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きみは自らの正体を知った。さあ、村人なら敵である人狼を退治しよう。人狼なら……狡猾に振る舞って人間たちを確実に仕留めていくのだ。
どうやらこの中には、村人が10名、人狼が3名、占い師が1名、霊能者が1名、C国狂人が2名いるようだ。
−自宅・地下室−
[シャルロットを呼び出した魔方陣とは別の、その何分の一かの陣を描く。引いているのは、地下水に自分の血を混ぜたもの。
手を掲げて、言葉を紡ぎ出す]
Un lifespring droit qui coule a travers le monde, repondez a mon ordre pour le pouvoir.
Suivez l'interieur par le pouvoir que le cachet de chaque direction.
C'est pas un ordre un souhait; absolu.
[言い終わるとほぼ同時に陣が光りだし、部屋の中を照らすほどに輝くと、次第に光が収まってくる。やがて淡い光を保ったまま、静かになった]
結界完了。
少し、魔術の鍛錬でもしておいたほうがいいのかもしれない。
[これからのことを思い、机につくと一冊の本を*読み始めた*]
―ソフィーの屋敷・早朝―
[屋敷の一室、簡素で装飾品の少ない部屋のベッドの脇に跪き、両手を組んで目を閉じるシャルロットの姿がある。
陽はようやく地平線をそれと判る様相に照らし始めたばかりで、彼女の声以外には小鳥のさえずりが僅かに聞こえるのみ。]
......主よ。
日々の糧、日々の潤い、日々の恵みに、敬虔なる感謝を。
生きとし生けるもの全てが、主の望みのままに、ありますよう。
アーメン。
[神への祈りは、人として修道院で過ごした日々からの、彼女の日課であった。それは、サーヴァントとして召喚されるようになってからも変わらぬもの。
一頻り祈りを終えると、十字を切って静かに窓辺に立った。]
……神の御心のままに。
私は、己の欲望ではなく……ただ神に捧げる為だけに、聖杯を請う……。
私の存在は、ただ、正しき事の実現の為だけに。
[そう呟くと、己のマスターの望みを確認するため階下へ降りた。]
[地下室の扉をノックしようとして、ふと手を止める。]
……こんな時刻ではまだ、マスターは眠っているかもしれませんわね。
[先ほどの部屋へ戻ると、屋敷の書庫で見つけた町の地図を机に広げた。]
……拠点。
川と公園。
駅前。
不穏な気配。
教会。
[地図には、赤鉛筆で次々とチェックが付いてゆく。]
[聖杯戦争に関する資料を読みふける。前回の聖杯戦争時のものも少しだけあった。祖父が集めたものなのだろう]
……聖杯への、願い。
なんでも願いが叶うというのはどうなのだろう。
お爺様は何を願いたかったのか。
「聖杯戦争に参加しなさい」ばかり言われたけれど。
[一ヶ月前に届いた手紙を取り出す。祖父は達筆で、いつも解読するのに苦労していた。
もうすぐ聖杯が目覚める、だから帰国して聖杯戦争に参加しなさい、というようなことが書かれているのは理解できた。けれど、願いに関する記述はない]
[聖杯戦争に関する知識がなかったわけではない。ただ、現実感とかけ離れていたこともあり、聞き流していたことが原因だった。
願いを持たない自分は、参加することはないのだろうとも思っていた]
[祖父が亡くなるまでは]
へえ…。こんな風になるんだ。
[ 右の掌に浮かんだ痣のようなもの。顔を洗おうとしてようやくソレに気がつき、久仁彦は小さく呟いた。
所詮、魔術の血を残すためでしかない分家の身としては、この聖杯戦争についての詳細な話など聞けているわけもなかった。
巻き込まれない程度に知識を持っておけ。両親からはそのようにしか聞いていない。]
なんて。巻き込まれるどころかどっぷり当事者になってんだけどね、あんたらの息子はさ。
[ 自室に戻り、机に置かれたフォトスタンドに向かって話しかける。別に返事なんか期待しちゃいないが、思ったことは口にしないと気が済まない。]
ええと、そうだ。参戦する旨を報告してこなきゃならないんだっけか?
じゃ、まずは教会に行けばいいわけだ。あれ、他のマスターやサーヴァントが誰なのかって聞けたんだっけ?
[ ぶつぶつと喋りながら着替えを済ませる。]
そいじゃま、男勝りなお嬢さんにデートの申し込みに行こうかね。
[ やたら面倒臭そうな口調で喋りながら、ジャンヌを呼びに自室のドアを*開いた*]
― 自室・昼 ―
[ケネスは深い眠りから覚めると、やや重い体を引きずりながら、宗冬の様子を見に行く。]
まだ眠っているみたいだな…傷の回復もあるし、迂闊に起こすのはまずいか。
さて、これからどするか……
[今のケネスにとって時間は貴重な物だ。
部屋でじっとしていると、時間がひたすら無為に過ぎていく気がして、耐えがたい気持ちになる。]
外出してサーヴァントに出くわすってのは最悪だが、向こうはこっちに気づかないはずだよな……
そしてマスターには気づかれるが、大勢人がいればその中の誰がマスターかは解らないはずだ。
人ごみに紛れて行動すりゃ、行けるか。
[ケネスは着替えると外出する事にした。]
― 商店街 ―
[外出の目的は、どの辺りで令呪が反応するか見たいと言うのもあったが、それよりも記憶に無いこの目新しい町を見て回りたかった気持もある。]
やはり随分清潔な印象だな。俺のいた街とはえらい違いだぜ。
[人ごみの中、ネオンサインが瞬く大きな店を見つけた。]
パチンコ屋か……
[どう覚えたかも解らない単語がするりと口から飛び出す。記憶に無い部分から知識から取り出される感覚。
以前は意識もしなかったが、やや苦痛に感じ、顔をしかめた。
店に入ると、金を使って何回か玉を引き出し、それを気づかれぬようにポケットに入れる。
そうしてから店を出た。
曲がった煙草を取り出し、火をつけてからしばし一服。]
「もしかして……滝田?滝田じゃないか?」
[唐突に声をかけられて、ケネスは驚く。
「滝田」と言う名前に心臓が縮み上がる思いを感じる。]
……誰だい、それは?人違いだぜ……
[かろうじてそれだけの言葉を搾り出した。]
「え?そうですか……すいません。大学時代の友人に似ていたもので……」
[あまり自身が無かったのだろうか、男は頭を下げながらあっさりと引き上げていく。
ケネスもその場を足早に立ち去った。
背中を汗が伝っていく。]
―昼・自宅―
[魔術の師匠と電話中。]
でね、無事サーヴァントを召喚したのはいいんだけど、これがなんと関西風のお爺ちゃんなの。で、ソフィーさんとこのマリアちゃんはとっても美人さんでね。そうそう、お師様なんで触媒のこと教えてくれなかったのよ!?おかげでアタシは王子様もオジサマも可愛い子も引けなかったんだから!
「そんなことより、教会には報告に行ったのか?」
え?教会?そういえば昨日ソフィーさんたちも教会がどうのって言ってたけど。
「やはり忘れていたか。召喚の触媒についても教えておいたはずなんだが。お前は変わらんな。――聖杯戦争を管理する立場にあるのが教会だ。正式に参加したいのであれば、サーヴァントを召喚してマスターとなった旨を管理者に報告しておけ。」
ふーん、わかったわ。あとでお爺ちゃんと行ってみるね。
[愛犬が治ったことなどを報告して電話を切る。]
お爺ちゃーん、教会に行くよー。
[キャスターに事情を説明して、出かける準備を始めた*]
[しばらく、歩いた後に立ち止まり、ゆるゆるとコートの内ポケットから、2つに折った免許証を取り出す。折ったのは他ならぬケネス自身だ。
ゆっくりと開いた免許証には髭も無く、整った髪型をしている自分の写真。名前には「滝田真」と記されている。
住所を見ると隣町になっているようだ。]
……なんで日本の外でこんなもん持ち歩いてたんだよ、こいつは……
[おそらくはポケットから抜き忘れたか、何かだったのだろう。
かつて捨てようとも思ったが、日本では身分証明書として役に立つ事もあり、惰性で持ち歩いている物だ。]
真か……俺には似合わない名前だぜ。
[免許証を懐にしまうと、ケネスは再び*歩き始めた。*]
[教会に行く…その言葉を聞きキャスターは首を傾げた。
そういえば昨日マリア達もそんな事を言っていたが、その時は別段気にも留めなかった。
なにか用事があるのだろうと思ったし、それがマリア達にしか意味のない用事ならどうでもよかったのだ。
だが、今度は自分のマスターが教会に行くと言い出した。もしかして聖杯戦争に関係のある用事なのだろうかと思い己のマスターに話を聞くと…。]
……何でそういう事忘れるんだ?このボケマスター。
っていうか、昨日マリア達が"教会"って単語を言った時点で普通思い出すだろこのアホンダラァァァ!
[叫びながら思い切り頭を叩いた。
その後、キャスターはブツブツと文句を言いながらマスターと一緒に*教会へと出かけた*]
−昼・自宅地下−
[目を覚ます。いつの間にか眠っていたようで、頬を触れば本の痕がついていた。
時間を確認するとすでにお昼を回っている]
もう、こんな時間。
体の疲れはごまかせない、ということ。
[椅子から立ち上がり、結界の陣を確認してから、地下室のドアを開ける]
[階段を上がり、シャルロットがいないことに気づく]
偵察、かな。何か情報があるといいけど。
[わずかに空腹感を覚え、冷蔵庫を開ける。飲み物ばかりが入った冷蔵庫には、あまり生活感が感じられず]
買いに出ようか。魔術師だと気づかれなければ平気だろうし。
[冷蔵庫を閉めて洗面台のほうへと向かう。顔を荒い、肌に残る本の痕、に手を触れ]
Je reviens.
[唱えると、痕がわずかに動き、跡形もなく消え去る。治癒、といえば聞こえはいいが、単に体の水分をいじっただけの、ソフィーにとっては初歩的な魔術だった。
水の扱いにはもともと長けていて、代々伝わる「起源」がそれと相性が良かったこともあり、祖父曰く、父親よりも筋は良いらしかった]
[身支度を整えて外へと出る。魔術回路は閉じ、その代わり、辺りの気配に神経を尖らせながら、商店街へと向かった]
−自宅→商店街−
[商店街で適当に買い物を済ませる。長く住んでいたこともあり、顔なじみも多い。
また、祖父が亡くなったことのお悔やみも途中何人かにもらう。その度に礼を重ね、昼食をとろうと喫茶店に入ったときには、わずかに疲れが出ていた]
さすがに、警戒を解かずに演じるのは厳しい、な。
何か、精のつくものでも食べないと。
[日替わりランチを頼んで、窓の外を眺めた。昼間だからか人通りは多い。人間観察もかねて一人一人の表情を*見つめている*]
−住宅街・自室・朝−
……いやっ。
[うなされて飛び起きる。]
……。
わたし……。
[周りを見回しても誰もいない。
視線も言葉も傷つけるものも何もない。
安堵の息をつき、ようやくここが自室であることに気付いた。]
帰ってきた……の?
[体が重い。
のろのろとベッドから降り、身支度を整える。
いつもの黒いワンピースに調理用のエプロン。
そして階下の調理場へと向かった。]
つれて帰ってくれたのかな。
ええと……。
[昨日のことを思い出す。
戦いのこと、力が吸い取られていく感覚。
そして、もう一人の『彼』のこと。]
わたしが倒れたこと……怒るかな。
[体が震える。
自分を責めていた人は今はここにいない。
だが、彼がそうしないとは言い切れない。
腕に爪を立て、震えを押さえ込んだ。]
−商店街:昼−
[非常に困っている。何が困っているかというと興味をそそる物は多いが”お金”という物を要求される事である。
そんな人間は亡き者にしてしまえばいいのだが、確かに娯楽提供に対価を求めるのは正しい姿でもあり欲望にまみれた人間の本来の姿でもある為少なからず認めざるを得ない。またそのような娯楽を対価の消費によって得るというのが一つの醍醐味であることもよく知っている]
だが、それにしても非常につまらん。
何をするにも金とはな。
[暫くふらふらと散歩にも近い視察を行いながら、金銭要求の為に教会へ一度戻る事を考えていた]
―樹那町東ブロック高校正門・昼―
[他ブロックは昨夜マスターと訪れた為、東ブロックを重点的に偵察していた。
昼間の高校や大学には人影は多かったが、これといって不穏な魔力は感知されなかった。]
……キャスターは陣地は不得手と言っていましたが、他にこの地を拠点とした魔術師やサーヴァントも居ないようですね。
ここは、一度に沢山の若い命を奪う事が出来る場所ですから、ここが拠点にならないのは、良い事でしょう。
["気配遮断"をした状態で、静かに学校のあるエリアを後にし、病院へと向かう。]
- 劇場 -
[宗冬が起きた時には、部屋に誰も居なかった。だから気を紛らわす為に外に出た。
宗冬は兄上の頼みを聞いて戦に来たことを後悔していた。そして示現流、柳生新陰流の当主であった自分が何故示現流を使ったのか、そこに当惑もしていた。
始まった戦はどうにもならないが、示現流を使ったことは大きな問題である。
宗冬は舞踊が好きだった。彼が剣術の極意を習得したのも能からだった。だから、彼はバレエを観に来ていた。]
バレエもまた剣の道に通ずるものがある。。
[眼前で繰り広げられる舞を心で追ってみる。すると次第に昨日の戦いが思い起こされてきた。]
―樹那病院前―
[病院は人の出入りが激しい様子だった。通院する老人や病気になった子どもの手を引く母親……ここには、"保護されるべき人々"が集まっているようだった。]
……ここにも不穏な気配は、今の所無し。やはり、主な拠点は住宅街、及び駅前のようですね。双方には、僅かな魔力が常に感じられますから。
マスターに一度報告に戻りましょう。
[白い帽子を目深に被り、一見深窓の令嬢風のアサシンはしとやかに住宅街に向かった。]
[食事を終え、食後のコーヒーに手をつける。時折高校時代のクラスメートなどの顔も見たが、声をかけることはせず、また、向こうからもこちらに気づいた様子はあったが、そのまま通り過ぎていく]
もう、2年も前か。時間が過ぎるのは早いな。
……もしも、私が他に人と同じように暮らせていたら、何か感傷でも得られたのかな。
[ふと、口をついて出た言葉に疑問は沸いたが、その疑問も一瞬後にはどうでもいいことのように思え]
帰ろう。外食ばかりだと栄養が偏ると思って食糧を買ったけど、作るのにどれだけ時間がかかるかわからないし。
(調理実習以外で作ったことないから、食べられるものが作れるかわからないけど)
[立ち上がり、清算を済ませて外へと出た]
[バレエを踊る。宗冬は心でバレエを踊っていた。壇上の踊り手と一つになる。腕を上げ、空を舞い、足を合わせ乱れ飛び、回る。]
なれど芯は乱れてはならず。。
[買い物袋を提げ、家までの道のりをまっすぐ歩く。商店街にはまだ人も多かったが、マスターらしき人物は見当たらなかった]
そうそう出歩かないか。
マリアが戻ってるかもしれないから、やはり早めに家に戻ろう。
[商店街を抜けた辺りで早足になり、自宅への道を急いだ]
[何か、違和感がして振り返る]
……何?
[商店街はいつもどおりのはずで、別段変わったところがあるわけでもなく]
[汗が、背中を伝った]
何か、いる?
まさか、サーヴァント?
でも、そんな強い魔力は。
[感じていないが、アサシンのように気配を消しているのかもしれない、そう思い、慎重に商店街のほうまで戻る]
・・・・・・
[本屋で情報収集をしていると、どうやら誰かから食事を提供してもらうような会もあるようだ。その場合、男女である事が多いらしい。
確か沖田は男性別だった筈。ならばこの場合女性を捕まえるのが適切なのだろうか]
成る程、そういう文化に触れるのも一興だな。
[付近に大きな魔力の気配を感じていない以上に、既に興味が違う所に流れているようだ]
[戻ってはいけない、と何かが告げる。商店街を行き交う人に視線を向けたが、みなマスターともサーヴァントとも思えない、普通の人だった]
……気のせい?
(どちらにしても、もしサーヴァントであるなら一人では危険。やはり、戻るべき)
[心から身体に伝わってくる。思わず立ち上がり踊りだしそうになった。同時に、自然に示現流の構えたこと意味を宗冬はようやく理解し始めた。]
自然だったからだ。
[示現流が自然だったからだ。狂化、爆発する肉体に逸る心、自然だったのは示現流だった。だが何故、示現流か。柳生新陰流当主であった私が。踊りたい身体を抑えつつ考える。]
思うに……。
[宗冬は一つの結論を出した。刀に導かれた。今彼が踊り手に導かれたように。三池典太は、十兵衛の愛刀である。数多の剣豪を殺してきた。示現流は、薩摩の剣である。幕府の敵と見られていた薩摩示現流の剣豪も切ってきたに違いない。刀に刻まれた記憶があるに違いない。]
―住宅街―
[病院からそれほど遠くない場所に住宅街がある。ソフィーの屋敷へ到着すると、しかし主は留守のようだった。]
……マスター、1人で出かけてしまいましたか。
昼間であれば、そう面倒な事にはならないとは思いますが。
[屋敷で待つか探しにいくか、一瞬逡巡したが、まだどんなマスターやサーヴァントが今回の聖杯戦争に参加しているのか全容も判らない状態で、己のマスターが秒殺される訳にはいかない。シャルロットは踵を返して、駅前の方へと小走りに駆け出した。]
[そう考えながら本屋を出る。するとおあつらえ向きに少し離れたところに多少なりとも挙動不審な女性が見える]
・・・・・・ をい、そこの淑女。
[何を気に入ったのか、空穂に声をかけた]
[戻ろう、として声をかけられたのに気づく。振り返ると、同じような歳の男性がこっちを見ていた]
……今、私を呼びましたか?
[恐る恐る言葉を返し、男性を凝視した]
うむ、君の事だ。
[本来ならば”貴様”と読んでしまうところだが、どうやら人間は女性に対して丁寧に接するものらしい。ここは習慣に沿ってみるのも一つの遊びとして有効だろう]
つかぬ事を聞くが、君もこういう物をよく口にするのか?
[とある喫茶店のショーウインドウを指差す]
― 教会・昼 ―
はいはい。まあこんなもんだろうね、と。
[ 聖杯戦争参戦の旨は、事務的に受け入れられた。管理者を名乗る沖田敬一郎に幾つか問いかけてはみたが、当たり障りのない…すでに久仁彦の知っている程度の返答がなされ、当然ながら他のマスターやサーヴァントについての情報など得られることはなかった。]
ま、そんなもの期待しちゃいなかったけどね。それじゃどうしよっか。
[ 振り返り、後を着いてきている人物に話しかける。が、返ってきたのはひどくそっけない言葉だった。]
…ああもう、つまんないね。
とりあえずは適当に歩き回ってみようか。他の奴らもこの街のどこかにいるんだろうしね。
ああ、判っちゃいると思うけれど魔力は極力抑えていてくれよな。例えそれっぽいのを見つけても、こちらがそうだと気付かれないに越した事はないんだから。
ま、公園を抜けてぶらぶらといってみるか? なんとなくだけれどね。
[ 独り言のようにぶつぶつと、そんなことを背後のジャンヌに話しかけながら、公園から住宅街の方へと向かうことにした久仁彦だった。]
[一見優男風に見える、が、「普通」ではないように思える。そして聞かれた内容についても、意図を測りかねた]
こういうもの……?
[見れば、喫茶店の蝋で作られたメニューサンプルが並んでいる]
そう、ですね。これは見本ですが……恐らく他の方と同じ程度には食べると思います。
−住宅街・『魔女の館』・昼−
[今日もいつもどおり店を開けていた。
昼もすぎランチにきていた人が徐々に帰っていく。]
それにしても毎日これじゃ店に支障が出るわ。
[洗い物をしながら呟く。
なんとか仕事をこなしているが
身体は休息を求めていて動きが遅い。]
もう少し気をつけてもらわないと。
あら、いらっしゃいませ。
[洗い物を終えると入ってきた客をにこやかに迎えた。]
― 昨晩・ビジネスホテル 508号室 ―
[オフィス街の一角にあるこのホテルからは、下を行き交う人々の姿が見える。ランサーがシャラン、と両手首を打ち鳴らすと、蜂蜜色の淡い光に包まれた鈴が現れた。]
ヒサコが目覚めるまでのお守り代わりにはなる。
キンキニーよ、この部屋を悪意あるもの達から護りたまえ。
[嘗て、密林の奥に、第二王妃カイケーイーによって追放された時も、妻を護るために粗末な小屋に施したものだった。他からの目隠しにはなろう。]
……カリ・ユガ。
終わりの時。全てが滅びゆき、新たなる創造の次の輪が近づいている……。
[ランサーは独白した。]
[とすれば、示現流以外にも、刀が切った来た分だけ剣術が使えるのかもしれん。そう考えるといてもたってもいられず宗冬は席を立った。]
試してみねば。
ですけど、どうしてそんなことを?
[ショーウィンドウから視線を目の前の男性へと向ける。新手のナンパのようにも思ったが、そういう雰囲気には見えなかった]
え? その、私が貴方にご馳走する理由はあるのですか?
[言われた言葉に保っていた微笑が崩れかける]
その、初対面ですし、そもそも私は貴方の名前すら知りません。私が裕福な身の上ならそれでも良いでしょう。
食事を強請るならば、それなりの態度があるのではないでしょうか。
成る程。そういうものなのか。
[少し悩んだが、ここは先ほどの本を参考に言葉を返してみる事にする]
君はあれだな、コウダクミなる人物に似ているな。中々美形で非常に興味深い。
もし良ければここであったのもなにかの縁。お茶でもお付き合い願えないか。
- 劇場の外 --
[人を切れば、剣は暗くなる。だが、刀は明るくなると言う。剣とは剣術、刀は刀それ自体を指す。では、この刀は当然、宗冬は腰に手をやる。]
あれ、ない!?あ!あにゃ!!!
[ここに来て宗冬は、刀を質屋に入れてきたことを思い出した。一文無しの宗冬がバレエを観れたのもそのおかげである。現代に復活し、直ちにに質屋を使って金を工面し、電車に乗ってバレエを観に来た事実から宗冬の実務面での才能と行動力を見ることができる。]
まぁ、刀は妖術師殿に頼めばなんとかなろう。
[宗冬は暢気だった。彼はこの戦に悲願を持って臨んでいるわけではない。戦う義務はる。だがもう家を守る必要もないし、実力から言っても負けて元々の戦である。]
それよりももう一つ夕方からの回で何か観ていくか。
でも、帰りに商店街で買い物もしなくてはな。
[宗冬はどこまでも*暢気だった。*]
[コウダクミ、がわからなかったが、褒められていることは認識する。ただ、やはり相手の意図がわからず、けれど退散しようにも相手の「気配」がそれをさせてくれなかった]
お茶、くらいなら。
私は食べたばかりですので、飲み物しか飲みませんけど。
[仕方なく要求を呑む]
―住宅街・ローズの店の前―
[ふと、とある店の前で足を止めた。ポプリで綺麗に飾られた店内、漂ってくるハーブの香り……。]
上品なお店ですね。
[チラリと店を眺め、そのままソフィーを探す為に立ち去ろうとして……小さな違和感を感じ、立ち止まり、店内へ足を踏み入れた。]
こんばんは。
[ 公園を通り抜けながら、空を仰ぐ。]
ああもう、いい天気だ。鳥は囀り、風はそよぎ、行き交う人々は笑顔に溢れている。
…なんだろうね。そこはかとなくハリセンでも振り回したい気分だよ。こう、スパーンとね。
[ 勝手なことをのたまいながら、とりあえず公園を通り抜けていった。]
ふむ、それは問題ない。
では一つ味わうとしよう。
[空穂の手をとり、ずかずかと喫茶店の中に入っていく]
そこの店員、悪いがそこに書いてある紅茶とやらとその・・・・・・ 分からんが洋菓子を2つずつ持ってきたまえ。
[店員の指示を聞かずに席に座る]
[からんと木の鈴がなり、新たな客が入ってきた。]
いらっしゃいませ。
一名様ですね。
よろしければこちらへどうぞ。
[入ってきたのはとても美しい女性だった。
なんだか妙な感じがしたが気にする事なく
カウンター席へ案内する。]
[つれられて半ば無理やりに椅子に座らされ、対面へと座っている男性を見た]
そろそろ、お名前をお聞かせいただけないでしょうか。
私は……。
[自分の名前を言おうとして迷う。が、何故迷うのかもわからなかったのでそのまま告げることにした]
流・空穂と申します。
・・・・・・ ん?
[喫茶店に入った瞬間に何か気になる。本来違う何かを求めていた気がする上にそれに似たような気になるポイントを感じた気がしないでもない。だがとりあえず興味には負ける]
私の名前か?
[いくら何でもここでアンリ・マユと名乗るのは面白くない。何しろこれから洋菓子が出てくるのだ。
ならば体裁の良い名前を名乗るのが良いはず]
沖田・・・・・ 総司だ。確かそんな名前だ。
ふむ、こういう場合は名前を聞きあうのが通例なのか。
中々雰囲気の良い店だ。気に入った。
マスターに金を徴収し今後は頻繁に足を運ぶ事にしよう。
有難うございます。
[年の頃は、やはり自分と同じ位の綺麗な女性が1人、店内で出迎えてくれた。促されるままカウンターに座る。]
とてもいい香りですね。ええと……
[メニューを見る。そこには日本円での値段が書かれていた。自分が日本の貨幣を持たない事に気付き、うろたえる。]
……ごめんなさい、入ってみたけれどあいにく。
[目の前の男性を観察する。世間に疎いのはわかる。その身のこなしから運動神経もよさそうだった。
そして、態度からは信じられなかったが隙がない]
沖田、総司……、というと、あの新撰組の方と同じ名前なのですね。
[名前を聞き、珍しい、と感想を思ったところで、その次の言葉に緊張が走る。なるべく感じ取られないように沖田を見た]
マスター……お店か何かにお勤めですか?
[うろたえる様子をみて少し首をかしげる。
たまにあわてた主婦が財布を忘れて店に来ることがあるので
きっと今回もそうなのだろうと勝手に見当をつけた。]
……よろしければ試作のお茶がありますので……。
味を見ていかれませんか。
試作品ですので感想をお聞かせいただけたら
それがお代の代わりということで。
[蔦と苺の描かれたティーカップに薄緑の茶を注ぐ。]
カモミールとレモングラスにりんごと……
後は秘密ですけど、疲れが取れてリラックスできるものなんです。
新撰組・・・・・・
[体に残っている記憶だろうか。その単語を聞いたときに少しだけ郷愁感を覚えた]
まあ、そうなるな。
ん?店に勤めている人間をマスターと呼ぶのか。
確かそんな所だ。
[そう言って空穂を見つめたときに、ようやく気がついた。むしろ今まで気がつかなかったのは問題である]
ところで・・・・・・ 君は、魔術師か。もしかして。
[魔術師か、と問われ。一息はいて、沖田を見る]
魔術師、という言葉を使う貴方は、何者でしょう。
「普通」は初対面であろうとなかろうと、魔術師、という単語は出にくいかと思いますが。
確かに、私は「魔術師」といわれる人間です。
ですが、何故沖田さんはそれに気づかれたのですか?
