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[ケーキを食べ終わり、残った紅茶を飲みながら、沖田を観察する。優秀だといわれ、困惑の表情を作る]
魔術学校では、特別いい成績、というわけでもありませんけどね。
願い、ですか。
[言われて思案する。シャルロットにも聞かれたが、いまだ答えは出ない]
私には、願いというべき物が見つからない。
人が何かを願うときには、そこに対して何かしらの執着や希望があるのでしょう。
次にお会いするときまでに、願いが何か、考えていても良いですか?
今の私には、まだ決められそうにありません。
― ビジネスホテル 508号室 ―
もう、朝だよ。
[結跏趺坐を解くと、ランサーは立ち上がり、久子の問いに頷いた。]
キンキニーという、簡単な結界です。
この国では、強い結界ではありませんが、他のサーヴァントからの目隠しぐらいにはなると思ってかけました。
はい、じゃあこれ今日のお小遣いね。
[財布から結構な金額を取り出してキャスターに渡す。]
大丈夫よ、アタシだってまだ死にたくないもん。
もしもの時は飛んできてね。
それじゃ、またねー。
[ぶんぶんと手を振ってキャスターと別れた。]
ならばまだその魔術回路の扱いが未熟なだけだろう。
どんな学問を学んできたかは知らんが、自分に合わない施術では何も改善しないことも中にはあるだろうな。
[紅茶をすすり]
成る程、ならばまた次の機会に願いを聞かせてもらおう。
[そう言うと、席から立ち上がり]
どちらにしろ、今度は私が茶をご馳走しよう。
行ったか…。
[去っていくマスターを見送りながら感慨深げに呟く。
そう、今自分は一人なのだ。つまり…。]
やっと羽根が伸ばせるぞぉぉぉぉ!
[どっかのボケの手綱を握らなくても大丈夫と言うことである。]
さーて、どこにいこうかな!
うん、とりあえず女のいるところだろ!
[金をポケットに入れ、キャスターは楽しそうに歩き始めた。]
[店に繋がっているらしいドアを少し開いて様子を伺うと、
茶を飲ませるような類の大きいとは言えない店のようだった。
客も少ない。
…やっていけているのだろうか。]
…おはよう、何か手伝えることでも、ないかな?
[不審にならないよう、にっこりと笑い、ゆっくりと入っていく。
…と。
何故かこちらを見ていたらしい、見目麗しい客らしき女性と、バッチリ目が合った。]
[立ち上がった沖田を見て自分も立ち上がる]
では、次の機会があればそのときに。
次におごって貰うのなら、あまり「お礼」はいただけない気はしますけど。
[レジでお金を払い終わり、喫茶店の外へと出る]
―昼・住宅街―
[キャスターと別れて自宅に帰り、愛犬を連れて再び外出した。]
タロ、待たせてごめんね。
今日はどこいこっか。
「バフワフ!」
[ハーネスを握り、愛犬が引っ張るままに住宅街を練り歩いている。]
えぇ、店をやっているのはわたし一人です。
誰か雇えればいいんですけど
それほど余裕もありませんし……。
[そう応えた時、住居に繋がるドアが開いた。]
……起きたのね、リチャード。
すみません、お客様。
彼は居候で……。
[言い訳しようとしたが、リチャードの様子がおかしいのに気付いた。]
いや構わんよ。
[願いを叶えると言う事がどういう事か。それを彼女に告げるつもりは無い。その先にある絶望こそが最大の娯楽でもある]
・・・・・・
[近くに強い魔力を感じる]
では私は少し行くところがある。また今度。
[そう空穂に挨拶すると、気配の方へと歩いていく]
[霊障を及ぼすような霊を防げない場所で、無防備に眠りに落ちるとは最悪の失態である。
運が悪ければ致命的な障害を受けることもありえるのだ。それは絶対あってはならないことだ。
自分の迂闊さに慄然とする。]
ありがとう…
いつもは必ず自分で護符を貼ってる。
無防備で寝ると変な霊に取り憑かれたりしたらひどい目にあうから。
[自分の不甲斐なさに腹が立つ。
(今までならこんなこと絶対ないのに…
これってランサーと行動し始めてから。
やたらこっちのこと心配するし、いろいろする普段するべきことをランサーがやっちゃうから。)
行き場のない怒りがあらぬ方向に向かう。
憮然とした表情でランサーに言う。]
もうすぐここでなきゃ。
[去っていく沖田を見送り、その背中をじっと凝視する]
結局、わからない、か。
[しばらく沖田を見ていたが、手に持った買い物袋を思い出し、自宅へと向かって歩き出した]
[その女性に微笑みかけられると、心臓を打ち抜かれるような感覚に襲われた。
…なるほど、「撃たれる」とは、こんなにも甘美なのか。
初めて、「彼」のことを少し理解できた気がした。
その女性は、小柄でしかも華奢。
上質な硝子のような白い肌に、白で統一された服装が良く似合っている。
抱きしめれば、折れてしまいそうだった。
こういうのを、深窓の令嬢と言うのだろう。
…しかし、それでいて、他にはない色気のようなものも感じる。]
…あぁ、こんにちは、美しいお嬢さん。
あなたのような気品のある女性に会えると、人生がいかに素晴らしいものか、強く感じられるような気分になりますね。
[ゆっくりと近づき、微笑を浮かべながら、挨拶する。]
-教会→商店街-
[人の多い方へと向かっていたら商店街へと辿り着いたキャスター。
とりあえず見る物全てが目新しい上に、女性も多いということで見ているだけで結構満足していた。]
うん、やっぱりいいねー。
物が溢れて、人も溢れて活気がある。
しかし、動植物がほとんどないっていうのは何か味気ない気もするなぁ。
[自然の中に人が住み、自然と共に人が生きていた時代を暮らしていたキャスターにとって少し違和感のある光景だった。
そんな事を思っている中、近くから強い気配を感じる。]
…運が良いんだか悪いんだか…、せっかくのんびりしようと思ったのになぁ。
― ビジネスホテル 508号室 ―
霊に。
[ランサーは表情を曇らせた。]
ヒサコは、霊を引き寄せる体質をしているのですか?
[誰へでもない腹立たしい内心の想いが、久子の口調に現れている。だが、ランサーは憮然な表情を向けられても決して気などは悪くしない。]
[この商店街にごく近いところに、圧倒的に大きい魔力を感じる。サーヴァントと見て間違いない]
[その魔力のごく近くに到達し、目に入ったのは]
・・・・・・ 老人?
[振り返り]
(キャスターの……気配? 魔力が、同調している)
[もう一度振り返ったが、もう沖田の姿は見えず、サーヴァント同士であればどの道自分の力ではどうにもならないことを思い出し、自宅へと急いだ]
ちょ、ちょっと、リチャード。
なにやってるのよ、あなた。
[薄ら寒い台詞を吐くリチャードを
店から出さないといけないと思い、
袖を引っ張る。]
すみません、お客様。
[引っ張りながら必死に目の前の女性に謝った。]
[露葉の言葉を聞き、眺めた扉から現れた人物の名を知った。]
リチャードさん、と仰るのね。ごきげんよう。
[微笑みのまま、目の前まで近づいてきた人物に応えて会釈を返した。紛れも無い……彼はサーヴァントである。
シャルロットの心に緊張感が生まれたが、目の前の人物は友好的な微笑みを浮かべている。これは…気付かれて居ないと判断して良いのだろうと判断し、会話を続けようと試みた。]
とても素敵なお店でしたので、立ち寄ってみましたの。
リチャードさんは、店長さんのお知り合いでしょうか。
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