の短剣の切っ先に、男の血液が吸い込まれていく。わざと挑発するように、単語を区切って発音しながら右手を振り払う。]
そりゃもちろん、得手不得手はあるけどなー。
それでも、これから共に戦おうって相手に言う言葉じゃない。
同盟って言うのは危ういバランスの上に立つ砂の塔みたいなもんだ。
ちょっとした事からでも、容易く崩壊しちまう。
それを解ってて言ってるのか解らずに言ってるのかは知らねーけど、少なくともああいう言葉をあの場で平気で言える奴に俺は"信用"も"信頼"もできないね。
[腕を組んで吼えるキャスター。
最初と比べ少し冷静になってはいるが、印象的には確実に奈落の底へと行ってしまっている。]
[双眸が細められた。足を踏み出す。]
貴方は、何かを感じとっていた……その力があったが故か。
……なら、私が言った通りに、先ず真っ先に「沖田敬一郎」を殺すべきだったんだ。
[歩み。]
何故、貴方は動かなかった!
今ある生を、守ろうとは思わなかったのか。
滅んでも、
かまわないと…………思っていたのか。
[ランサーは怒っているようだった。]
[ 右手から鮮血が飛び散る。ざっくりと斬れた痛みに一瞬顔をしかめるも。]
カヨワイとかイクジとかホイクジョとか全然関係ないね。君が逃げるためのツケを僕に払わせるなといっているんだ。
大体、死にたがる意味が判らないね。
それがどんな結末になるのか、それを自分で確認できない自殺になんの価値があるってんだい。全く愚かだね。
それともユイショ正しいイエガラのお人は、自分の死後さえ見えるのかい?
[ ずけずけと、思ったことをまるごとぶつける。目の前の人物が、既に死したるサーヴァントであるとも知らずに。]
[じりと踏み出した相手をまっすぐに見返す。
その怒っている顔に怯えることなく、小さな英霊は両の足で対峙する]
…理由もなく、己の目ですべてを確かめることなく刃を向けるのは卑怯者のすることだ。
俺は、そういうのは、嫌いだ。
だから、自分の目ですべてを確かめる。
滅びるのも、滅ぼすのも御免だ。
裏切るのも裏切られるのも、疑うのも疑われるのも全部───!!
[強く叫んだ言葉は、コンクリートの谷の中で響いた]
そう、ですか。
[シャルロットでもなければ、この御仁の説得は難しいだろう、と考え]
では、停戦協定を結んでこようかと思います。少なくとも、マスターの方は信じて良いように思います。バーサーカーのことは抑えられる、と仰っていましたが、ともすれば無駄にあちらの令呪を使うことになるでしょう。
こちらとしてはその方が都合良いでしょうが、余り好むところではありません。
バーサーカー達の戦いに手は出さない。彼らにも手を出させない、これを三者で結ぶのはいかがでしょうか。
人の命を代償としても、その先にあるのが"正義"であるならば、神の御心に沿うのならば……。
[強い語気の男に対峙し、シャルロットの口調も僅かに強まる。]
死には、相当の価値が存在するのですわ!
[刹那、およそ人とは思えぬ速度で久仁彦との間合いを詰め、背後に回りこむと手にした水の短剣を首筋に当てがった。]
さあ……楽園へ還りなさい!!
[そのまま、ナイフに力を込め……。]
そうだとも。
だから何故だ!
…否。
既に言っても仕方がないこと。
[ランサーは怒りを抑え込んだ。その力で「沖田敬一郎」を知ることをすれば、と思わなくはなかったが、言うのを止める。]
ならばライダーよ!
その身を聖杯にくべるが良い!
私と戦え!
[ライダーの声に重なるように、ランサーの声も響いた。]
停戦協定…。
[それならば令呪を使用しなければならない状況になりうるバーサーカーの方が不利になる可能性が高い。
それに、制御の難度では全クラス1のバーサーカーに対して令呪を使わせる状況を多くできるというのは確かに悪くないだろう。]
うん、それならいいか。
…それが聖杯戦争だというのなら。
俺はその戦い、自らの意思で勝ち遂げ──?!
[言い切ろうとした声が、微かによどむ]
…あの、馬鹿……!!
[令呪を通して感じる血の気配に舌打ちひとつ]
…今すぐ叶えてやりたいところだが、邪魔が入ったらしい。
その首洗って、待てばいい。
[そう告げれば白い手袋投げつけて、*主の下へ身を翻す*]
[主に危機が迫ったのだろう。尋常ではない速度で駆けてゆくライダー。白い手袋を受け取る。]
互いに。
…出来れば、貴方をこの手で殺したくはなかった。
ラクシュマナに似ている貴方を。
[常に共に行動していた弟。二人で一人と言われる程、互いに理解し合っていた弟を思う。性別と性質こそ違えど、気性の激しさはよく似ている。]
……ここで逃す道理はない。
[ランサーは、ライダーの後を*追う。*]
[ あまりの動きに、驚く事さえできなかった。]
さっきといっている事が反対じゃないか…と、そうか。
[ はた、と気付く。]
君はマスターじゃなくてサーヴァントなんだな。これは一杯も二杯も喰わされたもんだ。
[ 天を仰ぎ、だるそげに両手を上げ“お手上げ”のポーズ。]
やられたよ、この状況じゃ殺されるしかない。
…せめて最後に君の真名でも教えてくれないか。どこの英雄に殺されたのか、知る権利くらい欲しいもんだ。
[ ただの時間稼ぎ。右手の令呪には、急ぎやってくるものの気配がありありと感じてとれていた――。]
[――殺害しようとした……その瞬間急激な速度で向かってくるサーヴァントの気配を察知し、久仁彦から手を離すと大きく後ろへ跳び退いた。一秒違いで男の前に現れたのは、先日の小柄な英霊の姿だった。]
ごきげんよう、マスターが寂しがっておいででしたわよ?
[久仁彦の言葉は耳に入っていた。しかしそれに対し返答をするか否かを考えるゆとりすら、その男のサーヴァントは与えてはくれない。
瞬時に詰められる間合い、右手の水の短剣を仕舞い、代わりにシャルロットの手に握られたのは、短剣程の大きさの十字架-クロス-
主を護るためライダーから繰り出された剣の軌道を、ひたすら受け流すだけの攻防戦。速さが同じ2人のサーヴァント。ならば傍目に明らかに、戦闘能力に差がありありと生じている。]
(こちらには今、傍にマスターが居ない……!)
[チラリと久仁彦の姿を目視する。]
[キャスターの返事を受けて急ぎカフェテラスへと戻る]
遅くなりました。
結果を申すならば、「彼」はあなた方を信用することが出来ない、と。
そちらのバーサーカーの発言がお気に召さないようでした。
それで……。
停戦協定、というのはいかがでしょうか。
こちらはそちらの戦いに手を出さない、そしてそちらも同様に、です。
[椅子に座り、ケネスをじっと見た]
[頼んだコーヒーゼリーが来た所でソフィーが戻って来た。]
お気に召さないか……無理もねぇ、俺だってお気に召さないしな。
その気持は良く解るぜ。
戦いに手を出さないか、まあいいさ。元々支援できるようなタイプでも無い。
それで、手を出しちゃ行けない相手はアサシンと誰なんだい?
[そう言ってソフィーの答えを待つ。]
うん?待てよ、この停戦協定に情報のやり取りはありうるのかい?そこは聞いとかないとな。
もちろん強制でなく任意でって事だが。
話したくないのを、無理に聞き出すつもりは無いしな。
相手、ですか。そうですね、わからなければ手を出してしまうかもしれません。
[一瞬迷い]
もう一組はキャスターです。
お爺さんですから、わかると思います。
情報のやりとりについては、有利不利に働かないような範囲でならいかがでしょうか。
[わずかに、魔術回路を流れる魔力が、シャルロットへとより多く流れるのを感じ]
……マリアが、何者かと戦ってるようですね。
[外を見た]
お爺さんでキャスターか……まあ、マスター共々一度会わせて貰ったほうがいいかもな。
マスターとサーヴァントが別に行動していたら、こちらは解らないし。
情報のやり取りに関しては、出来ると聞けりゃ充分だ。
……何だと?どこだ……?