[自分がマスターであることは言わず、また相手がサーヴァントであろう、ということは予測がついたが、それも問わず。ただ聞き返した]
―昼・教会―
[キャスターを外に待たせて、管理者と共に教会の中に入った。
沖田と名乗る管理者にマスターである事を告げ、諸々の説明を受けたが、特に質問も思いつかず、「はーい。」と応えて教会を後にする。]
お爺ちゃんお待たせー。
......Je vous remercie.
感謝申し上げますわ、マドモアゼル。
[少し恥ずかしそうに差し出されたカップを受け取る。その際に触れた手の感触から、微かな魔力が伝わってきた。]
(……もしや?)
[柔らかな香りがカップから立ち上る。
目の前の女性に気付かれないように、目を閉じて香りを楽しむ風を装い、神経を建物の中に集中した。]
(……感じる。この建物の中に、サーヴァントが……一体)
ふっ。安心しろ。公言するような事はせん。
だが、先ほどから魔術回路が開きっぱなしだぞ。
この私に怯えているのか?
[会話を中断するように、紅茶とケーキが運ばれてくる]
何、君は私がここに誘ったのだ。怯える必要は何一つないぞ。
まあゆっくり味わおうではないか。
―自室―
…さて。
[少々気が咎めたが、露葉は彼女の部屋のベッドに寝かせた。
自分にも余裕があったわけではない。
現界に存在を維持するので手一杯だったのだ。]
まだ魔力の供給は落ち着かない…か。
そんな状況で僕より早く目覚め、働いているんだから。
我がマスター殿はタフだよ、全く。
…今、敵に会ったら、嫌だなぁ。
マスターの魔力が落ち着くのを待って、早々に治療を済まさないと。
[ぎ、と歯軋りをする。
全く、自分の弱さには、うんざりする。]
[魔術回路のことを言われ、はっとして気を静める。全開だった訳ではないが、緊張と本能が感じる「何か」によって意識せず回路が開いていたようだった]
怯え、はあるかもしれませんね。
意識内ではなくとも、深層心理の中で、何か感じ取ったのでしょう。
その何かがわかりませんが。
[運ばれてきた紅茶に口をつける。改めて目の前の沖田を見ると、彼の興味はケーキのほうにあるようだった]
…。
[再び溜息、なんかもう自分はいつこんな役回りになったんだろうかと背中に哀愁を背負っている。
なんというか、色々言いたいことはあるのだ。
一言で言うなら"自重しろ"となるわけだが…恐らくこのマスターには暖簾に腕押し糠に釘だろう。]
…一応言っとくが、今は聖杯戦争中だぞ?
他のサーヴァントと散歩中に出くわしたらどうするんだ?
[まー…きっと無駄なんだろうなと思いつつも一応言ってみるキャスター。]
[手の中のカップをもてあそぶ。こちらの気配は遮断している。中のサーヴァントにおいそれと察知される事はないだろう。
手元にある液体は、恐らく有害なものではないだろう。口にするかどうか悩んだ末、ローズマリーの問いかけに、シャルロットは悲しそうな表情でカップを置いた。]
折角のご好意ですが……私はレモングラスの酸味が苦手なのですわ。今度はお金を持って……好きなメニューを楽しみ来ても、よろしい?
[お金が無いというローズの推測が当たっていた事を彼女は告げた。そして、再び訪問したいという、約束。]
ま、こんな真っ昼間からこんなところで派手にやり合いたがるサーヴァントなんて、そんなに…いや、いるか。
「彼」ならむしろ、その方が喜びそうだ。
…さて。
[とりあえず、この格好をどうするか。
…体に付いた血は拭き取ったが、服に血の跡が残っている。]
元々真っ黒だし、気にはならないかもしれない。
糸を生成して縫ってしまうだけでも構わん気もするがな…。
「彼」は、ああいう戦い方をする割には、格好をつけるからな。
[少々躊躇ったが、自室にあったクローゼットを開けた。
何か違和感なく着られるものがあるかもしれない。
…と、並んでいたのは、男物の服だった。]
…?
彼女の他に、ここに誰か住んでいるのか、いたのか…?
家族か、それとも…いやいや、まぁ。
[深読みはするまい。]
― 午前 ビジネスホテル 508号室 ―
[遮光性の高いホテルのカーテンの隙間から日差しが差し込む、その角度と高度は朝が終わりかけていることを示している。
寝返りを打ちながら目を少し開ける]
うーん…
!!
うわあっ!!ヤバイ!!
[寝る前に護符をはり忘れていたことに気づき、自分に入ったまたは入ろうとする存在に、抵抗するため魔力を高める。
どうやら憑かれてはいないようだ。]
ふむ・・・・・・ 成る程、これは中々だ。
マスターに用意させよう。
[紅茶はどうやら敬一郎の淹れたものの方が口に合っているようだが、ともかくこの茶色の洋菓子は甘い。誘惑という名の罪に味があればこのようなものなのだろうなと考える]
私に何かを感じ取り反応したのであれば、とりあえず君は優秀と言えるだろう。
どれ、一つ礼として何か君の願いを聞いてやろうではないか。言ってみろ。
もう、お爺ちゃんは心配性ねぇ。
大丈夫、タロはあれで結構頼りになるんだよ。
[キャスターの不安に胸を張って応える。]
それに、いざとなったらこれを使えばいいでしょ?
[右の袖を捲り上げ、3画の痣を見せた。]
― ビジネスホテル 508号室 ―
[ランサーはベッドの上で結跏趺坐をしていたが、久子が目覚めると対面から微笑む。]
おはようございます。
ヒサコ。夢見が悪かったのですか?
[慌てた様子の久子に声をかける。]
そうでしたか。
好みを聞いてお出しすればよかったですね。
[少しだけ残念そうな顔をする。
が、また来たいという言葉に微笑んで頷く。]
えぇ、いつでもいらしてください。
次のときはお友達もごいっしょに。
[深い意味はなく、一人でお茶を飲むよりは楽しく過ごせるだろうという気持ちで、そう付け加えた。]
ふぅ…
[安堵の溜息をつき時計を見ると9時を回っている。]
え?朝?
[彼女のような体質の人間が無防備に寝ていて、何もなく朝まで眠り続けられるということはどう考えても不自然である。
その空間内が何かに守られている事に気づく。]
これは…ランサーの結界?
さて、僕が話せるうちに、マスターと少し話せるといいかな。
今、下の方に行ってもいいもんかな?
[クローゼットの中にあった服は、サイズもピッタリとはいかなかったが、違和感なく着られた。]
…ま、傷は隠れているし、いいよな。
怒られると、後で「彼」がうるさいかもしれないが…。
[く、と眼鏡を右手の中指でつり上げて、部屋を出る。
迷惑にならないよう、静かに1階へ降りていく。]
[やっぱりな、うん予想通りだ!さすが俺!
ああ、なんだか悲しくなってきた。
ガッチガチのお堅い奴もまっぴらだが、ここまで呑気な奴も勘弁願いたかった…しかも女だから強くいえない俺自身が更にダメすぎる。
もう召喚されて何度目になるだろう溜息をつく、このままじゃ精神まで年寄りになってしまいかねないほどだ。]
…わかった。
ただし、何かあったら躊躇せずに余分だぞ?
俺は適当に歩いてくる…だからとりあえず金をくれ。
[というわけで、とりあえず深く考えるのをやめて金を要求することにした。
だってほら、何をするにも金が要るみたいだしこの時代。]
いいえ、お代を支払えない私にお茶を出して下さったご好意は忘れませんわ。
[残念そうな表情に、慌てて片手を左右に振った。]
所で、このお店は1人で切り盛りされていらっしゃるの?
[キョロキョロと辺りを見渡した。その行為が不自然ではない言葉を添えて。店の奥に、住居と思しき場所へ繋がる扉が見える。]
[ケーキを食べ終わり、残った紅茶を飲みながら、沖田を観察する。優秀だといわれ、困惑の表情を作る]
魔術学校では、特別いい成績、というわけでもありませんけどね。
願い、ですか。
[言われて思案する。シャルロットにも聞かれたが、いまだ答えは出ない]
私には、願いというべき物が見つからない。
人が何かを願うときには、そこに対して何かしらの執着や希望があるのでしょう。
次にお会いするときまでに、願いが何か、考えていても良いですか?
今の私には、まだ決められそうにありません。
― ビジネスホテル 508号室 ―
もう、朝だよ。
[結跏趺坐を解くと、ランサーは立ち上がり、久子の問いに頷いた。]
キンキニーという、簡単な結界です。
この国では、強い結界ではありませんが、他のサーヴァントからの目隠しぐらいにはなると思ってかけました。
はい、じゃあこれ今日のお小遣いね。
[財布から結構な金額を取り出してキャスターに渡す。]
大丈夫よ、アタシだってまだ死にたくないもん。
もしもの時は飛んできてね。
それじゃ、またねー。
[ぶんぶんと手を振ってキャスターと別れた。]
ならばまだその魔術回路の扱いが未熟なだけだろう。
どんな学問を学んできたかは知らんが、自分に合わない施術では何も改善しないことも中にはあるだろうな。
[紅茶をすすり]
成る程、ならばまた次の機会に願いを聞かせてもらおう。
[そう言うと、席から立ち上がり]
どちらにしろ、今度は私が茶をご馳走しよう。
行ったか…。
[去っていくマスターを見送りながら感慨深げに呟く。
そう、今自分は一人なのだ。つまり…。]
やっと羽根が伸ばせるぞぉぉぉぉ!
[どっかのボケの手綱を握らなくても大丈夫と言うことである。]
さーて、どこにいこうかな!
うん、とりあえず女のいるところだろ!
[金をポケットに入れ、キャスターは楽しそうに歩き始めた。]
[店に繋がっているらしいドアを少し開いて様子を伺うと、
茶を飲ませるような類の大きいとは言えない店のようだった。
客も少ない。
…やっていけているのだろうか。]
…おはよう、何か手伝えることでも、ないかな?
[不審にならないよう、にっこりと笑い、ゆっくりと入っていく。
…と。
何故かこちらを見ていたらしい、見目麗しい客らしき女性と、バッチリ目が合った。]
[立ち上がった沖田を見て自分も立ち上がる]
では、次の機会があればそのときに。
次におごって貰うのなら、あまり「お礼」はいただけない気はしますけど。
[レジでお金を払い終わり、喫茶店の外へと出る]
―昼・住宅街―
[キャスターと別れて自宅に帰り、愛犬を連れて再び外出した。]
タロ、待たせてごめんね。
今日はどこいこっか。
「バフワフ!」
[ハーネスを握り、愛犬が引っ張るままに住宅街を練り歩いている。]
えぇ、店をやっているのはわたし一人です。
誰か雇えればいいんですけど
それほど余裕もありませんし……。
[そう応えた時、住居に繋がるドアが開いた。]
……起きたのね、リチャード。
すみません、お客様。
彼は居候で……。
[言い訳しようとしたが、リチャードの様子がおかしいのに気付いた。]
いや構わんよ。
[願いを叶えると言う事がどういう事か。それを彼女に告げるつもりは無い。その先にある絶望こそが最大の娯楽でもある]
・・・・・・
[近くに強い魔力を感じる]
では私は少し行くところがある。また今度。
[そう空穂に挨拶すると、気配の方へと歩いていく]
[霊障を及ぼすような霊を防げない場所で、無防備に眠りに落ちるとは最悪の失態である。
運が悪ければ致命的な障害を受けることもありえるのだ。それは絶対あってはならないことだ。
自分の迂闊さに慄然とする。]
ありがとう…
いつもは必ず自分で護符を貼ってる。
無防備で寝ると変な霊に取り憑かれたりしたらひどい目にあうから。
[自分の不甲斐なさに腹が立つ。
(今までならこんなこと絶対ないのに…
これってランサーと行動し始めてから。
やたらこっちのこと心配するし、いろいろする普段するべきことをランサーがやっちゃうから。)
行き場のない怒りがあらぬ方向に向かう。
憮然とした表情でランサーに言う。]
もうすぐここでなきゃ。
[去っていく沖田を見送り、その背中をじっと凝視する]
結局、わからない、か。
[しばらく沖田を見ていたが、手に持った買い物袋を思い出し、自宅へと向かって歩き出した]
[その女性に微笑みかけられると、心臓を打ち抜かれるような感覚に襲われた。
…なるほど、「撃たれる」とは、こんなにも甘美なのか。
初めて、「彼」のことを少し理解できた気がした。
その女性は、小柄でしかも華奢。
上質な硝子のような白い肌に、白で統一された服装が良く似合っている。
抱きしめれば、折れてしまいそうだった。
こういうのを、深窓の令嬢と言うのだろう。
…しかし、それでいて、他にはない色気のようなものも感じる。]
…あぁ、こんにちは、美しいお嬢さん。
あなたのような気品のある女性に会えると、人生がいかに素晴らしいものか、強く感じられるような気分になりますね。
[ゆっくりと近づき、微笑を浮かべながら、挨拶する。]
-教会→商店街-
[人の多い方へと向かっていたら商店街へと辿り着いたキャスター。
とりあえず見る物全てが目新しい上に、女性も多いということで見ているだけで結構満足していた。]
うん、やっぱりいいねー。
物が溢れて、人も溢れて活気がある。
しかし、動植物がほとんどないっていうのは何か味気ない気もするなぁ。
[自然の中に人が住み、自然と共に人が生きていた時代を暮らしていたキャスターにとって少し違和感のある光景だった。
そんな事を思っている中、近くから強い気配を感じる。]
…運が良いんだか悪いんだか…、せっかくのんびりしようと思ったのになぁ。
― ビジネスホテル 508号室 ―
霊に。
[ランサーは表情を曇らせた。]
ヒサコは、霊を引き寄せる体質をしているのですか?
[誰へでもない腹立たしい内心の想いが、久子の口調に現れている。だが、ランサーは憮然な表情を向けられても決して気などは悪くしない。]
[この商店街にごく近いところに、圧倒的に大きい魔力を感じる。サーヴァントと見て間違いない]
[その魔力のごく近くに到達し、目に入ったのは]
・・・・・・ 老人?
[振り返り]
(キャスターの……気配? 魔力が、同調している)
[もう一度振り返ったが、もう沖田の姿は見えず、サーヴァント同士であればどの道自分の力ではどうにもならないことを思い出し、自宅へと急いだ]
ちょ、ちょっと、リチャード。
なにやってるのよ、あなた。
[薄ら寒い台詞を吐くリチャードを
店から出さないといけないと思い、
袖を引っ張る。]
すみません、お客様。
[引っ張りながら必死に目の前の女性に謝った。]
[露葉の言葉を聞き、眺めた扉から現れた人物の名を知った。]
リチャードさん、と仰るのね。ごきげんよう。
[微笑みのまま、目の前まで近づいてきた人物に応えて会釈を返した。紛れも無い……彼はサーヴァントである。
シャルロットの心に緊張感が生まれたが、目の前の人物は友好的な微笑みを浮かべている。これは…気付かれて居ないと判断して良いのだろうと判断し、会話を続けようと試みた。]
とても素敵なお店でしたので、立ち寄ってみましたの。
リチャードさんは、店長さんのお知り合いでしょうか。
[向こうが反応すると同時に、こちらも気配の出所を視覚で確認する。
間違えようもない、無視するには大きすぎる存在感。
紛れもなくサーヴァントだろう。]
しかも男かよ。
[これが女だったら、巧みにトークでかわした後、お茶でもいかが?的な感じにでもしようと思ったがそれすらも却下。
いやまぁ、どうせ失敗するんだろうけど。]
……なにか用かい?
その魔力・・・・・・ サーヴァント、か?
[手元にある球根に力を込める。脈動が始まるのが感じ取れる]
で、そんな老人の体はもういい。早く本来の姿を見せろ。
そうでなければ、死ぬぞ。
―住宅街・魔女の館前―
[愛犬に引かれるまま歩いていると、右の手首がちくりと痛んだ。]
やーねー、腱鞘炎かしら。
手は外科医の命なのに。
「バフ!ワフ!ハッハッハッハッ!」
[突然、愛犬が店に向かって走り出す。]
ちょ、ちょっとタロ!
どうしたの!?
[愛犬に引かれるままに、店の方に走る。]
…
[ランサーの自分の態度を意に介さず、自分の身を心配する様子。にまたも毒気を抜かれる。]
はあ、なんで私こうなんだろ…
[さらに落ち込み、身支度をしながら今日の予定を考える。]
そういえば、昨日夜ここに来てから南西の方でサーバント同士の戦闘の気配を感じたわ。
[遠くに感じられた巨大な魔力のぶつかりあいには感づいていたものの、自分達に戦闘をする余力がないその時ははその渦中に巻き込まれる危険がないという事実だけで十分だった。]
行けば死者が出たかどうかく私にはわかるわ。
今日はまずそっちに行ってみよう。
[身支度を終え508号室を後にする]
否定したら信じてくれるなら、否定するけどな?
男の相手なんか正直あんまりしたくねぇし。
[ぶっきらぼうに言葉を返すキャスター。
地味に機嫌が悪いらしい。
まぁ、久々…と言うほど時間はたってないが、それでも心労から開放され羽根を伸ばせる機会にコレだ。当然な結果かもしれない。]
へぇ…人どころかサーヴァントを見た目で判断するのか。
ハッ!迂闊にも程がある。
[そう言った瞬間、キャスターは己の魔力を隠さず開放した。]
−商店街→住宅街−
[急ぎ足で住宅街まで戻る。と、どこかで犬の声が聞こえた]
この鳴き声は昨日の……。
[辺りを見回すが、それらしき犬は見当たらず、意識を集中させて今度は魔力を手繰る]
あちらか。
[わずかに魔力を感じてそちらへ走り出す]
…あぁ、こんな僕に興味を持ってもらえて嬉しいです。
[はにかむような笑み。
一方、ぐぐ、と袖を引く露葉には目は向けず、その指をやんわりと掴み、解いていく。]
そうなんです。
僕は故あって彼女に部屋を借りているんですよ。
まぁ、下宿のようなもので。
普段から店を手伝っているわけではないので、こうして邪険に扱われてしまうこともしばしばなんですけどね…。
ははっ。
僕も、この店のこと、すごく好きなんですよ。
気が合いますね。
とてもいい雰囲気ですよね。
[…店自体に入ったのは、初めてなのだが。]
― ビジネスホテル 508号室 ―
!?
昨晩の戦闘の跡を見に行くのは、何らかの情報が得られ有益に思いますが、「死者が出たか分かる」というのは。――ヒサコ。
[颯爽と歩き出した久子を追い、ランサーもまた508号室を後にした。]
ならば、それが最盛期の姿という事か。
哀れな奴だ。
[だが魔力は確実に強い。中々の強敵に口をゆがませる]
来い、ガーベラ。大地を喰らいその姿を現せ。
[右手の球根がまたもや緑色の光を放ちながら休息に”成長”し、その剣は2mには届かないものの先ほどよりも鋭い姿を現す。同時にその付近の地面がひび割れ陥没する]
素晴らしい。ガーベラをこれ程洗練させるとは。
中々楽しめそうだ。
[今回は違う。手の中に納まっている剣に自分の魔力を注ぎ込む。本来の力を余すことなく発動させる]
[掴んでいた手を解かれ、
その丁寧さに頬が引きつった。]
な、なにこれ、
第三の人格とか言わないわよね……。
でも変だわ。
変すぎる。
[引っ張るのをあきらめて、
女性には悪いと思いつつも距離をとった。]
あら、いいんですのよ?
[申し訳なさそうな露葉の言葉に、緩く頭を振る。そして、視線を再びリチャードへと向ける。
驚くほど邪気や敵意の無い彼の様子には、およそサーヴァントらしからぬものさえ感じる。]
リチャードさんも、こういった心が和むような場所がお好きなのですね。私達、気が合いますね。
……あら?
[そこまで話した時、扉の向こうに聞き覚えのある犬の吼え声か聞こえ、視線を店の外へと続く扉へと向けた。]
[店の入口まで来ると、店内にアサシンの姿が見えた。]
あっ!マリアちゃん!!
タロってば、マリアちゃんの匂いに気付いたのね!
でも、一応お店の人にペットOKかどうか聞いてみないと。
ちょっと待っててね。
[ハーネスを手近なところに縛り付け、店内に入る。]
すみませーん、ここってワンちゃんと一緒でも大丈夫ですか?
−住宅街・魔女の館付近−
いない…?
確かこの辺りに。
[腕の令呪がちくりと痛む]
な、に?
[しばらく美貴を探していたが、尋常ではない魔力の流れを感じ。振り返る。片方はキャスターのもの]
いくら属性が同じで感じ取りやすいからといっても。
さすがはキャスター、といったところ…か。
[からんと鈴が鳴って新たに客が入ってくる。]
いらっしゃいませ。
ええ、ワンちゃんも大事なお客様ですから。
ごいっしょに入っていただいても……。
……あなた、もしかしてマスター……?
[令呪の気配を感じて
どうしましょうと呟いた。]
― 住宅街 ―
ぶわっ?!
[ 住宅街に入ったところで、思わず声を挙げてしまった。]
おいおい、なんだこの洒落にならない感じは。えーと、どっちだ。
[ 背筋を寒くさせるほどの魔力。どこかでサーヴァント同士の戦いでもはじまったのだろうか? 慌てて魔力が放出された場所を探る。右の人差し指を軽く舐め、空にかざす。]
…こっちか。近いな。
おい、行ってみるぞ。だけどサーヴァントの姿を確認してもいきなり攻撃を仕掛けたりするなよ。様子を見に行くだけだからな。どちらかというと逃げる準備をしておいてくれ。
[ 振り返り、ジャンヌにそれだけ伝えると、商店街へと向けて走り出した。]
[でもそれならば]
いくらサーヴァント同士の戦いにマスターが手を出せないといっても、これは知らせたほうがよさそう。
[辺りをもう一度見回して、美貴を探す。魔女の館、の看板が目に入り、近くまで寄ると、店の前に美貴が連れていた犬が繋がれている]
この中、か。
あぁ、ホントおれって哀れなんだよなー…。
でも他人のしかも男に言われると腹立つな。
[うん、本当に腹立ってきた。
懐に入れておいたペットボトルを二本、内側から破裂させる。
蓋を開けるのすらまどろっこしいぐらいだ。
自分の周りに水を展開させながら相手の獲物を確認する。
大した魔力だ、あんなものと真っ向から殺り合えば周りの被害は防げないだろう。]
【うーん…流石にそれじゃ女にも被害が行くかもなー。】
[こんな時にも女性への気遣いは忘れない、基本的にキャスターは女性の味方だ。
それと反比例して男はどうでも良いのだが。]
【移動するか…川の方角は…あっちだな。】
[丁度自分の来た方向…つまり背を向けているのが東である。
これはかなり都合が良かった、つまり押されているように見せながらゆっくりと後退すれば良いだけなのだから。]
[犬の声に続き、聞き覚えのある女性の声が自分の"呼び名"を呼んだ。]
まあ、美貴さんじゃありませんか、ごきげんよう。
(キャスターは一緒じゃないのかしら。ここにはサーヴァントが居るのに……。)
[後ろから、美貴を"マスター"と呼ぶ露葉の言葉を聞き、自分の主はどうか姿を現さないで欲しい、と願いながら、再びリチャードに視線を移した。]
さて、それじゃやるとするかね。
"keihastaa"
[相手に指を静かに向け呟く。
その瞬間、自分の周りに漂っていた水が刃へと姿を変えて相手を目掛け飛び掛った。]
[中を覗くと、美貴と店主らしい女性、そして、シャルロットの姿が目に入る]
……シャルロットがここに?
[驚いたが、まだ何もおきてないようなのを見て安心し、中へ入ろうかどうか迷う。
令呪が何かに反応しているらしい。美貴に反応しているのかとも思ったが、そうでもないようだった。
よく店内を見れば、もう一人、男性が立っている]
[右手首がさらに痛む。
と同時に突然の脱力感。]
は、働きすぎかしら……。
[立ち眩みにも似た症状に一瞬意識が薄れ、露葉の“マスター”という言葉を聞き逃した。
「マリアちゃーーん!今日も可愛いね!」
と言いながらアサシンに抱きつく。]
・・・・・・!!
[水の刃を横に飛び回避していく。一撃だけは手に持った巨大な剣をまるで小太刀を振り回すようにすばやくかつ軽やかに振り回し、切り裂くように撃墜する]
水の・・・・・・まあキャスターだろうな。
ふん、中々面白い。
[美貴と呼ばれた彼女がマスターであるなら
マスターが一人で動き回るとは思えないから
もしかして"マリア"と呼ばれたこの女性は
とてもそうは見えないし、感じられないが
サーヴァントなのだろうか。
本調子ではない状態で戦いになるのは困る。
それにここは大事な店だ。
壊されるようなことになってほしくない。]
お客様。
何をお飲みになりますか?
[しばらく逡巡した露葉は、
美貴が戦おうとしているわけではないのを見て、
とりあえず客扱いすることにした。]
[横から聞こえた「マスター」という響きに、ぎくりとする。
若干だが、頭が冷える。
会話が落ち着き、ようやく周囲に目を向ける余裕ができた。
全く、迂闊だ。
露葉の言い方では、自分もそうだと白状しているようなもの。
…しかし、小声だったからか、聞こえていない風だった。
…た、助かった。
今は普通の人間の魔術師とだって、できれば戦いたくはない。
魔力の消費を、極限まで抑えているのだ。
さすがに、勝てない事は、その、ない、とは思わないでもないような気がするが…。
冷や汗。
サーヴァントのことに、頭は回らなかった。]
ほう、中々良い反応するな。
どうだろうな、そう言うそっちはセイバーか?
[水の刃が一つ撃墜される…がそれを見てキャスターはにやりと笑った。]
そう、水さ。
そして水は…形を持たない。"Diffuusio・Asettava"
[キャスターが呟くと同時に、切り裂かれ水滴と化した水が再び空中で一つに集まり刃へと戻る。]
[少し考えていたが、とりあえずタロを鳴かせてみることにした。近寄り、その頭を撫でる]
ごめんなさい。少し、利用させてもらうけど。
[リチャードの表情が、自分への微笑みから店内へ向ける静かな視線に変わったのを確認し、小さな吐息をついた。
ふらりと倒れるように抱きついてきた美貴を、どうにかこうにか受け止めるようにして、鈴を転がしたように声を立てて笑った。]
まあ、有難うございます。
こちらのお店のハーブの香りに癒されて居た所なんですよ。
美貴さんは、タロのお散歩の途中なのかしら。ご一緒、されますか?
[美貴に話しかけながらも、リチャードの気配の変化があればいつでも対応出来る様、気は緩められなかった。]
くっ。
[再生成までは予測しておらず、浅く頬を切り裂く]
・・・・・・ 貴様。この私に傷をつけたな。
[右手を強く握りこむ]
−この世全ての毒−
− 斬 撃 皇 帝 −
[その剣全体から赤く禍々しい魔力が溢れていく]
[アサシンにしがみついていたが、問われて店主の方を向く。]
えっと、じゃあ、……過労に効きそうなハーブティーを。
[その時、店の外で愛犬が吠えた。]
いっけない、マリアちゃんに夢中になって、タロのことを忘れてたわ!
