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[やがて屋根裏部屋の扉を見つければ何の躊躇いも無く開いて、其処に漸く捜し求めた青の少女の姿を見止め――浮かぶ微笑みは儚く]
「シャーロット、居た」
[シルバーナイフを持たぬ傷だらけの左手をそうっと伸ばして、ゆっくりと青の少女へと右足を引き摺って歩み寄る]
[カチャリとパンの後に空にした、紅茶の入ったカップを置いて。
やはりナプキンではなく、タートルネックの袖で口を拭うナサニエルの目に]
ナイジェル、今…?
[テーブルに置かれたシルバーナイフを掴んだ華奢な手は見間違いだったろうか?
しかしゆらりと立ち上がって駆け出すその姿は、間違いなく今起こっていることだ。
一人は、厭。
鈴の音のような声色が小さく紡いで――]
…セシリアか!?
……あぁ。ナイジェル――。
[仄昏い中でも、菫色の少女のシルエットは見て取れた。
弱く、微笑んで。
彼女の口元を読み取れるように、歩み寄る。
自分がどれ程、此処で意識を失っていたのか解らない。
其の間に、他の人々の間で何が起こっていたのか
ナイジェルがどんな行動を取っていたかも
――知らない。]
[広間での異変。少女が、動いた]
ナイジェルさんが…。
──ああ、そうだ。
彼女を、殺すのだったかしら?
[無機質に呟いて]
[広間を去った少女へと声をかけていたネリー達に険しい顔を向け]
ナイジェルを、追ってくる…!
[こんな時に震える膝は現実ではなく、雲の上を駆けているかのようだ。――あんなに早く走れるとは!]
何をする気だ、シャーロットをあんなに待ってたじゃないか…
ナイジェル…ナイジェル…
…どうか、神さま!
[三足抜かしだって平気でやってのけた足が、今はつまずき転んでしまう。忌々しい膝と階段を拳で殴りつけて、それでも追う。
追って――]
「部屋に、居なくて、ずっと、探してた
寂しくて、不安で、如何、すれば、良いか、判らなくて」
[手を伸ばせば触れられる距離へと近寄って、そうっと青の少女へと手を差し出し、刹那浮かぶ笑みは――甘く、甘く、底無しに甘く、冷たい]
そして、ナイジェルは、壊れかけてしまった。
――ナイジェルを、壊さないで?
[ひらり]
[はらり]
[まるで恭しくダンスの誘いをする様に、優雅にシルバーナイフを持った左手を振るい、青の少女を切りつけて]
[伸ばされた手。彼女の言葉。微苦笑を浮かべ、]
ごめん。ごめんね。
怖かったんだ。
ナイジェルのこと――
[これ以上好きになるのが。
そう、続けようとした、言葉。途切れる。
目の前に居るのはナイジェルじゃない。]
セシリ、――!
ッ、……!
[ひゅん、と鋭く舞ったナイフは、自らの薄青のワンピースを。その下の肌を深く傷つける]
壊……?なんで……?どうして……?
――わたしを、……ころすの。
[一人、また一人と減る広間]
ナイジェルさんが駆け出し、ナサニエルさんが後を追った。
ここに残るのは、私と、ネリーさんと、未だ眠るローズマリーさん。
どちらかでも、良いのかしら?
[その瞳は獲物を探す獣のような眼で]
[飛び込んだ先――
そこには舞うように鈍く光るシルバーナイフを振るう、少女の姿。
悪夢とはほど遠い、ダンスの誘いをするようにシャーロットへ向けられた優雅な手の動きに一時、目を奪われて]
[ネリーは思わず胸の部分をワンピースごと握りしめていた。汗が噴き出して止まらない。]
駄目、やめて。もうやらないから。
だから…やめ…て
[ネリーは譫言のように呟く。]
[青の少女の言葉に笑みは深まり]
其れじゃ、駄目よ、シャーロット。
教えてあげたのに、ナイジェルにそんな心、残ってないって。
でも、足りなかったかしら?
ナイジェルは寂しいのにも慣れてないって教えてあげれば良かったわね。
まだ生まれたばかりの赤ん坊なんだって。
[くすくす鈴を転がす様な愛らしい声が部屋に響き]
シャーロット、貴女は、ナイジェルを、壊す。
私は他の何も無いけれど、ナイジェルだけは護りたいの。
だから、お願い――
[ふわと微笑む様は何時もの少女の様で]
ナイジェルの為に、死んで?
[ひらり振り上げたシルバーナイフは青の少女の胸元へと――]
ネリー、さん?
[広間に残り、廊下を見つめていたネリーが何事か呟くのに視線を向け]
大丈夫ですか?
[傍に寄り、汗だくであることに気付けばハンカチを取り出して拭いてあげようと]
じゃあ好きにさせていただきますよ。
[くすりと微笑むと軽く銃を抑えて。]
……誰を殺すんでもいいですよ。
誰でもいい。
[ふつふつと沸き起こる衝動はかつて人々を虐殺したときのそれにも似て]
……さぁ、どうします?
[1階を探しても見当たらず。
広間へと戻ろうとして俄かに騒がしいのに慌てて顔を出すと]
……どうか、したんですか?
ナサニエルさんとナイジェルさんは……?
[居た人が、居ない。
シャーロットを探しにいったのか。]
手を下しやすいのは今傍に居るネリーさんとローズマリーさん。
でも、私が疑われやすいかしら。
ええ、誰でも良いわ──誰でも。
貴方がそっちに居るなら、誰でも、狙える。
私も、2人に気付かれないように移動することも、出来る。
[ホルダーから一つの小瓶を取り出して]
知らないなら。教えてあげ……た、かった。
[は、と苦しげに息を零し、菫の少女を見つめ]
そっ、か。
わたし、そんなに、ナイジェルのこと
苦しめちゃった、んだ――
……ごめん、ね、ナイジェル。
[弱く微笑む。
――“ナイジェルの為に、死んで?”
彼女の言葉、振り翳されたナイフ。
それでも、微笑んだ。]
セシリア――有り難う。
わたしが、ナイジェルを憎んでしまう前に
断ち切ってくれるんだね。――嗚呼、良かった。
[どすん。
鈍い音。
そのナイフは自らに致命傷を、与えているのだろう。
薄れゆく意識の中、す、と手を伸ばす。]
……わたしは。
ナイジェル、セシリア――
あなたのことが、……大好きだよ。
[頬に触れようとした手は、届くことは 無く。
少女はその場に、崩れ落ちた。]
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