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−本堂−
ぐっ・・・・・・
[体がきしむ。だが目の前で聖杯の魔力が強くなっていく。
もうすぐ決着が付く。どちらが敗北しても構わない。たとえセイバーが敗北したとしても魔力の充填は完了する。
あとは、その瞬間に願いを叶えるだけ]
まだだ、あと少しだけ持ってくれ。
―本堂―
[令呪の反応があった方向へ駆ける。
その先には見覚えのある男の姿。
忘れもしない、愛しい人を奪った憎き仇。
強大な敵を前に、いつでも魔術を発動できるように構えながら駆け寄った。]
宗冬様のかた……き……?
[あの日教会で見かけた時は、恐ろしいほどの威圧感を感じた。
しかし、今は威圧感どころか生命力すら危い。]
・・・・・・ 来たか、キャスターのマスター。
[静かに剣を生成する。だがもはやあの強大な剣を生成する魔力も、振る力も残されていない。右手に姿を現した通常のサイズの剣が鉛のように重い]
こんな体でも、君一人くらいなら何とでもなる。
[重苦しそうに足を運ぶ]
[とても苦しそうに見えるが、男は武器を実体化させ、戦意を向けて近寄ってきた。
相手の弱りように一度は戦意を挫かれかけたが、宗冬やマリアのことを思い出し、湧き上がる感情を抑えることもせず、男に食って掛かる。]
あなたが、沖田某ね。
聖杯戦争の管理者であるはずなのに、宗冬様を亡き者にした憎き男ッ!
何故アタシたちの幸せを奪ったのっ!?
[憎しみを込めた目で沖田を睨み付けた。
感情の暴走により、周囲の温度が下がっていく。]
幸せ・・・・・・
そうか、君はあの侍のサーヴァントを想っていたのか。
君には悪い事をした。
だが、彼はサーヴァントだ。現世に現れたのは英霊の座に君臨する彼の複製でしかない、いわば泡沫の夢。それにこの戦争が終われば遅かれ早かれ彼は消える筈だった。
いや、それでも君達が一緒にいる時間を一分一秒でも奪ったのは僕だ。恨まれても仕方が無い。
だがすまない。俺は君に聖杯を渡すわけにはいかない。
もし君達がここで刹那的な願いを聖杯に託したとしても、この世界は近い未来に滅ぶ。人間も、そしてこの地球も。人間共の手によって、な。
だから、今俺は聖杯に願う。人間の根絶を。それこそが真の平和だ。
[しかし、同時に脳裏をよぎる苦悩。果たして彼女を斬れるのだろうか。
生前、彼は外敵とだけ戦い続けた。それは自分と同じ姿の人類種を救うため。現世に生まれた後も人の世界に溶け込んでいた。
この戦争においても、彼はマスターと対峙してもその剣を振り下ろす事が出来なかった。いや、必要なかったから振り下ろさなかった。
今回は、違う]
[種族としての外敵があった。だからこそ同種族に対しての思い入れも少なくは無い。
目を瞑って、聖杯に願う。目を開ければ全てが終わっている。きっと彼は、そういう事を願っていたのかもしれない。
そして彼にとってはそれは矛盾ではなかった。
だが、もし聖杯を手に入れる為に必要であればマスターたる人間を斬る覚悟もあった。
ならば、今は斬るべき]
謝られても、困るんだけど……。
[まじめな話は苦手だった。
精神の暴走は収まり、気温の低下が止まる。
気持ちが落ち着くにつれて、沖田の願いがとても悲しく聞こえた。
ぽつりぽつり、と話を始める。]
アタシはね、タロ……アタシの大切な犬を助けるためにこの聖杯戦争に参加したの。
タロはお爺ちゃんがババンと助けてくれたんだけどね。
でも、聖杯戦争に参加したおかげで宗冬様と出会って、夢のような時間を過ごすことができたわ。
相手がいつか消える存在だから最初から恋をしないで我慢するなんて、自ら未来の選択肢を狭めてるだけじゃない?
