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――カサリ……
[床に隙間無く敷き詰められた紙片――『記憶』の『兵士』たち――を踏み分けながら、両壁を本棚にびっしりと囲まれた、雑然とした狭い部屋へと入る。ギルバートを入れると鍵を掛け、机の前にある安楽椅子を部屋の真ん中に置き、ギルバートにすすめた。]
……ちょうど良かった。
俺もあんたに聞きたいことがあってな……
[煙草の火を灰皿に押しつけると、しわくちゃのシーツが横たわるベッドの上に座った。]
ここ鍵かかってて開かなかった部屋だな。
その鍵はここの鍵か。
[鍵を取り返そうと必死だったナサニエルの顔を思い出し、少しだけ笑った。]
[見るだに凄まじい混沌の部屋である。
聳え立つ本棚、床一面の紙片。
興味深そうに周囲を見回した後、ナサニエルの勧めに随って安楽椅子に腰掛けた。]
俺に聞きたいこと?
ああ。
[頭を掻き、下を向いてしばし沈黙する。言葉を選ぶように何かを考え込み、そして――]
……お前、あの日に……俺とヤッた日に。
俺に「何かした」か?
[ギルバートの琥珀色の瞳に、ブルーグリーンの瞳をまっすぐに向けた。]
[さすがに本職と言うべきか、仕事は早い。古ぼけた掃除機も器用に使う。ごみや埃はあっと言う間に減っていく。
ネリーは床に落ちている様々なものを拾い集める。その中に一つの紙――紙切れが。]
オリバー・メラーズ。「契約」…?
ナサニエルさんの名字は…確か私が子供の時に見た時はサイソンだったような…
少しいろいろ聞いてみたいわ。知ってみたい事がたくさん。
[一段落したらネリーはナサニエルに質問してみようと*思った*]
[落ち着かない様子のナサニエルをじっと冷静に観察していたが、ややあってブルーグリーンの瞳が真っ直ぐにこちらに向けられるのを見て、]
──ああ…。
なんだ。そのことか。
[得心がいったというように頷いた。]
最初に言ったろ。
俺がアンタに支払うものは、“もっともっとスゴい「取り返しのつかないモノ」”だって。
今になってビビったか? ……もう手遅れだがな。
……いったい、何があったんだ……
[ぼそりとひとつ呟くと、ナサニエルは震える声でギルバートに問う。]
思えばあの時からおかしかったんだ……。お前にこの家に連れて来られた時……いや、お前が俺に触れた瞬間、俺の頭ン中に、何もしてねぇのに「この世に無いもの」が……見えたんだ。ああ、そうだ。アスピリン――頭痛薬とアルコールだけで、「あんな幻覚」は見たりしない……!
最初は、朧気に誰かがぼんやりと見えただけなんだ。顔も分からねえし、まして誰だかなんて……。ただ、クスリきめた時みたいな……いや、それなんか比較にならない程に強烈なモンを見たんだ……
そしてギルバート……
お前とヤッた時に、俺は五感が狂うような……全てのことが、強烈にデカく響くようになった……。聴覚も、触覚も、全てだ。
[ナサニエルの瞳に、仄かに哀願の色が宿る。]
そして………
俺ン中で見えた「幻覚」は、日に日に強烈で、具体的になってンだよ……。昨日は、幻覚にボブみてぇなヤツが現れて、そいつが食い殺された。そして俺が、黒い影に……レイプ、された。
そいつ………ずっと、「ロティ」、って………!
[膝をついて床に落ちたナサニエルは、首を左右に振る。]
………いや。
[顔を上げ、安楽椅子の上で冷たい笑みを浮かべるギルバートを、前髪に半分隠された瞳で見つめる。]
後悔は、無い。
売れない三流小説家の俺が、芸術家よろしくクスリきめて追い求めていた「幻覚」が、容易く俺の手に入った。それは俺は構わねぇ……。
ただ………
俺は、この「幻覚」の正体が知りたいんだ。
[笑みは掌の上の雪片のようにすぐさま解け去り、冷徹な観察者の目に戻った。]
なるほど。そいつは大変だったな。
それでアンタは真実が知りたい、って訳か。
……アンタになら教えてやってもいい。
ただし、先にハーヴェイがここに来た時のことを教えてくれ。
アンタに何かしようとしなかったか?
ハー……ヴェイ?
