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・・・・・・。
[明るくとも迷う人間が、辺りが暗い中で見事戻れたら奇跡というものだ。
...は当然のように迷っていた。
――噴水の周りをぐるぐる回っていた]
お・・・おかしいな。
歩いても歩いても、屋敷が近付かない・・・っ
そう言えば、ナサニエルもまだ来ていないな。
・・・・・・はぁん?
[片眉を吊り上げる。]
何もしてないだけじゃなく、好きだとも言ってないのか。
呆れるほどじれったい奴だな・・・。
[その声音にはからかいの色は無く、本当に呆れかえっているようだ。]
[...はとうとうその場にしゃがみ込む]
罰があたったのかもしれない・・・
・・・そもそもお嬢さんの顔だって知らないのに、お金持ちになるためだけに結婚しようとしたんだもの。
神様ごめんなさい・・・
[手を組んで空を見上げると、満天の星。
神様だけじゃ不十分と思ったか]
お父さんお母さん、姉ちゃんごめんなさい・・・
・・・でもアの生き物を間近で見たら、我慢して結婚相手として名乗りを挙げなかったことも許してくれるよね。
[はぐらかされたように返される言葉には、ふっと溜め息を吐いて]
[何かを吹っ切るように視線を上げれば、彼のを見つめて]
知ってますよ。嘘吐きの悪いお人だって。
――だから私も…冗談言って少しだけからかって見たかったんです。ごめんなさい。
[意地の悪い微笑を浮かべて、触れる指を素っ気無く払う。落ちる指先が僅かに痛む。罪悪感で。]
それと――探し物の邪魔、してしまってごめんなさい。私は…そろそろ広間に戻るんで。
――どうぞごゆっくり…
[横をすり抜けようと足を踏み出す]
[星はあまりに美しかったが、寒さとひもじさでだんだんと心細くなってくる。ふと、ロマンチックに必要なものとして助言を貰ったものを思い出す]
摘みたての花・・・
星明りに月明かり・・・
それから素敵な歌。
あ・・・あと歌だけでそろう。
[ちなみに見つけた小さな野花は、ひもじさに耐えかねて食べてしまった。一応、...の腹の中にあると仮定すれば、あとは歌だけだった。少しは心細さが紛れるかと、柔らかな声で歌を口ずさむ。
優しい旋律を奏でるその歌声は――――ひどく音痴だった]
>>112
ふん・・・何に縛られてるのか知らんが・・・
傍から見れば惚れあってるのは一目瞭然だ。
あんた、あの時俺がそのままナサニエルを戴いてたらどう思った?
[平然とナイフとフォークを動かしながら]
[あたたかさが離れる]
[つき動かしたのは、抑えられなかった何か]
ハーヴェイ
[すり抜けようとした、その腕を]
[ぐい、と掴んで、引き寄せて]
俺を、……
……嫌ってしまえよ
[有無を言わせず、引き寄せた身体]
[口唇を、奪う。]
……探し物なんて、もう終わってるしな。
[呟いて。少し、乱暴に、手を離して。]
[飛んでいる鳥が居なかった事は幸いである。
居たら落ちたろう。
咲いている花が夜露に蕾を閉じていたことは幸いである。
開いていたらそのまま萎れただろう。
土中にしっかりと根を張って、堂々たる太い幹を夜の闇に休ませていた木々達は不幸だ。彼らはじっと耐えている。
ただ声の主だけは、超楽しんで*歌い続けている*]
[もう何度目だろう。名前を呼ばれればその度に反応してしまう自らの体に舌打ちをして。]
[通り抜けようとした瞬間――引き止められる様に捉まった体]
何…?嫌うって…っ…
[囁かれた言葉に、疑問符]
[そして紡ごうとした言葉は、温かい感触に拭い去られる。]
――探し物が…終ってるって…どういう意味…
[開放された口許が訊ねる。]
[疑問に答えることはなく]
[最後の問いにだけは、笑みを向けるた]
唯、隠し通路のことを調べに来ただけだからな。
からくりの本は、司書に見つけてもらってるしな。
……広間に、行くんだろ?
[手を離して。]
>>115
[まじまじとギルバートを見つめる。何時に無くマジな目だ。]
そんなことを・・・気にしてたのか。
お前は バ カ か ?
[と、「俺にも聞える気がする」と言っているのだと気付き、]
何?
・・・・・・・・・・・・・・・しかし。
いや。まさか。
[確かに空耳ではないようだ。
庭の方からかすかに歌のようなものが聞えてくる。
だが、歌、なのだろうか、これは。
今にも絞められそうな鶏だってもう少しマシな声を出すだろう。
いや、声はそう悪くはない。まだ歳若い男の、少年らしい声だ。
問題はその、音程にある。]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
[この殺人音波の発生源を辿るべきか否か、真剣に悩んでいる。]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
[たっぷり十数秒悩んだ後に]
・・・・・・・・・・俺が止めて来よう。
[何だか悲壮な決意というか、英雄的な努力というか、そんな感じの顔つきで立ち上がった。]
・・・けふけふ、けふっ
[歌い過ぎで喉が渇いても安心だ。何しろ近くには噴水が]
ふぅ・・・。
もういっちょいきますか〜
ル・ララル・ララル〜・ルー・ラララ”〜・ラ”ー・ラ”ー・ラ”ラ”ラ”ー♪
ボエ”ーー♪
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