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[一旦ステラを床に寝かせ、肌蹴た胸を隠すために浴室へタオルを取りに行く。キッチンを横切った際、ふとあるものを目に留め、それを手にとったがすぐに元に戻した。
大判のタオルを巻いてやった後、抱き上げてヒューバートから支持された寝室へと運び寝かせた。
水や氷を用意し、打ちつけた所などを冷えたタオルで冷やしてやる。
一見、甲斐甲斐しく世話をしているように見え、事実していたが…
普段と違う所は、あのギルバートの姿を目撃してからピアスがずっと、赤い光を放ち続けていることだろうか─*]
―ステラ自宅―
『ファファラ…… すまない。もっと早く来れれば……』
[傷嘆すべき出来事の中で、ただ彼女に息があることだけが唯一の救いだった。彼女がまだ生きていることを確かめ、小さな安堵が胸を去来する。
愛人としての過去を表沙汰にしたくない、その感情は私の足を彼女の元から遠ざけてきた。私は、一度としてステラの自宅を訪ねたことがなかったのだ。
もし、以前から関心を寄せていたならもっと早くに駆けつけることができただろう。
いや、そもそも互いの隔てがなかったなら、彼女は私の保護の申し出を快く受け入れてくれたのではないか。
苦悶に歪むステラの表情は痛々しく、それは私の罪科を私の良心に突きつけていた。
ハーヴェイの視線が逸れた束の間、私の指は彼女の漆黒の髪を愛おしむように撫でていた]
[ステラの自宅内に残る痕跡が、そこで起きた出来事を雄弁に物語っていた。廊下には、彼女のものと思しき護身用の小型拳銃が落ち、窓はガラスが割られていた。
だが、彼女を冷やすため氷を用意しようとした私は、それらとは無関係におぞましい事件の痕跡を目にすることとなった。
冷凍庫に収められていた“それ (>>6:293)”に奇妙な不審を感じゆっくりと包みを開け中身を改めた刹那、私はトイレに駆け込み胃の内容物をぶちまけていた。
何があったかを糺すハーヴェイの声に適切に答えを返したかどうか、定かではない。]
『なにをしていたんだ、ファファラ……』
[他に何か事件の痕跡がないか不躾にも屋内を捜索していた私の目が、フォトスタンドの一葉の写真(>>6:294-)に留まった。]
カウボーイ……
――ギルバート・ブレイク
――まさか
[到底、容易には信じられないことだった。最初は、私の“目”がまた現実を書き換えているのかと思ったくらいだ。
だが、今起きている不可解な数々の事件を繙く手懸かりの一つとして、私はしばしその写真を拝借することにした。]
[ナサニエルの手が、ネリー――否、再び「雌犬」となった女の目元に伸び、目隠しを元の位置に戻した。]
……どうしてくれようかなァ……?
[雌犬の耳元で低く囁くと、黒い革トランクから両端に小さなクリップがついた鎖を取り出した。クリップを開口させ、雌犬の双のニプレスに咥えさせる。]
で……手と口、だっけ?
欲張りだなァ……雌犬のくせに。
[床に落ちていたボールギャグを再び雌犬の口の中に押し込み、後頭部で金具をカチリと合わせた。雌犬の両腕を身体の前に出して、その両手を合掌させる。そして手錠を取り出し、それを雌犬の両手首にはめた。]
[首輪に繋がれていた鎖の一端をベッドの脚から解放し、雌犬の身体をベッドに寝かせる。ナサニエルは鎖の端を手にして、ジャラリとひとつ、回して鳴らす。]
上の口と下の口、先に液体が溢れて止まらなくなるのはどっちだろうな?なァ、雌犬?