マリアちゃん、ちょっと待っててね!すぐ戻るから!
[慌てて店の外に飛び出す。]
Laissez de l'eau paraitre ici
[短く唱えて、手のひらに水を発生させる。それを鼻頭に持って行き……]
「バフ!ワフ!ワフ!ワフ!ワフ!キューン…」
[水が怖かったのか、近づけると鳴き始めた]
水が、怖い? 動物は確かに怖がることも多いけど。
[少し脱力したが、目の前の微笑ましい光景に我を取り戻す。]
あ、お知り合いのようですね。
貴女は、マリアさんと仰るんですか。
いいお名前ですね。
[マリアに抱きついていた新しい客の元気な後姿に笑みも戻った。]
− 午前 オフィス街→西ブロック −
[道すがらランサーと話続ける]
拠点はとりあえず、公園のテントの様子を見てダメそうなら、今日のとは違うとこを探すしかないかな。
…私の体質だけど、霊媒体質だから霊体に対する感知力は高いの。
私の場合、呼び出すことができないから墓所とか守護目的とかでその地に根付いた霊しか降ろせないんだけど。
降ろした場合は相手の知っている情報を何でも聞き出すことができるんだけど…
今回はその能力は役に立たないわね。
人が死んだ現場に残る霊体の残照から【そこで人が死んだことがわかる】だけ。
【御霊の様子からその性質はわかる】けど。余程異常な御霊じゃない限り私には区別がつかないわ。
そう、サーヴァントなんかは明らかに人違う御霊の様子をしているはずよ。
あれ、ソフィーさん……?
[愛犬の元に駆け寄ると、見覚えのある女性の姿を見つけた。]
ちょうどよかったわ、マリアちゃんもお店にいるの。
ソフィーさんも一緒にお茶しましょう。
[くすくすと笑いながら美貴の後姿を見送った。
……それにしても先ほどから、大きな魔力がどこかでぶつかり合う気配を僅かに感じる。我がマスターは無事だろうかと考えるが、魔力の供給は穏やかに行われ、マスターの居場所もほど近くに感じられたため、再びリチャードとの会話を試みようとした。
彼が"どのクラスのサーヴァント"であるか、少しでもヒントが欲しかった。]
ええ、マリアとお呼び下さい。お褒め頂き光栄ですわ。
リチャードさんは、とても紳士的な方なのですね。そういう殿方ばかりでしたら、女ももっと幸せに生きていけるでしょうに……。
[男尊女卑のフランス封建時代に生きたシャルロットには、それは心からの言葉であった。]
はい、かしこまりました。
[頼んですぐ美貴が飛び出していって
少しだけほっとする。
知らぬうちに緊張していたようで手のひらに汗をかいていた。
まだサーヴァントかもしれないマリアがいるから
気は抜けないがそれでもかなり違う。
手のひらの令呪が見えぬようにエプロンで汗を拭った。
そして、カモミール、マロウ、オレンジリーフ
それにつぶしたナッツを少々。
ハーブを入れたポットに熱湯を注ぐ。]
……冷める前に戻ってきてくれるかな。
[相手の剣から、禍々しいほどの魔力があふれ出す。
最悪此方も宝具を使わなきゃいけないか?と思いながらも、まだ出すには早すぎると思いとどまる。
キャスターの宝具は云わばジョーカー。
そのカードを切れば負ける気はしない…だがジョーカーは一枚しかないのだ。
この場で早々と切るわけにはいかない。
そして目の前のサーヴァントは、その剣を握り己へと斬りかかって来た。
その踏み込みの速度は予想以上、キャスターの身体能力じゃ今から後方へ飛んでも間に合わない…。]
チッ…"tuutia・heilahdus"!
[咄嗟に足で地面を蹴る、その瞬間に現れる岩山…だが、あの剣の前では防御の役割など紙と同等だろう。
だが、狙いは防御ではなく一瞬の隙…。
岩山の影で自分に起こる"現象"を見せないことが目的だった。]
美貴さん、その、落ち着いて聞いてください。
今商店街の辺りでキャ……お爺様が戦ってらっしゃいます。もちろん貴方が近くにいても、彼ら同士の戦いには何の力にもならないかもしれませんが…。
令呪の存在は別です。
相手は単独のようでしたから、令呪を使われることはないでしょうし。
[美貴が外に出てきたことにより、令呪の疼きが、美貴だけのものではないことがわかる]
それから。
中の方はマスターかもしれません。
ご注意ください。
こちらに戦意がなくとも、相手は別ですから。
― 自室への帰り道 ―
[買い物袋を下げ、ケネスは足早に帰宅を急ぐ途中で、宗冬に出会った。]
何だ、もう出歩けるのか、さすがに丈夫だな。
じゃあ、教会に行くんで付き合ってくれや。
[そう声をかけると「うむ、だがひとつ問題があってな」と宗冬は言った。
ケネスが何事かと問うと「刀を質に入れた」と言う言葉が返ってくる。]
……は?……お前、刀は武士の魂だろうが、何で質に入れてんだよ!
つーか、俺達は聖杯の取り合いに参加してんだぞ、何で武器手放すんだよ、お前は!!
[そう怒鳴ると、「バレエを見たかったのだ。昨日テレビとか言うもので知ってな。」と訳の解らぬ事を言った。]
何で、侍がバレエとか見るんだよ!
[そう問うと「あれには剣の極意がある」とさらに訳の解らぬ事を言う。]
ふん!
[サイズも重量も硬度すらも関係ない。
全てを無に返すいわば概念武装に近き剣。それこそが真の力。
迷わず岩山に剣を振り下ろす。
そして、その岩山は”消滅”した。
そう、残骸も残らない。岩山という存在そのものに介入し、そしてその根幹に決して抗うことの出来ない”毒”という架空元素を打ち込む。そしてその結果岩山は剣に触れた直後に霧散する]
ふふふ・・・・・・ふははははは!
[岩山の影にいる筈のキャスターめがけて再度剣を振り下ろそうとする]
― 住宅街→商店街 ―
うっわー。嫌だね、この感じ。
[ 全身の毛穴から、ぞくぞくとしたナニカが滲み出てくるような感触。近づくべきではないと、藪を覗くもんじゃないと卑怯者の直感が警鐘を鳴らす。
だが、今は少しでも情報を集めておかねばならない。逃げ出しそうな心を必死で押し殺しながら魔力の中心を探して進む。]
ええと、こっちか!
[ 移動しつつある、ソレを追い、川原の方へと向かった。]
― 午前 西ブロック ―
つまり。ヒサコは、その地に留まる霊体を降ろし、話をする事が出来るという事ですね。
そして。どのような想いを残し、その人が死んだのかも分かる。否、その霊の色――でしょうか。
私達英霊の残滓――。
[数拍の沈黙。]
サーヴァントが、脱落したのか知りえる事が出来るのは有益な能力です。
[話しているうちに、久子が目指す場所に辿り付いたようだ。]
[ソフィーの言葉にきょとんとする。]
お爺ちゃんが、戦ってるの?
そっか、それでごっそり持っていかれたんだ。
よかった、過労じゃなくて。
そして、中の人が、マスター……?
……確かに店主っぽかったけど。
若いのに偉いわねー。
[しかし、その場にキャスターはいなかった。
必ず居る筈の目標に向けて振るった剣は空を斬る。
その隙に、キャスターが居た辺りから、キャスターより遥かに小さい"何か"が走り抜けた。
そして、その場からある程度離れた所で、その小さい"何か"はキャスターへと姿を変える。]
ふぅ…あぶねー。
流石に今のはやばかったな。
[小さい"何か"はキャスターが変化したカワウソだった。
変化の瞬間を見せないために出した目晦ましのための岩山…咄嗟の判断だったが上手く行ったようだ。]
【これはちょっとやばいなー…流石に手持ちの水だけじゃ満足に戦えねー。】
[迎撃よりも移動を優先した方がいいという結論に達したキャスターは、牽制の水の刃を放ちながら足早に後退を始めた。]
− 昼 樹那町西ブロック −
[戦闘があったと思わしき周辺をしばらく歩きまわっていた。]
…これだけ歩いて見つからないってことは、やっぱり昨日の戦闘で死者はでなかったみたい。
!!
この気配戦闘!?
ランサー、戦闘になるかも。
商店街の方!!徐々にこちらに近づいてくる!
私の方の魔力は完全じゃないけど…昨日よりは全然大丈夫!
そうです……が、相手のサーヴァントは強力です。恐らく、名前が本当ならばセイバーでしょう。
商店街ではお爺様のほうが不利でしょうね。川のほうへ移動するかもしれませんが……。
行かないのですか?
[美貴をじっと見た。別に責めるような視線ではない]
じゃあ、なんか「呼ぶ」とか「召喚する」とか出来ないの?
お前の宝具じゃないの?あれって。
[そう言うと「質屋に悪い」と宗冬は言った。]
ああ、もういいよ、解ったよ。ほら行くぞ!
……どこへだ?……じゃねぇよ!質屋に決まってんだろ!!
あー…それと、お前にいくらか金を渡しておくよ。また質屋に行かれちゃたまらんからな!!
[ケネスはいくらかの金を財布から出すと、宗冬へと渡した。
ふと、他のマスター達は今頃何してるんだろうと言う思いが胸をよぎる。]
俺みたいに、サーヴァントにこずかいを渡してるんだろうか……
[そんなの絶対俺だけだ……、即ケネスは*確信していた。*]
・・・・・・・小癪な。
[その剣の本来の力に満足しながらも、脱出を果たしたキャスターを視認する。
明らかにどこかへと誘導する動きだ。キャスターと言えば陣地作成に定評がある。ならばきっと近くに主戦場があるものと理解した]
いいだろう、付き合ってやる。
[まるで獲物を袋小路へと追い詰めようとする獅子のように、剣でその水刃を”消滅"させながらキャスターを悠然と追いかける]
んー、お爺ちゃんなら大丈夫じゃないかな。
伊達に“魔法”使いを名乗ってないでしょ。
[会話の中で、違和感を覚えた。]
……ソフィーさん、お爺ちゃんの相手を知ってるの?
…おや、あなたのような女性に、紳士的にならないような男もいるのですか?
その方には、とても人生は楽しめそうにないですね。
[冗談混じりに流しつつ、少し顔をしかめた。
女性が時に弱い立場に置かれがちなのは、この場所でも、同じなのかもしれない。
自分とて、いつもこうして紳士的に振舞える、振舞ってきた、そんな自信は、もちろんない。]
…もう1人のお客様が、戻ってきませんね。
様子を見てきましょうか?
[ようやく、露葉に目を向ける。
露葉を信じるなら、外へ行った彼女は、聖杯戦争の参加者だ。]
【ほー、あからさまに誘いに乗ってくるか。
自信満々って所だな…都合が良いね。】
[追ってくるセイバーを視界に捕らえながら、定期的に水の刃を飛ばす。
あの宝具の特性だろうか、流石に消滅させられてはいくら形無き水といえども再生は不可能だ。
ならば、幾ら消滅させられようともそれを上回る物量をぶつけるしかない。]
確りついて来いよ…!
[目的の場所まであと少し、戦いが激化するまでの秒読みが開始された。]
-商店街→川原-
恐らく、ですけど。
お昼を食べた後にお茶に誘われたのです。
どうやら、お爺様のように女性が目当てというわけではなく、ケーキのほうに興味がおありでしたが。
名を「沖田総司」と。
あれは。悪意の塊だった。
人の悪、そのもののような。
[引き締めた口元は厳しい。]
マスター。危険だと思ったら、私の事は気にせずに逃げて下さい。
……私はそれでも、親切にして貰える方でしょうけれど。
[微笑みに若干寂しげな色が映った。
シャルロットが心を痛めてたのは、自分がどう待遇されるのかではなかった。世の中が正義と平等に満ち溢れていない事への憤り、ただそれだけが、彼女の動力源である。生前も、そして今も……。
様子を見に行くというリチャードの言葉に、慌てて言葉をかけた。]
それならば、知り合いである私が見に行ってみましょうか。
それと、出来るなら……
[じっと、目の前の男を見つめ]
貴方とまた、ゆっくりお話がしてみたいのですけど。
このような申し出は、その、野暮というものなのでしょうか。
[チラ、と露葉とリチャードの顔を見比べた。]
― 住宅街→商店街 ―
ちょ、この馬鹿!!
[ち、と舌打ちをして走り出した背中を追いかける。
あまりにも卑屈なその後姿を見て思わずため息しかこぼれてこなかった。
けれど、自分の敵となる相手がどんな姿なのか。
それは確かに気になることで、しぶしぶ主を盾に後ろから戦いの様子をのぞく]
へぇー、ソフィーさんってモテモテなのね。
ナンパするサーヴァントなんて、どこかのお爺ちゃんみたい。
[キャスターの顔を思い出して、クスクスと笑う。]
でも、そういうことなら放ってはおけないわね。
マリアちゃんには悪いけど、お爺ちゃんが心配だからこのまま失礼するわ。
教えてくれてありがとう。
[ソフィーに礼を言い、愛犬を連れて樹那川の方へ駆け出した*]
[2つのサーヴァントの気配の移動スピードが増す、こちらに気づく様子もなく数ブロック先を川原の方に移動していく。]
こちらには気づいてないみたい…
[このまま戦闘に参加するか、逃走するか、迷いが生じしばし立ち尽くす。]
−住宅街から川原へ−
成る程、確かこちらには水気があったな。
[これであの男が水特化型の魔術師である事が判明した。他にもかくし芸があるかも知れないがそれ程警戒する必要もないだろう]
さて。
どうやって、殺してやろうか。
[なぜ見比べられるのかまったくわからなかった。]
何が野暮なのかな?
騒がれるのは困りますけど、
お話しするだけでしたら
いつでもいらしてください。
-川原-
[自らの後方に広がる膨大な水を感じる。
さぁ、舞台は整った。あとは"詠う"だけだ。
原初の詩人たるワイナミョイネンの戦い方を相手に魅せ付けてくれよう。]
見えるか、俺の後ろに広がる膨大な水が。
…これから先、お前の眼前に広がる水…その全てが――
[腕を少し振るう…その瞬間、川の水の全てが一気に天へと持ち上がった。
突然出来た川の中の"空白"を、上流からの水がス一瞬の間に音を立てて埋め尽くし飛沫を上げる。]
――俺の魔力だと思え!
マスター。貴方が身を危険に晒す必要は一塵たりともありません。護りが万全な場があるなら、――その場に行った方がいい。
[ランサーは知らない事だったが、この近くには教会が奇しくもあった。]
[少し、思う。
「彼」は、ある意味、最高の平等主義者だった。
殺そうと思えば、誰も、平等に、殺す。
違うのは、せいぜいその楽しみの度合いくらいだ。]
おや、そうですか?
[少し慌てた様子のマリアに声をかけられる。
そういった様子すら、可憐だ。
しかし。]
あ、ええ…。
僕ももちろん、お話ができれば、とても、嬉しいですが。
[歯切れが悪くなる。]
僕は、あまりこの店にはいないもので、なかなか会えないかも知れません…。
― 川原・下流 ―
あー… あれか。
[ 早めに路地を曲がっておいて正解だった。戦場からそれなりに離れた場所から2人のサーヴァントらしき姿を確認できたからだ。
近場に生えている木の後ろに隠れて様子を伺う。]
おい、ヤバくなったら逃げる。それまであいつらにどんな能力があるのか確認しておk
って、こら、僕を楯にするなマスターだぞ僕わっ
[ 明らかに背後に回られていることに気付き、声を荒げた。]
[露葉の言葉に少し嬉しげに微笑んだ。]
いえ……その。
もし、貴女の、いい人、であるならば。
野暮かなと思っただけですわ。ごめんなさい、不躾なことを言ってますね、私。
[そして、リチャードの言葉にありありと落胆の表情を浮かべた。]
そう、なのですか。
それでは、もし、お会いして下さる時間が出来たなら、その時にはぜひ、お時間下さいね。
[それは、不確定な、約束。]
[逡巡するうちにもう一組のマスターとサーバントの気配を感じる。
その気配もやや方角は違うが川原に負かっている。
ランサーの言葉に馬鹿にされたように感じ声を荒げる]
馬鹿にしないでよ、もう。
もう一組いるのに気づいたのよ!!
とりあえず、川原の方に行いくよ!!
[ランサーに向かって走り出す]
― 川原・下流 ―
煩い、大した力もないくせに騒ぐな。
[声を荒げる男を鋭く睨み返すと戦況の把握を急ぐ。
時々唇を鳴らすは戦況を把握した団塊を意識に覚えこませるため。
男などどうでもいいとばかりに視線がすでに戦いしか見ていない]
水………片方は…キャスター?あの隠者がそうなのか。
ふふ・・・・・・ふははははは!!
[眼前に壮大な水の城が出現する。自然現象にここまで介入できる魔術師がいるとは思わなかった。
だが同時に、これだけの水の力を持つ魔術師であり人間である老人はただ一人しか心当たりは無い]
人の身でありながら創造主と崇められたマイナーな天才魔術師だったか!
ならばこちらも遊ばせて貰うぞ!!
[手に持った巨大な剣を大地に突き立てる。そして口からは召喚のスペルが漏れる]
− 獄 炎 −
[大地がひび割れ、無数のどす黒い火柱がセイバーを包み込む]
並の水などに消されるようなやわなものではない、地獄で燃えさかるインフェルノだ!
この地が貴様の出生地であるフィンランドでは無いことを怨むが良い!!
いいえ、そんな面白い誤解をされると思わなかったもので。
それにしても、これ、がわたしのいい人……。
ないない、ありえない。
[ぶつぶつ呟き首を振る。
そのように見られたことがとても不満そうだった。]
はっはっは。
面白いですね。
[良い人、という響きに笑いがこぼれる。
出会いが出会いだっただけに、そんな発想すらなかった。
…まぁ、あの時は僕ではなく、「彼」だったわけだが。]
ふふふ…。
いえ…本当に、すいません。
…今日はもう、あまり時間がないようですね。
そう、もし「僕」と、また会えたら、その時はきっと、ゆっくりとお話をしましょう。
[自分の弱さの、なんと憎いことか。]
−教会−
ぐ・・・・・・ぐがが・・・・・・
[何組かの参加表明は何とかこなしたが、つい先刻からの魔力消費が並ではない。既に立っているのが不可能になりつつある]
セイバー・・・・・・ 一体何を。
[奴が並のサーヴァントでは無いことは薄々感づいている。だがそれにしてもこれは普通ではない]
全力で意識をつなぎとめる。
そんな状況の中、耳元で誰かが囁く。
−滅ぼせ。全てを−
― 川原・下流 ―
いや、違うだろう。たいした力もないから騒いでいるんだっ
[ 非常に情けないことをきっぱりと。]
…で、君はあのバケモノみたいな奴らを倒せるのか?
[ というか、君も奴らと互角のバケモノなのか? と続けかけたが怖くて飲み込んだ。
また、ジャンヌの顔がかなり真剣であったため、これ以上の邪魔をしないよう静かにしていることにした。]
― 川原 ―
[上流から下流へ流れ行く水の流れ。
その流れは、生き物のように、1人の老人によって支配されていた。水はくにゃりと自由に形を変え、蒼穹を覆う水の壁を作り出していた。]
強大な魔力の力。
様子からしても格好からしても、あれはキャスターか。
[独白。ランサーの目は大きく開かれ、きらりと光る。]
お気を悪くさせてしまったのなら、謝りますわ。
[眉根を寄せて頭を振る様子の露葉に、申し訳なさそうにそう言った。そして、そのままやはり面白い誤解だ、と言っているリチャードに視線を向け]
有難うございます。それではその時を楽しみにしていますわ。私は、美貴さんの様子を見に行って参りますわね。
[優雅に立ち上がり、露葉に会釈をするとそのまま店のドアを開けた。静かに扉を閉めると、そこには身を潜めるようにして立っていた己のマスターの姿がある。]
……驚きましたわ。
取り敢えず今日は、屋敷に戻りませんか?
報告した事が幾つかあります。
[ソフィーを促し、屋敷へと*戻った*]
だから、煩いといってる。小者が騒ぐな。
[もう一度ぴしゃりと言い返す。
瞳はとても真剣で、だからこそ返した問いを注げる表情も真剣だった]
いまさら怖気づいたと?
そういう能力を持った化け物を呼び出して戦争を始めたのは貴様たちだろう。
いまさら腹も括れないと言うのなら、あの無駄に部屋に隠れて怯えていればいい。
…俺は勝つために来た。
戦いには、何かしらの意義がある。
勝っても戦、負けても戦。
そこに己の存在の意義を見出し、それが適わなくても、戦う。
それが戦いだと、戦士とはそういうものだと教わった───だから、それだけだ。
【ちっ…火が得意とはな。】
[ワイナミョイネンは水の王であると同時に多数の属性の魔法を習得している。
大地…風…鉄…しかし、火の属性だけは一切習得することは出来なかった。
いや、厳密には使えるのだ、ただしそれは"変化"した状態でのみだった。
友であり火と天を司る鍛冶の神、イルマリネン。
彼に変化して初めてワイナミョイネンは炎を扱うことが出来る。
しかし、ここでもやはり名声による修正が不利に働いた…。
そう、何度か試したがキャスターはカワウソ以外への変化の魔法が使用できなかった。
故に彼は炎を支配することが出来ない…。]
…だがな。
俺の魔力が流れる水を…ただの水と思うな!
[彼は詠う。そう、ワイナミョイネンは魔法使いであると同時に原初の詩人。
彼の歌は月と太陽すら魅了し動かすことすら可能であったと言う。
故に彼の持つスキルは"神詩詠唱"。
詩での詠唱の形をとることで魔術はおろか魔法であろうとも1小節の詩で起動させられる。
そして詩とは幾つもの小節が積み重なる…それが可能とするは"魔法の連続詠唱"。]
『Kaikki on joutua rikki. Lapa -lta loppumaton kyyneltya』
『Ankara myrsky etta puts rikki ampua Aivan kunnianhimo Se kukoistaa se lahettaa.』
[水は全てを覆い潰さんとする刃持つ大波へと姿を変える。
その後方から吹き荒れるは全てを掻き消す魔力の嵐。
ワイナミョイネンの口から紡がれる美しい歌声とは対照的に、凶悪なまでの自然の力を振るわんと炎に襲い掛かった。]
−川原・・・・・・の近く−
・・・・・・(わなわなわな
[サーヴァント同士・・・・・・もとい怪獣大決戦が始まったと連絡をうけ現状確認に走ったところ、とんでもない光景が目に飛び込む。
川は全て吸い上げられ、地面はひび割れて小型マグマのようである]
ふぁ〜〜〜〜っく!
あんなのどうやって元通りに出来るのよ!!
もう、サーヴァントなんてみんな死んじゃえばいいのに!ってもう死んでるのか!あーもう!!
もーおにいちゃんたら〜♪ ほんとふぁっくだよ〜★
[何となく言ってみたかっただけらしい。だが誰も聞いておらず、その暴言は空気に溶けた。ちなみに彼女にリアル兄上は存在しない。何となく萌え台詞を言ってみたくなっただけのようだ]
ふん、その程度で。
[剣をふりかざすと地面から噴出している焔が火柱となり、さらにその火柱はまるで。一匹の竜のように胎動した]
逝けい!!
[竜の形の獄炎は、嵐の中央を喰らいつくさんと襲い掛かる]
……疲れたわ。
[マリアもいなくなってようやく気が抜ける。
美貴のために入れたお茶はどうも無駄になりそうだ。]
もう一人、マスターがいた……様な気がする。
ほんと、店で何も起きなくてよかったわ。
[少し冷めかけたそのお茶をぐいっと*飲み干した。*]
………。
ふん。ご立派だね。でも怖気づいたのとは違うよ。僕は死ぬのが嫌で、負けるのも嫌だからだ。
結果が全てだよこの世の中は。
だから君にはちゃんと勝ってもらわないと困る。勝てる算段を立ててから挑んでくれよ。
[ ちっ と舌打ちを残し。後はもう黙っていることにした。]
マス…タァ!
ここは危険です。
[有無を言わせず、久子を担ぎ上げると下流へ向かって走り始めた。そちらの方向に、ライダー達が居るのが見えたが構ってはいない。]
…何度も言わせるな。
俺は勝つためにきた。
[舌打ちする男をよそ目に、炎竜と大いなる歌の海に焦点を合わせたまま]
…あれを見て、どうおもう。
この局面、どちらが勝つと予測する?
[キャスターは内心、宝具無しで戦わなければいけないことに焦っていた。
むしろ、目の前のサーヴァントこそ宝具使い倒すべき唯一の相手なのではないかと思い始めている。
それほど目の前のサーヴァントの力は強大だ、ましてや得意属性が炎とは相性が悪いにも程がある。]
『Se pysahdys jalkeilla. Se tanssia jalosti. Palvella sotamiehena -lta kyyneltya』
『Kalpa -lta leimata rohkea toinen puolue on korento -lta heila. eksponentti on hylkeenpyytaja lahettaa jotta katkea maahan』
[途切れぬ歌声と共に現れるは水より召喚されし2人の精霊の騎士、その手に持つは封印の剣。
召喚と封印の魔法の同時詠唱。
本来ならば召喚すれば万の水の兵士を呼び、封印すれば相手の力の全てを封じ込める魔法。
その力は相手の宝具の使用すら不可能にすることが可能だっただろう。
しかし、今のこの呪文にそこまでの力は無い…それが目の前の炎の龍に何処まで通用するかは賭けであった]
、、、、、、。
[ もはや何が起こっているのかさえ理解できていないのだ。そんなものの予測がつくわけがない。]
共倒れてくれることを期待するね。
[ 考えた挙句、もっとも情けない返答を返した。]
……最悪だ。
[認めていなくとも、主にせざるを得ない男の回答にぎりぎりと頭が痛む。
二の句を続けようとしたところで不意にぴくりとその表情は変わろうか]
…何か来る。
[じっと上流、戦局とは別の方向へ視線を向ける。
それは天啓と呼ばれる、虫の知らせのようなもの]
ふ・・・・・・ふはははは!
[魔力に反応し、次に反応したのは手に握る剣だった。
キャスターの本気の魔力の放出に、その剣はさらに”成長”した]
それが切り札か。だが・・・・・・
残念だったな。
[既にその刀身は10mに達し、その一振りが1人の兵士を切り裂く]
貴様の魔力の強さが命取りだ。
突然の離脱……を許して欲しい。だが、
[右手を振るう。瞬間、ライダーのサーヴァントとマスターの間をチャクラが駆け抜けてゆこうとする。道を開けさせるように。
ランサーのこめかみから汗が一筋流れた。]
…判った。
戦局に変化が見えたら知らせる。そっちに集中してくれ。
状況にもよるが、撤退を最優先で考えてほしいぞ。
[ 真顔に戻り、荒れ狂う魔力のぶつかり合いへと意識を向ける。
そのまま右手を胸の内ポケットへと滑らせ、潜ませていたポケットウィスキーのボトルの感触を確認する。時間稼ぎくらいには、使えるといいのだが…。]
・・・・・・ !?