[ケネスは外を見て探し始め――]
手を出さないんだったな……
[そう言って両手を挙げる。今、宗冬に近接戦闘をさせたら、すべてが台無しになる可能性が在る。
その場を見たい気持をケネスは抑えた。]
それじゃ、キャスターのマスターには、早いうちに会わせてくれや。
会って確認するまでは、俺はマスターには手を出さないよ。
[ケネスは伝票を取ると、宗冬を連れて立ち上がった。]
おっと、そうだ。俺の聞きたい事がひとつあったんだ。
セイバーのマスター情報だ。
もし何か知ってたら教えてくれや。
方法に問題ありだけどよ、この前、良い勝負してたからな。1番勝てそうな相手ではある気がするんだよ。
こっちはある飛び道具を使うサーヴァントと一戦やってて、真名に関わりありそうな技も見た。
その情報と引き換えってのはどうだい。
シャルロットと相談してからでも構わないぜ。
じゃあな。
[ケネスはそう言うと、会計を済ませて店を出て行った。]
[目視すると、久仁彦はその場に固まっていた。持久戦はひたすら、相手の攻撃を凌いで交わすだけのものだった。
余所見をした刹那食らった一撃でシャルロットはそのまま、久仁彦の方へと弾き飛ばされた。]
(……戦況は不利か。)
[地面に靴底の擦れる音を立て、何とか倒れるのを堪えると、すかさず気配遮断を行いそのまま戦線離脱を試みる。
久仁彦の横を通り抜ける刹那、小声で敵のマスターに囁いた。]
残念ですが一時お別れです。
貴方を殺そうとした女の名は……古い貴族の家柄の娘シャルロット・コルデ
[そう言って憂いを秘めた視線を投げかけ、一瞬の後に追いつかんとするサーヴァントの攻撃を交わすとそのまま、駅前の雑踏へと紛れ込んで*姿を消した*]
[ケネスとバーサーカーを見送り、自分も席を立つと、店を出る。
雑踏の中をシャルロットへと流れる魔力を頼りに*探しはじめた*]
−川原付近−
[アンリ・マユを吸収し獲得したのは魔力だけではない。その知識と能力もまた彼のものになっている。
その中で、今回の聖杯戦争におけるキーをキャスターと判断した。
但し彼とうかつに水気の多い場所で戦闘するのは全く持って得策ではない。
万全を期すため、川原付近の偵察をし現在キャスターがどういう布陣かを見定める事にした]
‐西ブロック移動中‐
[あれからバーサーカー達との会話を聞き終わると、キャスターは西へ向かって移動を始めた。
どうしても、あのランサーのマスターの言葉が気になる。
何とか詳しく話を聞こうと、彼女が走っていった方向へと足を向けた。]
こっちの方に来たと思ったんだがな…。
・・・・・・
[一つ予想外の事がある。
キャスターといえば陣地の作成が要となる。こと今回のキャスターは水の有無でかなりの戦力差になる。ならばこの陣地はまさに難攻不落の居城にならなければならない。
だが、ここには何の変哲も無い、あえて言えば隠しても隠し切れない戦場跡がうっすらと残るだけの何の変哲も無い川原だった]
よほど自身があるのか、それとも単に陣地作成が苦手なのか。
[どちらかを考える必然性は無い。今はただ、実際に陣地が存在しない事の方が問題だ。
他に何かないかと、キャスターがいない事もあり川原で確認を始める]
‐西ブロック・川原付近‐
くっそ、みつからねぇ。
こういう時こそ、マスターの令呪の反応が欲しいのにな…。
[まぁ、自分が置いて出てきたのだから仕方がない。
それでも居てほしい時に居ないマスターに軽く文句を言う。]
ん?
サーヴァントの気配……?
[そんな時、僅かに感じる魔力。
それは、紛れもなくサーヴァントの物だった。]
・・・・・・
[明らかにサーヴァントの魔力。
こういうものを感じる限り、自分が正統な人間という生物ではなく反英雄の魂を持っているのだな、と実感する。
だが、予想するにキャスターが戻ってきたのだろう。
場所が悪い、そう感じた]
やり合う、か。
[このアド・エデムの手元に戻った限り斬撃皇帝は無制限の武器では無くなった。その力は本来のものに戻ったが、その分大きな”代償”を支払う事をよく知っている。戦闘回数は出来るだけ避けたいからこそランサーを手ごまとして扱っているのだ]
とは言っても、キャスター戦はどちらにしても避けて通れる物ではないだろうが。
[少なくとも、キャスターがここに来るなら接触する覚悟をした]
[魔力はより川原の近い方から感じられる。
ゆっくりと近づき、目標を視界に捕らえた時…
そこに映ったのは
まだ見ぬサーヴァントの姿だった。]
[おかしい。
既に自分は他の六騎のサーヴァントを確認している。
・セイバー
・アサシン
・バーサーカー
・ランサー
確定はしていないが、確実にそうであろうアーチャー。
最後に、川原でランサーと共にいたサーヴァント…恐らくライダー。
ならば、目の前に居る男は一体何だというのか。
八騎目のサーヴァント…そんな物ありえない。]
おい…答えろ。
一体お前、何のクラスのサーヴァントだ。
残念ながら、俺は。
セイバーのマスターだ。
[襟を開き、その胸元の3画の痣を見せる]
話は聞いているよ、キャスター。うちのセイバーは君の事をいたく評価していた。一度会いたいと思っていたんだ。
マスター…だと?
[反論しようとするが、令呪を見て口を閉じる。
確かにあれは令呪だ、間違いない。
だがなんだ…この悪寒は。
人間ではありえない魔力と存在感は。]
だったら、なんでサーヴァント同士の共鳴が起こる?
お前も感じているんだろう?この共鳴を。
何の事かな、俺にはわからん。
ただ俺は挨拶をしに来ただけだ。
セイバーはキャスター、君と決着をつける事無く去った。楽しみにしていたのだろうが残念だったな。
セイバーが去った…?
本当なら有難いんだろうけどなぁ。
……それこそ、一番信じられないね。
[魔力を開放し、推し量れぬ目の前の相手を睨む。]
冗談は止めにしないか。
あの俺様野郎がそう簡単にくたばるタマかよ。
成る程、俺の予想通り君は随分セイバーに御執心だったようだな。
だが、残念ながらセイバーが去ったのは事実だ。
[右の掌を開いたままキャスターのほうへ差し出す。その上には剣種が静かに収まっていた]
だとすると、君はこの状況をどう推測するかな。
[冷静かつ淡々と言葉を続ける]
男に執着する趣味はないんだけどな。
…っ、それは…。
[目の前の男の手にあるもの、それは紛れもなくセイバーが使っていた宝具。
宝具とは英霊のシンボルであり切り札、それをたとえマスターといえども他人に渡す事などまず有り得ない。
あのセイバーの性格や言葉を考えればなおさらだ。]
なんでお前がそれを持っている…?
[そこで、一つの答えに行き着く。
それは有り得る筈の無い答え、考える事すら馬鹿馬鹿しい。
だが…なぜそれが"正解"だと思ってしまったのだろうか。]
お前…自分のサーヴァントの力を取り込んだのか?
その割には、中々敏感じゃないか。
取り込んだ、か。そういう言い方もあるかもしれないな。
[淡々と言葉を続ける]
だが勘違いして貰っては困る。あんな聖杯にこびりついていた魔力の残りカスがサーヴァントなどとんだ勘違いだ。
俺にとっては栄養分みたいなものだ。最初からそのつもりで召喚した。
そんな残りカスといい戦いを繰り広げたのかもしれないが、徒労に終わったな。
ほー…?
[相手の挑発にコメカミがピクリと動く。
明らかに此方を見下している発言。
思わず攻撃しそうになるが、まだ聞くことがある。]
お前がどれほどの物か知らないが…それだけの口を叩けば対したもんだなぁ。
[そう、何故か直感が告げている。
コイツこそが…ランサーのマスターが言った人物ではないのかと。]
それで、それも全て世界の滅亡とやらの為ってか?