[喉の奥で小さく笑うと、首輪から繋がれた鎖を雌犬の脚の付け根――赤い湿地の窪みに沿って通し、鎖の一端を手錠の鎖の中央に掛けた。]
いたっ…はぅ…
[ナサニエルが無慈悲な言葉を投げつける。形の良い双の胸にクリップを取り付けられ、乳首をなじる鉄の味わいに耐える。]
ん…ぁ…う…
[「はい、あーんして」と言われたが如く口を開け、ボールギャグが詰め込まれる。と同時に両手も纏められた。
ネリーはベッドへ連れていかれる。途中、引っ立てられる形になり、よろめく。
ベッドの上でじっとしていると鎖の位置を変えられたらしく、腕がさらに不自由になる。
咥えきれずに唇からはみ出すボールから、ねっとりとした唾液が零れ、それを隠そうとして両手で口元を抑えようとするが、手を引くと首輪から背中を通して伸びる鎖が肉の裂け目に深々と入り込み、ネリーを虐めたおすのだ。]
…ん、く…ふうう…ぅああん!
は…はういへ…!
[声を出して我慢しようとするも、乳房を刺激する鎖に抗いがたくなる。動くとその重量が刺激をネリーに与える。
取って欲しいと懇願しようとするもまともな声を出せずに転がり回る。
下腹部はみだらに充血し、クレヴァスの奥、ぬめったひだを収縮させ、いやらしい液体で潤ませてしまう。]
[ドクン─ドクン─
「彼」が残した殺気は大きかった。
一時の静寂のように忘れていた何かを引き出させるのに十分な程。
俺は、目の前のステラを見た──]
[自分の兄の裏の顔すら知らなかった自分が何故人の裏事情なぞ知ることができるだろうか。
打ち身だらけの体に、ヒューバートと自分はできるだけの処置を行った。
その最中、違和感を感じたのは決して気のせいではなかった。
ヒューバートとステラの間に何かある──
最初も、エイヴァリー宅におけるヒューバートのステラへの態度も知り合いでありシャーロットの教師だからだと思っていた。
しかし、手当ての最中、それとなく垣間見えた二人の関係。
勿論堂々としたものではなかった。
しかし、本当にごく自然であったその行為─髪に触れる行為はそのままごく自然に二人の間に何かがあったことを物語っていた。
昔から髪に触れることは枕を交わした間柄ということ──]
[当然ヒューバートは俺に悟られない様に振舞っていたのだろう。しかし昔の癖みたいなモノなのか、彼は時々ステラの髪に触れていた。とても優しく丁寧に、とても自然に。
そしてそれは自分がナサニエルに対し殺意をもった理由と同じだった。
妻子を持ったヒューバートとステラ
俺を苦しめていた兄とナサニエル
似てる、そう思って終わるはずだった。
そこにギルバートの殺意さえ残っていなければ。
だが、今は中毒になってしまう程そこはギルバートの殺気が満ちていた。
中てられたようにまた暗い感情が頭をよぎる]
あの時殺してやるつもりだった。
兄を抱いたナサニエルを。
そして…本来自分とは全く関係ない筈のステラへもその感情が芽生えた。
目の前で過去をトレースするこの女性へ、どす黒いものが浮かび上がってきたのだ。
覚えのあるようでないような言い表せない感情。
また、目が細く歪んだ。
「先生、あの人…ギルバートがまだ近くにいるかもしれません。それにもしかしたら彼一人ではないのかも。俺、外見てきますけど…」
案の定ヒューバートは自分が行くという、俺が考えた通りの行動に出、そのままステラを俺に託して出て行った。
視線だけでそれを見送った後、俺は行動を起こした]
先程見つけ、今また手に摂ったそれ─キッチンにおいてあった、ネズミ捕りにも使われる砒素。
「愚者の毒」とも言われるほど検出が容易な毒だったが、選んだのはただ単にこの名前が気に入っていただけ。
そして次に救急箱を探しだす。
中に入っていたのは数種類の常備薬と…瓶入りのカプセルタイプの解熱剤。
他は使用された形跡がなく、そして今彼女が怪我で熱っぽいこともあり必ずこの解熱剤を使うだろう。
中身は一回分程度しか残っておらず、カプセルの中身を全て砒素に入れ替え、元に戻した。
戻ってきたヒューバートと、僅かに意識を取り戻したステラ。
ここに滞在しようかというヒューバートの申し出をステラは雑貨屋と同様の理由で強く断った。
それでも強く説得するヒューバートだったが、頑なに断るステラに負け、そのままエイヴァリー宅を後にすることになる]
去り際、俺はこれ見よがしに薬箱を枕元に置いておいてやった。
礼をいうステラへお大事に、と声をかけて。
早く楽になるといい。永遠に。
結果は早くて数時間後だろうか。バンクロフト邸への連絡がヒューバートに届く時の反応で分かるだろう。予定通りだったと]
―ステラ宅→図書館―
エイヴァリー先生も、案外頑固だよなぁ。
なあ?
