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そうね。
ここなら静かに話が出来そうだわ。
──それで、何から話しましょうか?
私と錬金術師のつながりを?
それとも生き残る算段を?
──これは貴方には、不要なことかしらね。
[足元に控える獣の毛並みを撫で、笑う]
[ジタバタするそれは、自由を取り戻したようだったが、
構わずにゆっくりゆっくりとアプローチ。]
I'm coming to get you, baby...
[手に当たる部分を、慣らすように動かす。]
[やぁ、と笑われて作り笑いを返す。]
…君は実に可愛らしいね。
[ゆっくりを手を差し伸べるように]
ちょっとだけ抱かせてもらってもいいかね?
…うー……。
[警戒しつつ、見上げるわけで。
一見紳士っぽい笑顔だけどさぁ…目の奥わらってなくね?
とりあえず、差し出した手に、肉球でタッチ。]
[手に触れる肉球。そのまま、引き寄せる。
抜け出したと見える所謂網は、Hubertが
触れると、何故だか暫くして固まった様子。]
おお……よし、よし…。
[猫の体を撫でまわすように触れる。
どの程度のスペックか、Hubertには弾き出せぬが、
触れたところに、ジワジワと負荷を与える。]
[そっちの笑顔は目の奥笑ってねぇけど、こっちの笑顔は多分引きつってたわけでっ!!]
お、おっちゃん!えっと!
[出した爪がその手に刻むπの文字。
強制円周率演算の麻痺毒を送り込む。]
[視覚感知可能範囲にあるウイルスは既に黒片と化していた。
相手を求め何処へともなく足を進める。]
─Under/gate→Boulevard─
あいつ──錬金術師とはちょっとした知り合いさね。
出会ったのは、あたしが引退する少し前、だったかね。
Underの汚い一角で黙々とAI組んでる変な奴。
あたしの組んでたプログラムが逃げ出したのを捕まえてくれたのが錬金術師。
──そら、その双子。それがそんときに逃げ出したプログラムで、あたしが錬金術師にくれてやったのさ。
捕まえて返してくれると思ったらそのまま返してくれなくて寄越せの一点張り。
──あん時はあいつもガキだったし、あたしもあんまり固執するのも大人気ないと思ってくれてやったのさ。
[ちら、と双子の天使を見遣り]
……なんかもう今では、原型とどめてないけどさ。
錬金術師とはそれからの付き合いさね。
series-alchemy──アンタたち──のプロト組むのを手伝ってやったりもしたね、そういえば。
もう殆どは出来てたから、あたしはテストプログラム書いたくらいだけど。
──そのくらいかねぇ、アンタに話してやれるのは。
今はどこでどうしてんのか。
あたしも引退しちまったし、あいつはふっと雲隠れしちまったし。
──これで満足かい?
[それまでとは質の違う微笑みを浮かべる]
[それはまるで友人に向けるような]
……おっ………。
[何かを送り込まれたようだ。
恐らく、いつまでも終わることのないであろう数を導き出す。]
むっ……むううう……。
[物凄い負荷は、周囲まで影響を及ぼす。
まるで、現実世界の重力が10倍になったかのような。]
ああ……効いたァ。
[かなりの桁でフリーズしたらしい。
その部分をデータとして、共有体勢に入る。
そして、背中から流出させる。]
──Under/Amusement park(遊園地)──
私が組まれたのは電脳世界に接続されていないStand Aloneの部屋ででした。
私は貴方が読み取ったように、Series-Alchemy Silent Arma:NIGRED(沈黙の武器:ニグレド)を核として製作者に人格を与えられた、「その時点での完成された」プログラムAIです。
[プロトタイプを組む事を手伝ったという言葉に、明らかな動揺が走る。]
貴方が、プロトタイプ……に手を?
[向けられた微笑みに、何とか平静を取り戻そうとする]
あー、しんどしんど……。
[息切れという形で、疲弊の表出。
すると、何者かの接近を感知。]
あーれー!?
[上から振るわれる短刀。防衛として、
それを払い落とそうとする形で表出。
その弾みに、短刀が掌に突き刺さる。
そのまま、相手の手に当たる部分を掴もうと]
ぎえぇ……イテェイテェ。
[ルーサーの言葉に首を降る]
私がやったのはテストプログラムを書いただけよ。
設計から構築までは全部、奴が一人で組み上げた。
……あれで全部独学だっていうんだから、あいつみたいなのを天才っていうのね、多分。
端で見ててものすごく憎らしくなったこともあったわね。
[新しく乱入してきたゴーグルにーちゃんと、ヒゲおっさんが切り結ぶドサクサにまぎれて脱出っ!
つーかスゴ過ぎだっての!!
いったいどんな基準で集めて、俺に声かけられちゃったりとかしちゃったりとかしたわけ!?]
[手を伸ばされると、掴まれぬよう慌てて短刀を引き抜き後退。
短刀を突き刺さした部分は大して黒く染められなかったようだ。
距離を置き短刀を構えたまま、痛がるヒューバートを見詰める。]
君。プログラムなのに痛がるなんて珍しいな。その割りに早い。
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