そうだ。
[その発言に躊躇いは無かった]
ガイアは近い将来死ぬ。だが人と亜麗百種は環境に対応しながらも2000年以上繁栄し続け、枯れた大地をさらに搾取し続ける。
英霊のお前に聞く。お前にとって平和とは何だ?
この大地を食い散らかす人間が繁栄する事か?
それとも、この大地が生きるために人間が滅びる事か?
だからこそ俺は今ここにいる。カウンターガーディアンにして反英雄のこの俺が。
ハッ、くだらねぇ!
[相手の言葉を聞いて、馬鹿馬鹿しくて笑ってしまった。]
なんだ、結局は"なんで俺が死ぬのにお前ら楽しそうに暮らしてるんだ"って嫉妬してるだけだろうが。
それで世界を滅ぼすだ?ヒステリーも良い所だ。
答えてやるよ…平和ってのはな。
昨日を懐かしさを語り、
明日の楽しみに思いを馳せ
そして今を笑って過ごす。
それさえ出来れば上等だ。
少なくとも…他人が力でどうこうするものじゃねぇ!
[叫びと同時に川から無数の水の刃が出現する。
それらは等間隔でキャスターの周りに浮かぶと、その切っ先全てを目の前の男へと向けた。]
・・・・・・
神殺し
”斬撃皇帝”
[一瞬にして生成された刃は、アンリ・マユが生成していた片刃のものとは全く異なる形状であり、柄側にも刀身の約半分ほどの刃が生成された両刃剣であった。
アンリ・マユが生成した剣ほどのサイズには成らなかったが、それでも圧倒的な存在感を放つその異形の剣は、一瞬にして全てのキャスターから放たれた水刃に対して光速の突きを打ち込み、霧散させた]
それはエゴでしか無いな、英霊。
1を助け多を犠牲にするのと同じだ。
[同時に、大地に振動が起こる。
川の形が変形していく。いや、正確にいえば地形にヒビが入り”陥没”していく。
大地を食らいその剣の威力を保つ。まさにそれは人間の愚考を象徴するような悪魔の剣。それが斬撃皇帝の真の姿。
視界内に数十メートルの断層が現れ、川は。
既に原形を留めていなかった]
チッ…!
[得意とする場が崩れ去る。
幸運だったのは、自分が位置していた場所が川上に位置していた事か。
後方にはまだ水がある。だが―― ]
【そんなんじゃどうしようもねぇ…な。】
[その程度で有利に動く相手じゃないだろう。
正直、明らかに前のセイバー以上だ。
相手の言葉が真実ならば、相手の力は世界の意思そのもの。
ならば…こちらも"世界"を出すしか対抗する手段は無い。]
威張って三下の悪党の台詞みてぇな物掲げてるんじゃねぇよ……!
[だが、それになぜか抵抗を感じた。
俺が使うと誓った相手は"セイバー"であって"コイツ"じゃない…!]
クソッ…なにしてやがんだよ『セイバー』!!!
この世全ての悪なんて大仰な名前しやがって、
こんな野郎に吸収されてんじゃねぇ!
俺との勝負…するんだろうが!
[心の底から叫ぶ。
こんな詰まらない奴に、勝負に水を差させるのか。
お前はその程度の"悪"なのかと。]
悪、か。
俺にしてみれば、セイバーだったあいつも肯定すべき一つの存在の可能性でしかない。
もしあいつが全ての人類を飲み込むほどの意思であったとしても、ガイアにとってはそれは粛清でしかなかっただろう。
ならば、人間は勝手にあいつを悪と罵っているだけだ。この世界における尊厳ある意思ではなく、ただの破滅衝動の象徴でしか無い。
・・・・・・ 悪いが、一度抜いたからにはこれ以上大地を侵食するのは不本意だ。生前のように”大陸を二つに裂くほどの底の見えぬ大断層”を作るわけにはいかないんでな。
次の一撃で終わらせる。
[構えは一撃必殺の平正眼。次に放たれるのは必然的に・・・・・・
光速の三段突。]
!?
[割れた大地から、まるでキャスターとセイバーを分かつように火柱が立ち上がる]
・・・・・・ 小物め、カスはカスか。
[それが誰の所業か理解し、内なる敵までも相手にするには不利と踏んだ]
無駄に剣を行使してしまったか。
[火柱は次第に弱まっていくが、セイバーは既に下がろうとしていた]
[己に迫る三筋の閃光。
それは確実にキャスターの体を突き貫く物。
だがそれは…見覚えのある炎の壁によって防がれた。]
……遅いんだよ、出てくるのが。
[誰の炎かなど解りきっている。
だが、それに対して告げる言葉が感謝ではなく文句なのは仕方の無い事だろう。]
借りが出来たな……セイバー。
この借り、必ず返すからな!
[その言葉を残し、キャスターはその場から離脱した。]
[視界からキャスターが消えたのを確認し、剣を種に戻した。
断層は、戻らない]
次はないぞ。お前もだ。
[自分の中の何かに警告し、もうすぐ始まるであろう戦いの*補助に向かう*]
―朝、「魔女の館」―
[会話を続ける。]
そうだなぁ、まずは、戦闘か。
えーと、昨日戦った仮・ランサーは素早かったね。
とにかく、速いってのが印象に残ってる。
あと、何か特殊な防御手段を持っていた可能性がある。
ただ、それを破る特殊な攻撃手段は、「彼」にはないよ。
もちろん、僕にもね。
…。
[ほとんど有益な情報がない。
…とりあえず、ケーキを食べ終える。]
「彼」には、元々迂回とか警戒とか守りとか、さらに言えば後先とか、そういう発想はないから、その辺は大した問題じゃない。
「彼」は接近して戦うのを好むから当たるように撃つだろうし、防がれたら、その差を撃ち破るだけの数の弾丸を撃ち込めばすむことだと考えるだろう…。
いや、その、君には悪いと思うけど、それは僕がやることじゃなくて、そして、「彼」の戦闘スタイルだから、変えようがないと言うか、しょうがないんだよ。
あんまり彼に直接怒るのは止めてくれよ。
[あたふたと手を動かしながら、言い訳をする。]
…ま、「彼」がそういう奴だから、僕が今ここでこうしているってのもあるんだけど。
【システムメッセージ】
○4日目吊り襲撃投票がまだの方は、19日3:00の更新までにGMへ投票を済ませてください。(ライダーTも対象です)
【システムメッセージ終了】
あとはやっぱり、笑ってたのが、印象深いな。
ただ、「彼」のような積極的な戦い方じゃなかった。
伏線を張りながらじっくり戦うタイプなのかもね。
近くにマスターがいたんじゃないかと思うけど、そっちを守るよりはこっちへの攻撃に気が向いていたかな。
それは、「彼」が半ば奇襲のように攻撃したことに原因があるかもしれないけどね。
頭に血が上ってたのかもなー…。
マスターに同盟を持ちかけ、他には仕掛けず帰ったのなら、やっぱり理性が先立ってもよさそうだと思うんだよな。
[息をつく。
いやぁ、詳しい条件を聞いていないから分からない面もあるが、同盟の話が事実なら勿体無い話だよなぁ。
奇襲するにしたってもっといいやり方があっただろうし、折角奇襲をしたのなら勝ってもらわないと困る。]
…しかし、なんだな。
結構覚えてるもんだなぁ。
いやぁ、「彼」って意外と色々見てるんだな。
−Date:3 黄昏前:噴水−
[燃えるように赤い空]
[誰もいない夕暮れの公園]
[対峙する、二つの影]
…吾は騎兵。
幾千の騎馬、幾億の戦車を操る、至上の御者。
[コートを脱ぎ捨て、白いセーターと白いシャツ。
腰の裏には皮ベルトで吊るされた懐剣。
スラリ、引き抜いて]
吾の前、立ちふさがるものはすべて───薙ぎ倒す…!