アタシはそんなの嫌よ。
[思いつくままに話を続ける。]
それに、聖杯戦争で出会えたのは宗冬様だけじゃないわ。
マリアちゃんやソフィーさんと一緒にお爺ちゃんの悪口を言い合いたかったし、露葉さんのお店でいただくハーブティはとても美味しくて、気持ちが休まるのよ。
それと、あの時はまさかサーヴァントだとは思わなかったけど、鼻クリームの男の子やインド人にも、いつか梅納豆クレープを食べさせてあげたいな。
そんなささやかな願いを力ずくで奪ったあなたは絶対に許せないと、さっきまでは思ってた。
でも、あなたの願い……いえ、ボロボロの姿になってもそんな悲しい願いにしか支えてもらえないあなたを見て、ちょっと出鼻を挫かれちゃったわ。
……アタシも滅ぼされるわけにはいかないから、あなたに聖杯は渡せないんだけどね。
[どうしたものか、と困っている。]
俺が生きていた世界は、みんなそうだった。
君達から観れば遠い未来だ。
君達が死に絶えた後に残されたものは、死んだ大地と生き残った種族同士の戦争だけ。
今俺はここにいる。聖杯を手に入れ、原因を取り除く事で俺達のいた世界が変わるかも知れない。
君が出会った人たちを想うように、俺にだって護りたいものがあるんだ。
・・・・・・ 悪いな、俺はやっぱり君を斬らなければならない。
君は自分の未来の為に、俺を倒せ。
[沖田の言葉を聞いて、さらに悲しくなる。]
あなたには、アタシたちが夢見るのとは違う未来しか見えないのね。
誰もいない世界を護るために戦うなんて、悲しい人……。
……わかったわ。
宗冬様の仇!マリアちゃんの仇!
覚悟しなさい!!
[一歩距離を取り、再び精神を集中して大気の支配を試みる。]
行くぞ、人間。
[平正眼の構えをとりながら、一歩一歩ゆっくりと迫っていく]
光速三段!
[既にその剣には力は無い。だが彼の信じる未来の為最後の輝きを放つ]
[沖田の掛け声に合わせて飛びのこうとするが、近接戦闘の訓練など受けたことの無い身ではかわせるはずもない。
しかし、沖田の動きには本来のキレがなかったようだ。
必殺のはずの突きは急所を逸れ、美貴の皮膚を浅く切り裂いた。]
くっ、……レディの肌に傷をつけるなんて、紳士失格だわよ……?
[強がりを言いながら再び距離を取る。]
氷結・獅子舞ッ!
[大気の温度が急激に下がり、沖田と美貴の間に氷のライオンが次々現れた。
愛らしい百獣の王が沖田を取り囲む。]
外し、たか。
[多分これが答えだったのだろう。神々を斬った剣神アド・エデムは、人間に敗北するのだ]
さらばだ。
[美貴の攻撃の全てを受け入れた]
[次々と沖田に突進しては砕けていく氷のライオン。
それを避けようともせずに受け止めるボロボロの沖田。
完全に意表を突かれ、全てのライオンが砕け散るまでその姿を呆然と見守ることしかできなかった。]
……ちょ、ちょっと!少しは避けなさいよ!!
[はっと我に返り、的外れな文句をぶつける。]
[その攻撃の全てを絶える事が出来ず、とうとう地面に突っ伏す]
ぐ・・・・・・
[沖田敬一郎という人間としても。そして英霊アド・エデムとしても。その終わりが近い事を知った]
[マスターの気配がする方へと急ぎ走る。
まだ魔力の流れがある…ということは最悪の事態にはなっていないという事だ。
それが安心感と共に一刻も早くという焦りも齎す。]
【無事でいろよ…?】
[そして、キャスターがたどり着いたとき…倒れていたのは沖田だった。]
[予想外の反応を経て倒れ込む沖田の挙動を見守る。
――と、令呪を通じて、キャスターが近付く気配を感じた。
振り返ると、確かに己がサーヴァントの姿が視界に飛び込む。]
お爺ちゃん!あいつをやっつけたんだねっ!!
さっすがお爺ちゃん!!
[見慣れた顔を前に、張り詰めていた緊張感が緩んだ。]
…弱ってるとは思ってたが、お前にやられるほどとは思ってなかったな。
[セイバーとの同化を解いた事で人並みになっていると予想をしていたが、それでも封印指定クラスの力は残していると思っていた。
それがまさかここまで弱っているとは完全に予想外だ。
……アーチャーが最後に何かしたのだろうかとも思うが、今となっては答えなどわからない。
今重要なのは…もはや戦う相手はいないということだ。]
ああ、もう俺以外にサーヴァントはいない。
あとは……聖杯を手にするだけだ。
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