[刹那。魔力供給源が休息に弱まっていくのを感じる]
くっ、こちらが先に弾切れになるか。
マスターめ、情けない。
[このまま焔の均衡を取り続けるのは不可能。タイミングを見計らい放棄を試みる]
【おいおい…勘弁してくれよ。】
[なんだこの相性の悪さは、と嫌になってくる。
炎の属性に、魔力に呼応して力を変える剣と来たものだ。
なんというかもう、俺に対する天敵としか言い様がない。
相手の切り札という言葉に、本当に切り札を使おうかと思考を巡らす。
その手に握られるは深蒼色の卵。全てを吸い込むような海の色をした宝玉のようなものだった。
それを握りながら、刃をゆっくりと見つめる。
この距離でもまだ安心できない。逃げの手を確保しなければ流石に危険だと判断し、川の真ん中へと移動する。]
[キャスターと同時にその魔力の激突が止まる。同時に剣は収縮を始め、キャスターと戦闘を開始する前の状態に戻る]
(・・・・・・ ここだ)
[もう一つだけ手はある。いわば体が前大戦のアサシンだからこそ持つもう一つの”奥義”。焔を放棄した今なら討てる。
・・・・・・ だが、セイバーはそれを止めた]
どうやら、お互い足手まといに邪魔されたようだな。
貴様と戦うのは中々面白いようだ。
ここで止めを刺すのはつまらん、今日は見逃してやろう。
[剣は球根に戻っていく]
[眼前の敵が剣を退いた。
その事に内心安堵する、此方としてもこれ以上の魔力行使はマスターの事を考えると不安なのも事実だった。]
俺としては御免蒙りたいね。
疲れるんだよ…半端じゃなく。
……だけどな。
[ああ、安堵すると同時に、もう一つ隠しようも無い感情が湧くのが分かる…これは。]
お前は、俺が殺すぞ。
[明確なる殺意だった。]
ふははははははははははははは!!
さすがは水の賢者、言う事が違うな!
いいだろう、ならば貴様の死は私が見取ってやろう。
これからも私を楽しませてくれよ、水の賢者。
[数歩後ろに下がりながら、闇に溶けていく]
…考えておく。
[あきれたように男には聞こえただろうし、実際英霊はあきれていたのだが。
徐々に近づきつつある力から不意に勢いのあるものが放たれれば舌打ちひとつ、パーカーに隠して腰裏に吊るした懐剣に手が伸び、短い語句とともにそれを抜き放つ]
───『LIBERA ME!』
[飛来する戦輪と、リカッソのごとく刻まれたフルール・ド・リス鈍く光る刃が打ち合えばぎりぎりとまるで金属を切断するような競り合いの音響き、ぐ、と力を握る柄にこめればキンと心地よい音ともにその輝く輪は弾き返される]
…最悪だ。
[忌々しげに、英霊はつぶやく。
迫りくるだろう気配に、舌をひとつ打って、その姿視界に捉えようと前を睨み見据え]
ふん、殺せるものなら殺してみろ…"世界"をな。
[消えていく姿を見ながら、見送りの言葉を投げる。
そしてその姿が全て消えたのを確認してから、大きく息を吐いた。]
あーっ!疲れたなチクショウ!
今日はゆっくり羽根のばす予定だったのに!!
[水の上に立ちながら思い切り叫ぶ。
せっかく街へと繰り出して色々しようと思ったのに、いけ好かない男と疲れるまで大暴れとは笑えない。]
でも…ある意味男で助かったな。
あれで綺麗な女だったら俺勝てる気しねぇぞ、そもそも攻撃できんだろうし。
[己の命より女優先、ある意味男らしさこの上ないかもしれない。]
というか…やたら見てる奴いるよな?
[そう言って、キャスターはあたりを見渡した。
まぁ、今から見つけ出してどうこうしようと言う気にはさらさらなれないわけだが。]
[弾き返されたチャクラ(戦輪)は、一直線にランサーへ向かい、右腕にまた腕輪として収まった。]
――…。
[ランサーの足が止まる。その距離は数十mもない。久子を担ぎ上げていたのを降ろす。背後の魔力の激突がいよいよ高くなり、――収束した。]
ちょ、うわ、なんだっ?!
[ すぐ隣で発せられた激しい金属音に慌てふためく。横を見れば懐剣を抜いたライダーの姿。]
て、敵なのか?
[ 小さく呟き、とりあえず身を伏せて*いない振りをした*]
……。
[弾き返した戦輪が返る方向を視線で追う。
遠めに見えるのは、二つの人影。
けれど小さい身にひしと感じるのは一人の英霊と、一人の人間の気配。
懐剣を握る手、指に嵌められたフルール・ド・リスの指輪の存在を柄を握りなおすことで意識する。
かけられた声を発する英霊をじっとまっすぐに見返し]
……初対面の相手に、しかも開口一番にそれか。
…まあいい。何ゆえに退けと説く。
事と次第によっては、応じよう。
[もう一度懐剣を握る。
柄と指輪が触れ合って、ぎりと小さな音がする]
――無礼を失礼。
[苦い果実を食(は)んだような表情。
暫し、瞑目した後、久子を見て――硬い表情。硬い表情から、意を決したのか、ランサーは普段の表情に戻り、話を続けた。]
この場より離れるため。
否。戦いを避けたいがため。
そう言えばいいだろうか。
[すぅと、久子から一歩前に。]
…あ。
[その茶を、貰おうと思っていたのだが。
歩く姿は、百合の花…
と、そんな有様のマリアを呆として見送っていたら、言う機会を逃してしまった。]
まぁ、助かったよ。
「僕」は、弱いからね。
僕がサーヴァントとも、気付いていないようだったし。
…さて、少し、僕の話を聞いてくれないかな?
そして、少し話を聞かせて欲しいとも思うんだけど。
[露葉の顔色を伺う。
果たしてこの人は、興味を示してくれるのだろうか。]
この戦いについて、「彼」について、「僕」について、色々と話し合っておいてもよさそうなものだと、僕は思うんだよね。
「彼」とは、そういう話を…一切。*していなかったはずだ。*
【んー…】
[キャスターは川の上に座りながら川岸を見ていた。
恐らくサーヴァントであろう人物が対峙している。
あれが男と女ならば躊躇無く女の方に加勢しただろうが、女と女である。
どっちの味方も出来ないし、むしろ女同士の戦いって言うのは結構本能的に危険だと悟っている為傍観していた。
まぁ、本格的に危なくなったら止めようかなーとかも考えていたりするが。]
女が傷付くってのは良くないもんなー。うん。
戦を避ける?……馬鹿な。
英霊として名を連ねておきながら、戦を避けるのか?
…まるで、どこかの腰抜けと同じことを言う。
[そこでちらり、隠れてしまった自らのマスターのほうを見るがすぐに視線は目の前の男へ戻される]
…が、しかし。
今この場で刃を交えるというのはあまり好ましくはなさそうだな。
[男を映していた視線が、その肩向こう遠くへ。
一時終結したことを示す強大な魔力の収束へ。
それから、また視線を男へと戻す]
…いいだろう、その提案を承諾する。
ただし、条件をひとつ。
…貴公の位階を知りたい。
よければ、主の名前もお聞かせ願おう。
初回の印象が最悪というのは双方にあまりいいことではないだろうから。
[そこまで告げると、握っていた懐剣を腰に吊るした鞘に戻して緑のパーカーを軽く直せば剣は彼らの視界から消えるに違いない]
…名を尋ねるには己から、とも言うな。
俺は、騎兵。
主は…そこに隠れている腰抜け。名前は……。
……わすれた。
[そういえば、聞いたかどうかが思い出せず、けれどどうでもいいと思い直せば退治する双対の瞳をそれぞれに見る]
私にも事情というものがある。
[幾分か忍耐強く言葉を返す。
どこかのキャスターに女性に見られている事など知らないったら知らない。知るのは偏在する神、ヴィシュヌくらいだ。]
それでは、私のマスターの名前を教える事は出来ない。
[からり、と笑う。]
しかし、その条件は願ったり。
私のクラスはランサー。
[一呼吸置いて]
――それと。
私のマスターの名前代わりに知っておいて欲しい。
此の度の聖杯戦争、あるものから介入を受けているという事を。
…ふぅん。
[小さな相槌、それだけは年と容貌に見合った少女のようだった]
…槍兵。嬉しいね、貴公とは好い勝負ができそうだ。
ああ、それと先ほどの件。
貴公のことを腰抜け呼ばわりしたわけではないのだけど、癪に障ったようだったら非礼を詫びよう。失礼した。
[頭を下げる姿はきちんとした礼節を踏まえ。
マスターの名を聞くことは出来なくてもよかったのか、別段さらに聞き出そうとする気配はない。
どこかのキャスターがよく女と見抜けたと本人がもし知ったら軽くほめそうなほど少年のような出で立ちの英霊は、槍兵の主の名の代わりに告げられた言葉に少しだけ目を見張り、それから瞳に宿るは真剣な硬い光]
介入…薄ら寒い、この感覚のことか。
………それとなく感じてはいたが、まさか介入を受けているとは知らなかった。
…面倒なことになりそうだな。
[わずか、眉間にしわ寄せ]
−教会−
敬一郎、どこだ!
貴様のせいで私の娯楽が阻まれたぞ!!
[そう叫びながら教会へ戻ってきたが、当の敬一郎は教壇に寄りかかるように気を失っていた]
全く、軟弱な奴だ。
こいつが覚醒さえすれば私は・・・・・・
[その横たわる姿から、何かが湧き上がってくるのが分かる]
そうか、もうすぐか。
・・・・・・ 約束しよう。我ら母なるガイアの意思により、全てを無に帰す事を。
[そしてセイバーは主の覚醒を待ちつつも紅茶を入手する為に*客間に向かった*]
否。そう見られても仕方がない事。
気を悪くなどはしていません。
貴方は、良き人物のようだ。
[微笑み、合掌をした。]
[しかし]
薄ら……寒い?
[問う。]
−教会・意識は夢の中−
ああ、分かってる。
俺がこの世界に生まれたときから、既に運命は決まっていたんだ。
これは破壊ではない。救いだ。
人という害虫を消去し、地球という生命を救う。それは正しい選択だ。
躊躇うな。
これこそが、最も正しい道なのだ。
なんか穏やかっぽい空気になったか?
いや穏やかとまでは行かないかもしれないが。
[これなら別段見てるだけで大丈夫そうだなーと傍観を続けるキャスター。
しかし、もし彼が2人のうち片方が男だったと知ったらどうなるだろうか。
恐らく信じられないほどのショックを受けるだろう。
そりゃもう"ああ…答えは得た"とか言ったりしながら即消滅ぐらいはしかねない。
……ある意味対キャスター専用の最終兵器かもしれない。
まぁ、もしかしたら"もう可愛ければ男でもいいさ!"とか別ベクトルに暴走する可能性も無きにしも非ずだが…流石にそこは踏みとどまってもらいたい。]
【んー…どっちか居なくなったら声かけたりしてみるか?
結局ナンパできてないしなー、変な男は引っかかったけど。】
俺は・・・・・・
[目覚めていく。体の奥底から目覚めていく。
結果は既に出ているのだ。この戦争の末セイバー以外が勝利したとして、ガイアは近い未来、死ぬ。
ならばこれしかない。聖杯へ願うは”人類の滅亡”。
地球と人類を天秤にかけて、人間に傾くことは無いのだ]
・・・・・・ 俺こそは、アド・エデム。
世界最後の英雄にして、最強の剣。
…感謝する。
貴公も話の解る人物のようで助かった。
[ごく僅か、唇が笑んだように綻んだだろうか。
けれど次の瞬間にはその微笑みは砂糖菓子のように消えてなくなった]
ああ、薄ら寒いね。
うまく言い表すのは難しいのだけど…何か、細い細い透明な蜘蛛の糸に絡めとられたような、そんな……。
…すまない、言葉はあまりうまくないんだ。
[目の前の僧兵を見上げ、肩をすくめた]
……。
[ランサーが泣きそうな顔をしていたのは錯覚だったのだろう。何故なら、ずっと微笑んでいたのだから。]
ライダー。
もし、その介入を断ち切り、
全てを終わらせたいならば。
[意識がゆっくりと戻ってくる。
そして、はっきりと思い出す。
かつて自分がどのような存在であったのか。どんな使命を受けていたのか]
・・・・・・ もう、あんな辛い思いはたくさんだ。
全て終わりにしよう。
[そして、沖田敬一郎という概念は*この世界から消滅した*]
……沖田?それは…
[誰だ、とうまく言葉が続かなかった。
目の前の男が、微笑を僅かに崩したように見えたことが原因だったのかもしれない]
−川原−
[アーヴァインは絶句した。これは後始末可能とはいえない。いわば地形改造である。
地面はどこまで続いているのか分からないヒビが入り、川は今でこそ水位は戻っているがその輪郭は崩れかけている]
・・・・・・
[無言で無線機を取り出す]
無理。
[電源を切り、懐からタバコを取り出す。今夜の作業は長くなりそうだ]
……貴公、何を知っている?
それを、何故、どうして───俺に。
[若干いぶかしげな表情で見返す]
……承知。
どうなるかは賽が転ばねば解らぬけれど…善処しよう。
記憶にその名、留めおく事にする。
[更に口を開きかけたところに、隠れっぱなしの主のくしゃみ響けばなんともその間の抜けた状況にきりきりと頭が痛んだ気がして眉をひそめる]
…すまん、引き止めてしまったな。
こちらもの主も、馬鹿癖に風邪を引きそうなようだからそろそろ連れ帰る。
そちらも、ご令嬢に気を使って差し上げるといい。
この国も、冬は中々冷えるようだから。
……では。
[折り目正しい挨拶ひとつ。
背を向けると、主を蹴飛ばして*帰路を辿る*]
−商店街−
・・・・・・ なに、この地面の穴。
コンクリの下の下の下のほうからせり出してきた感じだけど。。。。。。
はあ、えーとコンクリ業者の電話番号入ってたかしら。
あと近くにネカフェあったかなあ。コンクリ流しててもらう間にMixiの日記書かなくちゃ。
貴方が、私の弟に似ていたからかもしれません。
[ライダーのマスターのくしゃみが終了の鐘。]
……ライダー。
私のマスターを助けてやって欲しい。
[去る背にかけられた声。見送る言葉を掛けたかったが、そう話すのが精一杯だった。訝しそうに問う久子に、]
マスター。ここから離れましょう。
先程の戦いで消耗したと想像されるとはいえ、キャスターがまだ近くに居ます。
[聖杯戦争を勝ち抜くには、今が絶好のチャンスだと言えるのに、ランサーはそう提案する。キャスターが声をかけようと考えているなど、*想像していなかった。*]
人類種の命令には従わぬ。
器が満ちるのを待て。
器もまた、ガイアの意思を受け入れている。
[器の力を振るわんとす、巨きな力が否を告げる。]
騎士よ。
アド・エデムよ。
お前が彼奴らに殺されようか。
器満ちれば瞬時に彼奴らは蒸発するであろう。
アド・エデムよ。
最後の英雄よ。
我らを殺したる眷属の末裔よ。
器が満ちるのを待つがよい。
―ソフィーの屋敷・早朝―
[いつものように、シャルロットは神への敬虔な祈りを捧げていた。]
主よ……私の力は常に御心のままにあります。
哀れなる小羊らをお導き下さい。
[祈りを終えると、静かに地下の書庫へと向かう。
昨晩は、マスターを連れて帰り、
・東ブロックには拠点となっている気配が無い事
・魔女の館が拠点のひとつである事(どのクラスのサーヴァントかは不明
・そこのサーヴァントはリチャードと呼ばれていた事
を報告し、またマスターからは
・キャスターがセイバーと対峙した事
・セイバーは"沖田総司"と名乗った事
・魔女の館の店主はマスターである事
を確認した。
己のマスターの、命がけの情報収集力には頭が下がる、と苦笑いを浮かべ、地図に新しいマークが増えていく。]
[書庫に到着すると、早速"沖田総司"と、"水の使い手である魔法使い""リチャードという英霊"について、調べ始めた。
シャルロット本人は、元々戦闘で歴史に名を残した人物ではない。彼女が行った暗殺はたったひとりの人物に対し"心臓を一突き"一撃必殺であったのだから。
その為、彼女が聖杯戦争で生き残る為に必要なのは、如何に情報を多く持ち、如何に有利な状況に持ち込むかに尽きると言っても過言ではない。
有史の英雄達との対峙は、彼女にとってこれ以上無い栄誉である。
一体どんな英霊達と自分は戦う事になるのか。
高揚感に駆られながらページを捲る。
―沖田総司 前回の聖杯戦争のアサシン
ソフィーの祖父が残した記録から、その事を知りシャルロットの瞳が曇る。]
……こちらのクラス特性は見透かされたも同然、ね。
[沖田については、比較的文献を調べるのは容易であった。
次は水の魔法使い。]
……まさか、ポセイドンとか言わないわよね。
[ギリシャ神話の神が降臨してくるとは流石に考えたくないが、自分が召喚されてしまった事実は、今回の聖杯戦争に"意思の干渉"が行われている事もまた明白。]
(そう……私は神に誓った。この身を捧げると……)
[水の魔術師を探せなかった為、最後に"リチャード"という英霊を調べ始める事にする。数時間が経過しただろうか。]
あった!!!!!これだわ。
――リチャード一世 イングランド王であり獅子心王と謳われた勇敢な騎士。
きっとこれに違いないわ。あの人が、獅子心王……。
[シャルロットは、生前何度も読んだ英雄伝に名を連ねる獅子心王の伝説を思い出し、うっとりと目を細めた。
思い返せば、あの紳士的な振る舞いや言動も、成る程王族ならではのものかもしれない。
いずれ、そんな高潔な英雄と対峙する事になるのかと考え、シャルロットは気持ちが昂ぶるのを押さえられなかった。]
獅子心王で、セイバーとキャスターとアサシン以外で考えられるとすれば……騎乗でライダーか、クロスボウのアーチャーかしら……?
いたーい!
ああもうなんだよなんだよ、蹴るんじゃないよ僕は君のマスターだぞ主だぞ?
マスターは普通敬われるもんじゃないのか?
あ、こらおい、勝手に帰るんじゃない。僕を置いていくな帰り道を判っているのかおーいっ
[ 身勝手な文句など耳にされることもなく。さくさくと戻り始めたライダーを慌てて追いかける。
と、途端に立ち止まりまだなにやら喋っている様子のランサーとそのマスターへと振り返る。]
…ふん。
[ が、交わすべき言葉が見つからずすぐさまきびすを返すとジャンヌを追いかけようと…]
てか、なんでもうそんなところにいるんだ足早すぎないかこらー…。
[ 慌てて*走りだした*]
沖田総司……獅子心王……敵にとって不足は無いわ。
[広げていた文献を丁寧に書棚に仕舞い、昂揚した面持ちで小さく呟く。ふと、ソフィーが自分の名を知っていた事を思い出し、興味にかられてフランス革命期の書物が収められている書棚を探した。]
……私の事は、史実にはどう記載されていたのかしら。
私のマラー暗殺は、フランス革命に於いて、自由と平等を勝ち取る為、フランス国民が立ち上がる契機を告げるラッパの役割を果たした筈よ……。
[己の、命を顧みない自由と平等への貢献を思い返し、心が引き締まる思いをしながら一冊の書物を手に取り、己の名前を探す。]
−自宅寝室・早朝−
「Parce qu'il va bien, ne pleurez pas.
Une maman vous protege」
[声が、響く。その声が誰のものなのか、聞き覚えはなかったが、そこに含まれる単語から、「誰かの」母親であろうことはわかった]
また、「夢」。
[目覚めが悪いわけでもなかった。その声が聞こえる以外は普段と変わりなく]
あの声は、誰だろう。
[その声が誰のものなのか、知りたいのだと理解する。いつもであれば、その欲求は時間とともに薄れていくものだった]
[起き上がり、部屋を出て辺りを見回す。シャルロットの姿はない]
書庫、かな。
本を読んでいるのなら、邪魔しないほうがいいか。
[朝食代わりに牛乳を一杯と、数種類の野菜を適当にカットして、出来合いのドレッシングをかけたものをテーブルに運び、食べ始める]
[そして、そこには次のような記載があった。
――シャルロット・コルデー
人民の友であり、革命の先駆者であったマラーを暗殺した女性。貴族出身のため、革命を推進し続けるジャコバン派を嫌悪し、政争に敗れたジロンド派を支持するようになる。
マラー殺害を契機に、シャルロットに関った人物は次々と処刑台に上る事になり、ジロンド派勢力は政府によって叩きのめされていくことになった。
また、当時マラーの影響力が保っていた均衡も崩れ、フランスは更なる混乱に陥っていった。]
……な。なんですって!
[文面を辿りながら、シャルロットは顔を真っ赤にした。]
私の暗殺でジロンド派が潰されたですって?!
あの暗殺は、私1人の手で行ったものよ!
腰抜けの男達には何の関係もないわ!
主よ……
私の行いは……
私が命を賭して国を救おうとした行為は……
[心の中が音も無く軋み歪んでゆくような感覚――
暗黒の影が纏わりつくように心が蝕まれてゆく――]
[ランサーとの会話を受け、あっさりと背を向ける騎兵と名乗る少女。と、なにやらぞんざいに扱われているそのマスターらしき男。
複数のサーヴァントに同時に攻撃される危機を脱したことに安堵しつつ、自分以外の聖杯戦争の参加者と出会えば必ずお互い命を奪うべく行動するものだと思っていた自分の意識とのずれを認識する。
そして以前もどこかで聞いた「何者かの介入」に関する会話については彼女はほとんど理解できなかった。]
前も言っていたけど、その「あるものから介入」って何?
[答えずにこの場から逃れる提案をするランサーに驚き返答する。]
あれだけすごい魔術を使った後だから相当魔力を消費しているはず、一対一なら戦闘になっても問題ないでしょ?
もしかして、まだ私を気にしているの?
さすがにランサーが一対一で対応していれば逃げることもできるし、自分の身ぐらい守れるよ。
[会話中にこちらを眺めるライダーのマスターが見えたがそのまま踵を返して引き上げていく。
お荷物扱いされているマスターという点で自分との共通点を感じる…サーヴァントの態度は全く正反対だが。]
[食事を終えると、祖父母の位牌と、両親の写真が置いてある場所に向かう]
お爺様は私に、父や母がどんな人だったのか、何一つ教えてくれませんでしたね。
ただ、事故でなくなったと。
お爺様が私に流れるフランスの血を好きでなかったことは存じていました。
きっと、夢で聞こえた声は母のものなのでしょう。
何故、教えてもらえなかったのでしょう。お爺様の思う、立派な魔術師になるためでしょうか。
その為なら、肉親への情も何も、必要はなかったと?
何が大切であるのか、何故人には表情や感情があるのか、私には何一つわからない。
[言葉は淡々としたもので、責めるような響きはない]
……お爺様が、それらを全部私から奪ってしまったのではないことは承知しています。
ですが、「聖杯への願い」が私の中にない以上、私にはこの戦いに勝利する意味などありません。
お爺様が仰られていたのは「聖杯戦争への参加」だけですから、勝利までは含んでいなかったかもしませんが。
それとも。
私にこの戦いの中でその願いを見つけろ、ということですか。
[「あるものの介入」について詳しい説明を聞きたいし、ランサーなりの事情があるのかも?と考えランサーに従おうという気になる。]
まあいいや、「介入ってやつ」ここはランサーのいう通り引いてあげてもいいよ。
[交渉の余地があることがわかり、戦闘になっても問題ないとわかるとキャスターらしきサーヴァントに話かける余裕が生まれる。]
キャスター、うちのサーヴァントに感謝しなさい!!
さっきの戦闘で消耗したあなたが、ここにいたサーヴァントと戦闘にならないように追い払ってくれたみたいよ。
[あえてキャスターと呼びかけ反応を見つつ、冗談を言う。]
[昨日の戦いの後、声をかけようと思った2人は早々にその場を離脱してしまった為、その場でのんびりと休んでいた。]
あー…もう本気で疲れた。
[キャスターにとっては宝具こそ出さなかったものの、全力を出しての魔法のオンパレードだった。
水の支配に加え、岩・変化・風・召喚・封印の魔法の連続使用。
キャスターの持つ戦闘用魔法の7割は出したと言っていいだろう。
そう、それでも倒しきれなかったのだ。
相手がたとえ対魔力を持つセイバーだとしても、それはキャスターにとって屈辱だった。]
こんな極東の地じゃなかったらなぁ…あぁ、くそ!
[もしココがフィンランドであったら…彼は七大罪の一つである水龍すらも使役する自信があった。
それが全力でやっても水の騎士2人と来たものだ。
いや、数自体は増やせる…だが、それに反比例するかのように使役対象の力が落ちてしまうのだ。実戦に耐えうるスペックとなると二・三人となってしまうだろう。]
[そんな己の思考に埋まっている中、川原のほうから"キャスター"と声をかけられる。
どうも2人とも退いたと思っていたが片方はまだ残っていたらしい。
これが男からの呼びかけだったら無視するのだが、女であるなら応えないわけにはいくまい、てか止められても応える。]
呼んだかい、かわいらしいお嬢さん!
[水の上を猛スピードで滑り近づくキャスター。
その動きには全く疲れを見せていなかった。
いや、色々と補正が加わっているからなのだが、主に相手が女の為に。]
――マスターが言う通り、一対一なら、相手を撃破する事も叶うでしょう。
[少し沈黙している間に、マスターはキャスターに話しかけてしまったようだ。]
――何者かの意思。それは
ガイアの意思
[川の上にいまだ居るキャスターに目を向けた。]
[戦いを放棄するならば教会に。そう話は聞いたが、あの教会へと行く気にはなれなかった。何より、放棄することができないでいた]
魔術学校の寮に、初めて友人が出来ました。
彼女は、私を友人だといってくれました。でも、私にはそれを返すことが出来なかった。
彼女は、いろんな話を私にしてくれました。
ご家族の話、小さい頃の話、ご友人の話、恋人の話。
黙って聞いていることしか出来なかったけど、きっと彼女は「感情」がどういうものであるのか、私に聞かせてくれたのだと思います。
―― それは、聖杯に願えば私にも手に入るものなのでしょうか。
[欲求、というよりも、ただの疑問のように洩らす]
[自分に声をかけた女性に近づこうとするキャスター。
しかし、その間にサーヴァントの女性…現時点のキャスター視点でだが…が割ってはいる。]
む、そっちのお嬢さんも俺に用があるの?
戦闘とかそういうノリはいやだなー、女に攻撃するのっていやなんだよねー、むしろ微笑みながらお茶したい。
[さぁ、地雷爆発5秒前。
もちろん地雷を用意したのも踏んだのも自分である。]
―樹那川・土手―
[ソフィーに告げられて駆けつけると、地形が変わっていた。]
お爺ちゃん、派手にやったわね……。
[いきなり魔力を消費させられたことに対する恨み言を吐いてやろうと近寄っていくと、遠くから少女の声が聞こえた。
しかし内容まではわからない。
続けてキャスターが高速でそちらに移動する。]
こ、今度はナンパ……?
