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[翠は動かない由良の屍の服の裾を握り締め、
息を漏らして声を聞いていた。
痛みすら感じないと。
屍鬼だと思った、と。
あんたが殺したのだな、と。]
―――……ッ
[震える手を伸ばして、由良の瞳を閉じさせる。]
……ああ……
分かっ て、
分 かって い ます
……人が、人をころす、なら
私の務 め が
其処に
……ある……
[途切れ途切れ、搾り出すように言って]
──…さつき様は。
……何か。
良く無いモンを被っちまってやしませんか。
取り憑かれてやしませんか。
[今度は逆に夜桜の影に隠れそうな様子で恐ろしげに。]
[さつきの礼に、形ばかりの礼を返す。]
ええ……私も正直信じ難いですし、信じたくはありませんが……微かに見たアレが、人の業であると信じる方がむしろ私にはおぞましい。
葬儀よりも、何よりも、まずは……殺されないことでしょうかね。
私も、恐ろしいですから。
[包帯を巻かれた女中の姿を遠目に見やる。
なるほど、確かのこのような状況であれば、こうなるだろう。]
『―――。』
[その微か過ぎる呟きは、果たして誰に向けたものか。
だがすぐに芝居めいた口調で]
いつ自分が化け物に殺されるか、もしくは化け物呼ばわりされて殺されるか……ああ、恐ろしいお話ですね。
――三階/十三の部屋前――
[仁科の言葉が途切れ、さつきは戸口へと近寄って言葉を返した]
ふふ。然う、ですか。
恐れに駆られて鉄砲を構えた、異様に感じたのだから仕方ない、と仰る御積り?
夜桜さんを撃った、のではなく、当たった、のでしょう?
あの時、夜桜さんが飛び込んで下さらなければ誰に当たっていたか知れません。それを痴れっと刷り返る仁科さんの様子は、如何にも奇妙に感じられますわ。
―― 3階・客室 ――
[来海は落ち着きを取り戻しつつあった。天賀谷の死も、屋敷の外でのできごとも、自分の身の周りに起きている事象をありのままに受け容れ始めた。]
やけに屋敷が騒がしいな……
フン、俺には関係ないことだ。
いや、関係なんぞどうでもいい。
俺は死なんぞ。絶対に死んでたまるか。
俺にはなさねばならないことがある。
天賀谷をも超える『力』を手に入れるまでは、
決して死なん。天賀谷は死んだ。
やつは敗れたのだ。不甲斐ないこの国と同じだ。
俺は違う。敗れたままでは終わらん……
[彼は部屋を出て、廊下へと出た。
運命と対峙するために……]
来海さんはどうしているんだろうね。
ふむ――
[さつきの言葉に少々考え込む。]
誰をも恐れている……だが、仁科さんと話があるって云ってたね。私は外していた方がいいかな。
[さつきは誰をも恐れているとは云ったが、仁科に関心を寄せているように思えた。
さつきが先程言葉をかけた、「信じがたい話」の中身が気になったが、今はこの部屋を出て行くべきだろうかと逡巡する。]
[──…仁科が夜桜を引き裂かんと伸ばした爪を、何か。
硝子の様な硬いものが…── 弾いたのだった。]
あれのお陰で、あたしは夜桜さんを殺さずに済んだ。
あれが無ければ今頃────。
…今頃?
否、あたしは銃で──銃を撃っただけでは無いのか。
―由良の部屋―
[...もまたどこかぼんやりと、無残な死体の代わりに、由良を見るような目で花蘇芳を見る]
あの人は、使用人にまで礼儀正しくて…。
優しそうな笑顔をしていたよ。
指を斬ってなお、痛みすら感じていないようだった…だから屍鬼だと思った…、か。
…わからないな。そもそもどうして、由良さんの指を斬ってしまう事態になったのか。
――あんたは良く、人を斬るんだね。
最初は…遺体の天賀谷様。
次には、生きた由良さん…。
…天賀谷様を斬った後の、あんたの涙には絆された。
ああこの人は例え自分が辛くとも、それが自分の役割だと強い信念を持って、死者の魂か何かの救済のために…相手を想って斬ったのだと思えた。
でもどうなんだろうな…今回のは。
わからなくなってくるよ…あんた、実はその刀で人の肉を斬るのが――好きなだけなんじゃないのか?
