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君は死ぬべきじゃない。
私は決してそんなことを許しはしない――
だからどうか――
どうか――……
――胸を裂くほどの哀しみに
――切なる願いが紡がれる
シャーロットが戻ってきてくれるのなら
身を捧げ、あらゆる物を犠牲にしたとしても
惜しくはなかった
――――
──シャーロットの部屋──
[机の上にはエリザの日記がページが開かれたまま、シャーロットらしからぬ置き方で、乱暴に放り投げられたように転がっている。近付けば、水滴の跡でインクが所々滲んでいるのが分かるだろう。──複数のページが、指で強く握った後で捩れている。それらの捩れたページに書かれていた内容は、]
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私が許せない事のひとつはバートの浮気だとずっと思っていた。
でも実の所、浮気はまだ良かった。
何故なら調査の結果分かった相手はプロの売春婦だったから。
売春婦の存在自体を汚らわしいと思わないわけでは無い。
けれど、そう言った職業の女なら──
私が受け止める事が出来ない彼の性欲を、金銭が解消してくれるなら──
それもヘイヴンの外であるのなら──
ヘイヴン外へ調査を依頼するのに手間取り、結局辿ったツテが悪かったのか、町内に私とバートの仲が悪いと言う遠回しな噂が流れたりもした。が、バートの人柄もあったのだろうか。現状の寂れた町で一番成功している者への一部のやっかみだと噂はすぐに消えた。
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あけすけな所のあるレベッカが、私に「冷感症ならよい薬を取り寄せてあげるわよ」と言って来た時、私は違う意味で核心を突かれたようでドキリとした。(噂を聞いた彼女なりの心配なので、レベッカに怒る気はまったくない。)私はむしろ、私自身が親しい人間からも冷感症に見えることに安堵した。
──…あんな風に。
寝室では無い場所、誰かが来てドアを開けるかもしれない状況で。着衣のまま……。ストッキングが破れる音が響いた時、私は獣のように濡れていた。下腹部が熱くてどうにかなりそうだった。強引に急き立てるようなバートの指と、更に強引な侵入。乱暴すぎる動き。
──あり得ない。
膝の凹みが濡れるほど私ははしたないものを滴らせ、副主任が入って来ても良いとさえ思い。脳髄が痺れ、追い詰められ、あられもない声を上げ続け……。悪夢の様な時間。私が、ああ言った異様な状況でこそケダモノになり得る事は誰にも知られてはならない。バートにさえも。
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何故知られてはならないのか。
それは良く分からない。けれども「ヘイヴンの人間は獣になってはいけない」と私は恐怖にも似た意識で信じて来た。それは今でも同じだ。
ナサニエル・メラーズ。
いいえ、『ネイ』との遊びは、何時も工場の事務所で行う。
工場の内部に無理矢理設けた事務所スペースは、工場で稼動させている機械の都合で夏でもひやりとしている。それは内部の室温が常に低温に保たれるように設計されていると言う点で、『死体ごっこ』の原点である安置所に似た環境と言えなくは無い。仮眠のための簡易ベットは、遺体安置のための台座には少し役不足だけれど。
『ネイ』との遊びの中では、私は何も知らなかった少女で居られた。懐かしい砂糖菓子や紅茶のあまったるい匂いの中、どれほど私が熱く感じてしとどに濡れたとしても、『ネイ』はペニスによって暴く事が出来なかった。私の欲望を暴く事が出来ないのは『ネイ』が天使の様な少女だから。私には、白塗りの男が扮した<少女>との関係が必要だった。
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『ネイ』は一度覚えてしまった私の獣欲をペニスによって暴く事無しに、少女の世界に浸ったままで満たしてくれた。本当は『ネイ』があの白濁した液体を吐く事すら、私は禁じたい。
…今度、それを頼んでみようか?
……いいえ、今度だなんて。もう止めなくてはならないのに。
私がバートが許せなくなってしまったのは、バートが制作の直後に「ああ言った状態になる」事に気付いて以来だ。
私はロティの身が心配でならない。私は、私自身の名誉よりも無垢なまま美しく成長して行く娘を守らなくてはならない。そう言った意味でも、売春婦で足りるのなら私がお金を払っても良いくらいだと言える。…バートはあの黒髪の売春婦とは切れたようだったけれど。
ああ、やり場の無い嫉妬の気持ちがある事も否定しない。
それでも、私はバートとロティを愛している。
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[「とても疲れたわ」と言う言葉で日記は途切れている。エリザは帰宅してどうするつもりだったのか、それはすでに知る事が出来ない。
シャーロットの机の上には、母屋から持ち出してきたらしき町内の地図も投げ出されていた。ナサニエルの家に*印がついている*。]
[少女を殺めた手は時間とともにどす黒く色を変えていく。
わずかに陽が昇り、光が増した後にその手を見ても、別に罪悪感はなかった。
寧ろこの消えきらない衝動を他に向けたいほど。
遠くで聞こえる父親の絶叫に、かすかに唇の端があがった]
…人を殺した……俺が…。
…教えてくれ…ギルバート…
俺は…もう…おかしいのだろうか…。
[伝えようとしてではなく、独り言のように呟いた言葉]
いや
[自嘲的に笑う]
俺は…もっと前から…壊れていたのかな…
俺が……イクまで、ねぇ……
[窪みを指で押され、短い声と溜め息を漏らすギルバートの様子を知り、ナサニエルはじぃっとそれを観察する。]
ふぅん……ここがお前の弱点てヤツか?そいつが本当かどうか知る為にも、調査は念入りにやらねぇとな。
[上体を起こし、ベッドサイドの棚に手を伸ばす。中から透明な液体の入ったボトルを取り出し、指に掬って練った。]
待たせた非礼は詫びておくよ、ギルバート?