[そのまま走り出す。
疾駆する細く小さな体はいつ風に煽られてもおかしくないほどだったのにそれこそ文字どおり風のような速さで槍兵へと肉薄する]
−『魔女の館』−
……。
食べながらしゃべらないでちょうだい。
行儀悪いわよ。
[ケーキがなくなったのをみて、
お茶のおかわりを注ぎ、
プラムとミントのゼリーを差し出す。]
……ふぅん。
役に立つような立たないような話ね。
― battle field:噴水 ―
[黄昏]
[世界を支配するは朱色]
[伸びる影は長く]
[普段の気だるい気配の中、違和のある二者]
[殺意]
[対照的。黒いセーターから始まり、黒一色の装い。]
[白刃。夕闇に照らされ、血に見えても良かっただろうに、その輝きは、朝日を反射するように、清い。]
来るがいい。ライダーよ。
嘗て携えた武器はなけれど、この身は武器を選ばず!
[ランサーの一撃をあえて、
致命的にならぬ箇所に、 受ける。]
さすが、アーチャーだな。
うんうん。
[一人でうなづき、茶とゼリーに手を伸ばす。
まずは新たに注がれた茶をすする。]
ずずっ…
あちっ!
[またやった。
…。僕って…。こ、懲りないなぁ…。]
ついでに、最初に戦った刀の男のことも思い出しておこうかな…。
[情報が整理されれば、「彼」だって少しは気にするかもしれないじゃないか。
…という、限りなくゼロに近い望み。]
えーと…。
[高く上に飛び上がることはなく、ぐんと近づいてまずはその初撃は二の腕を切りつける程度。
本人としても当てる場所はぎりぎりまで迷ったような気配が若干あった。
速さは同じ、斬りつける刃を受け止める様子に相手の能力値は日中嗾けてきた暗殺女とそれほど変わらないように思える。
いくらか間合いを計りながら次の撃のために刃を煌かせる。
狙うは傷をつけた二の腕と反対側の腕]
[あ、駄目だ、よく思い出せない。
あの時は「彼」も久々で大興奮だったしな…。
いや、昨日もあまり変わらなかった気はするが…。]
とにかく、一撃が重かったな。
浴びた攻撃の回数は多くなく、「彼」も急所を外すだけの動きはしていたけど、治療にはえらく時間を要した。
あとは、あのサーヴァントも、楽しそうだったなー。
攻撃はあっちからだったっけ。
結構「彼」と似ているのかもしれない。
それと、マスターにも攻撃能力があったみたいだったな。
大した威力ではなかったけど…。
[ま、ま、まぁ。
そのくらいか。
こっちのが役に立たないかも…。
とりあえず、ゼリーをぱくつく。]
うん。
んまい。
…。
[少し、黙る。]
あとは、聖杯を求める理由、か…。
それは、
[「彼」には、知られたくないな。
「彼」には、酷な望みだ。
「彼」も、薄々感づいては、いるようなのだが。
…自分の尻拭いでも、ある。]
生き残れば…勝てば、分かると思うよ。
それじゃ、駄目かな?
大した、願いじゃない。
小さなことだ。
でも、それが積み重なれば、違う歴史も、あったかもしれない。
これで…
[ぱた] [ぱた] [ぱた]
[血が地面に吸い込まれる]
[ぱた] [ぱた] [ぱた]
……同盟は破棄された。
[傷つけられた二の腕の傷を見、槍を具現化させた。先程までの無抵抗な様子は既にない。
背程もある槍の柄を、トン、と地面に叩きつけた。]
来い、ライダーよ。
貴方がどこの英霊であろうが、
本気を出さねば、私は殺せん!!!
[一喝し、瞬時、肉薄。そのリーチを生かし、少女の胸元向けて鋭く一撃を突き出した。]
思い出しても仕方がないと思うけど。
だって、また会ったとして
あの人突っ込んでいって
刀と接近戦をしちゃうだけでしょう?
……わたしも正直あのときのことよく覚えてないし。
魔力使われすぎでね。
結局サーヴァントってみんな戦うのが楽しいものみたいだ。
ということ以外、情報はないに等しいんじゃない?
[使えないわね、と小さく呟く。
そして続く理由を語る言葉は
とても曖昧なものだったが露葉は素直に頷いた。]
ふぅん。
よくわからないけど。
……それは聖杯でなければ叶わないことなのね。
…。
[ちょっと傷付く。
いや、自分を無能と散々言ってきたのは自分なのだが。
だが、特に返す言葉も思い浮かばない。
ゼリーを口に運ぶ。]
…まぁ。
誰も、過去を変えることはできない。
過去へ遡ることも。
でも、聖杯はそれを、あるいはそれに似たことを実現できる。
それだけのことだけどね。
[*「僕」にとっては。*]
………くっ…!
[具現化された槍に小さく舌打ち、胸を貫こうとするその穂先はすんででしゃがんだ事で胸ではなく肩先をいくらか抉る。
ギリと歯軋りひとつ、白いセーターもシャツも次第にじわと赤に染まれり]
…どこの、だって?そんなに聞きたきゃ、教えてやる……!
[具現化された槍に敬意を示すかのように懐剣の握りを持ち直せばその剣すらりと伸びて現れる突剣]
…我名はジャンヌ。
(オルレアンの聖少女)
La Pucelle Jehanne D`Arc……!
[先ほどより間合いの伸びた突剣、フルール・ド・リスの飾られた手で握り]
俺の本気を望むなら、自らが本気になればいい!
[槍の間合い、逆に大きくうちに踏み込んで繰り出される人にあらざると思わせるような速さの突撃、大きく斬り付けにかかる]
― 噴水 ―
ああもう、いったいなんだっていうんだよこれはっ
[ 二人のサーヴァントが交錯する。その光景を少し離れた場所から見ながら久仁彦は声を荒げる。
自分を殺そうとしたサーヴァント――シャルロット・コルデと名乗った女――をライダーが追い払った。そこまではいい。
その後、そのシャルロット・コルデという名前がどこの誰なのかを考え込んでいる間にライダーが突然戦い始めたのだ。相手は、非戦協定を結んでいたはずのランサー。
なにが起こっているのか、理解できない。]
ええい、先に手を出したのはどっちなんだよ。もしかしてライダー、協定のことちゃんと判ってなかったのか?! てか、向こうのマスターはどこでなにやってんだよ。
[ 戦闘に巻き込まれないようにしつつ、協定を結んだ相手の姿を*捜した*]
[刹那。ランサーの体は、地面すれすれに四つんばいに近い格好に低められた。
ランサーの体が回転する。槍も同様。止めた一撃から、突剣を巻き込むように、上方へ円…螺旋を描きながら、更に突き出される。
一回転した後、反転させた槍の石突でライダーの頭を砕かんとばかり、狙う。]
聖なる乙女……ジャンヌ・ダルク。
[攻撃の合間、ランサーは呟く。剣戟の音を無数に響かせながら、睨みつけた。]
[初撃で傷がついたのは肩。
次の攻撃では頬を掠めた穂先が赤い雫を落とさせる。
暗殺女との戦闘は苦ではなかったもののそれは確かに英霊の体内に疲労を蓄積させていた。
石突の攻撃を横に避けると、英霊は小さく舌打ちをし、後方に大きく下がる]
…負けない。負けて、たまるか…!!
[柄を強く握る手、指輪がかみ合ってギリと鈍い音を立てながら白銀に輝くレイピアで相手の胴を狙う]
くっ――!
[ランサーは距離をとり、双眸を半眼に細めた。柔らかな微笑みは、この場にふさわしいものだったのか?
じわり。黒色で分からないが、胴に血がわずかに滲む。]
勝気な性格だ。
私は、ラーマ・チャンドラ。
古代インドに存在したアヨーディヤ国の王。
だがこの身は、人でありながら神の力を振るうがためだけの器。……それほどまでに望むなら、見せよう。
ジャンヌ。貴方が闇の力と感じた、光の力を。
[双眸は赤く、肌はシャクティ(魔力)で青く。それは、人間とは言いがたい容姿だ。]
……滅びの力を。
…性分だ。
[空を切り裂いた剣振りぬき、そして目の前の男の片言に僅かに目を見張る。
赤は、とても美しい色をしていた。
丁度、そう。薔薇のような深く尊い赤]
────!!