[キョトンとした表情で、ギルバートの言葉を受け止める。]
ハーヴェイ……は。
俺に、あいつの兄がどうたらって話をして……。ヤッたかどうかっていう話をして……。
そして、俺の喉狙って鍵を突き付けてきた。
多分……殺そうとしたんだと思う。
結局あっちがブッ倒れて、何も怪我無かったけれど……。
…行こう、先生が心配する…
[何かを振り切るように首を振ると、そのまま自宅を出る。バンクロフト邸は少し遠い。近道を…昼でもやや薄暗い道であったが、そこを通ればやや時間は短くなるはず。恐らく、*夜までには──*]
ハーヴェイの兄ってのは自殺した双子の兄貴か。
アンタ、そいつとも契約してたのか。
ハーヴェイがブッ倒れたのは運が良かったな。でなきゃアンタ確実にオダブツだ。
[それがあの殺意か…と独りごちた。]
[ギルバートとの「会話」の最中、ヒューバート達は既にバンクロフト邸についていただろう。
ソフィーとニーナは恐らくヒューバートから家の説明を受けるなりなんなりとしていた筈。
危険だから、と集まった筈なのに、着いて早々ニーナは兄を探しに行きたいのだといったのだろう。
ヒューバートやソフィーは一人は危険だから、と止めた筈だった。落ち着かせ、ネグリジェのままの彼女を部屋に連れて行ったことだろう
しかしニーナは部屋に引き取った後、こっそりと外に出て行ってしまっていたようだった。
そう予想がついたのはバンクロフト邸に向かおうとする俺とばったり出会ってしまったから]
[俺は近道をしようと、人通りの少ない道を歩いていた。
危険?そんな訳ない。なぜなら町の惨状の一端を担っていたのは自覚はなかったとはいえ俺なのだから。
ネグリジェのまま、俺を見つめるニーナはいつもと違い酷く幼く見えた。
「…ニーナ…さん」
俺は一言搾り出すので精一杯だった。酷く混乱していた上に先程の雑貨屋での衝動がまた鎌首もたげていたから。
それを知らないニーナはきょとんとして俺を見つめ、兄を知らないか、と問いかけてくる。
あの気丈なニーナとは思えないその様子。
とても幼かった頃─まだ家族と俺に隔たりがなかった頃─両親からはぐれ泣いて兄を探していた自分に重なった。
見たくないモノが再び蘇った]
ま、ユーインも「契約」相手の一人だったけど……
[ギルバートの言葉に、小さく眉をしかめた。]
………って、「確実にオダブツ」?
あのひ弱そうなヤツに、俺が……殺される?
[一瞬の出来事だった。
抉るような動きで手が伸びた。
ニーナの喉に向かって──
ニーナの喉に向かって凶手を振りかざした俺の顔は恐らく相当獣じみていたことだろう。
ギルバートからあんな説明を受けた後だったし、そんな感じがした。
ニーナの喉から鮮血が飛び散った。
あぁ、この手ごたえでは首は少し千切れただろうか。
首から血を噴出してのた打ち回るニーナ。
その表情と悲鳴は見ていて…心地よかった。
手についた血をベロリとなめてみた。
シャーロットと同じ味がした]
で、ハーヴェイの兄とどんな契約してたんだ。
いや、そもそもその兄貴ってどんなヤツだったんだ。
[胸ポケットから封を切ったばかりのマールボロを取り出すと、一本口に咥えた。]
[目の前で痛みに転がりまわり、少しでも俺から逃げようとする半死半生の少女。その惨めな姿とネグリジェの間から見える白い肉に喉が鳴った。
俺ははいつくばって逃げようとする少女の髪を掴み、仰向かせて真赤な首に唇を寄せた。
そしてもう片方の手は脇腹へと伸び…腹を抉った。
生きながらゆっくりと腹を抉られ、それこそ恐怖と苦痛に絶叫が響いた。
兄を食ったときもこんな感じだったろうか…
ユーインは死んでいたから喰われても痛くなかったろうけども
ぐちゃり、と音を立てて肉を食んだ。
若い肉は柔らかく─そして美味かった──
胸から下の内臓を喰い散らかし、気が済むまで弄んだ後、もう用はないといわんばかりに死体を放置し、何事もなかったかのようにバンクロフト邸への道を歩いた。
あぁ勿論途中手と顔の血を落とすのは忘れずに─*]
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