……いかない、と
……わたしが、
……視れば
……はっきり、
……きっと。
[翠は要領を得ない呟きを漏らす。
手を伸ばした先には花蘇芳。
鮮やかな色彩のそれを一枝手に持ち]
……ふじ、みねさん……
由良様を……望月様を、……おねがい……。
[体を引き摺るように、翠は歩いていった。]
名前を──あたしを水鏡で見ようと思った理由が気にならないと言えば嘘になるが……さつき様。
薄気味の悪い貴女とは、二人きりにはなりたくありません。
[憑き物が落ちたように呆然として、問いには答えぬ望月。
再度問うて答を求めることを万次郎はせずに、聞き取りにくく途切れ途切れの、翠の声を聞く]
…人が人を殺すなら……、
翠さんの務めがそに…ある?
……翠さん?
何を言っている、どういう意味なんだ?
――三階/十三の部屋前――
[年齢に似合わぬ冷静さは何に因って来るのか、さつきはワンピースの黒袖をただ静かに組んだのみであった]
仁科さん。
貴女、ご自分が今何に取り憑かれてらっしゃるか、ご存知?
異能は半端と云えど、其の程度ハッキリと私にも見て取れます。
怯え、恐れ、疑い――然う云う名前の、暗がりに潜む鬼。
即ち、疑心暗鬼。
……少しくの間、御休みになった方が宜しい様ですわね。
……どうぞ、ご自愛を。
[藤峰にゆるりと振り向いた。]
―――……魂を 見るの。
レイシって、
聞いた こと―――あるでしょう?
彼岸 を 覗いて
本質を、視るの……。
[来海が廊下に出るとあたり一面に屍臭が充満していた]
この国はまた戦争でも始めるつもりか……
[パニック状態の使用人を発見したが、
何を聞いても要領を得ない。]
一体何が起きている?
また、誰か死んだのか?
オイ、貴様答えろ。チッ。
[来海は天賀谷の部屋と向かった。]
3F 廊下 -> 3F・天賀谷の部屋
―――屍鬼は
首を切られれば 死ぬ
心の臓を貫かれても 死ぬ
人か
屍鬼か
どちらか
わからない。
それなら、
私が彼岸を覗いて確かめなければ―――
[そう謂うと、また歩き出す。
向かう先は庭。
花蘇芳の木の下、だろうか。]
何故?
私が正真の影見たるには、異能の力は半端だ――故にこそ、他に彼の水盤を操れる影見が居ると。
噛み砕いて云えば、そう云う意味なのですよ?
つまり、私は影見では無い、と。
……何だって?「私が視れば」……?
[要領の得ない翠の呟き。
鮮やかな色彩の花蘇芳を持つ彼女の手も、どこか夢の中で見る天女のそれを思わせて、一瞬このまま消えてしまうのではないかと万次郎は思った]
翠さん、何を視るって言うんだ。
はっきりとって、おい、どこに――!
[由良様を、望月様をお願い。
――しかし由良に自分がしてやれることなど、何もありはしない。
呆然と佇む望月の事も、今は心配してやる気にはなれない。振り向いた翠は答える]
……レイシ?ああ…ああ……「霊視」のことだな?
聞いたことあるとも、田舎でも良く聞く伝承さ。
彼岸を覗いて本質を視る…。
――驚いた。じゃあ、あんた…翠さん、それができる人だって言うのか?
…由良さんを……由良さんの魂を、視に?
[確かめなければと翠は呟いて、また歩き出した]
そうか…分かった。もし本当に視えたなら、由良さんがどうだったか教えてくれ。
俺は知らせに戻るよ――…何があったか、天賀谷様の部屋に居る人たちにも教えなきゃならないだろう。
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