[鋭い突きに抗うように全身は白銀の甲冑を纏う。
がぁん、と重たく腕を麻痺させるには十分な重みを支える力。
響くは白馬の嘶き、手には白き戦槍。
共に百合舞う戦場を駆け抜けた白き馬、その存在がゆえに英霊は騎兵であった]
[――ガァン]
[――ガァン]
[――ガァン]
[ガガァーン]
[何度、その鎧の強度が持つのかを試すように、幾度も槍で攻撃が与えられる。"待つ"という行為を知らないように。間断なく攻撃を続ける。]
[音は、衝撃は、鎧を伝って全身に響く。
防ぐのが精一杯、鎧の強度と戦槍で幾度か防ぎきらなければ、すでに自分など無くなってしまっていただろう。
攻撃を防ぐさなか、唇が揺れる]
フランベルジュ グラドゥアーレ
─── 天 使 わ す 白 百 合 の 細 剣 昇 階 唱
[瞬間、槍が炎を纏う。
揺らめく炎すら、英霊を取り巻く色は────白。
炎は揺らめき、熱を発し、槍兵の攻撃を妨げるように彼の槍すら伝い]
−噴水で戦闘が始まる少し前 河原−
[戦闘の跡。
戦闘の時間は短かったがその河原の河原の惨状たるや凄まじい。
そこで死者が出た形跡はなく。
気付いた戦闘の結果は必ず確認しているが、まだ一体のサーヴァントの消滅も確認できていない。]
…やっぱり信じられないあの男がサーヴァントを失ったなんて話…
[焦げた地面、剣を持った青年のサーヴァントの戦闘を思わせる跡。彼の纏う雰囲気はもっともあの男、沖田敬一郎のサーヴァントの可能性が高いと思えた。
考えたくないが川を穿つ裂け目が最初に見た剣のものなら、その力は恐ろしく膨れ上がっている。]
[ランサーを自分が消滅させてもそれでことが終わる…その確信はもてなかった。]
!!
[体から魔力が抜けていく。
ランサーが戦闘を行っているのだ。
彼が全てのサーヴァントを殺し尽くしたら、彼は人類の滅亡を願うという。]
止めなきゃ。
[戦闘の気配を探し走り出す。]
[宗冬は一人さ迷い手押し車を押していた。ここは何処か。ここではない何処か。目隠しをしている宗冬にはここが何処かは分からない。しかし全ては主の導きにより定まっている。]
寒到来……。
[風が吹いた。宗冬は思わず呟いた。ストーブの石油がなくなっていたことを急に思い出したのだった。]
[槍の一打が、白き少女騎士に触れようとした瞬間、少女を中心として渦巻く炎。清廉な輝き。]
グ ゥ・・・・・・
[白。強い陽光に晒されたように視界が一瞬奪われる。
全身に回る炎。酸素は失われ、肌こそ燃えないものの、高温度の炎によってダメージが蓄積し続ける。
僅かな隙。]
[僅かに生み出された隙を狙わない理由など無かった。
確かにそこに躊躇いはあったけれど───]
はぁぁぁあぁぁぁっ!!
[ぐん、と大きく踏み込んで力の限り白煙とともに男を吹き飛ばさんと槍を振るう。
大きくリーチを開けると騎兵は文字どおり風のように白馬に跨る。
白炎は槍から伝い少女も、馬もすべてがそれに包まれていた]
― 噴水 ―
[戦っている相手がライダーであることに気づく。]
なんで!?ランサーやめなさい!!
[叫んでからから気づく。
彼と自分は敵同士、自分は命令をする立場ではないということを。]
[槍を構え、手綱を引けば英霊は唇を揺らす]
モン・ジョワ
───鐘 響 く 浄 天 国 の 門───
[槍を構え、馬に跨る白い炎の英霊は突撃をかける。
黒服まとう英霊に向かって───]
[暫く駅ビルの前で行き交う人の流れを見ていたが、次第に人通りも少なくなっていき]
……この辺りにはもういないのかも。
[歩き出そうとして、異変に気づく。駅の方でぶつかり合う何か]
まさか。
[ 久仁彦はただ、戦いを見つめていた。
身体中の魔力がぐんぐん消えていく。全てライダーへと流れているのだろう。]
…ふん。まあいいよ。どうせ協定なんて最初からたいした意味はなかったんだし。
[ そんなものは、ハナから反故にする気でいた。視界の隅に、ランサーのマスターが叫ぶ姿を確認して薄ら笑う。
ひときわ大きな魔力の喪失感に戦いへと目を戻せば、ライダーの必殺の攻撃でランサーが吹き飛ぶ姿が見られた。]
よおし、倒してしまえ、ライダー!!
[ 叫びと共に、右手の令呪が輝き画のひとつが消え失せた。]
[右手に持った槍は、揺らぎ、
その身を変貌。
頭側から身を反らし、空中から投擲。
狙った箇所は、ジャンヌと白馬が接する点。
槍の切っ先と石突は視えず、全体の2/5のみが視えていた。]
マスター、むやみに近づいてはなりません。
[ソフィーの斜め前に身を滑らせるように現れると、手で己のマスターを庇う。]
お1人にしていて申し訳ありませんでした。
向こうで、サーヴァントが戦っており危険ですわ。
― 川原 ―
[考え事をしながら川原の近くを通りかかったケネスは、地面に残る異様な痕跡を発見する。]
こりゃ……なんだ?……
[自然についた痕とはとても思えない。]
まさか、地面をこんなにしちまうサーヴァントがいるとか?……
[宗冬の方をちらりと見ようとすると、どこにもいなかった。]
……あ、あれ?速く歩きすぎたか?
参ったな、早く見つけないと……
[ケネスは宗冬を探して*歩き始めた。*]
−『魔女の館』・黄昏−
[リチャードを部屋に引き上げさせてから
ランチにやってきた客の相手をしていた。
いつもどおり多少混んだが、
この時間になってようやく客がいなくなった。]
さて……と。
[ドアに『臨時休業』の札をかける。
自室に戻り、厚手の黒いショールを肩にかけ、
魔除けのポプリをポケットに入れて外出準備を整えてから
彼の部屋のドアをノックした。]
起きてる?
ちょっと出かけてこようと思うのだけど、
いっしょに来てくれない?
[突然目の前に現れたシャルロットに少しだけ驚き]
あ、ああ、どこに行ってたのですか、マリア。
いや、それより、サーヴァントが戦っている、というのは?
危険なのは承知のうえです。
マリアは知っているのですね? 誰が戦っているのか。
―夕方、自室―
んぁ?
[目を開ける。
顔を上げる。
ふぅー…と、大きく息を吐く。
この間に、随分傷も落ち着いてきた。
発熱も強くは感じない。
魔力の消費を極限まで抑えた状態でも、問題ない。
左腕には、さすがに少し違和感を感じるが…。]
まぁ、いいけど。
[と言いながら、扉を開ける。]
マスターやサーヴァントの気配を感じたら、言ってくれよ。
逃げるから!
[宣言する。]
はいはい。
逃げるならせめてわたしの楯になってちょうだい。
それはともかく、花や種を買っておきたいのよね。
足りなくなってきちゃって。
[リチャードを連れて店を出る。
ひとまず商店街に向けて歩いていると
前方に手押し車に目隠しという
異様な姿の男が歩いてるのが見えた。]
変質者……?
ちがう、前に戦った刀持ったサーヴァントだわ。
マスターは近くにいないみたいだけど……。
[後ろからそっと様子をうかがった。]
[向かってくる間、ランサーの一方的な優勢を考え静止する令呪の使用も考えていた。
しかし、到着して目にするライダーの互角以上の戦いぶりは、彼女に令呪の使用を躊躇わせた。
自分の意のままに動くサーヴァントを持たない彼女にとっては令呪は唯一の武器。使用には慎重になっていた。
令呪の疼き。]
ライダーのマスターも来ている?