しかもあんな若い子たちと!?
やったね!お爺ちゃん!!
[元気な老人に振り回されつつ、ゆっくりと近付いた。]
[キャスターと呼ばれて自然に即座に反応する老人に、彼がキャスターであることを確信する。
同時にあまりにも自分の意図通りの結果に表紙抜け。
さらにランサーを女性だと思っていることに吹き出す。]
ぷ!!あはは!!
聞こえなかった?
このうちのサーヴァントあなたに気があるみたいよ。
[キャスターの間違いを特に訂正せずに微笑みを向ける。合掌。そして、]
――出でよ。
[ランサーの左手に何時の間にか、一本の槍が握られていた。セイバーと戦った時のような揺らめきは在らず、鋭利でぬらりと獰猛にひかる槍だった。]
[キャスターを見たまま右手を振るう。遠空を切る音が聞こえた。土手から近づく女性に向けて、チャクラ(戦輪)が投げられ、首を掻っ切る軌道で向かおうとする。]
[少女の笑い声が届く。]
盛り上がっちゃって、お爺ちゃんやるわね。
おーい、お爺ちゃーん!
[もう一人の人物が放ったものには全く気付くことなく、キャスターに手を振る。]
…あれ?
[そりゃ驚く、だって女と思った相手が発した声がどう聞いても男の声なんだし。
そしてその横で笑う相手のマスター、そこから導き出される答えは…]
男かよコンチクショォォォォ!
なんだあれか、こんなに可愛いのが女なわけないとかそんな訳の分からないパターンか!?
[一体何処で得たのであろう、意味不明な知識を叫ぶキャスター。
再び高速で水の上を滑り距離を取る…がテンションは下がりっぱなしである。]
何で今日は男の相手ばっかりしなきゃいけねーんだよ!
あーもうだるい、やる気でねーっつーかだるい!
女分補給させてくれよ、これで背中には怪我したマリアちゃんとかならやる気でるのに!
[そんな事を叫びながら距離を取るキャスターに、相手の投げた戦輪が迫る。
こういう武器は横からの衝撃に弱い、つまりは水面と水平に飛ぶ戦輪にしたから水の刃でもぶち当てれば良いのだが…。
やる気のないキャスターが迎撃なんてするはずもなく。]
"Kurimus -lta kyyneltya"
[瞬間、水の渦がキャスターを包み込む。
それを切り裂く戦輪…だが、そこにキャスターの姿はなく…。]
今日俺やる気ないんで、帰って良い?
話ぐらいならするけど…そっちの本当のお嬢さんとなら。
[ランサー達から見て右手へと移動していた。]
――ッ
[久子の声に、ランサーの周囲に魔力の膜が出来る。投げられたチャクラが、女性の首を横から掻っ切る前に停止した。]
[自分の身に近付いた危機に気付かず、キャスターが突然魔術を行使した理由もわからず、ただ呆然と成り行きを見守っている。]
ひょっとして……ナンパの邪魔しちゃったかしら……?
おいおい、ノータイムでそういう事するか?普通。
[ふと見ると、川原に自分のマスター。
しかも戦輪はそちらへも向かっていた。
なんていうかもう、最悪のタイミングだ。]
おいマスター!令呪使…
[そこまで叫んだ時に、不意に目の前のサーヴァントの動きが止まる。]
[また。何時の間にかキャスターに投げられたチャクラは、水の渦を切り裂いて左手首に戻る。]
貴方のマスターは、私達を敵と認識していなかったのか。卑怯な真似をしてしまったようですね。
[ちらりと後方を一瞥して様子を確認した。女性の視界を横切るように、チャクラがランサーの元に戻る。]
マスターが彼らと話したいというなら、私はそれに従いますが。
[久子をちらりと見る。]
[ランサーがチャクラを寸前で止めたのを確認してから、その女性がマスターであることに気づく。]
あ、マスターを狙ったのか…
うん、さっきのサーヴァントみたいに話せばわかる人もいるんだし、戦意のない相手を無闇に攻撃するのはやめた方がいいと思う。
[キャスターに向かってはなしかける]
じゃあ、せっかくだから情報交換でもする?
……。
[槍の矛先を下にして、久子の後に下がる。
ネルシャツとカーゴパンツはランサーには似合ってはいなかったが、槍を持ち立っていると、絵になる。魔力の膜は、ランサーの肌を覆い、青みがかっていたが、それも消えた。]
[少女の叫んだ「ランサー」という単語が引っかかる。]
……ひょっとして、……あの子もマスター?
じゃあ、さっきの魔術行使は……。
[ようやく状況を理解して、いまさら身構えた。]
[しばらく、位牌の前で考えていたが、カーテンの隙間から差し込む朝日によって、日が高くなってきたことに気づく]
もう、こんな時間。
……シャルロットは他のサーヴァントと正面からの戦いになれば勝てないような気がする。そうすると、サーヴァントの気を引く間、マスターを標的にするしか。
[出来るだろうか、と自問し、答えを得られないまま*立ち尽くす*]
[今日は厄日か?
そんな事を思いながら溜息を吐く。
というか、正直"マスターが狙われる"と言う点なら先ほどのセイバーの方が危険性は少なかったとすら思う。
正直いけ好かない…いけ好かないが、あいつは真っ向から相手を潰すことに快感を感じていた。
そりゃ、何か気に触ることをすれば人間などゴミのように消すだろうが、マスターを潰してサーヴァントと戦わずに終わらそうなんてつまらない幕引きを望む奴ではなかっただろう。]
止めてくれたのは礼を言う…けどなー。
[さっきからイラついてばっかりだ。
というか、俺をイラつかせることばかり起こっている。
俺、基本は平和主義者なんだけどなー…。]
俺の前で女に攻撃する男を許せる程、心広くはないんだよなー…死んでおくか?
[他の魔法なら連発できるような状態ではないが…水の支配だけなら別だ。
連戦になろうとも、その支配の手が緩むことはない。
キャスターの足元の水が、幾つもの水柱を立て持ち上がった。]
[久子の声に、何かに耐えるように槍をきつく握っていたが、女性が身構えた事を知ると。]
心配しなくても、私のマスターが話している間は貴方に危害は加えません。
[しかし。老人が、渦巻く水柱を作り始めると、ランサーの双眸が半眼に細められた。]
[キャスターの反応に身の危険を感じる。
攻撃の矛先がランサーに向いているのを見て自分は離れた方いいと確信する。
そう感じるや否や彼女は*逃走を開始した*]
[キャスターの思考は、この時点ではランサーの考えと合っていない所もあったのだが、ここでは割愛する。
シャクティ(魔力)が、ランサーに凝結し始める。]
――。
[槍の穂先が、キャスターに向けられる。
疲労しているとはいえ、轟く巨大な水柱を幾本を従え目に鋭い光を宿すキャスターと、岸で一本の槍だけを構える小柄なランサーとでは、ランサーの分が悪いと客観的には見えた。]
マスター、離れとけよ。
[その言葉と共に、再びキャスターとマスターの周りに水の城壁が形成される。
携えるは水柱の巨槍。
傍目から見れば大魔術の酷使に見えるだろうそれは、実際は魔力など殆ど消費していなかった。
もちろん、セイバーとの戦いの様に召喚や封印を織り交ぜたりすれば話は別だ。
だが、そこにある水を操るというだけならば詠唱どころか魔力すら必要としない。
それこそが創世の魔法使いであり水の主であるキャスターの能力。]
俺の槍とお前の槍…どちらが優れるか殺りあうか?"ランサー"。
[憶測も篭めた相手のクラスを呼ぶキャスター。
戦輪を武器にする所からすればアーチャーの可能性もあるし、ライダーの可能性も捨てきれない。
だが…その手に持つ槍の存在感から、ほぼ確信といえる物をキャスターは感じていた。]
キャスターよ。
今のうちに降伏した方が身のためだ。
[ランサーの宝具は、この槍ではない。
しかし、シャクティの凝結は「槍」という「形」を中心に、ランサーを覆っている。
創世の力を目にしても、ランサーは揺るがない。"世界"と名乗った魔法使いを前にしても、だ。]
キャスターよ――その身は今から討たれる。
[双眸は朱鷺色に染まりゆく。]
ほー…、お前は"神"を前に降伏しろと言うか。
ならばやってみるか、神殺しを!
[相手の言葉に魔力の回転を上げる。
どんな対魔武装すらも貫くであろう魔力の迸り。
"魔力A++"
もはやその能力はEX(測定不可能)にすら匹敵する神の領域。
たとえ残り魔力量が少ないと言っても、あくまでそれはキャスターの視点からだ。
魔力量が10の者が言う"少ない"と1000の者が言う"少ない"とでは自然基準値が違ってくる。]
『Ankara myrsky etta kukoistaa ankara Avara aalto etta pyyhkia kaikki Loppumaton keihastaa etta goes rikki Paikalla on ei kahakoida ammatti』
[紡がれる歌声、それに呼応するように川は大波へ、水の柱は無数の槍へと姿を変える。
それを後押しするは、身をも切り裂く真空の嵐。
その全てが一つとなってランサーへと襲い掛かる。]
[―――ドクン]
[ドクン]
[ドクン]
[トトトトトトトトト―――] [トクッ]
神。神なる身ならば――この嘆きを知り得るはず… 否… 未だ知らぬか ……
[ランサーの声は、迫る三種の力の轟音に掻き消される。]
[パンッ!]
[大波が弾けた。
向ける穂先は、球の形で大波を抉る。向かい来る水の槍は、幾ら砕いても、その端から再生をする無限の槍。
無数の槍を、視認出来ぬ速度で砕き続けるランサーの槍。散っては再生を繰り返す水の槍の中。真空の鎌が牙を剥く。]
[ギギ。]
[シャクティに包まれ、青い肌をしたランサーは退かずに、嵐へと槍の先を向ける。]
― 帰途? ―
[ 帰り道、と呼んでいいものか否か。すたすたと先行するライダーについて行くのが精一杯だ。]
だから、おい、本当に帰り道判って歩いているのか。それともどこか目的持って歩いているのか、どっちなんだ。
ていうかまず僕の話をちゃんと聞こえているのかよ!
[ 苛立ちを露わに話し続けるも返答は貰えない。どちらかというとそんな口調で喋り続けるから余計に相手にされないのではと思わないでもないが久仁彦の思考がそこに辿り着くわけもなかった。]
【大した力だ…ああ、正直感心したね。
だけどなー、この"場所"で俺に勝てると思ってしまった点だけは…笑っちまうね!】
[残りの魔力を惜しむつもりは無い。
この場所なら攻めと守りどころか、逃げすら自由自在となる。
地の利は完全に此方が上、そしてその地の利こそがキャスターの何よりの力となる。]
『I-KIRJAIN olen kuningas. Valli -lta kyyneltya Kakkonen palvella sotamiehena joka puoltaa patoluukku Se on kalpa -lta leimata etta has kotona antaa.』
[歌声と共に召喚されしは二人の水の騎士、手に持つは封印の剣。
相手の力を封じ込める剣を携え、迫りくるランサーへと嵐と共に追撃する。]
[ギ。ギギ。]
[人間には聞こえぬ異音がする。扉を開ける軋む音にも似る。]
[ギギギギギ。]
[何時の間にか、大気はそよとも動かず、怯えるように停止していた。]
[ギギギギギギギ。]
[ランサーはこの異音に気づいているのかいないのか、反応なく、いまだ戦い続けるのみ。
その双眸に表情はなく、嵐を、槍先に灯すシャクティだけで切り裂き、横一文字に切断。その向こう、封印の剣を携える二体の騎士が現れる。水で出来た騎士の身体は、更に向こうの、不敵そうに笑むキャスターを透かしていた。
頭上より球形に降り注ぐ水の槍。前方から向かう二体の騎士。ランサーは槍先を上に構え、水の棘を突破しながら空へ高く跳躍した。]
それにしても…。
ランサーだったか。あのサーヴァント、気になることを言っていたな。
聖杯戦争に介入するものがいるって? それと…沖田敬一郎って言ったよな。
沖田敬一郎って教会にいた管理者の名前じゃなかったか? 管理者って中立の立場なんじゃないのか。ああもういったいなんなんだってんだよ。
[ ジャンヌに話しかけることを諦め、とりあえず先程に得た情報を反芻する。
反芻してみても余計に頭がこんがらがっちゃかこんがらコネクションだったりするのだが本人なりに情報の整理をしなければ以降の展開についていけない気がひしひしと感じられる。]
そしてあれだ。あの馬鹿げた戦い。あんなのアリエナイザーだ。勘弁しろよサーヴァント同士の戦いってあんなのばかりか?
…そういやあの二人はどうなったんだろう。なんだか一応戦いは収縮したみたいだったけれど…。
【…上に飛んだ?】
[飛べぬ者が空へと昇る。
しかし、それは落下運動という縛りによって軌道は読みやすく、迎撃にさほど苦労はしないだろう。]
【つまり、ここからなにかやらかすって事か?】
[だが、今退治してる相手はその程度で油断できる相手ではないだろう。
たとえ自分にこの上ない地の利があろうとも、油断すればその時点で終わりかねない。
水の城壁を横だけでなく上にも展開し、頭上の相手をじっと見据えていた。]
[ランサーが持つ、鋭き槍が変形する。否。その姿は周囲に溶け込むように。色を喪い、形さえも喪う。変わって手にしたのは、今ランサーが持つ部分だけが克明に実体化した槍。]
ああああああああーー?!
[ と、目撃した戦闘について思い返してふと気がついた。]
なんだ、なんて愚かなんだ。あれだけの戦闘をして消耗をしていないなんて幾らなんでもそれはないだろう?
つまりどっちが勝っていたにしろ引き分けだったにしろ格好の仕掛け時だったんじゃないか。なんであの場を立ち去ったんだ僕たちは!
ああもう、千載一遇のチャンスを逃しちゃったじゃないか!
[ 大袈裟に両手を広げ、天を仰ぐ。]
ああもう、さすがにもうどっか退散しているよな。本当に愚かだ。なんてことだ。
、、、、て、あれ?
[ 未練がましく河原の方を振り返る。と、何故いままで気付かなかったのか。また河原で大きな魔力がぶつかりあっているじゃないか。]
また、戦いが始まっているのか? いったい誰…なんて、考えるまでもないか。
片方はさっきと同じだ。もう片方は判らないけれど、あのランサーが攻撃でも仕掛けたか?
うん、なんて好都合だ。よし、行くぞライダー。決着がついたところを狙えば一気に二人倒せるかも知れな…なんだよその目は。
[ ギロリと睨まれ、びくびくする。]
ひ、卑怯とかそういうもんじゃないだろう。如何に効率よく敵を倒すか、それが戦略ってもんじゃないのか?
[何か仕掛けてくる。
キャスターは直感的に感じ取った。
もしそれが相手の奥の手なら、今展開している水の城壁など防御の意味を成さないだろう…なら。]
『Erinomainen Muurata Ei varustukset ainoastaan jarjestyksessa oleva on. Kurimus -lta kyyneltya etta kytata model after sisalta Se on ainoa katu johon kuningas elinikainen on puoltaa.』
[城壁を広く、広範囲を覆うものへと変化させる。
さらに城壁とキャスターの距離も数メートルは開き、足元には水の渦が蠢き始めた。]
ト リ シ ュ ー ラ
還れ 我らが世界
[ランサーは放つ宝具の真名。それは、世界を滅ぼすシヴァの槍の名だった。刹那、川は深く抉れ、蒸発した。]
ああもういいよ! 幾らサーヴァントでも弱っているところなら僕でも倒せるだろう。ふん、嫌ならいいさ、僕独りで行って、、、。
[ 思い返してしまった、天災の如き先程の戦闘。]
………うん、やめよう。やっぱ戦いにもマナーはあるよな。
今日のところはいいだろう。またチャンスはあるさ。
[ 結論を出した時には、既にジャンヌの姿はなかった。]
ああーっ
完全に置いていったー!!!!
[名を紡がれた槍が水の城壁に触れた瞬間、その周辺が瞬時に蒸発する。
その威力に、防ぐ事など到底無理だと悟る。
だったらとる手段は一つ。
足元の渦がキャスターの足元を包む。
城壁を広げたのは、どんな速度の攻撃にも反応するセンサーの役割を持たせるため。
足元に展開する渦は安全なる逃走経路。]
迂闊だなランサー!空間転移の術がある事は目の前で見せたはずだぞ?
[曰く、不滅の賢者は最後に大渦へと消え去った。
彼の伝承でもあるカレワラの最後の一節である。
そう、水による身を包むほどの渦が発生させられる状況ならば、彼は瞬時に転移することが出来る。
近くで水の城壁で守っていたマスターも、同時に水で包み込み渦の中へと引き入れる。
そして着弾する槍、それは全てを消し去る破壊の象徴…だが、その場には既にキャスターの姿は無かった。]
[戦闘場所から離れた川の上流、キャスターとそのマスターは水の中から姿を現した。]
ま、ある程度ストレス発散できたしあんなもんだろー。
[大暴れして幾許かの気は晴れていたキャスターだった。
地の利があったにも拘らず仕留められなかったのが心残りだが、まぁ相手にだけ宝具を使わせたのだから収穫は大きかったといえる。
むしろ、今日戦った2人と川原以外で戦闘になっていたならば、正直負けていた可能性が高い。]
てかもうホント勘弁して欲しいねー。
え、なにがって男を女と思ったことに決まってるじゃないか。
[横でフラフラになっているマスターに普段の調子で話しかけるキャスター。
まぁ、マスターから吸い上げる魔力を抑えていたとは言え、もう魔力はスッカラカンだろう。
それはキャスター自身にも言える事ではあったが…。]
あー…もう全部使い切った。
とりあえず帰って寝させてくれ…このままじゃぶっ倒れちまう。
[魔力量がケタ外れに高いとはいえ、全力での二連戦は流石に無理があったのだろう。
てかセイバーと戦った後さっさと帰ればよかったなーなんて思いながら、キャスターは*帰路へとついた*]
[地形は更に変わっていた。川の流れは寸断され、もうもうと周囲からは蒸気があがっていた。クレーターの中心に、先端と柄が視えない槍が突き刺さっている。
今のランサーに、キャスターの声は聞こえない。目の前の敵を殺戮するサーヴァント。それが今のランサーだ。
キャスターの目が節穴でなければ、ランサーの表情は歓喜に満ちていたのが見えた事だ。
ランサーは、槍を引き抜くため、*熱砂の大地を歩いてゆく。*]
[槍を引き抜き、どれくらいの時間が経ったか。ランサーは我にかえると、久子の姿を探し始めた。]
居ない。
魔力は流れてきているし危険な目に合ってもいないのは分かるけれど、何処に行ったんだろう。
[ランサーは、己が破壊の爪痕を振り返った。心を痛める。この一帯に、正常に水が流れ始めるのには時間がかかるだろう。神々に祈りを捧げる。この地が、より早く回復する事を。
ランサーは、商店街に向かう事にした。]
― 樹那商店街 ―
[午後、有閑マダムがお喋りをしていたり、学校をずる休みした学生が居る他は、夕食の買出しをする人間も居らず、混んでいなかった。
ランサーは、物珍しげに、ウィンドウに飾られている「NEW」という文字で引き立てられた冬のブランド服を眺めたり、花屋の前で足を止めたりしていた。
と、横断歩道で道を渡れずに困っている様子のお婆ちゃんに気づき、向こう側まで背におぶる。大袈裟に感謝するお婆ちゃんと別れると、*また歩き始めた。*]
−ランサーとキャスターの戦闘中 樹那町西ブロック−
[川原を戦闘方向とは逆に走り土手を駆け上り道路に出てしばらく走ると、何かを情けなく叫ぶ男の姿が目に入る。
先程分かれたライダーのマスターだ。ライダーらしきサーヴァントに気配は大分離れたところに感じる。
先ほどの態度から恐怖心は感じない。立ち止まり話かける。]
ちょっとあんた、こんなとこで一人何してるの?
川原の方は今ランサーとキャスターのお爺ちゃんがデート中だよ。
いかない方がいいと思うよ。
あ、もしかしてライダーを呼び戻して残った方をやっつけようとか考えてない?
そんな野暮な真似するもんじゃないよ。
しばらく見張らせてもらおうかな。
[アレから家に着くと倒れこむように眠った。
なんかマスターがフラフラしながら何か言ってた気がしないでもないが無視。
魔力的にもいっぱいいっぱいなのは元より、精神的にもなんかいっぱいいっぱいだった。
睡魔に負けながらキャスターは心の底から思う"真面目なのは疲れるんだよ…"と。]
[そして翌朝、起きてからゆっくりと昨日の事…というか、戦った相手の事を考えていた。
しかし、幾ら考えても答えが出ない…あのセイバーだ。炎と消滅の力を操る騎士…考え付くのは太陽の騎士と言われたガウェインあたりだろうが、どうもイメージに合わない。
最もイメージに合う武器といえば、世界を終焉に導いた炎の剣、炎神の王スルトが持つレーヴァテインであろうか。
だが、あれは人として語られた自分と違い正真正銘の神だ。サーヴァントとして呼ばれる可能性は無いだろう。]
[次にランサーだ、此方は宝具の名前から答えは簡単に出る…筈なのだが、こちらも腑に落ちない。
何せ宝具の名がトリシューラだ。
これはヒンドゥー教の神、シヴァが持つ槍の名前に他ならない。
しかし、彼もまた起源を遡っても紛う事無き神である。
元の起源はヴェダ神話の神ルドラであり、彼の槍を持つ可能性が少なからずあるものとしても、キャスターの知識の中ではシヴァの子である歓喜天と韋駄天ぐらいだ。もちろん両名とも有名なほど有名すぎる神である。
となると…友好のあった者か?と思いシヴァと同列の神を思い浮かべる。
となると、三神一体として名を連ねるブラフマンとヴィシュヌぐらいであろう。
しかし、この両名ももちろん上級神であるし、この2人がもし該当するクラスとなればライダーに他ならない。ガルダとハンサという神格すら持つ幻獣を従えているのだから。
結局、キャスターはヴィシュヌの四つの分身の1人であるラーマが、シヴァの槍の名を持つ宝具を持っているという答えには行き着かなかった。]
…大体、本当にそこらの神が召喚されたなら流石に今の俺じゃ太刀打ちできねーっての。
[スルトにシヴァ、前者はまだしも後者なんぞだれでも知っている名であろう。
そんな神と"戦い"という"形"になっていた時点で、あの2人の真名がソレであるとはありえない。]
……まーいっか。
[キャスターが深く考えるのを放棄すると、その場に寝転がった。]
ああもう、なんで勝手に行くんだこの街のこと判ってんのかなんて愚かなんだあのおえらぇをゎあっ?!
[ 毒づいている最中に話しかけられたどころかまくしたてられ、狼狽えまくる。]
な、なんだ君は突然なにを…て。
[ 慌てふためき振り返ればつい先程に見た顔。誰だ? とりあえず落ち着け。素数を数えろ、13579…。]
なんだ、ランサーと一緒にいた子か。ええと、つまりランサーのサーヴァントなのか?
安心しなよ、わざわざ戻る気はないし、そんな度胸もない。
で?
君は僕になんの用なんだい?
[しばらく、考えていたが]
今考えても仕方ないことだ。
何より、私がシャルロットを信頼しないでどうする。
その辺りも、話し合ったほうがいいだろうし、今はキャスターたちと協力関係にあるのだから、戦い方も変わってくるだろう。
[頭を振り、シャルロットを探しに地下へと向かった]
[書庫まで足を運び、扉をノックした]
シャルロット?
その、これからの作戦を考えませんか。
私はあなたがどれだけ強いのかをよく知らない。けれど、敵の強さがどれだけあるのかは感じ取ったつもりです。
どうやって戦っていくのか、作戦しだいで運び方がだいぶ変わってくると思うのですが。
[相手の狼狽ぶりに思わず笑みがこぼれる。
自分が優位に立っていると考えるとどんどん言動が図々しくなる。]
しばらく一緒に行動させてもらうって言ってるの。
お互いわからないこともたくさんあるでから不利にならない程度に情報交換しよう。
サーヴァント同士の会話とかわかった?
こんなとこで立ち話も変だし、どこか店でも入ろう。
あんたこの街の人間?だったらどっか案内してよ。
[男を追い立てるように歩き始める]
― 自室 ―
[ケネスは宗冬と共に、自室にいた。
宗冬は相変わらずテレビに見入っているようだ。]
やれやれ、昨日は散々だった……
[質屋に入れられた宝具を取り戻し、教会に行って挨拶が出来たのは良かったものの、質屋では刀に値打ちありと見た店主から、ゆずってくれないかと散々ごねられ、無駄な時間を過ごしてしまった。]
だいたい、自分の宝具を質に入れちまうサーヴァントなんているのかよ……つか、過去に1人でもいたのかよ。
[何かテレビに気に入った番組でも映っているのだろうか、膝を打って嬉しそうにしている宗冬を見ながら]
絶対こいつだけだろうな……
[と、すぐに確信できた。]
おい、居候。俺も無為に時間を使いたくないんだ、町を回るんでちょっと着いて来てくれや。
[番組を見るのを中断され、不服そうな宗冬を無視するとコートを羽織り、外へと出る。
とりあえず人通りの多い商店街へと*出ることにした。*]
うわ、ちょ、おい、なんか勝手に話進めてないかっ?!
[ いきなりな相手のペースに惑わせられる。が、すぐに平静を取り戻し。]
まあいいよ。情報がほしいのはこちらも一緒。願ってもない申し出だ。
オーケイ了解した。それとこの街の案内ね、まあそれなりに長く住んでいるから色々知っているよ。食事にはちょっと早いけどまあいいか。ついてきなよ。
駅前…よりはこっちの方が近いかな。
[ ぶっきらぼうに言って、商店街の方へと歩き始めた。]
[ノックとソフィーの声に応じ、ゆっくりと扉を開けマスターを招き入れる。]
すみません。本来であればここは貴女の鍛錬場でしょうに。
気を使わせました、マスター。
作戦ですか。
ご存知のように私は、戦場で武器を手に戦ってきた英霊ではありません。
その事を、不安に感じているのでしょう?
私が戦いで勝利する為には、3つの条件が必要です。
ひとつ、奇襲を行う。これは私のクラスに於いて最もオーソドックスな手でしょう。
ふたつ、魅了を完全なものにする。特に対男性に於いては、洗脳レベルの魅了を発動する事が出来ます。但し、魅了している状態でも、戦いが成立する事は忘れてはなりません。
みっつ、徐々に相手を弱らせる。これは、私の最後の奥義に関るものですが。
マスター、貴女はどのような戦いを好みますか?
