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[男の髪を撫ぜながら、考えごとでもしていたのか、ステラに声をかけられてからはっと顔をあげる。そしていつものように微笑み]
こんにちわ。
[ステラの持つ紅茶を見て、そういえばこれを飲みに来たんだった、と思い出すもどうでもいいような気がして、昨日のような雰囲気ではないいつもの無関心な表情で、座らないの?と促す。]
[生乾きの髪は束ねられ、左頬は微かにあかかったかも知れないが、前髪もあげてしまえば、視界を遮らず良く見えるのか、青の少女が笑むのに眩しそうに眼を細め、頷いて優しく包まれる手を握り返し、広間へと向かえば先ず男の脇に女が居るのを見止め、未だ何かをした訳では無い様子にゆっくりと瞬き、修道女の姿もあるのに幾らか安堵して]
「こんにちは」
[周囲にお辞儀する]
[ローズマリーがいつもの様子に戻っていることに少し安堵の息を漏らし。席を勧められれば頷いてソファーへと座る]
………。
[それでも何だか言葉が出なくて。ふとローズマリーの横を見れば傷ついて眠るナサニエルの姿]
…昨日、あの後何かあったのですか?
[ナサニエルに視線を向けてから、ローズマリーに訊ねた]
[思いのほか、広間には人の姿が合って。
ローズマリー、ステラ、そして眠っているのはナサニエルか。]
皆さん、こんにちは。
[ナイジェルに続いてぺこりと頭を下げた。
昨日と、そう変わらぬ雰囲気。
けれど何処かが違う。――あの綴られた文字は皆の記憶に。]
[ナイジェルとシャーロットの姿が見えれば「こんにちは」と会釈を返し]
丁度良かったですわ。
紅茶、如何?
[出来るだけいつものように微笑んで。用意していたティーセットを指し示す]
[シャーロットとナイジェルが入ってくると、髪に触れていた手を離し、軽くあげる。]
こんにちわ。お加減はいかが?
[昨日は気にもしていなかったのに、シャーロットへ向き直って一言。ナイジェルをチラリと見れば、今はナイジェルか、などと思い。
問いかけるステラには一拍の間をおいて]
外に出たみたいよ。
警備兵を全部倒して、ゲームを終わらせようとしたみたい。
[馬鹿ね、と言うその顔にはいつもの笑みは浮かんでいない。]
深酒をしたようね。
無理も無いでしょうけど…。
…牧師様は、やはり手を染めるつもりはない?
[昨日彼が紡いだ言葉。
──殺すのも殺されるのも、どちらも御免だ──
今でもそうか、と訊ねる]
[ポケットから聖書を取り出す。
表紙を撫で、開けばそこには聖句は一つもなく。
ただ無機質な鉄の固まりが一つ。]
……こんな形で出番が来るとは、ね。
[薬室に弾が入っていることを確認するとそれをズボンのベルトに捻じ込み。
上着で隠すようにすると昨日の紙を確認しようと広間へと降りた。]
[ローズマリーから掛けられた言葉にぱちり瞬き]
え?あ……
はい、幾分良くはなりました。
いつ出るか解らないから、安心は出来ないんですけど
今は大丈夫です。
[そう受け答えた後、じっとローズマリーを見つめ]
……もう、楽しくない、んですか?
[昨日とは様子の違う彼女に、そんな問いを返していた]
[シャーロットに微笑んで紅茶をカップに注ぎ、目の前に差し出して。ローズマリーの返答を聞いて不安げな表情を浮かべる]
外へ…。
警備兵が何人いるのかも分からないのに、何て無謀なことを…。
[不安げな表情のままナサニエルに視線を戻し]
[空気には細い細い緊張の糸が張り巡らされているかの様で、蜘蛛の糸より細い其れは「何か」を切欠に容易く切れてしまいそうな気配を孕み、少女の手をきゅうと握り、修道女の指し示す方へと視線を移し一つ頷き]
「ありがとう、丁度、御飯、食べに、来た」
[女の手が男から離れるのに小さく息を零し、続く言葉を紡ぐ様子に瞬き]
「ローズマリーは、具合、如何
ナサニエルは、莫迦じゃ、無い」
[――今でも変わらないはずだった。
何千何万の民を虐殺して、殺し飽きたはずなのに。]
……主が殺せとおっしゃるなら、殺しますよ。
[片付けようと持っていた瓶を、ばきり、と握りつぶす。]
――本当に人ではなくなってしまったようですし。
[何処かぎこちない空気はあるものの、争いには発展してないようで。
ソファーで寝ているナサニエルを見れば何をしたか一目瞭然。]
……こんにちは。
何事も起こってない――わけじゃないですね。
[若さとは時に無茶をさせる、とナサニエルの様子を覗き]
[ルーサーの姿を見れば「こんにちは」と会釈して。ナイジェルの口元を読めば]
ご飯?
そこまでは用意してませんでしたわ…。
昨日のロールケーキは残ってないかしら。
[立ち上がって厨房へ探しに行こうとして、またナイジェルに視線を向ける]
無かったら、パンケーキでもよろしいかしら?
――そう。
[聞くだけ聞いて、良かったわね、とか言うでもなく。
続く言葉に昨日の自分を振り返り、]
愉しい――とは、違う……のかしら。
何ていうか、ただひたすら可笑しかったのよ。
嗚呼、これは運命なんだって。
[命を奪う死のゲーム。自らそんなことをして過ごした日々。
けれど今は、それを"やらなければならない"現状。
やはり自分は誰かと命を競り合わなければならないのだと。
それが自分に似合う生き方なのだと思って。]
今は――そうね、とりあえず紅茶がほしくなっただけだから。
パンケーキ。
[おいしそう。と表情を緩ませつつも
ナイジェルが握る手がほんの少し、力を込めたことに気づく。
だいじょうぶ。そう返すように軽く握りなおして、
テーブルセットの椅子へ促した。]
[周囲の視線が集まる傷だらけの男を見詰め、紫水晶の瞳は揺れるも、修道女の言葉に振り返ればまた一つ頷き、首を傾げ]
「ありがとう、手伝える事、ある」
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