[その男がライダーに激を飛ばすと同時に、ライダーの動きは鋭さと力強さが増す。]
令呪!?
[令呪と対で力を発揮するランサーをここで疑うのは避けたいという考え、理性では完全に抑えられない感情に抗う。
ランサーを倒すくらいのサーヴァントなら、あの男にも勝てる可能性がある。
何よりランサーが人類の滅亡を願うことはなくなるのだ。]
えっ?
何、何?
嘘ぉ?
[くるり、と露葉を前に押し出す。]
え、なんで目隠ししてるの?
心の眼で見るとかそういうこと?
って言うか、え?
僕無理だよ?
負けるって。
うん。
[宗冬は刀の指し示すまま当て所なくさすらっていた。宗冬は考えていた。この杖とも鋸ともなる万能の宝具、すなわち三池典太は一体なんなのかということである。
宗冬は三池典太の真の所有者ではない。従って三池典太の力を引き出すことは出来ない。三池典太の了解を得た時にしか力を得られなかった。]
剣士の魂である刀を兄上がくれたというのもまた複雑怪奇よ。
[宗冬は刀の赴くまま歩いていた。いつの間にか商店街に来ていたようだ。前には見覚えのある顔が見える。刀が連れて来たのだから刀の意思に従うが筋。刀を抜いたが刀に切れは無かった。ならば、]
これも縁なるかな!さて久しぶりの出会いを祝しての酒と行きたいがどうかな!
……マスター、私はとあるチームのマスターと接触していました。今までの情報を精査すると、私がクラスを確信出来ていないサーヴァントはライダー。
そのマスターが単身で歩いていたので、そのまま殺害する事を試みました。
申し訳ありませんが、ライダーに阻まれ、それは失敗に終わりましたが。
その後、ライダーは槍を持つサーヴァントと戦い始めましたわ。
わたしが死んだらあなただって現界できないのわかってて楯にするつもり?
負けてもいいから時間くらい稼ぎなさいよ。
[どちらを前にするかで騒いでいたところ
男がこちらに気付いたようだった。]
え? ……って、酒?
……。
ごめんなさい。わたしはお酒はちょっと。
リチャード、敵意ないみたいだから。
いっしょに飲んであげたら。
そう、ですか。
[マスターを殺害しようとした、と言うシャルロットに目を伏せる]
ライダーが槍を持つものと戦い始めた、と言うことは、相手はランサーでしょう。
どちらかが散るか、それとも引き分けて双方撤退か。わかりませんが、このままここで立っていても仕方がありません。
マリア、せめて戦いがどうなったのか見届けなくてはいけません。
貴方がいれば心強い。傍までとは言いません、戦いが見える位置まで行きましょう。
やや酒は皆で飲んだ方が楽しかろう。
[宗冬はそう言うと女性を手押し車に放り投げた。]
貴女は私の友人のマスターであらせられるかな。
[露葉の後ろから様子を伺う。
確かに、敵意はない…ように見えるが、正直分からない。
刀を抜いたかと思うと、すぐに収めてしまったようだ。]
酒って…。
いや、酒は嫌いではないけど。
その逃げ方はどうなんだい。
君も来いよ。
もう店は閉めてきたんだろう?
いざ逃げるとなれば、君も連れて逃げられる方がいいし…。
[またぐだぐだと言い争う。]
承知しましたわ。
では、こちらへ……先ほどまで私が、戦いを見ていた場所があります。
[そのままソフィーを、戦闘が行われている噴水から丁度死角となる場所へ連れていく。]
ここならば、安全ですわ。
マスターは私が護ります。
[ソフィーの横に佇んで、2騎のサーヴァントの戦いを*見ていた*]
[相手はサーヴァントだから多少おかしいところはあるのかもしれない。
そうは思っても見た目はどう考えても変質者でしかなく、
さすがに露葉でも背につめたい汗が伝う。]
っきゃ。
[リチャードの腕をがっしり掴んだままだったのに
手押し車に乗せられてしまう。
どうにか降りたいのだが変にはまってしまったらしく
もがいても抜けられない。]
ゆ、友人?
って、これ?
[もがきながらリチャードを指差した。]
[と、露葉が手押し車の中に放り込まれる。
あっという間の出来事。
身構える間もない。
神業。
そんな言葉が、頭の中を駆け巡る。
この男と互角以上に戦ったのだから、やはり「彼」は凄い。
…が、露葉が逃げるなよとばかりにがっしと握っていた自分の腕を離さなかったため、自分も引っ張られることになった。]
おぉっ!?
[そのまま、引きずられていく]
彼とは一緒に血を流した仲でござる。
お、名乗り忘れておりましたな。私は柳生宗冬。柳生新陰流の当主などをやっておりもうした。
[激突する二種の力。
大気震え、眩い光が視界を奪った。
視力が戻ってくると、そこは普段の噴水広場。空はいつの間にか、菫と紺色に染まっていた。]
[倒れた二者。先に動きがあったのは、ランサーの方だった。立ち上がるまではふらふらとしていたが、相手も立ち上がろうとしているのに気づくと、その動きは素早かった。]
[シャルロットに連れられて行った場所で、前方に見える戦いを見る]
J'agrandis la vue.
[わずかに唱えると、自身にだけ前方の様子が、双眼鏡で見たように拡大される]
……白い甲冑……に白馬、そして少年。
[声が聞こえないため、正体はわからなかったが、その容姿には心当たりがあった。だが、それでは少年ではなく少女になる]
おいおい。
「これ」って言い方はないだろう、「これ」って言い方は。
[一応、露葉に文句をつけておく。
そして、宗冬の方を向く。]
あ、あのさ。
その、君と戦ったの、実は僕じゃないんだよ。
僕の中にもう一人いてさ、そいつなんだ。
いや、血を流したのは、確かに僕でもあるわけだけど…。
[…なんと言うか、こういう状況だと随分説明しづらいんだな、僕と「彼」の関係ってのは、実は…。
…。
なんか、周囲の視線が痛い気がする。
気のせいではないだろう。
すごく見られている。]
[―――ぐりゅ]
[ジャンヌの傍に突き刺さっていた槍を引き抜き、皹が入っていた白銀の鎧を砕き、心臓を――霊核を貫いた。]
あれだけ戦っておいて敵じゃなくて、友人なのね。
[感心するしかなかった。
もぞもぞと抜け出そうともがきながら
このサーヴァントのマスターは
さぞかし苦労しているのだろうと心から同情した。]
女性を楯にするような人は「これ」で十分でしょう。
ちょっと、助けてちょうだい。
でられないのよ。
[そしてリチャードに向かってもがきながら彼の腕を
つかんでいない方の手を伸ばす。
周りの視線が痛い。
夕暮れ時の商店街近く。買い物帰りの主婦が大勢いる。]
[密着した体を離し、槍を引き抜く。
一歩後ろに跳びながら、ジャンヌの首を刎ねようとし]
[全てが終わる。
ランサーは久仁彦を真っ直ぐ見つめた。]
わぷッ
[ 激しい衝突の衝撃に、一瞬視界を奪われる。]
は、また派手だねライダーも…て、、、。
[ 視界が戻った久仁彦の目に映ったものは、胸を貫かれた、ライダーの姿だった。
それを成したランサーは一度後方へと跳び、そしてライダー…ジャンヌの首を刎ねようと。]
、、、ぁ。
[ ランサーと、目が合う。
勝ちを確信していたはずが、一転してのこの状況。久仁彦は、呆然とただ、ランサーがしようとする動きを見つめるだけだった。]
良く分からなぬな。
しかし細かな話は座って飲みながらでいいであろう。
早く行きやしょうぞ。
[宗冬は刀お勧めのお店に行くことに決めた。もがくも構わず手押し車を押し始めた。]
[勝負があったらしい。少年が倒れ、青年が立っていた。恐らくはランサー。そして、その近くにいる、マスターらしき男]
……勝負あり、か。
これでライターがいなくなった。
僕の力で引っ張り上げるなんてできると思うのかい。
この状態じゃ踏ん張りもきかないし。
はっはっは。
[左腕もまだ完治したわけじゃないし…。]
諦めてこのまま酒場まで辿り着いてみるってのはどうだい。
[もはや全てを通り越して周囲の視線が気持ちよくなってきた。
宗冬の方を見る。]
いやぁ…。
その、君と戦ったもう一人の方はさ。
君みたいな人、好きだと思うよ…。
あ、そうだ。
僕の名前は、リチャードっていうんだ。
もう一人の方に、名前はない。
[なんか、普通に名乗ってしまった。]
使えないわね、ほんと。
[リチャードの助けも得られない。
好奇の視線にさらされながら手押し車に乗ったままというのはいたたまれない。
抜けようにも押された振動で余計にはまってしまったらしく
もがくにももがけなくなってきた。]
えぇと、柳生さん。
あなた、マスターは?