まだー?けっこう歩くんだね。
[道すがら男の出で立ちを観察する。]
…オリスかぁ…
[腕時計を見て小さく呟く。
全体的に作りのいい品物ばかりを身につけているが、日本で知名度の高いメーカーのものは少なく、にわか成金や庶民の見得とは明らかに違う。
たまに彼女が裏社会で目にする金に糸目をつけない人種と同じ臭いがする。]
それから、マスターは優秀な方のようですから言うまでもありませんが、私には"単独行動"のスキルがあります。
日中、情報収集を行うために私は外出を頻繁にしますが、マスターは極力外出には気を配って下さい。万が一戦闘になったとしても、私はマスターから離れた場所でも変わらぬ条件で戦闘を行う事が可能です。
それともし、マスターに命に危険が及ぶような局面ではすぐに私を呼ぶといいでしょう。
……令呪の使い方は、お爺様に伺っていらっしゃいますね?
[椅子に座り、シャルロットの考えを聞き、しばらく考えていたが――]
奇襲、がどれほど成功するか、疑問がわきます。協力関係にあるキャスターや昨日あった恐らくはセイバー、そして昨日川沿いで立て続けに大きな戦闘があったようなので、そこにももう一人サーヴァントがいたのでしょうか、彼らにそれが通用するとは思いません。
近づけても、彼らが一撃でやられるとは思えない。
二つ目ですが、女性のサーヴァントがいる場合その手が通用いたしませんね。といっても、全員と戦う必要はないと思いますので、男性のサーヴァントであればそれを行ったうえで、三つ目の方法を重ねる、くらいでしょうか。
[令呪の使い方を言われ、自分の腕に現れた痣を見る]
それは、大丈夫です。
戦い方もですが、この令呪の使い方も考えなければいけないでしょう。
― 商店街 ―
ん? ああ、まあ君がこの街の住人じゃないんだしね。せっかく訪れた街でどこにでもある店に入ったってつまらないだろう?
[ いいながら、商店街をずかずかと駅方面へと歩く。途中、道角にあった小さなたばこ屋へと立ち寄ると、老婆と一言二言会話を交わした後、小さな小冊子をもらって戻ってきた。そしてそれをそのまま久子へと差し出す。]
ん。もう持っているかも知れないけれど、簡単な案内図だ。詳細まで話すと地元であるという僕の地の利がなくなるからね、後は自分で調べなよ。
…あ、ここだよここ。お互い相方と離れているし、軽食程度にしたほうがいいだろう?
[ 言って案内したのは、どこか素朴な雰囲気のあるイタリアン料理店だった。]
サーヴァント同士の戦いに、私は手を出せません。
シャルロットを信じるより他ないのですから、シャルロットが最も効果的だと思う方法を取ってください。
その為に私に出来ることがあれば、何でも言ってください。
マスターとサーヴァントは、信頼関係が築けることでより、強さを発揮するのだと思っています。
[シャルロットに微笑を向ける]
−魔女の館−
サーヴァントだと気付かれなかった……?
本当にそう思う?
[バレリアン、リンデン、ローズヒップ、ラズベリー、レモンパームをポットに入れ熱湯を注ぐ。]
さっきの、犬を連れてきた人はマスターだった。
一人で行動するのはおかしいと思わない?
もしかしたら、彼女…マリアさんがサーヴァントかもしれないわ。
そうしたらあなたのこと、気付かれてると思うのだけど。
……二人とも戻ってこないのは、
わたしたちのことに気付いたからじゃない?
[ティーカップを二つ用意してお茶を注ぎ、一つをリチャードに差し出す。]
いいわ、話、しましょう。
意思の疎通は必要だもの。
[微笑んで自分の分のお茶を一口飲む。]
ところでそれ……クローゼットの服よね?
……もう使う人はいないから、
好きに使っていいわ。
[服を懐かしそうに見つめて
そんな自分に気付いて視線をそむけた。]
私は、人が持つべき感情というものを知りません。
だからこそ、笑顔も今までは中身などない作られたものでした。
でも、シャルロットを信頼する、そう決めたら、自然と表情が出てきました。
改めて、シャルロット、よろしくお願いします。
[そう言って、*頭を下げた*]
[ソフィーの言葉を聞き、ふむ、と頷く。]
まず、令呪は第一にマスターの身を護る為に使って頂いて構いませんわ。
私の勝利は、マスターの犠牲の上には成り立ち得ませんから。
[ソフィーに形作られた笑顔。その瞳の奥をじっと見つめながら]
ええ。
女の手は弱いかもしれません。しかし対サーヴァント戦に於いてマスターの手を煩わせるつもりはありませんわ。
私には常に、神の慈愛が降り注いでおりますから。
[少し誇らしげにそう言うと、やんわりと微笑んだ。]
……さて、キャスターとの情報交換にも行かなければなりませんね。何か私に、質問はありますか?
− 午後 商店街 −
[男に示された店にありきたりな驚きと感嘆を感じる。]
!!
[今までとは桁の違う魔力の喪失感に膝が折れそうになるのをかろうじてこらえる。
楽勝だと思ってばかりいたランサーが切り札を発動したのだろうか?
危機感を感じたがその後魔力が流れ出す感覚をぴたりと止まる。終わったようだ。
怪訝な顔をする男にできるだけ平静を装い返す。]
思ってたより良さそうなお店でびっくりしただけだよ。
いい店知ってるじゃない。
[怪訝そうな表情の消えない男を促しに後について店に入る。]
― 中央ブロック・噴水 ―
[ランサーは噴水前のベンチに腰掛けていた。どう考えてもこれは間違った方向を探している。そのお陰で、大体の町の構造は把握出来たのだが。
一度離れて行動してしまえば、ランサーとしては久子の事は気になったものの、戦うに当たっての情報として、ほどほどの満足の行く結果を得られた。
途中、オフィス街のビル上から街を一望したのが良かったのだろう。樹那町は、現在居る噴水と樹那駅を中心とした、北、南、東に活気のある町のようだった。]
……こちらこそ、よろしくお願いしますね、マスター。
[聞くべき事は聞いた、という様子のソフィーに丁寧なお辞儀を返すと、静かに立ち上がった。]
私は、キャスターと約束の場所に向かおうと思います。
マスターは、今日は屋敷で魔力を蓄えて居て下さい。
……町のあちこちで、サーヴァントの気配がしています。無為に出歩く事はないでしょう。
[ソフィーにそう告げると、ゆったりとした動作で屋敷を後にした。]
― 商店街・午後 ―
そうかい? まあ、大丈夫ならいいけどね。
[ 川原の方の魔力の動きがひときわ激しくなり、そして静かになったことくらいさすがに気付いている。
が、ここで平静を装えるということは別段彼女のサーヴァントが消滅したということはなさそうだ。内心舌打ちをしつつ、本人がなんでもないとする限り気にしない振りをすることにした。]
そりゃいい店さ。当然だろう? 僕が学生時代に働いていたんだから。
[ 自慢なのかなんなのか判らないことを言いながら店の中へと入る。]
ああ、アンティパストを適当と、ニョッキ。それにマルガリータ二枚でいいよ。
ん、とりあえずあっちの席にしとこうか。
[ 応対に出てきた女性にその場で注文をすると、最奥のテーブルへと久子を誘った。]
[ラーマの左目から涙が一筋流れた
痛切に 使命は 刻み込まれて いる
それが正しき行いである事も 必要である事も
今日出会った人々の顔が思い出される
今日を生き 明日を生き 輝く命]
んー、じゃあそろそろ川原へ行きますかねー。
流石に昨日から今日まで川原でランサーが待ち伏せ…とかはないだろうしな。
むしろ川で待ち伏せしてくれるんなら楽って言えば楽だし。
[起き上がって背伸びをするキャスター。
魔力はそれなりに回復している…まぁ5割といったところだが、それでもキャスターの許容量の5割ならば莫大な量だ。]
でも戦いになるのは嫌だしなー。
昨日真面目にやりすぎてなんか調子狂いそうだし。
[俺のキャラじゃないんだよなー、真面目なのって。
と呟きながら部屋を出る。
一応マスターに声もかけたが反応はない…疲労で寝てるのかと思い、つれて言ってもまた五月蝿いだろうから放って置くことにした。]
んー、あれだね。
待ち合わせ相手がマリアちゃんだとやる気出るねー。というか女分補給させてくださいお願いします。
じゃないと死ぬよ?きっと。
[そう言いながらキャスターは川原へと向かうことにした。]
[力を振るえば振るう程
それは 神の力を 神を 降ろす事になる
"ラーマ"という"器"に降りゆく力 其は
紛う事なき "トリムルティ"の力
過去、羅刹達の討伐にあたっては、ヴィシュヌたる神の力が"器"に満ち、神は、"ラーマ"を使い、その力を振るったのだ。]
―住宅街→西ブロック―
[白い帽子を目深に被り、ゆるゆると歩く。次第に左手に教会が見えてきた。先日、ソフィーを連れてきた時にも感じた違和感が、再びシャルロットを襲う。]
何でしょう。主のおわす神聖な場所だと言うのに……。
― 中央ブロック・噴水 ―
[先程放ったランサーの宝具は完全な形のものではなかった。具現化していない宝具。
久子の魔力が足りない、ランサーが加減した、という理由からではない。]
ヒサコ。
[倒れるまではしないと思ったが、名前を呼ばわった。]
それとシーザーサラダもお願いします。
[図々しく注文を追加し席につく。
川原でライダーとそのマスターが目撃したサーヴァント以外は、気配を遮断していたアサシンらしき存在しかしらない自分達の情報より、相手の情報量の方が多いに違いないと思い切り出す。]
まずは無難に、今まで自分達が遭遇・消滅を確認したサーヴァントの情報っていうのはどうかな?
[続けて思っていることを口にする]
しかしわかんない、あんた相当のお金持ちだよね?
大抵のものはお金で手に入りそうなもんなのに、なんでわざわざこんなことに頭を突っ込むの?
聖杯で叶えたいお金では叶わないような願いなの?
過ちは正すのみ
未来へ及ぶ過ちは
過去に禍根を残すべからず
即ち 現在より序曲奏でるべし
汝 正しき行いを 求めよ
[シャルロットは、ふるふると小さく頭を振り、そのまま川原へと向かった。]
……そう言えば、私、キャスターの事は何て呼べばいいのかしら。
美貴は、「お爺ちゃん」って呼んでいたけれど、それでいいかしらね。
……私は、邪悪なる意思の介入を、食い止める為に
召喚されたはず……なの、に。
[胸中に湧き上がるどす黒い思い。
命を賭して護りたかったフランスの平和
裏切られたような、気持ちがしていた。]
−川原−
[昨日の戦闘跡に来てみる…流石にアレだけ暴れると直し様が無いようだ。
昨日の二連続の戦闘で破壊された跡が今も残っていた。
川原には地割れが走り、川の一部は抉り取られ、底に上流からの水が溜まり小さな湖のような状態になっている。
そして止めとばかりに大波や突風により破壊された跡も…。]
あー…ちょっとやりすぎたなこりゃ。
こんなんじゃムードのある待ち合わせとか無理だ。
[いや、そんなものは自分の容姿の時点で無理なのだが。
精々見えて祖父と孫娘の待ち合わせだろう。]
……は?
[ようやく川原へと到着したが、川原の様子は見るも無残なものとなっており、あちこちに魔力がぶつけられた痕が残っている。]
随分……派手にやりましたね。
[苦笑交じりに、先に到着していたキャスターの姿を見つけそう声を掛ける。数種類の魔力の痕跡が僅かに感じられる……。]
― 中央ブロック・噴水 ―
…あの大馬鹿…!
[イライラしながら見失った(正確には自分がおいていったのだが)主を探す小さい姿はちょうどランサーと噴水を挟み反対側から現れる。
相当腹をたてているのか、ランサーの気配に気付く様子もなく]
― 中央ブロック・噴水 ―
[両手をぎゅっと握る。ランサーは立ち上がろうとして、]
ライダー?
[訝しそうに声をかけた。]
[内心ちょっと反省している中、後ろから声がかかった。]
やぁ、マリアちゃん!
今日も綺麗だねー。
【やっと女分補給だ!】
[キャスター、ようやく精神的に回復。]
いやぁ、俺としてもココまでやるつもりは無かったって言うか…柄にも無く真面目にやってしまったというか…。
サーヴァントの情報? うん、知らないね。
[ さらりと。見事に相手の期待を裏切る答えを返し、やってきたばかりのゼッポリーニにフォークを突き刺す。]
昼間のあの戦闘が僕のはじめてみたサーヴァントたちだからね。その次に見たのは君のところのランサーだ。だから、全然知らない。
そりゃお金は持っている。そのために働いているんだからね。
でもお金じゃ買えない幸せも、たくさんあるんだよ〜♪ってね。才能とか感情とか、お金でなんとかなるんだったら僕はとっくに金の亡者になっているさ。
君もそうなんじゃないのかい? まさか、綺麗な服がほしいから参加したってわけじゃないだろう?
[ どうもゼッポリーニはかなりの好物らしい。喋っている合間にぽんぽんと口の中へと放り込まれていく。]
……まあ。
[振り向いてうきうきと話し出すキャスターに、微笑を向けたまま、手頃な川原の岩の上に腰を掛けた。]
この様子だと、何戦かされたようですね。
私の方は、一組の拠点を見つけて参りましたわ。最も…そちらのマスターも気がついたなら知ってる事でしょうけれど。
ええと……何とお呼びすれば?
[取り敢えず呼び名を尋ねた。]
[自分を呼ぶ声、勇み足が止まり顔をあげる。
噴水の向こう側、流れ落ちる水の歪みの奥に言葉を交わしたことのある英霊の姿認めて]
…槍兵。
[小さな呟き。
それから、あきれ混じりの溜め息]
…すまん、うちの腰抜けを知らないか?
―2日目朝・自宅―
おじーちゃんのばかー、ひげー、おじーちゃーん……。
なにも立て続けに2回も戦うことないじゃない……。
干からびたらどうするのよお……。
[布団の中でぐったりしつつ、キャスターに対する恨み言をぶつぶつ言っている。]
む…。
[汗。
まぁ、言われてみればそうかもしれない。
否定する材料が、何もない。
…が、どうも納得しがたい。]
馬鹿言っちゃいけない。
あんな可憐な女性がそんな野蛮なものであるはずないだろう。
少なくとも、僕は何も感じなかったよ?
[…まぁ、マスターの存在にも気付かなかった自分が言っても説得力は一切ないだろうが。
あのマリアと言う女性が「彼」と同じようなものとは、やはり思いがたかった。]
お、ありがとう。
[すっきりとした香りと湯気の漂うティーカップを、空中で受け取る。]
ああ、ちょっと二戦ほど。
本当に昨日は厄日だった…。
まぁ、そこら辺の事も情報交換として有力な情報にはなると思う。
[言いながら項垂れるキャスター。
思い出すだけでも疲れるぐらいの戦闘だった。
しかし、その後に続いたマリアの言葉に、ほぅ…と声を漏らす。]
へぇ、拠点を?
それは…結構でかいアドバンテージだな。
[魔術師にとって拠点は重要だ、そこが判明したとなるとこれは宝具や真名を知る以上に大きいアドバンテージとなるだろう。]
呼び名ねー…。
流石に真名を教えるのは…いや心情的にはマリアちゃんには教えてもオッケーっていうかむしろ真名で呼び合いたいぐらいなんだけれども。
[キャスターはうーん…と唸っている。]
ええー?
はあ…私達の方も似たようなもんだけどさぁ。
こっちはあとアサシンらしいサーヴァントに気配を感じただけだよ。
[予想外の言葉に失望の声を漏らしながらしぶしぶ自分の知っている情報を話す。
しかし、続く言葉と今日見かけたライダーがマスターであるはずのこの男を蹴る姿に交渉が成立する可能性を感じてニヤリと微笑む]
キレイな服ってわけじゃないけど、私のほしいものはお金でなんとかなるんだよねえ。
その願いお金で手に入るとすればいくら払うつもり?
-教会-
[ひとしきり敬一郎の財布から金を抜き取り、セリアに茶を請求し戻ってくると、敬一郎が目を覚ましていた]
・・・・・・ ほう。
どうやら、完全に目覚めたようだな。
流れ込んで来る魔力が段違いだ。
さて。それでは悪いがまた出てくるぞ。
貴様のその力さえあれば、今度戻ってくる頃にはサーヴァントの2つ3つ首を取っている事だろう。
[そう言い放つと、高らかな笑い声を上げつつ闇へと消えていった]
…まぁ。
[一口すすり、口を開く。]
警戒するに、越したことはないかもね。
いずれにせよ、ここに僕が…サーヴァントがいると、気付かれた可能性はあるんだから。
僕には、そういう風には思えなかったけどなぁ。
それと、そうだった。
勝手に服を借りたよ。
…何だい、別れた恋人の服か何かかい?
はっはっは…
…おほん。
[わざとらしく咳をする。]
[首を横にふられればそれは想定の範囲内だったのか特に落胆の気配もなく]
…そうか、すまなかった。
……貴公のマスター?
ええと…あのご令嬢のことか。
いや、見ていないな。
…そちらも行方知れずなのか?
あなたが感じないのなら違うのかもしれないわね。
サーヴァントに可憐も何も関係ないと思うけど。
……でも、彼女を目の前にしたあなた
とても変だったわ。
何かされていたのかも。
[そういいながらも感知が苦手なので
自分の言葉に自信はなかった。]
……。
いいわ、どうせ戦うことがあればわかることでしょう。
[冷蔵庫から冷やしておいたパウンドケーキを取り出し
皿に盛って、リチャードに渡した。]
その服は、父の服よ。
もういない人だから気にしなくていいわ。
そりゃあ、2戦もすれば休養が必要でしょうね。
私は引き続き情報収集を行いますから、休んで英気を養われるといいですわ。
戦いの様子、相手サーヴァントの話、興味深く拝聴します。
[正面からぶつかり合う戦いが不得手な自分にとって、この情報はかなり重要なものである。キャスターと同盟を組んだのは、正解だったとソフィーの判断を心の中で褒め称えた。]
貴方が戦いを繰り広げている最中に、美貴さんが訪れたのですよ、その拠点に。そこで出会った一組は、恐らくライダーかアーチャーかと思われます。サーヴァントは"リチャード"と呼ばれていましたから。最も、それが真名とは限りませんけれど……。
情報を持たずに情報交換するつもりだったのか? まったく呆れたお嬢さんだね。
[ 情報を持たずに情報交換に応じた人間がなにか言っている。が、そのすぐ後にされた質問に少し考え込む。
応え損ねた親の期待に応えたい。そんな想いはいまでは本家への逆恨み的な憎悪と野心に変わってもいるのだが、根底を忘れたわけじゃない。]
そんなものに、値段がつけられるわけ…いや。
[ 呟き、思い当たった言葉を口にする。]
生まれてはじめてもらった小遣い。まあそんなくらいだろうね。
で? もしかしてここからが本題かい?
[ なにやら話の方向性に微妙なズレを感じ、それをストレートに聞いてみた。]
[マスターを置いていったライダー。久子が、自ずから久仁彦と接触を持ったとはいえ、置いていかれた(?)事には変わりない。逆の関係ではあったが、マスターを探してウロウロするサーヴァントというのも滑稽ではあった。]
貴方もお気づきの通り、キャスターと争いになり、その後離れ離れになりました。
[チリリと、首筋の毛が逆立つ感じがする。ランサーは、左腕を右手で強く掴んだ。]
…そうか。
…もしや、二人揃ってどこかに?
[そう思い描くもまさかそれが真実とは思えず、かといって目の前の槍兵が嘘をついているとも思えず]
…如何した?
[目の前の英霊が腕をつかむ様子に少し首捻り]
ああ、正直魔力がスッカラカンになるところだった。
少なくとも今日一日は休ませて貰わなきゃ厳しいかな。
[とりあえず、今日一日を魔力の補給に専念すれば全快近くにはなるだろう。
ちなみに精神的には今休息で回復中である。
美人と二人っきりだし。]
あのボケマスター…運が悪いんだか良いんだかわけわからんなぁ…。
[知らずに敵の拠点に行ったと聞き、頭が痛くなってくる。
せっかく精神的に回復してきているのにまたダメージを受けそうだ…。
なんとか精神を立て直して話を続ける。]
リチャード…リチャードね…。
ありきたりの名前だし、偽名の可能性も十分にありそうだけど…。
[だが、その名前を冠する英雄に心当たりは確かにある。]
アーチャーならば、リチャード一世…ってところか。
まぁ、自分の剣に"エクスカリバー"と名付けていた変人らしいけどな。
−自宅・地下−
[書庫から偉人に関する本を引っ張り出し、それらを読んでいる]
リチャード……さすがにこれからだと探しづらいか。
せめてクラスがほしいところだけど。
んー、ビックリマンチョコをふたつ買ったらなくなった。
…はじめての小遣いだなんて、ただの比喩表現だから金額まで気にしなくていいよ。
[ 運ばれてきた焼きたてのマルガリータを丸めて一気にぱくり。
…熱々だったらしい。顔を真っ赤にしながら飲み込んだ。
ちなみにそのビックリマンチョコについていたシールはカラ魔ンゾと魔メーバー。何故かいまでも大事に保管されている。]
[ありゃ、という表情をして、ケーキも受け取る。]
…ま、まぁ。
昨日の格好のままここに降りてきちゃまずいと思ったんでね。
それで怒られでもしたら「彼」がまた機嫌を悪くするかもしれない。
…美味しいね、これ。
[二口目を、音を立ててすする。
いささか、先程までと比べて、紳士的でなさ過ぎる気がする。]
変、って、そうかなぁ。
あれだけの美女を前にしたら、大抵の男はおかしくなると思うよ。
むしろ、変にならない方が変だッ。
さて、こっちもいただこうかな。
僕は、甘いものには目がなくてね。
[力説して、先程までマリアがいたテーブルにケーキを置き、座る。
ほくほく顔。]
― 中央ブロック・噴水 ―
マスターは押しと気が強いから、ありえる話かもしれませんね。
[ライダーの問いに、手を離す。]
何でもありません。ライダー。
……ライダー。未だ、ここに人影はありますが争いますか?そのつもりがないなら、私は今からマスターを探しに行きます。
[立ち上がり、商店街の方へ足を向けようと]
そんなに貴方を疲労させたのは、どのクラスのサーヴァントでしたの?
一体は"セイバー"だと私のマスターから聞きました。
他は……?
[思わず身を乗り出す。宝具は使ったのか、どんな武器を持っていたのか、どんなワザを出したのか。聞きたいことは山ほどあった。
リチャード一世という言葉を聞き、パッとシャルロットの顔も明るくなった。]
私も、その結論に辿りついた所です。もしそれが事実なら、宝具は恐らくクロスボウですわ。
私たち、やはり気があいますね、"お爺ちゃん"。
-教会-
[セイバーが外出していくのを黙って見ている]
・・・・・・
さて、いつまであいつに遊ばせているか考えなければな。
[セイバーの中身がアンリ・マユである事は既に承知している。
願いを叶えるには彼の力は必要だ。だが全てを取り戻した今、自らの力を行使すれば解決する事も多い]
まあいいさ。時が来たらしっかり役にたってくれればな。
[不適な笑みがこぼれた]
[どうでもいい比喩表現に少し脱力しながら要件を切り出した]
私が最後まで生き残った場合、私の願いをあなたに売ってあげてもいいと思ってね。
私が最後まで生き残っていたら、金額によっては私があなたの願いを聖杯に願ってあげる。
その他の条件だけど、この聖杯戦争中のお互いのサーヴァント及びマスターへの攻撃の禁止。
最後まで私とあなたのサーヴァントが残った場合は…
あなたに【自分のサーヴァントを消滅させてほしい】。
[相手の顔色を伺いながら続ける]
この条件なら私達はお互い争いあうメリットが全くないはず。
[その私達にはもちろんライダーは含まれていない]
変になるにもなりすぎじゃない。
[呆れてため息をつき、お茶を一口飲む。]
ここにマスターとサーヴァントがいるとわかられていると
やりにくいわね。
でも店は閉められないし……。
結界張るとお客様も来れなくなってしまうし
わたし結界も得意ではないし……。
[困ったと悩んでいたが、
食べ物を喜んでいる様子を見て少しだけ嬉しそうになる。]
……他にも食べ物あるけど、食べる?
それとも、話をする?
…ここまでの会話で気付いているかもしれないけど。
僕と、「彼」は、記憶を共有している。
感じ方が違うから、ちぐはぐな反応になることもあるけどね…。
例えば、僕は甘いものが好きだけど、彼は違う。
彼は、そうだな…しょっぱいものが、好きなんじゃないかな。
まぁ、食べること自体にあまり興味がないとは思うけれど。
君は、僕…いや、「彼」を呼び出した時、何も尋ねなかったよね。
気になることは、何もなかった?
いきなり、あんなことになったのに。
[慎重に記憶をたどる。]
[出した本を元の場所に戻し、書庫を出た。手紙の返事を書かないと、と思い出し、上へ戻る。
まだシャルロットは戻ってきていないのか、家の中は静まり返っていた]
……広すぎて、昔は好きではなかったな。
[ポツリと呟き、戸棚から便箋を取り出すと、友人への返事を書き始めた]
あぁ、俺が戦ったのはセイバーとランサーだ。
なんで1日に三騎士の内2人も相手にしなきゃいけないんだか…。
[再び溜息を吐く、だってほら接近戦のスペシャリスト2人出し。
勝ち負けはともかく正直相手したくない部類だ。]
一応2人ともに宝具は撃たせたんだけどなぁ、どうしてもそこから納得行く真名に辿り着かないんだよ。
[そう言いながら、昨日の戦闘内容と自分の思考内容について話す。]
だな、リチャードでアーチャーならその可能性は高いと思う。
でも、確信するにはやはりもう一押し欲しいな。
クロスボウを持っていればビンゴなんだろうけど…。
おっ、マリアちゃんと気が合うのは俺も大歓迎…ってやっぱりお爺ちゃんなのね…。
[キャスターはガックリと肩を落とした。]
ふぅん。
[オーブンでパンを焼き、
鍋でポトフを煮込みつつ話を聞いている。]
気になること……?
あったかしら?
[思いっきり考え込んだ。]
ああ、やっぱりそういう話か。
[ 一気に飲み干したグラスをとんと置き、ニョッキへとフォークを突き刺す。]
さっきも言ったとおり僕の願いはお金で解決なんかできない。僕自身で成し遂げなければ意味がないからだ。
それに、うちのお嬢様は愚かだからとっくに裏切られ人生を歩んできているらしい。そんなの二度も三度も味合わせるのも寝覚めが悪いから気が進まない。
[ 出てきた言葉は、拒絶。
だがしかし。久仁彦はそのうえで「けれど」と言葉を続けた。]
けれど、お互いがこの聖杯戦争を生き延びたのなら君の願うものは僕のお金でなんとかしよう。
見返りは、我々以外の組がいなくなるまでお互いのサーヴァントとマスターには手を出さないこと。
最後にお互いのサーヴァントが対決し、もしもライダーが負けたとしても僕の命を奪わないこと。
これじゃ駄目かい?
