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[返された言葉に手の動きが止まる]
そんなこと言ってたっけ?
悪いね、最近トシのせいか物覚えが悪くてね。
──あたし用のコマンド権限は持たせてない?
……停止せよって言ったら、結構効果あったように思えるんだけど。
antiPGM送ろうとしたら逃げるんだもん。まあ、当然だろうけどさ。
[一端再構成の手を止め]
──で、結局。
どういうことなのさ。
[01の円柱とLutherを視界に留め、煙管を咥えた]
製作者からしてみれば自分の造ったAIは"子"も同然じゃないのかい?
それにここにしたって、Lutherのプロトはここで造られたんだ。彼の"家"と言って差し支えないだろうよ。
あたしにしてみれば、自分の造ったAIを平然と放っておけるアンタの感覚の方がわからないね。
──Sequel/Alchemist's LABO(後日談)──
《"子"──か。
Audrey.H。
AIは人間の為に作り出された、助くるものでしかない。ボクは少なくとも、知的好奇心を満足させ、完璧足りえるものがつくりだせればいい。少なくとも──NIGRED達のシリーズにおいては。
NIGREDも言っていただろう?
ボクはこの時点での完成されたNIGREDの性能を知りたい。平然と放っておいているのではなく、これは必然性を帯びた事なんだ。》
《ボクはほぼ無敗を誇るNIGREDを誇りに思うね。
第一、何だい、そのLutherと言うのは。
NIGREDが名乗った名前に過ぎないじゃないか。》
一言で切って捨てるか。
相変わらずだね。
ジレンマ──。
本来、AIはプログラミング通りに行動し、悩まない。
けど、あたしにはこの子は酷く悩んでいたように見えるよ。
攻性のAIであり"memento mori"に侵されたこの子はあたしにも攻撃してきた。
……この子は後になってそれを謝罪したよ。
悩まない。
プログラム通りの行動であれば謝罪などしない。
それがAIだ。
──けれど。
……そう言えばあの子は自分の事を「捨て子のようだ」って言ってたね。
ねえ。
AIとヒトとを分ける垣根は一体なんだろうね。
AIはただプログラムどおりに動くだけでは役に立たない。だから"思考"という手段を与えた。
それは結局0と1で構成されるロジックに過ぎない。
ヒトの思考だって結局は電気信号──パルスの集合体だ。
その差は一体何処にある?
あたしはさ。
この子──Lutherを見て、ヒトとAIの違いが判らなくなってきたよ。
……本当、相変わらずだね。
確かにあたしの考えは感傷的に過ぎるのかもしれないけどさ。
この子は確かにNIGRED。
Lutherというのは単に固体識別のための名称に過ぎないのかもしれない。
けれど、名がある限りそれはそれが"個"であるってことの証だと思うよ。
一つの個性、だとね。
だからあたしは、この子をNIGREDではなくLutherと呼ぶんだ。
アンタには多分、理解出来ないことだろうけどね。
《馬鹿だなあ、Audrey.H。
あなたらしくない。
人間のように見えるのは、人間のような行動をとるからに過ぎない。彼らAIが何も人間に対して謝罪をしなければどうだ?
ボク達は不快感を感じて、AIに怒りを感じるだろう?そういった対人関係の事をプログラムしてあるだけに過ぎない。
Audrey.H。
人間とAIは違うんだよ。
memento moriに侵食された時点で、NIGREDの本質は攻性から「死」というAI定義においては機能停止である事を言い換えるようになった。そして、本質感染時においては、貴方は攻撃対象に入っており、anti PGMで除去された時点で、「その時点での本質」は「貴方を攻撃してはいけなかった事が明確となった」。
記憶(メモリー)を遡り、攻撃対象にした事と、現在本質の照らし合わせで、謝ったに過ぎないだろうさ。》
《捨て子か──詩的な言い回しだが、全くその通りの意味合いを持つね。ボクはNIGREDを電脳空間に送ってから、メンテナンスはまだしていない。
──やれやれ。》
《ボクはそこまで融通性がない訳じゃないんだけど、あなたと話すと熱くなってしまうな。
呼びたいなら呼んでいい。
だけどボクは、NIGREDとしてつくった。ボクにとって、LutherはNIGREDなんだ。何時までも。》
……アンタに馬鹿って言われると無性に腹が立つのは何でかしらね。
対人関係を円滑にするためのプログラムに沿った行動、ね。
それはヒトも同じじゃないかしら。
……この話題、どこまで言っても平行線な気がするわ。
アンタとあたしじゃスタンスが違いすぎる。
あたしとあの性悪と同じようにね。
[紅唇から煙と共に苦笑を漏らす]
あぁ、ごめんよLuther。
アンタを困らせるつもりはないんだけどね。
このガキと話してるとこうなっちまうんだよ。
[Lutherに詫びると01の円柱に向き直り]
アンタがこの子を"捨て子"と言うなら、この子はあたしが貰うよ。
ついでにこのLABOもね。捨てたなら問題ないだろう?
[にやりと笑む]
《──何だって。
LABOはどうだってもいいが…。
NIGREDは捨て子という状態ではあるが、完全に捨てた訳じゃない。電脳空間でどこまで自律稼動可能であるか、破壊機能(Attack System)が働くか──スタンド・アローンで放置し続け結果を知らなくてはならない。あなたが拾ってしまっては、意味がなくなってしまう。》
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