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――三階/十三部屋前――
厭……
厭…………
厭………………
『それでも』
『嗚呼――それでも』
開けなくては、いけないのだわ……。
[さつきは半ば讒言めいた呟きと共に、ドアノブに手を掛け――開いた]
[見れば翠は、早くも床の掃除までも始めていた。
ぼんやりと見守るだけだった自分もせめてタオルくらいはと小走りで取りに行き、それを望月に渡そうとしながら]
いいえどうぞ掃除など、お客様はお構いなく。
身を清く……ですか?
[見開いた目で、望月の姿を上から下まで眺め]
それで水をかけてくれと仰ったので……?
望月様は特に汚れてはいらっしゃいませんし、失礼ながら温かい湯も浴室の方で、当家は準備できますが…
[彼が言っている意味とは外れているやもしれぬと気付けたのは、タオルを手渡した後のこと]
[其のまま──どれ程の時間が経過したのか。
人間噴水の様に成っても尚、目を見開いたままだった天賀谷の顎が崩れる様に落ち、噴き出す血液が止まった。]
ねぇ、望月さま。
今のは一体何だったのですか?
[一通り拭き終え、「早く召し物も代えないと」と言いつつも、夜桜は控え目な態度で問いかけた。]
[江原の揶揄に一瞬眉を吊り上げそうになるものの、すぐに気を取り直して]
なるほど、それは実に興味深い話ですね。
ということは、貴方はアマゾンの蛮人の一家のお生まれなのでしょうか?
これはこれは興味深い。そういった方に私めのような者の音楽が伝わりうるか否か、これは生涯の課題になりそうですなあ。
[そう芝居がかった口調で話すと、望月を苦笑いで見つめた]
さて、サムライということは戦士たる貴方は私の少し上でしたか。どうですか、お加減は?
……どうやら、止みましたね。
あの耳障りなスタッカートは。
うん、そうだね。
[夜桜に微笑んで、床を綺麗に拭いた。
戸惑っている様子の望月にも微笑みかけた。]
どうかお気になさいませんよう。
鍔鳴りは態とではないのでしょう?
そうですね。服は乾かさないといけませんね。
暖炉に翳しましょうか。
[提案してみた。]
[先程、面会を要望した来海に“ええ”とか“ああ”といった気もそぞろな返答をしたのは天賀谷と仁科の遣り取りに樹を取られていた所以だった。
その天賀谷は今――]
うわぁ! あああぁあああぁああ!!
[それは数多くの死体を見慣れた筈の私にすら戦慄を覚える光景だった。堪えきれず喉が震え、呼吸が絞り出される。
その絶叫が私自身のものと自覚する余裕がないほどに動顛しながら、天賀谷の側に駈け寄った。]
――三階/十三私室・扉口――
[いったい他に、どの様な言葉が云い得ただろう。さつきは眼前の光景に手紙を取り落とし、両手を口に当てて立ち竦んだ]
――叔父様ッ!!
[抑えようも無い悲鳴が、室内に大きく響いた]
―書斎へ続く階段―
[狼狽てた人々の声と、異様な息遣いに続いて、何かが扉を叩くのが感じられた。
扉の下の隙間から、液体が滲み出してくる。
暗闇の中で色は不明瞭だが、その匂いは間違いようもなかった。]
『……遅かった、か。』
[隣室の喧騒に気配を紛らわせて、そっと書斎へと階段を降りた。]
[夜桜の顔をまともに見られぬまま、首をかしげる]
なんだったんだろう。俺もこんなことは初めてで戸惑っているんだ。
ただ……親父はよく言っていた。
妖かしに魅入られたくなければ、穢れを祓わねばならぬと。
…汗に汚れたままでいつまでもここにいたせいだと思っていたんだが、はて。
[...はすでにそれも夜桜がしてくれていたとハッと気付き少し恥じ入り、しかし今は絨毯が染みにならぬよう、遅れて手渡そうとしてしまっていたタオルを軽く叩きながら水分を吸わせることに使っている]
おお…
…やはり良いタオルを使うと、水もすぐ乾く。
[...は上等なタオルの吸水力に嬉しそうにする。
絨毯に染みはできないに違いない。
――食堂の床に広がったのは水に過ぎないから。
そして階上から騒ぎが聞こえた気がして、万次郎は首を傾げた。
拭っても拭っても落ちぬであろう赤に染まった部屋からそれが響いていると、まだ知らぬ顔で]
[望月は何も知らない。水をかけられたのと、天賀谷の事切れた瞬間が時を同じくしていたことなど]
俺にはわからなくても、この刀には分かるものがあるのかもしれない。
こういった品は、しばしば人間よりはるかに鋭敏に出来ているものだからな。
[幸い、刀の刀身には水は入り込んでいないようだ]
[天鵞絨の眼が鋭く釣りあがった。
ただならぬ空気が。
死の香りが漂う。]
すいません、様子を見てきます。
[そう謂うと、
翠は食堂から足早に上の階へと向かった。]
妖──。
古来より水は穢れを祓うものですものね。
[濡れた目が望月の眸を一瞬捉える]
───…この声は
[直ぐに階上より聞こえてきた声に反応する。断末魔ではない、理性的ではない本能的にあげられた人間の叫び声だった。]
天賀谷さん!
天賀谷さん!!
[グラグラと歪む現実。到底受け入れられない怪事はしかし、眼前で起きたのだ。
天賀谷の有様を見るに、到底“生きて”いるとは思えない。
彼が“絶命”していることは医学的な検査をするまでもなく明白なことと思われた。]
ダメだ……
“死んでる”……。
『――此れは、血の臭いだ……!』
[全身が総毛立つような悪寒が走った。
既に駆け足だった。
飾られた刀をすれ違い様に手に取り、構える。
臭いを追う。
それは、
此の館の主人の部屋の方へ―――]
「天賀谷さん!
天賀谷さん!!」
[狼狽、畏れ、焦り、恐怖、
様々な者が滲む声がする。
寝室前、一歩踏み込めば
そこは
地獄絵図]
――――な……
[翠は呆然と眼を見開き、
紅で塗りつぶされた部屋に立ち尽くした。]
……だ、んな、さま……?
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