[ 逆に、交渉条件を打ち立てた。]
[手紙を書き終え、封筒に入れる。宛名まで入れると立ち上がった]
今のうちに、出しに行こう。明日の保障があるわけでもないし。
[準備をして外へと出る。もちろん、見つからないように魔力回路は閉じている。何より、無駄に魔力を使いたくはなかった]
−自宅→商店街−
…セイバーは、前回の聖杯戦争でも召喚されたサーヴァントらしいです。然るべき資料を漁れば、情報は得られそうですわ。
…ライダーは。
[英雄伝の類は好きだった。しかし、やはりキャスター同様思い浮かぶのは神クラスのみ。その系統で唯一知っている人間はクリシュナ。ランサーと言うよりはヴァーサーカーに適正があると思われこれも違うだろう。]
リチャードとは、また離す機会を持ちたいと思います。紳士的でしたので、きっとその機会は持てると思われますし。
[そう言いつつ、お爺ちゃんという呼ばれ方にガッカリしているキャスターに、くすりと笑った。]
ですから、どうお呼びすればよろしい?
いや、その。
普通、あるだろう?
僕が何のサーヴァントか確認するとか、真名は何かとか、どういう戦い方をするとか、何を目的にしているとか、色々と。
…。
[と、そこで、ケーキがなくなってしまった。]
…そう、会話も大事だけれど、食べる喜びも大事だよね。
営業に差し支えないなら、ご馳走してもらえると、嬉しいなぁ。
[少し冷静になり、考える。]
それとその、ここのことは、そんなに気にしなくてもいいんじゃない?
ここは言わば、アーチャーのサーヴァントの、本拠地なんだ。
迂闊に攻め込むより、外で襲う方がいいと考えるだろうさ。
僕はまぁ、バレちゃいないような気がするんだけど。
[自分がアーチャーだと分かってもらえる…
とか、そんな根拠は何一つないのだが。
やはり自分がサーヴァントと悟られたとか、そういう風な空気は一切感じなかっただけに、深刻になれなかった。]
ちなみに、だけど。
僕は結界なんてものは当然張れない。
[胸を張る。]
…大事なことを言っておこうかな。
[祖父以外に手紙を書くのは初めてのことだった。定型文を書くだけの礼状とは違い、自分が何を相手に伝えたいのかがより重要となる。
祖父への手紙はいつもそっけないものだった。感謝の言葉と、用件、そして挨拶。
今回の手紙も、特にたいしたことは書いていない。相手の問いに対する答え、そして挨拶と、――近況。
聖杯戦争に参加している、ということは書いていない。ただ、戻れないかもしれない、ということは書いておいた]
あそこか。さすがに以前と場所は変わってないな。
[商店街の中にある簡易郵便局へと向かう。中へ入ると国際郵便料金を払って、手紙を投函し、また外へと出た]
……。
どうしてそういうことが気になるの?
だって、でてきてくれたのだから
それが誰でも、同じことでしょう。
[逆に不思議そうに尋ね返す。
育った植物から得られる恵みをそのまま受け取るように
呼び出した彼をそういうものだと思っていたのだ。]
それじゃ、これもどうぞ。
[出来上がったばかりのポトフと
焼きたてのハーブを練りこんだフォカッチャを差し出す。
そして、自信満々に何もできないことを言い切った相手を静かに見つめ]
ふぅん、そう。
[と、そっけない反応をした。]
[商店街を見回す。昨日ここで戦闘があったはずだが、事後処理がよかったのかその痕は見えなかった。人通りも昨日と変わらず]
せっかくここまできたのだから、シャルロットたちの様子でも見てこようか。
[住宅街とは反対方向へと歩き出す。もちろん、回りに注意を払うことは忘れていない]
前回の戦争でも…?
[そんな事もあるのか…と驚きと共に少し安心する。
前回呼ばれているのに再び召喚されていると言うことは、前回勝者とならなかった可能性が高いからだ。
それならばもしかしたら"負けた理由"が分かるかもしれない。
真っ向勝負から勝つには此方も宝具を出すしかないと思っていたが、もしかしたらその必要がなくなる可能性もある。]
セイバーの事に関してはマリアちゃんに期待しようかな。
宝具を使わない限り、あいつと俺じゃ相性が悪すぎる。
アーチャーの方も真名が確定すれば対処の方法があるかも知れない、リチャード一世ならば"ボウガンの矢は避けられない"とかそういう世界の制約がある可能性もあるわけだし。
[ランサーに関しては現在は後回しと言う形になるだろう。
まぁ、水がある場所以外で会わない様にするぐらいだろうか?]
んー、真名で呼び合う仲にならない?
もしくはダーリンとか…いやごめん嘘、冗談。そうだなぁ、とりあえず…
[キャスターは暫く考え…。]
ヴァイナ…でどうかな?
[以外な拒絶の言葉と条件に目を丸くする。]
あなた自分のサーヴァントにあんな態度とられてるのに…へぇ…
見た目によらず義理堅いんだね。
[本性を自分が誤解していたのか、喧嘩するほど中がいいのか…それともSMプレイ?
とりあえず、目の前の男の認識は彼女の中で変化していた。]
うん、その条件でいいよ。交渉成立だね。
じゃあ私そろそろ帰るね。ランサーが探してるかも。
すいませーん、テイクアウトでそのティラミスとマンゴープリン二つずつ。
ごちそうさま、おいしかった。
[食後のドリンクを来るのも待たずそのままデザートをテイクアウトのデザートを受け取り当然のように店を出て行く。]
…ふぅん。
[ぽつり相槌。
争いの種を蒔くような言葉に眉がよる]
断る。
なるべく人は巻き込みたくない。
特に女子供は。
…そうか。
俺ももう少し探し……!
[きゅるるー……]
……探して、みる。
[空腹を告げる音、さすがに恥ずかしくて視線をそらした]
…。
[面食らう。
何なんだ、この人は。]
…そう、僕は、とても弱い。
どんなサーヴァントが相手でも、最終的に勝つ自信は、全くないな。
例えば、「彼」は、銃を両手に持って戦っていたと思うけど、僕の腕力と魔力の生成効率じゃあ、とてもとても、あんな真似はできない。
できることと言えば、せいぜい怪我の治りを早めることくらいかな。
怪我をしたら言うといいよ。
はっはっは!
…。
おほん。
[またも一つ、わざとらしい咳。]
…ってなことをさ、話し合っておいた方が、有利に戦える目が増えるかもしれないじゃないか。
どうして気にならないかなぁ。
僕が弱かったら、困らない?
折角苦労して呼び出したサーヴァントなんだから、色々出来てほしいと思わない?
例えば、僕が強力な結界を張れたら、この店が壊れる心配をしなくてもいい。
例えば、僕が他を圧倒するようなスピードのあるサーヴァントなら、例え見つかってもそれを生かして逃げてしまえば同じこと。
君は、身近なものを壊されるのが、嫌なんじゃないの?
[「彼」が屋内で発砲した時の、彼女の反応を思い起こす。]
−駅前−
[駅前まで歩き、西へと向かいかけ。先日教会を訪れたときとは違う何かを感じ取った]
……なんだろう。
行くな、といってる?
[西の方にあるもの、を思い出しけれど別におかしいものはないはずだった。
警戒を強めながら、樹那川の方へと歩き出す]
− 商店街 −
[店を出るとランサーの気配が近くに来ているのを感じる。]
[同じところに別のサーヴァントの気配。戦闘になっていないということはライダーだろうか。
成立しなかったとはいえ先ほどの交渉の後では顔が合わせずらいが…]
しょうがないか…
[気配のほうに向かって歩きだす。]
義理じゃないよ。ただ僕が嫌だと思っただけだから。僕にとって全ては僕が中心なんだからね。
お粗末様。お互いが最後まで残ることを祈っておくよ。
[ 久子を座ったまま見送り、店から出たのを確認してからレシートを手に取る。
そうして、そこで気がついた。]
そういえば名前を聞かなかったな。まあいいか。僕も名乗らなかったし。
[ 運ばれてきた紅茶をくいっと飲み干し、立ち上がる。]
で、僕のナイトはどこに行ったんだろうね。迷わず帰れているのならいいんだけどね。
[ 勘定を済ませ、外へ。]
ええ、セイバーについては、前回も同じ英霊が呼ばれていましたわ。但し、前回は"アサシン"として召喚されていたようです。私にとっても、厄介な相手……。
[シャルロットは、憂いを湛えた瞳で俯いた。]
リチャードについては、ライダーの可能性もありますわね。何せ当時の騎士は騎乗が常でしたし。
また、何か判ったら情報交換お願いしますわ。
リチャードの拠点については、場所は美貴さんにお尋ねになるとよろしいですわ。陣をしかけるも貴方の自由ですしね。
[ダーリン、という冗談に、それまで真顔だった表情がふわりと緩む。]
殿方をそのように呼んだ事はありませんが……ヴァイナ?
ヴァイナさんって、お呼びすればよろしいの?
― 商店街・夕暮れ ―
ああ、かなり暗くなっているな。思ったより長く喋っていたか。
腹空かせてなけりゃいいんだが…。
アパートに帰ってろよー…。
[ 足早に、自宅に戻るべく駅前へと足を進めた。]
−樹那川土手付近−
たぶん、この辺り……。
[辺りを見回すと、少し遠くにシャルロットとキャスターの姿が見えた。何事もなく、話しているように見える。遠くから見ても、キャスターの雰囲気が、戦闘時とは打って変わったように穏やかなのがわかる]
シャルロットの威力なのか、それともキャスターの性格なのか……。
[半分あきれたように呟いた]
― 中央ブロック・噴水 ―
この時代の金銭は持っていないからどうしようもないけれど。ライダー、マスターは何処かに住んではいないのですか?もし住居があるなら、そこに帰ってみてはどうです。
[言われて頬に手を当て考える。]
弱いのは……困るかもしれないけれど。
わたしが呼んだあなたが弱いとしても
それは、仕方のないことでしょう。
それで結果が変わるわけではないわ。
確かに店や温室が壊れるのはいや。
でも、壊れてしまうのは仕方のないこと。
わたしはそれより……。
[戦いの中魔力が奪われたときのことを思い出して体が震えた。]
魔力を使いはたして倒れるのがいやだわ。
そうね、そういうことは聞いておいたほうがよかったかもしれないわね。
[できる範囲で、といったからそれで伝わっていると思っていた。]
……そういえば、あなたが部屋に運んでくれたのよね。
ありがとう。
騎士の適正を持ちながら、暗殺者の適正も持つ英雄…?
[はっきり言って、該当する英雄が全くと言っていいほど浮かんでこない。
弓兵と暗殺者とかならいくつか浮かぶのだが…。]
同じ適正を持つが故に、アサシンのクラスの"動き"が読まれる可能性があるか…。
でもその割には単独行動してたよなーアイツ。
……マスターが、自分が守る必要のない安全な場所に居るってことか?
そうだな、あとでボケマスターにも話を聞くかー。
ついでに頭もひっぱたいとこう。
…てかむしろ、普段から一緒に行動した方が都合いい気もするんだけどなー。
むしろそっちのマスターにうちのマスターの手綱を握ってもらいたいのが本音だけど、正直疲れすぎるんだよ。
[はぁ…と溜息をつきながらも、呼んだことがないと言う発言に対しては"是非俺をその最初に!"と返答するほど元気だったりする。]
うん、ヴァイナで頼むよマリアちゃん。
― 中央ブロック・噴水 ―
…う。
[ばつの悪そうな表情、ちらりと槍兵のほうを見て]
……し、しかたないだろ、育ち盛りなんだよ!
[魂が育つというのはおかしい話かもしれないし、実際英霊が育つという話がどこかにあるとも聞いたことはなかった。
意識をしてはいなかったが、公園の入り口にクレープのワゴンが合って、そこからの甘い香りが引き金だったようだ]
…住んではいても、あの阿呆が見つからないのでは食料を調達することもできん。
[だから探していたといわんばかりの表情、むっとしたように頬を膨らませる。
それこそ、一般人の目から見たら騎兵はただの中学生にしか見えなかったことだろう]
― 夕暮れ 中央ブロック・噴水 ―
[ランサーを見つけゆっくり駆けよる。]
ランサーお待たせ。
[やはり一緒にいたライダーを見て少しバツの悪そうな顔をする。]
ライダーのマスターと会ってた。
とりあえず、私達は同盟関係を結んだから。
お互いに攻撃はしないこと。
ライダーは詳しいことはマスターに聞いて。
[簡単に説明をするとライダーに店の場所を教える。]
[頭が冷えていく。]
…彼に言わせれば、「出来る限り」っていうのは、君が魔力を一生持つことが出来なくなる、その寸前までってことになるんじゃないかな。
いや、僕でも、そういう風に取るかもね。
君が倒れたって、戦いにさえ勝てば、この家まで運ぶことも出来る…そう、昨日のようにね。
礼なんか、言わなくてもいいよ。
サーヴァントとして、当然のことをしたまでだ。
君に死なれたら、僕は、この戦いに勝つことが出来ない。
「彼」も、銃を撃つことができなくなる…。
むしろ、謝ろうと思っていたんだよ。
勝手に部屋に入って、悪かったね。
[二人に見つかったことに気づき、その場へと駆け寄る]
ごめんなさい、マリア。手紙を出すついでにここまで来てしまいました。
キャスターは無事だったのですね。昨日の戦闘はだいぶ派手にやりあったようでしたので……。
[ふと、視線を横にそらすと、昨日の痕が色濃く残っていた。わずかに眉をひそめる]
これは……教会も大変ですね。さすがに元に戻すのは無理でしたか。
― 中央ブロック・噴水近く ―
ああ、すみません。そのクレープをひとつお願いします。
[ 通りすがりにいい匂いがしていたので思わず購入。]
[何時の間にか、蒼穹は朱色に染まっていた。鴉が三羽、何処かへ羽ばたいてゆく。薄れたインクで印刷したように、月が出ていた。
夜が来るのだ。
深き夜が。夢の時間が。]
お腹が空くという感覚は、私にとって既に久しい。
――では、よく食べなくてはなりませんね。
[声を立てて笑った。
甘い匂いと、水銀灯が灯ってゆく広場。逢魔が時だというのに、幸せそうな温かさがそこにはあった。]
マスター、お1人で出歩くのは……。
[そこまで言いかけたが、口うるさい事を言うのはよそうと口を閉ざす。]
ああ、前回の聖杯戦争のアサシンは"沖田総司"ですわ。
調べれば判ると思って、話すのを失念してました。
(病に冒されて無くなった人物ですわね。もしかしたら私とは戦闘の相性が良いかもしれない……。)
……ヴァイナさん?
美貴さんに、手を焼いていらっしゃる風ですわね?
[ぶつぶつと零すキャスターの様子に、一瞬目を丸くしたが、すぐに声を立てて笑った。]
何だか、世話焼き女房ならぬ世話焼き旦那みたいな風体ですわよ?ヴァイナさん。
[そう…結局、最大の疑問はそこだ。
彼女には、「強く求めるもの」の存在を感じない。
聖杯を求める意思を持ってこの場所にいる僕とも、ただ銃を撃つ、それだけを求めてここにいる「彼」とも、全く違う。
この店、彼女の育てる植物や、この街。
そういった世界観で完結することを、良しとする人のように見えた。
少なくとも、これまでは。
死どころか、魔力の枯渇に対する恐怖などというものを感じたまま、ここにこうしている意味が、さっぱり分からない…。
「彼」が、気に食わないと言うのも分かる。
「彼」には、強い意志、強い力…ポジティブなものであろうとネガティブなものであろうと、そういうものを好む傾向があるようだった。
彼女のような、ある種達観した人は、撃ち甲斐がないだろう。]
さて。
マスター。キャスターとは一通り情報交換を済ませましたが、どうされますか?
私は、一旦拠点に戻って情報を纏めておきたく思うのですが……。
[傍に来たソフィーに、穏やかにそう*尋ねた*]
【ログ内連絡】
・コミット確認をお願いします。
・NPC投票がまだ済んでいない方はお願いします。
・更新は今晩深夜27時前後に行います。
・更新後はアサシンT時間軸における2days昼から開始です。
【ログ内連絡終了】
[マリアのマスターに軽く手を振る。]
あー、派手も派手、超ド派手だったよ。
正直あんなキツイ2連戦、二度とやりたくない。
まぁ、ここで戦うなら"負ける気"はしないんだけどなぁ…。次はさっさと逃げちゃおうかな?
[周りを見渡しながら軽い口調でいうキャスター。
でも結構本気だったりする。]
沖田…?名は知っているけど炎や消滅の力をあんな風に扱ったりする事が出来る伝承なんかあったか…?
[疑問に思い眉を顰める…がこればっかりは考えても仕方のない事だから思考するのをやめる。
"そういう情報"として扱うのが最善だろう。]
えー、流石にアレが女房は勘弁だなぁ。
俺的にはマリアちゃんみたいな静かな女性がいいんだけど、やっぱ癒しって大切だよ。
[倒れても当然とでも言うような言葉のうえに
部屋に入ったことまで謝られてしまった。
責められて当然と思っていたので
なぜそうされないのかわからない。]
部屋に入ったのは非常事態だからかまわないけど
そうじゃなくて……。
なんで……。
怒らないの……?
普通怒るでしょう?
[不安そうにリチャードを見つめる。
爪が食い込むほど強く手を握り締める。]
[シャルロットが途中で口を閉ざしたのを見て、黙る。箭は再び川のほうへと向けられた]
……刺さった、痕?
[ランサーの宝具の後が目に入り]
キャスター、昨日あなたがここで戦ったのは……。
[キャスターのほうを振り返る]
― 夕暮れ 中央ブロック・噴水 ―
馬鹿にしてるだろう。
[ふくれっつらそのままに、槍兵へと愚痴のようにつぶやく。
夕焼けと降りてくる宵闇は飴細工のように複雑な色をしていた。
そこに見えた姿、小さく瞳瞬かせ]
…貴女は。
[槍兵の主。
そう口の中で小さくつぶやく]
― 夕暮れ 中央ブロック・噴水 ―
[一頻り笑った後、久子と再会した。]
マスター。探しました。
[声に、咎める色合いは含まれてはいない。と、突然の事態の進展に。]
ライダー達と同盟を組んだ……。
マスター。詳しい話を聞かせて欲しい。
……それは?
[久子が持つ、白い箱に目を向けた。]
参加の理由は……。
この戦いに関わり続けたいから。
[手を握り締めたまま答える。]
聖杯は、実りのようなもの。
わたしは、実りを育てるために、
自分のできる範囲で行動したい。
そう思ったからあなたを呼んだの。
……では、あなたは、何故参加してるの?
[キャスターの話すセイバーの様子に首をかしげる]
沖田総司は神速の剣を操る英雄、とも言うべき人ですが……。炎や消滅、ですか。
そんな話は聞いたことがありません。ですが。
[前回の聖杯戦争時、何かがあったらしいことは知っていた。けれど、祖父の集めた資料にそのことに関する記述はなく]
前回の聖杯戦争で沖田総司は最後まで残り、神殺しの槍によって討たれた、と書いてありました。
何故、神殺しだったのでしょう。
彼は神ではない。英雄であっても、そうではないはずです。
そして、今回もまた存在している。
彼は、ただの沖田総司ではないようですね。
[そこまで言ってため息をつく]
[ライダーの予想以上の非難の眼差しに動揺する。]
…でも、ランサーはともかくあなたの場合は、元はといえばマスターを待っていなかったのが原因でしょ?
[言い訳になっていないことに気づく。]
いや、なんでもないわ。ごめんなさい。
よかったらこれ食べる?
[ティラミスとマンゴープリンの入った箱を開く、ココットに入ったティラミス、マンゴープリンの方はギッシリマンゴーの果実が詰まっているのが見える。]
― 中央ブロック・駅前 ―
………うん、帰ってないかな。これは。
[ マンションの入り口にて呟く。当然ながらセーフティロックがかかっているため、玄関の自動ドアを抜けるにも鍵か、住人からの解除が必要だ。
ライダーに鍵を渡していない以上、帰っているのならここで途方に暮れているしかないと思ったのだが。]
まさか、乗り越えて入った挙句にうちのドア破壊したとか、そんなことはしていないだろうな。
[ 一瞬考えるも、まあそれはないだろうと結論づける。そういうタイプの常識外れをするとは思えないからだ。]
そんじゃ、どこだろうねえ。
[ 肩を落としながらも、改めてライダーを捜しに出掛けることにした。]
[…いかんいかん。
「彼」に、毒されすぎているな。
撃ち甲斐、なんて言葉は、「彼」くらいしか発しまい。
しかし…]
この戦いに、関わり「続け」たい…?
[意味が分からない。
この人は、「彼」のような、戦闘を楽しむような人ではないような気がする。
いや、むしろ、間違いなく楽しんではいまい。]
…どういうことだい?
僕は、戦いなんて、一刻も早く終わって欲しいと思ってるけどね。
それも、僕達の勝利という、最高の形で。
僕がここにいるのは、当然、聖杯に願いたいことがあるからだ。
普通、それ以外に、何かあるのかい?
[顔をしかめる。]
[ソフィーに戦った相手を問われて答えを返す。]
あぁ、三騎士のうちの剣士様と槍兵様でしたよ。
面倒くさいったらありゃしねぇよ。
って、神殺しで殺された…?
[沖田といえば間違いなく人間の英雄だろう、そんな大袈裟な物を使う必要性はあまりない。
というか、神と言う概念を殺すなら俺もやばいなーとか関係の無い事も思ったり。]
まぁ、たまたま最後に残った奴の奥の手がそれだけだったのかもしれないけどなぁ。
でもそれなら態々記述する必要もない…か?
[けれど、ひっかかっていた。昨日相対した態度は、隙はなかったが、危険をそれほど感じたわけではない。
行動はどこかおかしかったものの、人間くささがないわけではなかった]
どちらにしても、厄介な相手ではあることに変わりはないですけど。
…あれが遅いのが悪い。
俺のせいじゃない。
[むす、と小さく頬を膨らませたまま槍兵の主に視線を向ける。
食べるかどうか尋ねられた箱の中身、ちらと覗き込めばそれはとてもおいしそうに見えたのだけど]
…いや、いい。
[ちょっとだけしょぼくれた子犬のような気配まとって]
…では、俺はこれで失礼する。
またいずれ。
…次は、戦場かもしれないけれど。
[ポツリ挨拶ひとつ、二人に背を向けて]
マスター。
私も食べていいのでしょうか?
恐らく、目に訴えかけてくるこの色、薄れているもののこの匂いは、正しく熟したマンゴーを使っているのではないでしょうか。
[背を向けて去ろうとするライダーの肩に手を置いて、呼び止める。]
貴方も、もしかしたら食べた事はあるかもしれないが、一つ持ってゆくといい。これは至福の味をしている。
[何故か強引に、ライダーにマンゴープリンを持たせた。]
では、あそこに刺さったのはランサーの槍のようですね。そしてこの結果。
セイバーもランサーもさすがは英雄、といったところですね。人の考えの範疇を超えている。
そしてその二人と互角に戦ったキャスターも、本当にすごい英霊なのですね。
[キャスターに尊敬するかのようなまなざしを向ける。シャルロットの問いには短く頷いた]
では、私も一緒に戻りましょう。
[去っていくライダーの背中に向けて叫ぶ]
あなたのマスター!!そんなに悪いやつじゃないよ!!
[小さな声で付け加える。]
少なくともあなたにとってはね。
凄い…と言われれば悪い気はしないなー。
特に美人から言われると。
[キャスターはソフィーの賞賛に笑みで返す。]
さて、それじゃ俺も今日はおとなしく帰るかなー…っとそうだ。
普段から一緒に行動した方が安全面でも突発的戦闘面でも有利だと思うんだがどうだろう?
そこら辺少し考えておいてくれるかな?
そう……早く終わるならその方がいい。
戦うのはいやだわ。
魔力を消費するもの。
ただわたしは聖杯が「実る」のを見届けたい。
そういったほうが近いかな。
聖杯そのものに願いたいことは、今はないわ。
[握り締めていた手を緩めて、笑みを浮かべて言い切る。
聖杯を「育て」たいと思う。
そのためには戦って力を使わなければならない。
そのことに迷いはない。
「実り」は手に入れてからどう使うか考えればいい。]
勝利でも敗北でも、……たとえ死でも、
関わったために与えられる結果は受け容れる。
でも、あなたが勝利を願うなら、
そのためには協力するわ。
魔力を搾り取られるのは……いやだけど。
[自然と湧き上がる震えを押さえる。]
だってあなたがいなければ
わたしは聖杯戦争に関われないんだから。
…僕としては、覚悟を決めてもらいたいね。
例え君の一生分の魔力を使っても、僕は、この戦いに勝ちたい。
もう薄々気付いているかもしれないけど…「彼」は、とても魔力を消耗させるサーヴァントだよ。
昨日のように、宝具を出さずに戦っている間は、完調ならば脱力感を感じる程度で済むはずだ。
だが、彼の宝具は、膨大な魔力を急速に精錬し、消費して、初めてその威力を発揮することの出来る類のものだ。
魔力を使えば使うだけ、強くなる…。
だから、宝具を使うような状況になれば、急速な脱力感に襲われ、長引けば当然気を失ったりすることになるかも知れない。
「彼」は、銃を撃てなくなることを何よりも恐れるから、君を死なせたり、魔力の機能そのものを破壊してしまうほどに魔力を使うようなことは、しないだろう…大抵の場合はね。
だけど、それを恐れているようじゃ、勝てない。
それじゃあ、僕は、困るんだ。
[右手の中指で、眼鏡をつり上げる。
「彼」に比べれば幾分真摯な目だ。
しかし、温かな視線を露葉に向けるわけでもない。]
普段から一緒に、ですか。
そうですね、考えておきます。ただ、マリアは単独で動いたほうがいいかもしれません。気配を消すことが出来ますから、相手を油断させることが出来るでしょう。
[帰る、というキャスターに手を振り]
ではマリア、私たちも戻りましょうか。
― 中央ブロック・駅前 ―
うーん、どう捜したらいいんだろうね。土地勘皆無の人間がどこに行くなんてそんなの判るわけがないよな。
[ 魔力を探る、という行為に気付かないままに久仁彦はうろうろとしていた。目標地点が定まらないため動きにくいのだ。]
ま、とにかく捜して歩くしかないか。本当に愚かな話だよまったく。
どこかで他のサーヴァントに絡まれたりとかしていなけりゃいいのだけどね。
[ 見つけて帰ったら食事の支度かな。などと考えつつ、うろうろとライダーを捜し*歩き回ることに*]
[ランサーのの勢いに思わずのけぞる。
うなずきながら、滅多にみられないランサーの取り乱した世界に目を丸くしていた。]
マンゴーが好きなの?
そんなに好きなら今度買ってあげるよ。
[笑顔とランサーに対する親近感が湧き上がってくる]
そうそう、その服もなんとかしたいね。買いにいこう。
[ランサーと共に商店街の方に歩き始めた。]
…ぅえ?!