[それだけ言うと、ナサニエルは指を窪みの奥へと差し込んだ。最初は1本だけを慎重に。怪しげな透明の液体を注入し、音を立ててギルバートの狭い「内側」に指を出し入れする。]
意外といい具合だな……お前。
[捩じ込む指の数を1本、さらに1本と追加し――さらに奥へと入り込む。]
弱点……?
違うだろ、アンタが挿れたくなっただけだろ。
我慢できないなら、素直にそう言いなよ……
[液体で濡らされた窪みの内部を指で掻き乱されながら、淫猥な笑みを見せる。
ナサニエルの指の動きを止めるようとはせず、逆に受け入れるように脚を広げ、貪欲に腰をのたうたせる。]
「挿れたくなった」?
……違うね。
それはお前がそう思い込んでいるに過ぎないんだがなァ……。
[誘うように脚を広げるギルバートの仕草に、フッと小さな笑みを浮かべる。]
じゃ、「あんたのお望み通り」挿れてやろうか?本来ならば「選択肢」を与えるべきなんだが、まあいい。
そう簡単にイッちまったら承知しねぇぞ………
[言葉とは裏腹に、頭の中は漠然とした白いヴィジョンが支配するのみ。それを悟られぬよう不敵に笑むと、ギルバートを四つん這いにさせ、その上に被さり――*彼の中に侵入した*]
アンタこそ、挿れてすぐ昇天、てのは無しにしてくれよ……天使サマ。
[蕩けた笑顔で笑いかける。淫猥に舌が閃き、唇を舐めた。]
男に四つん這いの姿勢を取らされるのも抵抗はせず、自分から尻を高く掲げる。]
実のところ、気持ちイイなら、何でもいいのさ…
男だろうと女だろうと……挿れるんでも挿れられんのでもさァ。
──アンタのそれ、くれよ。
[背後の男に肩越しに振り返り、濃い蜂蜜の粘度と輝きを持つ蠱惑の視線を投げた。]
――酒場アンゼリカ 地下――
[わたしはローズの言葉に仕草に煽られ、全てを投げ出して彼女の許に跪きたいと思った。それが罪であると罰せられた過去と恐怖をかなぐり捨てても]
嗚呼ローズ…お願い…あなたに触れてもいい?
[罪を背負う指は許しを得ずローズの体躯へと伸びる。左目はその行方を確かに追っていたが、しかし何故か右目は関係の無い空虚を見つめている。
右目が見る景色。それはわたしの過去を映し出していた。教会で祈りを捧げている純潔だった頃のわたしではなく、罰に溺れ拒む素振りを見せながらも肉欲に溺れていった忌まわしいわたしでもなく。娼婦と客としてであったバートとの蜜月を――]
[透明な液体を塗られ、指で拡げられた窄まりに、ナサニエルのものが触れた時、甘美な戦慄が走った。
入口の筋肉の輪を、指とは異なる圧倒的な質量のものが潜り抜ける瞬間の異物感をやり過ごすと、その後は強い快感に変わる。]
[擦れた嗤いとも呼吸音ともつかぬ声を立て、内部にあるものを強く締め上げた。]
─共同墓地─
[ユージーン・アンダーソンはまだ二十代だったが、この町で唯一死者に関する全てを取り仕切る「墓守」として、町民から畏怖の念を浴びていた。
彼の一族は先祖代々「死」を生業としていた。墓地の管理のみならず、死者の安置から棺の用意、葬儀、埋葬まで。
今は町政に組み込まれ、一応は町の職員となって居たものの、実情は以前と全く変わらない。
卒中で死んだ父の後を継いで、墓地と安置所の管理人となったのはまだ20を僅かに過ぎた頃だったが、誰も彼の若さを危ぶんだりはしなかった。それどころか、彼ほど墓守に相応しい男は居ない、と町中が認めていた。
前代の墓守である父ダニエルは大酒飲みで有名で、ユージーンを生んでから病がちになった妻が、長患いの末に死んでからはますますそれが酷くなっていたから、墓地の管理も些か雑なところがあった。
長じてユージーンが父を手伝うようになってからそれが一変した。
芝を刈り雑草をむしり、墓碑を磨き立て枯れた献花を取り除き、誰も訪れるもののない墓には手ずから野草の花束を供えた。
職務に対する熱心さは歴代の墓守たちの中でも随一ではないかと思わせた。}
[彼は、「墓地」という聖域に存在する、「安置所」という名の神殿の祭司だった。
彼の仕える神は死者であり、死そのものだった。──彼自身はそのように自分を見なしたことは一度もなかったけれども。
ヘイヴン生まれの彼には「神」と言う概念は遠いものだからだ。]
[あの災害からこっち、彼の生活は一変した。
連日運び込まれる遺体に、改築時にかなり拡張した筈の安置所が満杯となった。遺体の処置から安置、葬儀の準備に埋葬まで、時に遺族達や町民有志に手伝って貰いながらも、全て一人でこなした。
日頃は寡黙で陰鬱な印象のユージーンだが、この時ばかりは皆が驚くほどハッキリとした口調で指示を与え、死者の扱い方などを教えた。
そんな混乱の最中でも、彼の仕事は丁寧で、生者の事情よりも古くからの慣習にのっとった方法を優先し、一歩も譲らなかった。
何故ならば、彼にとってこれらの儀式は全て、生き残った遺族の為ではなく死者の為に行われるものだったからである。
つまり、生者は彼の眼中にはなかった。彼は死者だけを愛していた。]
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