いっしょじゃないの?
お酒飲むなら彼も一緒の方がいいんじゃないかな。
仲間はずれはかわいそうよ?
[今自分にこの手押し車を壊せる力があれば。
「彼」の銃があれば。
などと考えつつ、逃げようもないので次第に視線はどうでもよくなってきていた。]
[あれは、ライダーのマスターなのか]
ランサーはまだやる気なのでしょうか。もう、相手のサーヴァントは戦えないと言うのに。
[憤りなどは覚えない。ただ、持っている知識から、それは推奨されないことに思えた。
立ち上がり、視線は残されたマスターへと]
[激しい激突が閃光を発し、視界が奪われる。
その中にあらたなマスターらしき気配を感じそちらに気を取られる。
視界の端に先に立つランサーの姿が見えそちらに目を向けるが、令呪の使用を躊躇している久子はとっさに令呪で静止することなどできなかった。
続いてランサーがライダーのマスターに歩み寄るのが見え思わず間に立ちふさがる。]
ランサー何をする気?
もう彼はこの戦争には関係ないはずでしょ?
それにあなたの願いが叶えばここで殺すことの意味はないはず。
[令呪を渋った後めたさもあったが、不器用で人に理解されずどこか自分に似た男が死ぬのは嫌だと感じていた。
ランサーには自分を殺すことはできないという計算も当然ある。
顔を向けずにライダーのマスターに声をかける。]
ここで何をいってもどうにもならないけど、この結果は私としては本当に残念なのは本当よ。
死にたくなければこの街を出た方が身のためよ。
食事ありがとう、またどこかで逢えたら奢ってね。
最後だけど名前くらい聞いとくわ。
私は百鬼久子、あなたは?
[ 崩れ落ちた、自身のサーヴァント。
状況をようよと把握し、大きく息を吸う。ランサーが、こちらへと近づいてくる。]
、、、、、、は。
[ 出てきたのは、自嘲気味な笑み。]
負けちゃったのか、ライダーは。ま、仕方ないよね。勝つものがいれば負けるものがある。当たり前さ。あーぁ。
まったく、マスターとまるで会話もしないで、勝手に一人で出歩いて、挙句勝手に戦って勝手に負けて。ああもういい迷惑だよ。これで僕の願いが叶わなくなったじゃないか。本当に、なんてことだよ。ははっ はははははは…。
[ 乾いた笑いは、ランサーが目の前にやってくるまで続いた。]
もう一人のリチャード殿はリチャード殿ではないということであろうか。リチャード殿は物狂いであろうかのう。
[宗冬はリチャードをまじまじと見つめた。すっと視線を戻すと手押し車の中に語りかける。]
真殿は酒が嫌いでのう。私が酒を飲んでいるだけで怒り出すのよ。で、こうして時折抜け出して飲みに来るわけでおるのだ。
あ、マスターの名前は真と言うのでござるよ。娘さんのような可愛い声で名前を呼んであげると真殿も喜ぶであろうなぁ。
[ 久子に話しかけられ、笑うのをやめる。はん、とハナで笑って口を開く。]
久仁彦だよ。揺 久仁彦。駅前のマンションに住んでいるから、いつか訪ねてきなよ。こんな状況になったとはいえ約束は約束だ、聖杯戦争が終わってまだ生きていたら、ちゃんと約束を果たしてあげるよ。
ふん。それじゃあ僕はこれでリタイヤだね。君たちはせいぜいがんばるといいよ。ええと、リタイヤしたら教会に行けばいいんだっけ? ああもうしょうがないな。まあいいよ。それじゃ。
[ いうだけいって、二人に背中を向ける。そのまま教会へ向かうのだろうか、背中越しに手を振りながら立ち去ろうと歩き出した。]
[目の前には久子が居た。
その向こうに、久仁彦。
ランサーの槍があがる。
青い肌は冷たい色をしている。
狙いは、久仁彦の腹部。
長い間死ねず、苦しみながら死に至る箇所だ。]
[なおも動きを止めない槍の前に立ちふさがる。]
やるなら、私を殺してからにしなさい!!
[それができないと確信して言い放つ。]
…え?
[ 立ち去ろうとしたとき、ランサーの腕が上がるのがちらりと見えた。慌てて振り返る。明らかな殺意。狙われているのは、腹部か。]
え、な、なんでだよ、もう戦いは終わっただろ? 僕はもうリタイヤしかない。なんだよそれっ
[ 絶叫に近い声を、挙げた。]
それは……。
[酒を飲んでいないだろうこの状態で
これだけ奇行をしているということは
酒を飲んだときはこれがさらにひどくなるのだろう。
それはとめたくなって当たり前だ。]
わたしは香野露葉というのだけど。
その、真さんに。
「がんばって」って伝えてくれる?
[もう抵抗する気力もなくなり、
おとなしく手押し車に*収まっている。*]
[間にはいった一人の少女。昼間、雑踏の中で見た顔だった。ランサーのマスターなのだろうか、と思い足を止める]
ランサーと、そのマスターが仲違いしている?
意見が合わなかったのかそれとも。
[マスターが止めに入った事で、ライダーのマスターから意識がそれる。もう大丈夫なのだろう、と思った]
[一応、考えてみる。
酒に弱いということはないつもりだ。
知られて困る情報は、一度戦っているだけにそれほどあるわけではない気がする。
「僕」では分からないところも多いが…。
家…「魔女の館」のことくらいだろう。
酔い潰されたところを狙われるほど痛飲しなければ大して状況は変わるまい。
その状況の方だが、これは本気で戦ったら確実に負ける。
逃げられる気もしない。
…あれ、なんだろう、どうにもならんな。
が、相変わらず宗冬という男に敵意は見えない。
…この瞬間にも、世界では戦争が起きていて、人が死んでいるかもしれない。
この町で、サーヴァントが戦い、しのぎを削り、血を流しているかもしれない。]
平和ってなんだろう…。
[なにやら、根源的な問いを虚空へ放ってしまった。]
[様子がおかしい、と気づく]
ランサーが、槍を止めない?
[こちらに駆けてくるライダーのマスターの姿。そして、その背後に――]
[久子の肩を掴み、押し退けた。]
サイケイヤク サレテモコマル
[逃げる背へ疾駆。ジャンヌの血で濡れた槍先で、揺久仁彦という男の腹部を貫いた。
―――ぴっ
潜り込んだ穂先を、斜め上に跳ね上げるように抜いた。腹部から背中へ浅く傷をつく。]
クルシンデ シヌガイイ
ソノ イタミ コソ ……
[ランサーの体から力が抜けてゆく。シャクティ(魔力)が解き放たれ、膝をついた。]
[それほど遠くない場所で、ライダーのマスターは腹部を貫かれた。恐らくは致命傷。
後方でランサーが膝を突くのが見える]
なんて、ことを。
[ライダーのマスターの方へと向かう。シャルロットもすぐ後ろからついてきた]
[ランサーに肩を、つかまれ押しのけられ地面に転がる。
起き上がった時には、先ほど名前を聞いたばかりの男に槍が突き刺さっていた。]
いや…どうしてなの。
[続く言葉見つからずその場に*うずくまる*]
香野露葉殿であるか。叙情美を湛えた名前であるな。
真殿への伝言、この宗冬承った!
