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……さつき様。
[喪に服しているのだろうか。
その様に見える、楚々としたドレス。]
……もう起きても、
大丈夫なのですか?
[あの惨状を見たときの、
痛ましい様子を思い出して、翠は遠慮がちに尋ねた。]
[天賀谷との関係―その言葉に、無表情に]
貴様らは、屍鬼や温かい接点で繋がれておろうが、
私は彼とは、恨みという絆で結ばれているとしか思ってはおらぬ。
今の今も、彼は私への嫌悪を抱いたまま死したとしか。
[どこか慟哭のような。]
[さつきに問われて、翠は視線を
階段へと向けた。]
……恐らくは、旦那様の――御部屋に。
藤峰は分かりませんが、
施波は御客様の部屋を……
見ているのではないかと。
[此の異常事態で、
同僚達がどうしているのか。
名前のない者たちはどうしているのか、
分からないながらもたどたどしく答えた。]
――二階/書斎――
[はっきりと答える声は揺ぎ無く、こくりと頷いた]
大丈夫です。
私には……行わなければならない義務がありますもの。
天賀谷の血縁に連なるものとして。
そうでしょう?
[さつきの微笑みはゆっくりと様子を変えていた。
晩餐会のデビュタント・ドレスを白百合に喩えるとすれば――
黒を纏った今の姿は黒水仙と云うのが相応しかろうか]
――二階/書斎――
十三叔父様の部屋へは、確か其処の階段を上がって行けましたね。では、其方へ行きましょう。なるべく多くの方に知らせないと。
[室内に目を戻し、書棚の向こうに傾斜を描く階段を覗き見た]
……この、血も。階上から流れてきたのですか?
……階段を使えるなら、早いのですが。
嘘だ!何だ、なんだこれは!
こんな、こんな死があってなるものか!!!!
待て、まさか、我々もこんな風に?
こんな、こんな……!!
[そう口走りながら、走り去る。
最早何を言っていたか、何を言いたいのかすら自分では解らなかった。
この屋敷に居る者全てが居たわけではなさそうであったし、倒れている女も居た様な気がしたが、どうでも良かった。
ただ、逃げ出したかった。]
こんな、こんな、まさか、私は、あんな風に死ぬのか!?
この、この天才の私がこんな片田舎で襤褸のように!??
[誰か彼を死に誘うと言ったろう。これは一人合点に過ぎぬ。そうであって欲しいと、後々願うことになるのだろうが。
ただただ恐ろしいが故に、彼はすぐに部屋の寝台に引きこもり、かたかた、かたかたと震えていたのだった]
望月君、確かにね。
[そう云ったのは天賀谷の首ことだった。彼にそれ以上の言葉を紡ぐいとまもなく、私は階下の異変を知るべく駆けだしていた。江原青年のどこか哀しい響きのある言葉に心囚われながらも。]
さつき君!
一体どうした!!
……そう、ですね。
[はっきりと答える声は澄んでいる。
まるで、別の花のように咲いている―――翠にはそう見えた。]
いえ、此れが私の務めですから。
[屋敷の主人はもういないのに、
それでも翠はこの姿勢を崩すことに抵抗を感じていた。]
―三階/廊下―
[江原から視線を外し。]
取敢えずは、守りを固めるべきだろうな。
影見だの霊視だのが居るにしても、我々の知らぬ内に屍鬼に殺されては……意味がない。
先ずは全員の無事を確かめねば。
[階下の悲鳴に、何人かが階段を駆け下りて行く。]
『…あたしは小さい頃。
この目の色と[金目を指差す]ちょいとばかり見てくれが良い子どもだった所為か、軍人様の慰み者だったンで。
…小さい子ども<だけ>が好きな。
あれは何処か狂うた男だったのか…──。』
[困った様な表情を浮かべ江原に、]
嫌悪感。
…江原様は、穢れてらっしゃるだろうか?
[ごくごく小さな囁く様な声で、そうでは無いのでは無いかと言いたげに。
言い掛けた声は、さつきの悲鳴を気遣う枚坂の声に隠れる。]
――二階/書斎――
此の血は……
旦那様の部屋から。
[謂うべきか、
悩んだ後で矢張り思い直して続けた。]
旦那様のお体から流れ出たものです。
階段で行けますが、
血で汚れることは免れないでしょう。
――二階/書斎――
あれから、湯を浴んでいたのです、枚坂先生。
其の間に、また……此のような変事が起きてしまうなんて。
[そう云って血文字を視線で指し、続けて軽く会釈する]
居合わせられず、申し訳ない事でした。
叔父は……ちゃんと、永眠りますでしょうか?
『――屍鬼、殺害。如何すればあんな事が――』
──…生首。
そうだ、あたしが見たアレが屍鬼で──。
あれを捕まえれば……。
あたしはこの場所から解放されて。
[江原をじっと見ているうちに、仄かに身体が熱くなっている様な錯覚を覚える。]
アァ、余りにも奇妙で不快な悪夢に捕われすぎてしまった所為で、一瞬、自分まで死人に成ってしまったかの様に思えたけれど。
──…勘違いだった。
良かった。
―三階客室、回想から覚めて―
……何だ、一体、何が起こっている?
とりあえず、私はまだ生きている。
ならば、単に怪死として処理して、何処かへ行けるのでは?
……此処に居ては、ろくなことがない気がする……
[かたかたと震えの止まらぬ身体を、昨晩から何度自らの両の腕で抱いただろう]
……まずは、話を聞かねばなるまい。
あの娘なら、血縁として何か知っているのでは……
[とりあえず今は、独りで居るのがたまらなく怖かった。
すぐにでも素っ首を掻き切られる様な気がして]
―三階客間→三階廊下へ―
[血塗れの階段を踏みしめるたびに、グジュリと絨毯から革靴に血がしみ出てきた。手摺をしっかりと握り、どうにか滑って転倒することは免れる。
書斎には、さつきと気遣わしげな様子で寄り添う翠の姿があった。]
さつき君、大丈夫かい?
まさか、またなにか異変でも――!?
ああ、あんなことがあった後だからね。ゆっくり休んだ方がよかった。
叔父さんのことは気にしないでいい。
どうやら、天賀谷さんは火葬に付されることになりそうだ。
―2F・コレクションルーム兼書斎へと続く廊下―
[...は夜桜の言葉を思い出し、歩きながら呟く]
あのように泣けないだって?
涙を流す心を持たないと?
何故そんなことを…
[しかし夜桜の胸元に抱かれたとき、自分は確かに温かいと思った]
…そうは思えない。
そうは思えないが…そうだとしても、夜桜さん。
今この時、それは強さになりはしないか。
俺は羨ましく思うよ。
だってそれなら自分が助かるために迷い無く、屍鬼と疑わしきを殺せるだろう…。
もし襲われても首を撥ねるなり、心臓に刃を突き立てるなり…震えることなく攻撃を返せるだろう。
…探すべきだな。
俺もせめて、身を守るための何かを。
いいえ、何でもありません。
[影見や霊視が全員に知れ渡る事は、屍鬼もそれを知るという事。夜桜は何も言わずに、常の謎めいた微笑を浮かべるのみだった。]
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