[私は、車中で同意を求めるように、ハーヴェイに水を向けていた。
彼の心の裡を知るよしもなく。
ステラは、未だちゃんとした応対のできる状態ではなかったが、断りへの罪滅ぼしのつもりなのかラルフの写真について訊ねる私に、戸棚の一つを指さしてみせた。そこには、一つの鍵が入っていた。
図書館にある彼女が管理を許されているキャビネットの一つの鍵と、地下にある書庫の鍵を一時的に貸与してくれるということだった。
私は礼を言い、しばらく経った後、ハーヴェイと共にその場を後にした。
さすがに兇手も、我々の妨害が入ったすぐ後にとって返してくることはあるまいと判断した所以だったが、明日にはかっ攫ってでもステラの身を保護しようと覚悟を固めていた。
宵闇に沈む図書館の前で、シボレーは静かに停車した。]
……………「はういへ」?
なぁに?雌犬。何言ってンのか俺全然わかんない。
[目を細めてニコリと笑う。
勿論、目隠しされた雌犬には見えないだろうが。]
だいたいそれ、お前がくれって言ったじゃん。
だから豪華に飾ってやったのになァ……。
[ふたつのニプレスを繋ぐチェーンを指先で上下に動かし、弄ぶ。チャラ…チャラ…と小さな音が響いた。]
ほら、上すごいよ?
ダラダラ、ダラダラ、これなぁに?
[雌犬のふくよかな唇にそっと触れ、微かに下ろす。ぼたりと唾液が零れ落ち、それが雌犬の身体に垂れた。]
………ね?
可愛い雌犬サン?
[空いた片手で、尻尾を弄る。]
…そうですね。
でも先生も十分頑固だと思いますよ?
職業先生って皆頑固なんですかね。
[今しがた自分がしたことは忘れたように言葉を返す]
本調べるんでしたよね。
内容教えて下さい。俺も探しますから…
[結局ステラの刺青を目にすることはなく、そのまま言われた通りの本を探しに]
うふ…うあ…んっ。
[乳房の先端をひねられ、両手で抗議の意志を示そうにも、下腹部を締め上げてしまいかえない怖さから腕を満足に使えない。]
ンーー
[ボールギャグの内側を舐めたりして痛みを誤魔化そうにも程があるのだ。]
ふ、うく…んあ…
[唾液がこぼれ、尻尾が振れる。まるで誘っているかのように扇情的だ。]
[雌犬の身体を横向きに寝かせ、その脚をがばりと開く。赤いクレヴァスに食い込む銀色の鎖が、堪えようとしてなお溢れ出す透明な液体に濡れ、ギラギラと輝いている。]
へぇ………すげぇな。
想像以上の濡れ方してンじゃん。
[赤い襞に、指を這わせる。鎖を押し退け、その奥に指先を忍ばせようとすると、赤い襞がビクリと動き中に招き入れようとする。が……]
ダメ。まだあげない。
[指先が、寸前のところで引き返した。]
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