[と、三人が話している間ににあっという間に目的の居酒屋に着いた。
楽しい時間の流れは早いというのも納得出来るものである。
しかし夜はまだこれから、まだ長い。
その長い夜も三人にとっては一瞬に過ぎ*なかった。*]
マリア、気配は消しておいて下さい。
[後ろのシャルロットに告げて、ライダーのマスターへと駆け寄る。うずくまるランサーのマスターへも視線を向けたが、優先順位は低いと判断した]
大丈夫、ですか?
と言っても、もう助かりそうにはありませんが。
[顔を見た。どこかで見たような気がして、記憶を掘り起こす]
そう、もう一人の僕は僕じゃない…もう一人の僕って言うよりは、身体を共有する別人って言った方が正しいんだけど。
「彼」は、君と戦えて、すごく嬉しそうだったよ。
すごく楽しんでいた。
[さすがに礼を言う気には、なれないが…。
宗冬のマスターは、苦労をしているのではないだろうか。
…だがまぁ、露葉も苦労しているのだから、皆何なりと苦労はあるのかもしれない。
…などと考えているうちに、酒場に着いたようだった。
さて。]
…戦闘、開始か。
[右手の中指で、*眼鏡をつり上げた。*]
La chose que toutes les choses retournent, et retourne.
Priere de l'eau.
[流れ出る血に手を当て、呪を唱える。けれど、血は止まりそうになかった]
この傷では、痛みが長引くでしょう。
せめて痛みを感じさせないように出来たらいいのですが。
[自分の治癒術が、この傷にどこまで効くのか、わからなかった]
ぴぎゃ。
[ ぴぎゃ? 自分の挙げた声に驚く。濡れた感覚に下を見ると、腹から突き出ている…紅くぬらりと光るもの。
ず、という感触と共にそれが腹へと沈んでいけば、ようやく、背後から貫かれていることに気がついた。]
う、うわ、うわぁああぁあぅあああぁあ!!!!!
[ 驚絶の叫び声。腹に開いた穴を両手で押さえながら、逃げようとするも足がもつれて無様に転ぶ。右手を地面につき、もがくようにして進む。と、目の前に佇む人影がふたつ。]
あ…?
[ 大丈夫ですか、という声に見上げると、見覚えのある人物がいた。そしてその背後には、昼に自分を殺そうとした、シャルロット・コルデ。]
流、、、空穂?
[ 理解する。嫉ましくて仕方がなかった本家の娘も、この戦争に参加しているのだと。]
なん、だよ。本家の恵まれている奴が、なんで、いるんだよ。
[ 心配し、治癒呪文を唱えるソフィーに悪態をつく。久仁彦には、もはやなにも聞こえていない。]
必要ないだろ、お前には、願いなんて。最初から叶っているじゃないか、最初から、、、。
[ 悔しげに、唇を歪めて呟く。右手を、ソフィーへと伸ばそうとして。]
あ゛………、、、
[ 白目を剥き、地面へと突っ伏す。伸ばした右手も、力なく*落ちた*]
[眉間に皺を寄せ、立ち上がる。
蹲る久子を前に、かける言葉はない。]
…。
[為すべき事は為した。
既に死にかけの久仁彦。目の前の女性は……?
ランサーは、すっとその場から身を引いた。]
[古い記憶だった。祖父に連れられて商店街へと向かった。その途中、祖父に対し、頭を下げてくる家族。
そのとき、一緒にいた、少年の顔。自分から見れば、彼も十分に大人に見えたのだが、今見ればさほど歳が違うようにも見えなかった。
その後も幾度か会った様な気はした。だが、特に会話をした憶えもなく、次第に、記憶から薄れていく]
ああ。貴方も、マスターだったのですか。
−噴水−
[どうやら特に問題なく事は済んだようだ。予想外の戦闘で消耗したが心配するような事は無かった。
遠目で見守っていたが、噴水前の惨劇の場所へ、少しずつ近づいていく]
[最後に告げられた言葉が、耳に残る]
願いが、叶っていると。
それは、誰の願いなのでしょう。願いは、個人が願うもの。
私には、その願いもない。
……貴方には、どんな願いがあったのでしょう、ね。
[何の感慨もなく。目の前で絶命しつつある久仁彦を見下ろした]
貴方に。
次の生が安らかであることを。
[白目をむいたままの瞼を手で下ろし、黙祷する]
このまま放置はまずいでしょうから、救急車を呼びましょうか。後は……。
[うずくまったままの、ランサーのマスターの方をじっと見つめた]
彼女も、一人にしていては危険なようです。ランサーとは決裂したようですから、一言声をかけて起きましょうか。
どうやら目的は果たせたようだな。ご苦労。
[そういうと、ランサーに手をかざす。ランサーの魔力が回復していく]
少し休んだら次に移るぞ。
そうだな・・・・・・
[昼間激突したキャスターが思い浮かぶ。だがあれで宝具を出していないなら、次にキャスターを狙うのは早急かも知れない]
バーサーカーか、アーチャーだ。
ランサー、どちらが希望だ?
マリア、引きましょう。
彼は危険です。
[何を話しているのかまでは聞き取れない。けれど、その異質すぎる雰囲気は、彼が以前の敬一郎でないことをあらわしていた]
マスターか。
[人形のように表情変わらぬ女性に、ぽつりと。
「沖田敬一郎」に魔力を回復させてもらった事に、微笑み、感謝の言葉を述べた。]
ありがとう。
…ああ。
ぼくはバーサーカーに出会っていないので、どういったサーヴァントか未だ知らない。
接触したのはアーチャーだけだ。
……。
[暫し、思案するように。と、「沖田敬一郎」の視線が先程居た噴水の方向に注がれている事に気づいた。]
そうか。
[アンリ・マユの記憶を引き出しながら]
バーサーカーとは既に俺が接触している。
つまらんこだわりさえ無ければ取るに足らない相手だ。
だが俺とは相性が若干悪い。宝具の真の姿も見てないのも気になる。
アーチャーに分があると思うならアーチャーを、そうでないならバーサーカーだ。
[そういいながら、空穂の方を見ている]
[残される久子が気になったが、ランサーがいる以上彼女が殺されることはない、そう踏んでその場から後退する]
La chose que toutes les choses retournent, et retourne.
Donnez-moi le pouvoir.
Dispersion.
[唱え終わると同時に、その場の空気が白くにごり、視界を曇らせた。
同時に懐から紙片を数枚取り出し]
Un chuchotement sans etre sur.
[手でなぞり、その紙片が四方に散らばっていく。それは、式神のように術者のダミーと化し。その上で気配遮断を行ったシャルロットとも分かれて走り出した]
・・・・・・ 行ったか。
だが、お茶を奢る約束をしたままだったな。
また明日にでも会ってみよう。
[消えていった空穂を冷静に見つめる]
ぼくの希望はアーチャーだったが。
彼の直情的な動きは、見切り易い。
冷静に行動すれば、宝具を使わずとも殺す事が出来ると思う。
しかし、きみの方はバーサーカーと相性が悪いのか。
[話しながら、「沖田」の視線の先を眺めた。]
・・・・・・ いや、なんでもない。以前金を借りた事があっただけだ。
とりあえず、今日はマスターを回収して安め。
[そういうと、久仁彦のほうへ歩いていき十字を切る]
−キリエ・エレイソン(主よ、憐れみたまえ)
[久仁彦の遺体を丁重に扱うようにセリアへ命令し、少し感慨に浸ってからその場を去ろうとする]
・・・・・・ 全ては、真の平穏の為に。
[だがその眼は*悲しげだった*]
【システムメッセージ】
ちなみに現在コミット完了コメントが無いのは
・ケネスさん
・メイさん
のお二人です!
他の人も確認してね!!
【システムメッセージ終了】
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