[呼び止められ強引に渡されたマンゴープリン、きょとんとしてそれを眺め、かといってスプーンも何もないから食べるわけにもゆかず。
すん、と小さく鼻を鳴らせば自分の記憶にはない香りだがとろりと甘い香りがして少しだけ頬が綻ぶ]
…うん。ありがとう。
[小さく礼を、槍兵に。
その主が腰抜け主についての評価を投げてよこせば少しだけ肩をすくめてプリンを大事そうに両手で支えて公園を*去る*]
[昨日のこと、帰り際にケネスと会った宗冬は、質屋から刀を取り戻したのは諸君も知っての通りである。
その後宗冬はビデオ屋に行くことにした。映画が観たかったからである。明白な答えであり、それ以上の答えは見つからない。
しかし借りるのに会員証を作るが必要であることが宗冬を悩ませた。遥か江戸からやってきた宗冬には身分証がないのである。
だが、あの妖術師は現代人であるからして持っているはずである。いや、持っていないにしても腐っても妖術師なんとか出来るはず。「では妖術に頼ろう」という言葉も流行ったではないか。そう宗冬は考えた。
また私がいなければ戦えまいと足元を見ている宗冬であるからにして酷い。刀を抜き、「お前を斬るか、妖術を使うか、身分証を渡すかのどれか選べ!」と叫ぶ始末である。結局その時斬られたのはビデオケースである。]
[関わるだけじゃ、何の意味もない。
…この人とは、分かり合えないかもな。]
つまり、さ。
僕や「彼」の言ってる「協力」ってのは、もっとギリギリまで、魔力を使わせろと、そういうことだよ…。
ピントがずれてる。
冷たく聞こえるかもしれないけどね。
[少し、唇を歪める。]
君の目的も、僕にはよく意味は分からないけど、生き残っていなくちゃ果たせないんだろう?
だったら、覚悟を決めた方がいいと、僕は思うよ。
満足に力を発揮できないサーヴァントが、勝ち残れるわけがない。
[こんな風に言うのは、僕には、辛かった。
全く、「彼」は…。
こういう面倒なことは、僕に押し付ける。]
−2日目・商店街−
[セリアからまんまとお金をせしめたセイバーは、お気に入りの喫茶店に向かっていた]
そういえば、あの女性とはどうやって会えばいいものか。
[魔術回路の感触は理解している。だがそれが感じ取れるほど近づくならば既に顔を見て判別可能であろう。
ならばまた偶然に顔を見かけるのを待つしかなさそうだ]
[…彼女の意志の強さが、勝敗を決するかも、しれないのだ。
最初「彼」は、決して酔狂だけで彼女に銃の引き金を引かせたわけではない。
今の「彼」は、ある意味「銃」そのものだ。
銃は、どんな意思も、どんな物語も、無機質に砕く。
だが、そのためには、そうするという、人の意思が不可欠なのだ。
…だからこそ僕は、あれを作った。]
…まぁ、急に、そんなことを言われても、落ち着かないかもね。
[息をつく。]
とりあえず、食べ物をいただくよ。
早く傷を治さないと、魔力云々って問題ですらなくなる。
[…ようやく、自然に笑えた。]
−駅前→商店街−
[シャルロットと二人、駅前まで戻ってくる。晩の食事を買い込み、辺りを見回しながら自宅への道を急ぐ]
……嫌な、予感がする。
[足を止めて、商店街のほうをじい、と見つめた]
−1日目 夜・商店街−
[魔力がほぼ枯渇し疲れきっている体を引きずりランサーの服を買う。]
ランサーの雰囲気からして落ち着いた服が良さそうだよね。
[疲れから多少の値段には妥協しつつ、細身の白いセーター、黒いスラックスを買う。
スラックスの丈を直す間に革靴、少し迷ってベージュのショートボアコートを買いスラックスを受け取る。]
[こうしてようやく会員証が作られた。会員証に書かれている名前は滝田真である。どうにも妖術師にとって忌まわしいものらしいが、宗冬にとっては関係ないことであった。
思い起こせば忌まわしくもある家族や兄弟でもあるが、その一方で感謝もしていた。なんにせよ、今ここにあるのは家族や兄弟からのお陰である。こうして現世に復活して映画を観れるとは思いにもよらなかった。
いくら忌まわしいからと言って、消そうとして消せるものではない。たとえ自分が消したからと言って周りが消すとは限らない。故に受け入れることが大事である。
妖術師がそのことに早く気づけばいい、その為にもことあるごとに滝田真と呼ぶことにしよう。宗冬はそんなことを考えつつ映画を観た。子連れ狼の映画版である『子を貸し腕貸しつかまつる』である。弟の列堂が悪役で出ている映画である。列堂役である伊藤雄之助の凄まじさに宗冬が嫉妬したのはいうまでもない。]
マリアは、この辺りで待っていてください。気配は消して。
もし危険なら、呼びますから。
[シャルロットに指示して何事もなかったように歩く。商店街に入って少し、見覚えのある後姿を見つけた]
……いた。
[全身が総毛立つような感覚に襲われる。が、魔力回路は開かないよう注意を払った]
[マンゴープリンを両手に抱えて去るライダーに満足げな笑みを見せていたランサーは、続く久子の声に喜びの声をあげた。]
ヒサコ。本当かい。
[ランサーは感動しているようだ。]
その……ぼくが、前に神の力を振るう器として覚醒させられた話はしたと思うんだけど、その時に食事を食べなくても大丈夫な身体になったんだ。でも、こればっかりは、お腹が空かなくても大好きで。
[久子と並んで歩いていたが、ランサーは久子の方に近寄る。]
ヒサコ。……10個程、食べたい。
[頬をやや赤くして、小さな声でお願いした。]
どうしてわからないのかな……。
[こちらはきちんと話をしてるのに
何故わかってくれないのかと言うのはこらえる。
恐らく根本的に何かがずれているのだろう。
何しろ相手はサーヴァントなのだから。]
……そうね、
あなたのいったこと、気をつけてみるわ。
[しぶしぶ頷くだけは、頷いた。]
傷を治してもらって
わたしも回復して
教会も行かないといけないから……。
忙しいわね。
[お茶のおかわりを注いだ。]
こんな事を頼む訳にはいかないのに。
[呟き。]
[やはり夜ともなると疲れが蓄積するようだ。久子が次々に購入していくのに、合掌をして感謝を表す。]
−商店街−
[何故か本屋の店頭で立ち読みをしている。どうやらサムライというのがこの国ではメジャーらしい。そういえばこの体もサムライだった気がする]
ふむ、なんだこの愚直な生物は。
潔いとはよく言ったものだ・・・・・・
ハラキリ。カゲバラ。ウチクビ。テンチュウ。
中々罪深い種族だな日本人というのは。
[少し感心した]
- 商店街 -
[そして今、宗冬は商店街に来ていた。妖術師に言われたから、ではない。子連れ狼の手押し車を作る為である。
宗冬は常々考えていた。私に足りないのは外見の特徴だと。十兵衛は隻眼であり、友矩は絶世の美男子である。これに対して平凡な外見である宗冬はどうにも分が悪い。絶世の美男子は明らかに無理である。隻眼は可能だが嫌だ。痛い。となると小道具が必要である。
宗冬は子連れ狼を観ていて思いついたのだった。手押し車だ!!
二番煎じ以前に単なる物真似である。この発想の貧困さが現在の宗冬の扱いを示しているとも言える。
だが、そのことに宗冬は気付いていなかった。材料を懸命に探し回る宗冬の姿しか見えない。]
木材と鉄板は揃ったな。ガトリングガンの調達は無理かもしれん。
[だが、手押し車に仕込まれたガトリングガンは拝一刀が鍛冶場を借り己の手で作り上げたものである。ならばいずれ宗冬が作り出さないとも限らないのであった。]
[材料の調達が終わった一通り終わったようだ。となればすべきことはただ一つ、子連れ狼の続きを借りること!子連れ狼の漫画を買うことだ!!宗冬は材料を背負い走り出す。]
うぉぉぉぉぉ!!
・・・・・・
[魔力を感じる。先日のキャスター程ではないが強い気配だ]
気配を抑えたアサシンか?
[振り向くと、そこには大量の荷物を背負ったまさにサムライが歩いてきた]
・・・・・・なん、だと?
[本と見比べる。おかしい。サムライという種族は既に絶滅しているような記述がある。だがそこにいるのは間違いなくサムライそのものである]
ならば、やはりサーヴァントという事か?しかし・・・・・・
[アンリ・マユである彼が珍しく動揺を見せた]
[何より。格好がおかしかった。あわてて後を追い、本屋へと入るのを見届ける]
(ひょっとして、サーヴァント?
せめて、何のサーヴァントかを…)
[本屋を覗き、わずかに体が震えた。こちらに背は向けていたが、なにやら本を持って同じように侍姿の男性を見ている、ようだった]
[さて服は買った。
あとはランサーがかわいい顔をしておねだりしてきたプリンである。]
でも、10個って…
[商店街のおいしそうなケーキ屋の中を覗きこむ。
一個390円、なかなか本格的なマンゴープリンだ。折悪しく丁度10個ある。]
うーん…
[真剣な顔で考える。
買ってあげるといったからにはここでどーんと買ってあげマスターとしての威厳を示したいところである。
コンビニのマンゴープリンを10個買うことも考えたが、おそらく納得しないであろうことは、マンゴープリンにそれなりにうるさいのでわかる。]
[考えた挙句結局久子はマンゴープリンを自分とランサーの分一つずつ二つだけ買った。
ランサーに向かって真剣な顔で語る。]
たまに一つだけ大事に食べるのがおいしいんだよ。
そんなにたくさん一気に食べたらありがたみなくなっちゃうんだから。
[そういうと公園に向かうために歩きだす]
[走る走る。本屋へ行く。商店街を縦に切り裂く。本屋!本屋だ!宗冬が叫ぼうとした瞬間、目が合った。男がいた。それが何者であるかはバーサーカーである宗冬には関係ない。サーヴァントであるという事実だけ十分である。]
刀の力を試す良い機会であることよ!
[瞬時に満たされ行く魔力に酩酊し、宗冬は刀を抜き放った。]
・・・・・・
[あまりの速さに驚愕した。確信としてはその抜き去られた剣が間違いなく高度な宝具であるという事だった]
成る程、貴様やるようだな。
こちらとしては全く構わんぞ。
[右手に力を込め、剣を生成する。
そしてそのサムライを断つ剣がそこに・・・・・・現れる、はずだった]
ば・・・・・・ばかな。
[アンリ・マユ二度目の驚愕であった]
[斬撃皇帝は、そのサーヴァントの魔力に反応し成長する。それは純然たる魔術士としての魔力だけでなくサーヴァントとしての脅威にも反応する。つまり魔術士の魔力だけではなくその存在の強さにも反応する筈である。
だが、彼の右手に現れたものは。
小太刀と比較しても足りぬほどの小刀であった]
[…やはり、分かっては、くれないようだ。
深く、息を吐く。
難しいな。
通じ合うのって…。]
ん、美味しい。
[並べられた食べ物を口に運ぶと、自然と顔がほころぶ。]
うーん、こういう存在になっても、食事が楽しめるとはね。
な、なななななな・・・・・・
貴様!本当にサーヴァントか!!
こ、ここここの程度しか反応しないとはあまりに想像の範疇を逸している!!
[もはや怒りに近い]
[重い表情をしていたランサーだったが、それに久子は気づいていないらしく、マンゴープリンの前でうんうんと唸っている。買って貰えるのは、それはそれで嬉しかったので、少しだけランサーの表情が明るくなる。が――]
!!!
ヒサコ…。
[例えば。マンゴー林でマンゴーが10個しか生っていないとして、全部食べるか、それとも1つずつ、ゆっくり食べていくか。ランサーはとても難しい問題だと思った。
先程、先にお土産として持ってきたマンゴープリンとティラミスが入った白い箱を片手に、久子に続く。]
そう。
[おいしいといわれれば自然と笑みが浮かぶ。]
あなた食べるの好きなのね。
野菜や香草は魔術で成長を早めれば
たくさん収穫できるからいくら食べても……と、
いまはあまり多用しない方がよさそうだけど。
[苦笑しつつ次の料理を作っている。]
[敵の手から現れたのは小刀である。小刀程度しか出せない敵のようだった。こちらの気迫に押し負けたか目を見開いている。
が、なんであれバーサーカーたる宗冬には関係ないことだった。バーサーカーはサーヴァント殺戮道を行くもの、敵の大小は関係ない。獅子は兎を狩るにも全力を尽くす。]
行くぞ!
−1日目・夜 公園南部 発掘調査現場−
[一日ぶりに辿りついたそこには他のサーヴァントは見当たらない。
荷物を置きテントを確認する。特に変化は確認できない。]
ふう…大丈夫みたい。
ランサーはそっちのテントを使って。
[椅子に腰掛け一息つく]
…そうそう。
他に何かあったら、今のうちに言っておいてよ。
僕は、さっきも言った通り、傷の治癒を早めることが出来る。
一方、戦闘においては酷く弱い。
宝具すら、持っていないしね…。
[自嘲する。]
だから、僕はこれ以降、傷の治療に全力を注ぐ。
君の魔力も、落ち着いてきたようだからね。
傷がある程度治ったら、僕はここにこうしてはいられなくなる。
「彼」の方が圧倒的に存在が強いからね。
すぐに、表層人格は取って代わる。
ってことで、まぁ。
「彼」の相手をするのは大変かもしれないけど、よろしく頼むよ。
[今度は、苦笑。]
[速度良し!腕良し!踏み込み良し!が、突如、宗冬が体勢を崩し、地面に無様に転がり落ちた。]
うぬぇぁぁああ!?
[宗冬の情けない声が商店街に響く。必殺の一撃、小刀もろとも切裂くはずであった。何が起こったか彼は瞬時に理解した。バナナに滑ったのではない。刀が拒否したのだ。この三池典太は、幾多の剣豪の血を吸い育ってきた刀である。いわば育ちが良い。あんな小刀相手に使われるのは癪に障るということである。
宗冬としては刀に未練たらたらであった。が、ここで動揺した姿を見せるのは兵法に悖る。]
お前さん如きににゃ、この刀はもったいない。素手で相手をしよう。
[正直、小刀程度しか出せない相手には負ける気がしなかった。]
― 1day・夜 樹那森林公園南部 発掘調査現場 ―
ありがとう。ヒサコ。
[頷き、そしてマンゴープリンを食べようと椅子に座る。
ほぉ
鳥の声が遠くから聞こえた。]
き、貴様・・・・・・
[うまく言葉に現せないほどの怒り。こいつは雑魚な筈だ。なのに何故このアンリ・マユを上から見下しているのか。
何故このような雑魚に情けをかけられているのか。
あまりの激怒に一瞬で燃やしつくしてしまおうとも考えたが、それは許されない行為だった。
このような奴に素手の勝負を申し込まれて受けないほどプライドは低い存在ではない]
ここここここの雑魚がががががが!
この私に!剣はいらんと!!いっちゃれら!!
[ショート寸前。そしてその小刀を地面に投げ捨てる。球根に戻り即座に消滅する]
表へ出ろ!!!!!!
[覚えたての決め台詞を吐き、店の外へと決闘の場所を移すことを要求した]
言っておくこと……。
ない、と思う……あ。
[これだけはいっておかなければと思い出した。]
店にはあまり出てこないでね。
わたしが一人でここをやってると思われてるから
あなたが出てきたらお客様が驚くもの。
あとは……店が終わったら教会に行こうと思うの。
つきあってくれる?
やるべきことはすませてしまわないとね。
さすがに一人で出かけたくないの。
[だめかな、と思いつつ*誘った。*]
[商店街の中心。十字に走るアーケードの交差点。宗冬と男は立っていた。男はみるからにいきりたっていた。宗冬も同じである。バーサーカーの狂化による血の昂りを抑え切れなかったのである。
この二人のサーヴァントの発する気が商店街の空気を歪めていた。異常な気配を察した商店街の店はシャッターを下ろし始めていた。]
参る!
[中にはならず者(という名のヤンキーの若者)共が賭けをしている声も聞こえた。だが彼にとってそれは関係ない]
いくぞ雑魚!!
このコブシだけで消し炭にしてくれる!!
[既につま先が接触するほど接近した状態で、彼は全力でバーサーカーの頬を殴り切った。
彼はまだ気がついていない。アンリ・マユという存在にして沖田という肉体を所持した彼は魔力も剣術も高い。だが。
近接肉弾戦闘は、並のサーヴァントとなんら変わらないという事を]
[ランサーがマンゴープリンを出すのを見て自分もマンゴープリンを取り出す。
ゆっくりと味わいながらマンゴープリンを食べ始める。
食べながら、帰り道に聞いた話を思い出す。
ランサーがキャスターを宝具を発動させたにも関わらず倒せなかったということを。]
とんでもないわよね。キャスターのサーヴァント。やっぱり真名がわからないと不利なのかなあ。
私神話には全然詳しくないんだよなぁ。
[ランサーの宝具が完全に力を発揮できなかった話も思い出す。]
−商店街−
[頭痛。その光景には眩暈すら覚える。
サーヴァント同士が素手での決闘を開始している。しかも商店街の真ん中で。
片方は侍、片方は全身真っ黒のライダースーツ。道行く人々は変質者と判断し迂回しながら歩いている]
あれ、どうしろって言うのよ。。。。。。
[そういいながら、背中に背負っているギターケースを開きかけている。中にはP-90。さる外人傭兵部隊の正式兵装にして世界最強の命中精度を誇るサブマシンガンである。
だが、まだだ。まだ事は大事にはなっていない。もう少し見守る必要があるようだ]
[右の頬から脳髄に衝撃が走る。男の拳がめり込むのを宗冬はどこかゆっくりと認識していた。その殴り方は稚拙である。が、その身体能力たるや狂化された宗冬を超えるのかもしれなかった。
が、宗冬は柳生新陰流の当主である。柳生新陰流は剣術がその本道であることに違いはなかったが、しかし本質は兵法である。宗冬は徒手の修練も積んでいる。
その技術をもって今、宗冬は男を投げていた。男の腕を絡めとり、自らも背中から倒れ落ちながらも後ろへ投げ飛ばした。]
甘いぞ!
ぐはっ!!
[背中を地面に強打する。体中の骨が軋む。
間違いない、こいつは強い]
貴様、やるな!!
[腰を落とし、なお突進する。交差法については相手に分があるのは理解した。ならば狙うは泥試合。
左でわき腹を打ちながら、下がったガードを狙い打つように右を顔面に再度放つ。どこかの漫画で見た龍魚拳だった]
― 1day・夜 樹那森林公園南部 発掘調査現場 ―
[カンテラの明かりが、静かな発掘現場周辺を淡く暖色に照らし出している。影は揺らめき、空には月と星。]
ヒサコはこうして生活する事が多いのかい?
[マンゴープリンをスプーンですくい、口に運ぶ。嬉しそうな笑顔が浮かんでいる。
揺らめく明かり。年相応の、少年――]
うん…。
おそらく、彼はワイナミョイネンというフィンランドの英霊だと思う。人の身でありながら、世界を創世したという人物。水を自在に操る、"魔法使い"――。
老人の姿をしながら水をあれほど楽々に使える人物は…おそらく。ただ、何故、それほどの英霊が日本に召喚されたかは分からないけれど。
いや、まぁ、いいけど…。
[会話のかなりの部分をスルーされている気がする。
ま、も、いっか…。
少しずつ、分かってもらえれば、その、きっと…。]
しかし、僕、何だろう、弱いぜ?
ははっ…。
…まぁまぁ、逃げるくらいは出来るかな。
行くよ。行く行く。
魔力を節約しながらの治療じゃ、明日までかかりそうだし、かと言って治療を早めてさっさと「彼」に出張ってもらっても、不調のまま暴れられちゃかなわないからね…。
[肩をすくめると、当然だが、まだ痛い。]
…。
*何やってんだ、自分…。*
甘いのは己か!!
[吼える。再び右の頬を打たれる己への檄である。喰らったのは左と右の併せ技であった。今の一撃は油断していた己からの一撃である。敵からの一撃ではない。
吹き飛ばされた宗冬に向かって追撃が来る。]
くっ!
[コブシに残る肉の感触。体の底から血が沸騰するような衝動]
これだ・・・・・・私が求めたのはこういうことだ!!
さあ、殴り返して来い侍!貴様のコブシを全て受け切って勝利してやぐぎゃ!!
[大きくのけぞる]
ええい、くそう!
[体を起こす反動で殴り返す]
ぐうっ!!
[なんと言う動体視力。拳に合わせてくるとは。
奴の拳は一体何なのだ]
チェストー!!
[最終必殺技”頭突き”を発動させる!!]
― 自室 ―
サーヴァントでなく、きっとあいつは疫病神に違いない。
絶対にそうだ。
[ケネスはそう確信しつつあった。
ビデオ屋から帰ると、なにやら興奮しながら「子連れ狼」を見ていた宗冬は、ケネスが飯を作っているうちに消えていた。
「あいつ、どこ行きやがった」と探し始めてすぐ、ものすごい魔力の消費が始まる。
ビデオ屋の宗冬が、また事の他酷かったのだが、それは後に語ろう。
とにかく今はこの吸い出される魔力の消費をなんとかしなければならない。
ケネスは外へ飛び出すと宗冬を探し始める。]
[ぐぉん!強烈な頭突きにより宗冬は思わず膝を突く。
もはや力の入らない足を捨て上半身の力で飛びつき、そのまま体を頭を肘をぶつけた。]
これで終わりだ!
ぐほっ!!
[だが、負けじとその勢いを利用し巴投げを慣行する]
たぁーっ!!
[だが、どうやらこれで力尽きたようだ。清清しい戦い。まさに青春]
[戦いによって商店街の中心は今や血の池となっていた。
その中で、二人は頭を突き合わせ大の字になって倒れこむ。]
お主、名はなんと言う。
ふっ、お前。
魔力は低いが中々やるな。
[さわやかな汗が額を伝う]
私の名か・・・・・・ そうだな、今は沖田総司と名乗っておこう。
貴様は?
[ケネスはあらかじめ購入しておいた自転車に乗ると、とりあえず商店街に向けて走り始める。
やがて、シャッターが閉まり、異様な雰囲気をかもし出している一角が見えてきた。]
あそこで、殴りあってんのもしかして宗冬か?……
何やってんだよ、あいつは!
― 1day・夜 樹那森林公園南部 発掘調査現場 ―
[マンゴープリンは、舌の上で蕩ける。]
宝具トリシューラ……一度の投擲で三都を破壊せしめたシヴァの三叉の槍。この宝具は、いまだ完全な姿を現す事が出来ないんだ――。
何故ならそれには。
――もっと沢山の魔力が必要なんだ。
[ランサーは、膝を抱えるように俯いた。きらきらと、黒い眸がカンテラの炎を宿す。]
ヒサコが無理をする必要はないんだ。
それに――
これは
[言葉が途絶える。]
― 1day・夜 樹那森林公園南部 発掘調査現場 ―
(世界を滅ぼすための槍。)
[その言葉を告げる事は出来なかった。]
…美味しかったよ。ヒサコ。
[微笑み、久子がテントで眠るのを見届けた。]
私は柳生新陰流、柳生宗冬だ。
そうか沖田総司の名、覚えておこう。
お前さんの出ている映画もあるのかな。今度探してみよう。
では、さらばだ。
[宗冬は、立ち上がろうとした。が、負傷が酷く思うように動けなかった。だが、そんなことがどうでも良いくらいに気持ちが晴れていた。この冬の空気のように、宗冬の心は*澄んでいた。*]
柳生の人間か。
成る程、魔力は低くても腕っ節は強いという事か。
貴様の名、心に刻み付けておこう!!
[去りゆく好敵手と書いてライバルの背中を、いつまでも*見つめていた*]
― 深夜 樹那森林公園南部 発掘調査現場 ―
[テントが揺れ、中から人が出てくる。ランサーだ。]
……。
ヒサコ。
[久子用のテントの外に立ち、囁く。]
ぼくは。
使命を果たさなくてはいけない。
[左目から涙がすぅと零れ落ちた。]
どんなに残酷な事でも
どんなに辛い事でも
王ならば、成さねばならない
[護符に守られたテント。踵を返して、教会へ向かう。]
−教会、セイバーがバーサーカーと戦った前日の深夜−
[覚醒してからまもなく、ようやく意識がはっきりとしてきた]
・・・・・・
[もうすぐこの世界は終わる。
正義を貫くために必要な犠牲達。
今はまだつかの間の平穏を味わっていればいい。
この俺もまた人形種。聖杯に願いを伝えた暁には滅ぶべき種族の悲劇を思い涙も流そう]
スパーン
[なんとか体を動かして戻って来た、宗冬を履いていたサンダルで叩く。いい音がシャッターの下ろされた商店街に響き渡った。]
お前……ありゃあ、感じる魔力から察するにサーヴァントじゃねぇか。
何、素手で遣り合ってんだよ!
何で爽やかに別れてるんだよ!!
刀使えよ!
[そう言うと「相手はたかが小刀、刀を抜くには及ばない、それになかなかいい奴だ」と訳のわからない事を言った。]
ああ、もういいよ!警察とか来る前に帰るぞ!
[と、言うとビデオと漫画の続きがほしいと駄々をこねる。]
あー、もう早く離れないといけないってのに……
あとで買ってやるから!
とりあえず逃げるんだよ!解った?
[そう言うとようやく承知をしたようだ。
もう今は、宗冬の持っている木々が何かも問いただす気力もなかった。
ケネスは自転車に宗冬をのせると、とにかくその場を離れる事にした。]
何だ、言ってみろ。
聖杯を手に入れるためなら何でも聞いてやる。
あと、既に沖田敬一郎という存在はいない。
これからはアドなりエデムなり呼んでくれ。
― 自室 ―
[宗冬に買わされる羽目になった、漫画とビデオを置くと、ケネスは溜息をつく。]
俺は何してんだろ……絶対他のチームはいろいろ情報集めたりしてるはずだよな。
こんな事してる場合じゃないってのに……
[そうつぶやくと、「どうした真殿」と宗冬が無神経に声をかけてくる。
昨日、ビデオ屋で無理矢理出させられた免許証、その名前を見たに違いなかった。]
俺を…俺をその名前で呼ぶな!
俺はケネス・グランドだ!!
[まだ、外の日は高い、だが魔力の消費もあってケネスは疲労感を感じていた。]
少し昼寝でもするか……
[訳の解らない木々を置き、早速ビデオを見始める宗冬を後にして、ケネスは少しソファで*休む事にした。*]
……アド・エデム。
こうして、きみの絶望に間近に触れると心が激しく掻き乱される。そして、成さねばならぬ使命に胸が張り裂けんばかりだ。
宝具トリシューラ……
数ある神々の武具の中で、何故これが、今回シャクティ(魔力)の器に選ばれたかは分からない。だが、完全な形で現界出来ないのでは問題がある。
人々を殺戮し、力を得る方法も考えたが、それでは時間がかかる。アド・エデム、きみなら魔力を得る方法を知っているのではないか。
成る程。
なら、ここで少し休んでいくといい。
ここは霊脈の上に建設されている。一晩もすれば充分な魔力を手に入れることが出来るだろう。
セイバーの調子があれだからな、あまりあてにならん。
お前達が頼りだ、魔力が枯渇したらまた来い。
["器"の中に魔力が溜まってゆく事により――コップの中に水が溜まってゆけばゆく程、開かれる仕組みの蛇口のように――"扉"が、開いてゆく。]
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